魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH   作:八神煌斗

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11.VS黒い金色

 

あの出張任務から一夜明けた次の日。

俺は教導官として呼ばれてるから予定通り朝の教導に参加しているんだが……。

 

 「テスタロッサ、お前は新人達の教導が仕事だろう?」

 「今日はなのはに頼んでいるので大丈夫です。それよりシグナムも教えるのは苦手だったんじゃないですか?」

 「なに、今からするのは教導ではなく、模擬戦だ。問題は無い」

 

どうしたもんか……。

 

そりゃ、フェイ姉やシグナム姉さんが俺を取り合ってくれるのは嬉しいけど……。

 

内容が憂鬱だ。

 

言うまでも無く模擬戦の対戦相手として取り合っている。

 

 「でも、私は模擬戦の約束を取り付けましたよ」

 「……本当か?」

 「え? まぁ……はい」

 

何時もより一段くらい低い声で聞いてきたシグナム姉さんに震えながらも答える。

いや、そりゃ怖いけど約束したのは確かだし……。

でも誰も今日なんて言って無いぞ……。

 

その後も二人は重い雰囲気のまま話していた。

が、結局約束が決めてになったらしく、シグナム姉さんが引く形となった。

 

すれ違いざまに「明日は覚悟しておけ」って言われた。

姉さん、いつからそんな性格になったの!?

 

 《相棒、使用者が代わっても私は相棒の事を忘れません》

 「何縁起でもない事言ってんの!?」

 《言葉には言霊と言うものがあるらしいので》

 「言霊? 何だそれ?」

 

聞いたことはあるけど、何なのかは知らないし。

 

 《簡単に言うと言った事が現実になること、ですかね》

 「余計に悪いだろ!」

 

ですかね、じゃねぇよ!

 

その通りなら俺明日死ぬじゃねぇか。

 

 《何故ですか!? 相棒の事を忘れたくないんです!》

 「そっち!?」

 

コイツの真意が全然わからねぇ……。

 

 「それじゃウィズ。簡単に打ち合おうか」

 「うん、わかった」

 

そしてお互いに向き合い、構える。

 

フェイ姉はバルディッシュをハーケンモード、俺は言うまでもなくテクニカル。

テクニカルの魔力付与が無いと勝負にもならないだろうし……これ以外にシルエットも使わないだろうな。

 

 「それじゃぁ行くよ!」

 

そう一言だけいい、地面を滑るようにこちらに飛んでくる。

 

 「アテナ!」

 《Hyperion!》

 

振り下ろされる金色の刃を、ハイペリオンで受け止める。

 

 《Sonic Move》

 

 「っ!?」

 

だが、攻撃を防ぐ同時にフェイ姉が俺の視界から消える。

 

 「はあぁぁぁ!!」

 「くっ!」

 

次に声が聞こえたのは俺の頭上から。

見るよりも早く、ハイペリオンを展開。同時に回避行動を取る。

 

フェイ姉の刃がハイペリオンに少しかすりながらも、何とか回避には成功。

だが、フェイ姉の攻撃が止む事は無い。

 

 《Plasma Lancer》

 「おいおいおい。手加減なしかよ!」

 

フェイ姉を囲むように、鏃(やじり)にも似た金色の魔力スフィアが展開される。

 

その数六つ。

確かあれって再射も出来たよな?

 

今の俺に同時に生成できる数は五つ、一歩足りない。

だけど、考えてる暇はねぇ!

 

 「ブランコフフィア!」

 《blanco Sphere》

 

自身の周りに生成できるのはやっぱり五つ。

俺は直射、しかも連続生成は出来ないから、この辺りはすべてアテナに譲渡。

 

 「プラズマランサー……ファイア!」

 《fire!》

 

同時に打ち出される白銀と金色。

互いに吸い込まれるようにぶつかり合い、あたりに爆煙が巻き起こる。

だが、俺はまだ油断できない。

 

 「来た!」

 

爆煙の中から、一発のスフィアが煙の尾を引きながらこっちに向かってくる。

 

それを、アテナを横になぎ払う形で横に弾き飛ばす。

本当は地面にでも叩きつけて消したかったんだが、贅沢は言ってられない。

 

俺は直ぐに次の行動に移る。

 

 「ターン!」

 

やっぱりか!

 

俺は直ぐに爆煙に跳びこむ。

正確にはフェイ姉の元に走り出す。

 

プラズマランサーは完全に消さない限り、再射は可能。

さっき消せなかった時点でこうなる事は予想していた。

なら、俺がとる行動は一つ。

 

今のうちに叩く!

