ドSの友人が作った改造ポケモンの世界に入ってしまった~逆回りから始めさせられて阿鼻叫喚の連続です~ 作:カイガ
いやいやいや、はあ!?なんでだよ!なんでそうなる!?
さっきバクラが調べたら、ヒトカゲが出てきてただろうが!
それがどうしてすごいひとが手にしたら、ゼニガメに代わってんだよ!?何でそこだけ通常と同じ、主人公が選んだポケモンのタイプに強いやつが選ばれるようになってんだよ!
キサラヅ「仕様だww」
するとどこかからまたキサラヅの声が聞こえてきた。
ざけんな!何が仕様だ!おもっくそ俺…というかバクラへの嫌がらせじゃねーか!マジでドSだなお前は!
バクラがメニューを開いて手持ちのポケモンを確認し始める。やはりというか、中にはレベル5のヒトカゲが入っていた。ステータスを見るとうっかりやな性格で、能力値も技も普通だった。
はあ、まじで普通のヒトカゲだな。とりあえずとくこう(=特殊攻撃)が上がりやすい性格なのが幸いだな。ストーリーの後半になれば、かえんほうしゃ覚えたリザードンが活躍するだろうし。
御三家ポケモン入手イベントが終えたということでバクラが研究所のドアへ行こうとしたその時、
すごいひと『待てよ!バクラ!』
ライバルのすごいひとがバクラを呼び止めた。ああそうだ、この流れは互いにもらったポケモンをここで戦わせるっていう、お約束展開だったな。
とここでライバルが、せっかくポケモンもらったのだから俺の相手してみろと問答無用で主人公にバトルを仕掛ける展開のはずなのだが、
すごいひと『実は俺 お前のことが………』
……んん??
なんか、ラブコメの波動を漂わせてラブコメみたいなセリフとともに、すごいひとはバクラに接近して、バトルが始まった…!
え、え?何かちょっと…ていうかだいぶ気になること言ってなかったかすごいひと君!?ねえ!
俺の声にならないツッコミが届くはずもなく、二人はポケモンバトルを始めた。
バクラはヒトカゲ、すごいひとはやっぱりゼニガメを繰り出したのだが……
ヒトカゲがレベル5であるのに対し、相手のゼニガメのレベルは、何故かレベル10だった。
いや、何だこれ!?レベル10ってどういうことだよ!博士からもらえる御三家のポケモンって最初はレベル5のはずだろ!どうしてライバルのゼニガメだけこっちの倍のレベルあるんだよ!?
キサラヅ「これも仕様だww」
キサラヅぅ!またお前か!序盤からどんだけドS仕様ぶっこんでんだよ!
と、俺がキサラヅに切れ散らかしてる間も、バクラとすごいひとのバトルは進行していった。ヒトカゲが「ひっかく」で攻撃するも、相手のゼニガメが「からにこもる」でぼうぎょを上げるせいで、与えるダメージが蚊程のダメージしかなかった。
ていうか、からにこもらなくてもロクなダメージしか与えられなかっただろうけど。
こっちが必死に攻撃してるのを嘲笑うかのようにぼうぎょを上げ続けてダメージ量をターン毎に減らしていくという、何ともいやらしい戦法をしばらく続けたのち、相手のゼニガメが攻撃に移った。
『相手のゼニガメの みずてっぽう!』
はい、これは無理。たった一発でヒトカゲのたいりょくが0となり、戦闘不能に。
『ライバルのすごいひととの勝負に負けてしまった!』
ここでライバルが勝利時のセリフを言うのだが、
すごいひと『お前の ことが……………』
………。うん、もう間違いないな。
ライバルのすごいひとは、主人公のバクラにガチホモだった…!
おいおいマジかよ!ライバルがホモとか、このゲーム大丈夫なのかよ?つか誰得だよこんなの!俺にはBLの趣味なんて無いし。ここにはギャラリーが俺しかいないし。全く意味無い設定ぶっこんでんじゃねーか!
バトルが終了すると画面は研究所に戻り、すごいひとが何かしゃべり始める。
すごいひと『いや………今は言わないでおくよ。じゃあな あばよ、バクラ!じいさん!』
そう言うとすごいひとは一足先に研究所を出て行った。
いや告白しないんかい。まあ仮にされたところで、バクラもの凄く困ってしまうだろうけど。幼馴染みでライバルだった同姓の奴が自分を好いていると知った時、バクラはどう思うんだろうな……。
その後バクラは研究所内にいる人間に話しかけたり、色んなところを調べたりしたが、特に変わった部分は見られなかった。
バクラも研究所を出て、さっき行こうとしていたマサラの北…1番道路へ向かった。
通常シナリオだとこのまま道路を進んだ先にあるトキワシティに行き、そこのフレンドインショップの店員から、オーキド博士へのお届け物を渡すよう頼まれる、おつかいイベントが発生する。
というわけで、バクラは早速1番道路へ向かったのだが、マサラタウンの北にさっきはいなかった女の子が立っていた。
話しかけると隣の看板に書いてることを書き写してるのと答える。
お得な掲示板!
『うふふ、鈍感ね』
……えーと?何これ? 鈍感?どういう意味だ?
って、待て。分かったぞ!もしかしてだけど、さっきのすごいひとのガチホモのことなんじゃないのか!?
さっきあいつおもっくそ言い淀んでたもんな。告白せずに去って行ったのを、バクラは困惑していたのだろう。
それに対して「お前は鈍感だな」って言ってるのかも!
………だから何だよ。死ぬほどどうでもいいよ。
それよりも。
ここで俺がさっきここで抱いていた疑問というか違和感をはっきりさせておきたいな………。
バクラが1番道路にさしかかった瞬間、違和感は確信に変わった。
やっぱりな………草むらがどこにも見当たらねぇ……!
どこを移動して見回しても、草むらが見つからない。これでは野生ポケモンと戦うことが出来ない。つまり、レベル上げがしにくくなるということになる…!
トキワシティにさしかかるところに看板が立っていたので、それを調べると……
『ストーリーをさくさく進めてもらう為に、このゲームでは野生ポケモンとエンカウントしないように改造しておいたぜ!俺の優しさに感謝しろよ!
キサラヅ』
やっぱりキサラヅの仕業だったか。ていうかこれ優しいか?むしろとんでもない鬼畜仕様になってないか?トレーナーはさすがに排除してないよな?もしそうなってたらこのレベル5のヒトカゲのまま、ニビジムのタケシまで行く羽目になるんだからな……。
などと俺が嫌な予感に駆られてるうちにバクラはトキワシティに入り、フレンドリィショップに入っていった。