ドSの友人が作った改造ポケモンの世界に入ってしまった~逆回りから始めさせられて阿鼻叫喚の連続です~   作:カイガ

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マサラタウン①

 

 さて、意気込んでみたはいいものの………

 

 う、動かせねぇ…!?俺がドットグラフィックの主人公に対していくら移動するよう念じても、そこから一歩も動こうとしない。

 

 くそ、何だよ!せっかくやってやろうって気になってたのに、自分で操作出来ないのかよ!じゃあいったい誰がこの主人公を操作するんだ?まさか、開始早々に詰んだとか……?

 

 最悪な予想がよぎって顔が青くなっていくような感覚に襲われていると、主人公が動いたことに気付いて、驚いてしまう。

 

 なんだ?これ俺が動かしてることになってるのか。あ、こいつテレビ画面に話しかけてら。「ファミコンをやっている」「そろそろ出かけよう!」か。ここも原作通りのようだ。

 

 そうしてるうちに主人公のバクラはそそくさとPCの方へ向かっていった。起動するとメールが一通届いているのを発見し、中を確認すると、

 

 『まずは定石通り、マサラの外れに出てオーキドに止められ、研究所へ連れてかれる

byキサラヅ』

 

 と、キサラヅが書いたもの思われる文章がつづられていた。

 

 いやもう何十年も繰り返し遊んだゲームだからこの後どころか最後まで内容は分かってるんだどさ。かといってネタバレはダメだろうがよ。

 まあとりあえず、メールの通りに動いてもらおうか。俺が念じたお陰かどうか不明だが、バクラはその後パソコンからきずぐすりを一つ引き出してパソコンを閉じて、部屋を出て、家からも出た。

 

 外はやはりというべきか、マサラタウンのマップが広がっていた。懐かし過ぎる……!2004年当時に初見で遊んだ時のことが思い出されそうだ。まあちっとも思い出せないのだけど。

 

 自分の家を出たバクラはそこから町の北の外れへ向かっていく。バクラが町の北のはずれ…草むらがある1番道路へさしかかろうとしたその時――

 

 って、あれ??なんかいつもと雰囲気が違うような―――

 

 一瞬何か違和感のようなものがあった気がしたが、下の方から「おーい、待てー!待つんじゃあ!」という声によって思考がかき消された。

  案の定、白衣姿のオーキド博士がバクラのもとまで走ってきて、その後も原作通りのセリフを述べた後、バクラを連れて自分の研究所へ移動していった。

 

 ………。

 気のせいだったのだろうか。

 さっきの1番道路へ続く北の外れ。

 あそこには草むらがどこにも無かったような………。

 

 

 画面は変わって、オーキド研究所内。オーキドはバクラを連れたまま奥へ進んで行く。そして三つのモンスターボールが置かれた大机の隣にバクラを立たせて、自分はその奥に立った。

 バクラの隣から「じいさん!待ちくたびれたぞー!」とうんざりした様子で話しかける少年が。

 

オーキド『すごいひと か?………おおそうか、わしが呼んだのじゃった!ちょっと待っておれ!』

 

 う~~~ん!やっぱり慣れないなぁ!すごいひとって名前違和感あり過ぎるわ。いや確かにこいつは後々凄い人になるんだけどさぁ……。

 

 そこからも原作通りのやり取りが続いた後、バクラは隣にある机の上の三つのモンスターボールの中からどれか一つを選ぶことになった。

 それぞれの中にいる三匹のポケモンをどれか一つ選んで、旅のパートナーにするんだ。ここも伝統と言えるお約束だな。

 さて、バクラを動かしてる奴はどれを選ぶのだろうか?序盤のジムリーダーを圧倒出来るフシギダネか、それともゼニガメ―――

 

キサラヅ「三匹つっても、ヒトカゲしか選べねぇけどな!」

 

 ………。……………。

 は???

 

 今バクラは本来ならフシギダネが入っているモンスターボールに触れたのだが、何故か画面にはヒトカゲの姿が表示された。

 同時にオーキド博士ではなく何故かキサラヅがどこからか喋ってきた。

 てかアイツ今なんつった?ヒトカゲしか選べない?そんなバカな!?

 

 俺と同じ気持ちなのかバクラがフシギダネが入ってるはずのモンスターボールに、もう一度Aボタンを押すが、さっきと同じヒトカゲが表示されるだけだった。

 

 ま、マジなのか……!?

 

 そしてバクラは真ん中にあるモンスターボールを調べ始める。本来ならそこはゼニガメが出てくるはずなのだが………

 

キサラヅ「お前はヒトカゲと結ばれる運命なのさ!」

 

 出てきたのはゼニガメではなく、またしてもヒトカゲだった。

 

 ……嘘だろおい、マジなのか!?

 

 そしてバクラは一番右のモンスターボール…本来ならヒトカゲが入っているそれを調べたのだが、結果はやっぱり………

 

オーキド『ほう!ヒトカゲが良いか!じっくり育てるといいぞ!  

     バクラはほのおポケモンヒトカゲにするんじゃな?』 →『はい』

 

 んだよそれええぇえええ!?

 

 俺は両手で頭を抱えて(手は無いからそうしてる気持ちだけ)シャウトする(実際に叫んでるかは不明)。

 

 いや滅茶苦茶過ぎるだろ!マジでヒトカゲしか選べないようになってんじゃん!?初代で御三家のほのおタイプを選ぶのは、滅茶苦茶修羅の道だって、昔から言われ続けてんだぞ!一つ目のジムのニビジムは岩タイプ、二つ目はハナダ…水タイプだ!

 これらをほのおポケモンでクリアしろとか、無理ゲー過ぎんだろ!いやでも、リメイク版はリザードが確か「メタルクロー」を習得するから、ニビジムのタケシ(ジムリーダー名)ならワンチャンいけるかもしれないか…?

 

 くそ、とにかく序盤をほのおポケモン…ヒトカゲで攻略とか、ヤバ過ぎんだろ!早速キサラヅとかいう奴のドSなところが出てきやがったな………。

 

 俺がキサラヅのドSっぷりに戦慄しているうちに、バクラは真ん中のモンスターボールを選んで、ヒトカゲを手に入れていた。

 

 あーあ、マジでヒトカゲになってんかねーかよ。序盤はかなり修羅となるだろうな……。

 

すごいひと『じゃ 俺はこれ!』

 

 ニックネームつけることを拒否した直後、ライバルが動き出して左のモンスターボールの前に立って、ポケモンをもらおうとしていた。

 

 ああ、すごいひとも気の毒だな。こいつもバクラと同じ序盤はヒトカゲを強いられてしま――――

 

 

『すごいひとはオーキドからゼニガメをもらった!』

 

 

 ―――ちょっと待てえええぇえええ!!

 

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