魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 作:八神煌斗
「やっべー寝過ごしたぁ!」
《私は何度も起こしましたよ! 私のせいじゃありませんからね!》
俺は今全速力で走っている。
それはもう左肩の怪我とか一切無視の方向で。
《まったく……》
「愚痴は後で聞いてやるから少し黙ってろ!」
《逆切れ!?》
取り合えず今は屋上に向います。
「遅れました!」
取り合えず、到着一番に謝っとく。
そこにはヴィータ姉さん、フェイ姉、そしてライトニングの二人が居た。
「遅せえ。もう始まってるぞ」
「今は……スターズの番?」
「うん」
ヴィータ姉さんの隣まで歩き、フィールドを見る。
丁度、クロスシフトを使用としているところだった。
「クロスファーヤー……シュートッ!」
ティアナから複数の魔力球が空中にいるなの姉に向かって放たれた。その数約10。
「……?なんかキレがねーなぁ……」
「コントロールは……いいみたいだけど…」
俺から見たら十分キレもあるんだが……、やっぱり射撃は向いてないみたいだな。
「――――それにしたって」
ヴィータ姉さんが何が喉に詰まっている用に呟いた。
だけど、今回はその意味は理解できたつもりだ。
ティアナの狙いは当てる事じゃなくて、悪魔で誘導だったみたいだな。
弾を交わしているなの姉の正面からは予めきめられていたのだろう、スバルのウイングロードが迫ってきた。
「あれ、幻影じゃねぇな……」
「え、そうなの?」
「…………」
「……ゴメンなさい……」
「テメェ、後でアタシが鍛えてやる。覚悟しとけ」
「ハイ……」
なの姉がスバルを迎撃するためにアクセルシューターを打ち出す。
しかしスバルはその弾を何発か掠りながらも回避ではなく受けきること選択、気合で身を捻って避ける。
そしてウイングロードで走ってきた勢いをそのまま、スバルはリボルバーナックルを構え、なの姉に拳を繰り出した。
しかしそこは歴戦の戦士、なの姉。
すかさずレイジングハートで防ぎ、逆に打ち返した。
「駄目だよスバルっ!そんな危ない機動!」
「すいませんっ!でも、ちゃんと防ぎますから!」
注意しながらも背後からの攻撃をかわせるなの姉は何者なのかと本気で疑ってしまう訳ですが……。
確かに今のは危ない。
まぁ模擬戦だし、その辺は今学んで実践で同じ事を繰り返さなかったらいいだけだ。
……あれ?
「そういえばティアナは?」
「あれだ!」
「砲撃? ティアナが!?」
フェイ姉が驚いている。
そしてその驚きが冷め止まぬまま、再びスバルがなの姉に向ってマッハキャリバーを走らせた。
なの姉も魔力球の弾幕で応戦するが、正面から全てかわすスバル。
はぁー。
スゲェな。俺じゃ叩き切る事はできても全部かわすなんて事はできねぇぞ。
「うぉぉぉおおおおおっっ!!」
そのままスバルは先ほど同じようになの姉に向って殴りかかっていく。
まぁ、勿論防がれた訳だが……。
「アッチのティアさんも幻影!?」
「え!?」
なの姉達ばかり見ててティアナをまったく気にしてなかった……。
どうやらさっき砲撃しようとしてたのも幻影だったらしいが、なら本物は……。
「あそこか!」
俺の声にみんなの視線が動くのが分かる。こういうことには敏感なのよ。
みんなの視線の先にはティアナがウイングロードを駆け上がっている姿。
丁度なの姉の上あたりでバンジーの様にで落下していく。
クロスミラージュの先には魔力圧縮刃。
あの刃で上空から勢いをつけてバリアを切り裂くつもりなんだろうが……。
危険すぎる行為ではあるな。
そして視界を覆うような煙幕が吹き上がった。
その余波はすこし離れていた俺達のところまで来た。
煙が晴れるころ、俺が見た光景はなの姉がデバイスをリリースし、両手でスバルとティア、二人の攻撃を受け止めているところだった。
ティアナの周りが桃色に輝いているからなの姉が何らかの魔法をつかって浮かせているんだろうと思う。
「頑張ってるのは分かるけど、模擬戦、喧嘩じゃないんだよ」
なの姉が静かに言った。
あれは怒ってる。そりゃもうあの二人は逆鱗に触れたとかそんな感じ。
「本番でこんな危険なことするのなら、練習の意味……ないじゃない?」
なの姉の言葉に、スバルは怯えたように後ろに下がり、ティアナは呆然としている。
「私の言ってること……私の訓練……そんなに……間違ってる……?」
《Blade Erase》
返事をしたのは二人ではなくティアナのデバイス、クロスミラージュだった。
魔力圧縮刃を破棄すると、自由になったティアナが後ろに大きく跳び、ウイングロードに着地した。
そして涙を流しながらなの姉に銃口を向けた。
「私はもう、誰も傷つけたくないからっ!!」
ティアナの前に魔方陣が現れる。
「失敗したくないからっ!!」
「……ティア……」
「だから、強くなりたいんですっ!!」
「……すこし、頭を冷やそうか……」
そういてなの姉は右手をティアナに向ける。
「クロスファイヤー ――」
そしてなの姉の足元に桃色の魔方陣が現れる。
「うああああああああ!! ファントムブレ――」
「――シュート」
ティアナのそれとは比べ物にならない程の速度で放たれた弾丸はティアナに容赦なく牙を剥き直撃した。
「なのはさっ――――バインド!?」
ティアナを助けに行こうとしたスバルにバインドが掛かる。
これで模擬戦は終了。
すこし後味が悪い感も否めないけど、いい勉強になっただろあいつらには。
「……よく見てなさい」
「――は?」
耳を疑った。
もう模擬戦は終わっただろ?
あとはこの後何処が悪かったのか説明するだけでいい筈だ。
これ以上攻撃をする意味は無い。
なのになの姉は、まだ攻撃するつもりでいる。
それが俺は信じられなかった。
「っちぃ!!」
「ウィズ!?」
誰かに声をかけられたがそれ所じゃない。
スグに甲冑を纏い、テクニカルを装備、スピード強化の魔力付与を最大に展開。
だが、それでも発射には間に合わない。
「それならっ!」
二人の間に何とか滑り込む。
しかし、弾丸は放たれた。
「アテナ!」
《――Hyperion(ハイペリオン) Hexagram(ヘキサグラム)――》
ハイペリオンを二枚、上下反転させた状態のを重ね、六芒星を作り出し、攻撃を防いだ。
本当にギリギリ。
文字通り、あと一秒でも飛び出すのが遅れていたら間に合わなかったと思う。
「ウィズ……さん」
「なの姉、どういうつもりだよ」
ティアナには悪いが、俺が用があるのはコッチだ。
俺はなの姉の睨みつけた。