魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH   作:八神煌斗

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16.退院

 

 

ホテル・アグスタの一件から一週間。

既に俺は退院の準備をしていた。

 

こんなに早い理由は一つ。

シャマル姉さんとユーノさんの治療魔法の応急処置がかなりシッカリしていたからだとか。

何でもここに運び込まれてきた時には命に関わるほどじゃなかったみたいだ。

本当に感謝し切れません。

 

本当ならもう少し早く退院しても良いんじゃないかと思うが、傷口に凍結の魔法がかけられていた為今日まで延びた。

あの野郎、メンドくさい魔法かけやがって……お陰でこっちは説得が大変だった。

 

ま、六課に帰るとは言っても絶対安静が必要らしく、六課でもしばらくは口上での教導とデスクワークが中心になるだろうな。

 

 

 《それにしても、夜が怖いと言うだけで退院するとは……》

 「だって怖いもん。夜ラウンドしてるナースの足音がどれだけ怖いか分かるか?」

 《分かりませんし、分かりたくもありません》

 「怪我人にも容赦ないんだな、お前」

 《愛の鞭です》

 「そんな痛い愛いらない」

 《酷い!》

 

 

相棒とこうしてバカな話をしてるけど……暇だ。

いつもこの時間はFW達の訓練だし、それじゃなくてもシグナム姉さんと模擬戦だもんな。

 

 

 「あ!」

 《どうしました?》

 「この怪我が治るまでは模擬戦しなくてもいいじゃん!」

 「ほう……。貴様はそこまで嫌だったのか?」

 

 

何か聞こえました。

ドアの方に錆びた様に感じる首を回してみる。

そこには桃色のポニーテールの凛とした女性。

 

 

 「あー、シグナム姉さん、いらっしゃい」

 「あぁ。そっちは憎まれ口を叩けるほどには回復したみたいだな」

 「いえ、それは……あの……」

 「安心しろ。流石に今どうこうするつもりは無い」

 「あはは……。ありがとうございます……」

 

 

今はって事は完治したら何かするつもりなんですね……。

 

 

 《(陰口なんて言うからです。自業自得です)》

 「(土下座しようにもできないし……どうしよう?)」

 《(そこまで嫌なんですか……)》

 

 

当たり前だろう。

何でいつも限界ギリギリまでやらにゃならんのだ!

 

いや、それは良いとしても何度も命の危機をリアルに感じる模擬戦は誰でも嫌だろ!?

とういか俺元々教導官として呼ばれてるのに模擬戦のほうが多いからね?

特にシグナム姉さんとフェイ姉。

 

 

 《(そういう星の元に生まれたということで)》

 「(その星いつかぶち壊してやる)」

 《(惑星破壊なんて、相棒の貧弱な魔力許容量(キャパ)で出来るわけ無いじゃないですか)》

 「(お前なんかキライだ!)」

 《な、あいぼっ……》

 

 

荒っぽく相棒を掴み、ポケットに押し込む。

 

 

 「ウィズ、荷物はコレだけか?」

 「あ、ハイ。元々急患でしたし、そんなに荷物は無いんですよ」

 

 

スクールバック程のカバンを持ち上げたシグナム姉さんに答える。

 

 

 「なら行くぞ。主はやても既に手続きを終えているだろう」

 「はや姉も来てくれてるの?」

 

 

はや姉はこの前のアグスタの処理がまだ終わって無いはずだ。

もし終わってても、それ以外の仕事があるだろうし……。

 

 

 「私の時と違って嬉しそうだな?」

 「いや……そういう訳じゃ……」

 「なんや、お姉ちゃんが来ても嬉しない言んか?」

 「い!?」

 

 

八神はやてが現れた!

――って、違う!

 

 

 「違うはや姉、今のはそういう意味じゃなくて……」

 「ホンマかぁ?」

 「ホンマ、ホンマ! 信じてください!」

 「勝手に飛び出して、その上大怪我して帰ってきた子の言う事は信じられへんなぁ」

 「ヌグッ!」

 

 

それを言われると何も言いかえせねぇ……。

 

 

 「わかっとるんか? 私だけやない、シグナム達も、なのはちゃんにフェイトちゃん。FWの子達もや」

 「うん、分かってる」

 「ならええけどな。ウィズかてもう痛いのは嫌やろ?」

 「……うん」

 「ええ子や!」

 「アイタァァ!!?」

 

 

元気付けようとしたのか、この重い空気を変えようと思ったのかは知りませんけど……。

今のは予想外でした。

思いっきり肩の上に手を乗せられるとは思いませんでした。

 

 

 「ああ! ゴメン!」

 「主……」

 「ちゃうねんで! 狙った訳ちゃうねんで!?」

 「お、おぉ……」

 「ウィズ、ウィズーー!!」

 

 

はや姉の声が病室に響いた。

そして怒られた。

病院ではお静かにしよう。お兄さんとの約束だ!

 

 

 《相棒、イタイです》

 「……やってしまった感があるよな」

 《分かってるならやらないでください》

 

 

最近突っ込みに容赦が無い相棒。

 

 

 

 

 

その後は、はや姉とシグナム姉さんが患者に囲まれて少しの間身動きが取れなくなったこと以外は特に問題なく退院する事が出来た。

 

え、羨ましくなんか無いですよ。

俺はあの二人に比べたら何にも出来ないヒヨっ子ですから。

 

 

 《そうですね、それを一般的にヒガミといいます》

 「お前少し黙っててくれ。一言が重いから」

 

 

我が愛しのアンチクショウは俺の弱点をピンポイントで突くのが上手いんです。

……はや姉の次に。

 

 

で、その後普通に六課に帰ってきたんだが…

 

 

 

 

 

 「あの~……コレは一体……?」

 「何って、バインド」

 「だから何でバインド!?」

 

 

そうです。

帰ってきてからスグに昼食にしようって話になって、食堂に来て、バインドで椅子に固定されました。

うん、思い返しても訳分からん。

 

 

 「はや姉~」

 「そ、そんな声出してもあかんで! しばらくそこで大人しくしとき!」

 「むぅ……」

 「わ、私を見ても駄目だ! 主の決定には逆らえん……」

 

 

くそ……。昔はこの顔をすれば許してくれてたんだけどな……。

 

 

 《老けた、という事でしょうね》

 「ウルせぇ!」

 

 

バインドはそんなに痛くないが……周りの視線が痛い。

食堂で、しかも昼時。来る人くる人が俺達を見ていく。

その殆どが、笑いを堪えてるか、「何してるのアイツ?」見たいな表情で見てくる。

凄く恥ずかしいです。

 

 

 「さて、じゃお昼にしよか」

 「そうですね。ウィズ、お前はいつもので良いな?」

 「え? ああ、はい。お願いします」

 

 

そして二人は昼食を取りに行った。

 

 

……あれ、放置?

 

 

 《哀れですね》

 「俺、六課来てからそういわれる回数増えた気がする……」

 

 

 

 

 

おまけ&コメ返し

 

 

 「ウィズはA定食……」

 「シグナム、ちょっと待ち」

 「はい?」

 「おばちゃーん、言ってたのできてるー?」

 「主、まさかとは思いますが、アレですか?」

 「そう、アレや」

 

 

 

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