立花響は求める   作:勝機を零した、掴み取れん

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絶唱ステージ行きたかったけど、お金と休みが確保出来なかったので初投稿です。
全然話が思いつかなくてめちゃめちゃ日が空いてしまいました。本当にすみません。


やはり相談は大事である

 

 

 

 

 

 

「俺さ……バイトしようと思ってるんだよね」

 

 休日の昼。優の家で彼と一緒に楽しく過ごしていた響だったが、彼のこの発言を聞いた途端、楽しそうだった表情は一瞬で曇ってしまった。

 

「……なんで?」

 

 響は暗くなった瞳で彼を見つめ、低い声で呟いた。

 それに一瞬気圧されてしまった彼だったが……気持ちを整え、理由を話す。

 

「……俺と響は恋人同士になった以上、デートとかすると思うんだ。多分……お金も結構かかると思う」

 

 響は、彼の話を遮ることはせず、しっかりと聞いていた。

 

「それが理由で親に仕送りを増やしてくれって言うのもさ……。だからバイトしようって思ってるんだ。それに、俺は響の彼氏だから……俺が頑張らないと……」

 

 彼が簡単に理由を話し終えると……響はそれに答えた。

 

「……嫌だ。優がバイトするようになったら私と一緒に居られる時間が減っちゃうよね? そんなのいやだよぉ……」

 

「でも……」

 

「お金なら私がなんとかするから……! なんだったら私が優にお金あげるから……バイトなんてしないでよ……!」

 

 響は今にも辛そうな声を上げる。そして瞳には薄らと涙を浮かべていた。

 

「それだと響のお金が俺に行くだけで結局は変わらないでしょ……」

 

「嫌だぁ……ただでさえ平日は学校が違くて優に会えないのに……もっと会えなくなるのはいやぁ……!」

 

 響は彼を強く抱き締めた。どこにも行かないでほしい。私から離れないで欲しいと言わんばかりに。

 

 そんな彼女の姿を見てしまえば、優は選択肢を変える他なかった。

 

(……とりあえず、母さんに相談してみるしかないか……)

 

 

 

 ────

 

 隣で響が強く抱き締めている中、彼は先程の件について相談するために母親に電話をした。

 

「……もしもし?」

 

「もしもし、優? 響ちゃんから聞いたわよ〜。やっと付き合ったんだってね? おめでとう〜!」

 

彼が電話をかけると、優の母親はすぐに電話に出てくれた。そして、彼を祝福する彼女の声は明るく、とても嬉しそうだった。

 

「あ、ありがとう……」

 

(情報伝わるの早すぎだろ……)

 

 自分からは何も言ってないのに既に二人の関係性が知られているのにどこか彼は恥ずかしさを感じていた。

 

 とはいえ、今はそんなことを思っている場合ではない。

 彼は母親にお金の件について相談しようと口を開けようとした……その時。

 

「あっ、後で仕送り増やしておくから、デートとかちゃんとしてあげなさいよ〜」

 

「……えっ?」

 

 彼が相談しようとした話は……既に解決していた。

 

「えっ、じゃないわよ。どうせ、そう言う相談をするつもりだったんでしょ?」

 

「……わかってたんだ」

 

 流石、母親だ。彼はそう思っただろう。

 

「私は貴方の母親だからね。それくらいの事はわかって当然よ。お金の事は気にしないで大丈夫よ。ちゃんと響ちゃんの傍にいてあげなさい」

 

「あ、ありがとう……母さん」

 

「良いのよ。響ちゃんの傍にいるって決めたのは貴方なんだから。ちゃんと約束守りなさい。バイトでもして、彼女の事を放ったらかしにするなんてダメなんだから」

 

(……響と同じ事言われちゃったな)

 

 自分が取ろうとした行動は間違っていたんだろう……。彼はそう心の中で反省をした。

 

「と、言うわけで……そのお金で響ちゃんと青春を謳歌して、彼女の事を大切にしなさい。お母さんからのお願いよ」

 

「本当に……ありがとう」

 

 彼は再び母にお礼を言う。彼からすれば何度お礼をしてもしきれない。

 

 そして、悩んでいた事が解決された事で彼は安心していた。

 

「それじゃあ、今度家に帰って来た時は孫の顔が見れる事を楽しみにしてるわね〜」

 

「……は?」

 

 ……はずなのだが、母から唐突に言われた衝撃の発言に、彼の心は再び荒れ始めた。

 

「ち、ちょっとそれどういうこと……!」

 

「ばいば〜い」

 

 彼はその真意を聞こうとしたが、向こうから速攻電話を切られてしまい、聞かずじまいに終わってしまった。

 

 

 

 

 

「……最後にとんでもない爆弾発言を持ってきたな……」

 

 電話が終わったあと、ソファに座っていた彼は半ば呆れた表情で頭をかいていた。

 

「……ふふ、優のお母さん。期待してたね」

 

 そんな彼とは裏腹に、優を抱き締めていた響は、とても嬉しそうな顔を浮かべている。

 

「……優はさ、子供欲しい?」

 

 響は突然、彼にそう囁いた。

 

「ん……まあ、将来的にはね」

 

 いつか響と結婚すればいつか必ずそういう日が来る。

 彼はそんな風に思ってそう答えた。

 

 

 

 そして……その答えを聞いた響は、彼をソファに押し倒した。

 

「……響?」

 

「……私はね、いつでも優の子供を産む準備と……覚悟はできてるよ? 別に今すぐだって構わない」

 

 そう言って彼の腕を掴んで、その場から逃がさないようにしている彼女の目は……据わっていた。

 

「……俺の覚悟が出来てないのでやめてください。流石に高校一年生でパパにはなりたくない」

 

 彼からすればトラックが正面衝突してくるような衝撃的な出来事ばかりで頭の整理が追いついていないため、ひとまず落ち着くために自分から離れて欲しいと思っていた。

 

「……いいよ。私だって、優の事を無理矢理なんてしたくないもの。でも……その言い方だと、いつかはパパになってくれるんだよね?」

 

「……そうだね。少なくとも、俺は響と結婚する気でいる」

 

「……ふふ、それが聞けただけで、今日は満足かも……」

 

 そう言って響は微笑み、彼の身体に覆いかぶさった。

 

 

 

 

 

 

 ──私を愛してくれて……本当にありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




活動報告で話のネタみたいなのを募集してますので、良かったら見てみてください。よろしくお願いします。
次の投稿は……半年後かな(?)
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