 

 《(雑な作戦ですね)》

 

アテナが何か言ってるが今の俺にはツッコむ余裕も無い。

 

一瞬で正しい選択肢を選ばなければならない。

間違えれば即ゲームオーバー。

そんな状況で一々相手はしていられない。

 

 

爆煙を抜けたところに、フェイ姉はやっぱり居た。

 

 

だがそれは――。

 

 「っ!――カウンターかよ!?」

 

まさにバッターのそれ。

 

フェイ姉はさっき居た場所から一歩も動かずに、そこで俺を待ち構えていた。

 

 「はああ!」

 「くっ!」

 

襲い掛かってくるバルディッシュにアテナを垂直に立てる。

アテナはバルディッシュの柄の中心部分に当たり、攻撃を何とか防ぎきる。

が――。

 

フェイ姉の口元が微かに釣りあがったのを俺は見逃さなかった。

防いだのに、何で……っ!

 

そして気づく。

バルディッシュがハーケンではなく、アサルトフォームになっている事を。

 

 「バルディッシュ!」

 《Haken Form》

 「ちぃっ!」

 

首目掛けて伸びてくる金色の刃。

 

俺は垂直に立てていたアテナをずらし、バルディッシュはアテナを滑るように上えと逸れていく。

同時に俺はフェイ姉の腕の下を潜り、攻撃をよける。

 

 「らあぁぁ!!」

 

そしてアテナを抜き取り、勢いを殺さずそのままフェイ姉に向けて切りかかる!

だが、その攻撃も届かない。

 

 《Thunder Arm》

 「っ!」

 

フェイ姉もその場で体制を戻すのは無理と判断したのか、俺のようにその場で半回転していた。

そのまま左手に発生させたライトニングアームでアテナを文字通り、掴み取っていた。

 

 「ターン!」

 「な……に?」

 

一瞬、戦いの中だということも忘れ呆ける。

 

そして気づく。

俺が弾いた一発のランサーはどこに行った?

 

いや、考えてる暇はねぇ!!

 

なら―ー!!

 

 「アテナァ!」

 《Lode Cartridge! Gun Silhouette》

 

カートリッジを一発ロード。

空になっている左手にガンソードを持ち、後ろに振りぬく!

 

 「よし!」

 

運任せだったが、後ろから迫ってきてたランサーを地面に叩きつけ、消すことが出来た。

後はこのままガンソードで――……。

 

 「私の勝ちだ」

 「……へ?」

 

俺の喉元にバルディッシュと六つのフォトンランサーが突きつけられた。

 

 

 

 「あー、いい所までいったと思ったんだけどなぁ」

 

その場に大の字になって倒れこむ。

正直立ってるのもしんどい。

 

 「本当に強くなったね。フォームチェンジを避けられるとは思わなかったよ」

 

なんで息乱してないのかね、この人は。

 

 「あれは俺もビックリした。避けれたのもまぐれだな。」

 

本当に。今思ったらよく避けれたよな。

 

というか反応できた俺、GJ!

 

 「それでね、ウィズ。少し気づいたことがあるんだけど」

 「あぁ、うん」

 

あ、もしかして今回の評価か?

そういえば毎回フェイ姉は色々終わった後に講評してくれてたな。

ありがとうございます。

 

因みにシグナム姉さんは「まぁまぁだったな」とか「もっと精進しろ」とか、その辺。

まぁまぁだったな、って言ってもらったのはかなり小さい頃だけだけど……。

 

 「ウィズって二つのことを一度に考えられないよね?」

 「う……ま、まぁ」

 

昔に比べたらマシになってると思うけど、確かに俺はマルチタスクは苦手だ。

魔法だって一度に同時行使できるのは二つまでだし。

 

よくある先を読んで、とか言うのはほとんど無理。

まぁ、そのお陰で戦術、というか戦い方を思いつくのは結構早くなったけど。

 

 「そこをもう少し頑張ればもっと強くなれるよ」

 

私もこの一年は付き合って上げれるしね、と笑いかけてくれる。

 

 「ん~……、って事はしばらくはマルチタスクの勉強かねぇ」

 「そうなるね」

 

まぁ、今回は久々に収穫があったな。

シグナム姉さんが駄目って訳じゃないけど、やっぱりこうやって講評してもらった方がうれしい。

 

……ん?

 

 「さっき付き合うって言った?」

 「うん。頑張ろうね」

 

いやいやいや。

シグナム姉さんに加えてフェイ姉ともですか?

俺死なないよな?

 

 《死んでも私は相棒を――》

 「言わんでいい!!」

 

 

 




次回から二日おきに投稿させていただきます
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