魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH   作:八神煌斗

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21.喧嘩のあとには

 

 

 「で、何か言う事は?」

 「……ゴメンなさい!」

 「ゴメンちゃうわ!」

 「あいたっ」

 

 

頭に特大の拳骨が落とされました、ハイ。

……イタイ……。

 

 

 「何やその目は? まだおしおきが必要か?」

 「スイマセンでしたぁ!!」

 

 

スグに土下座。

情け無いとは分かってるが……やっぱりはや姉は特別怖いんです。

 

因みに今俺とはや姉は部隊長室に二人で居る。

お互いソファーに隣同士で座りながら。

いや、これはさっきまでの話。

今の俺は床に座ってる。

 

普通ならドキドキしそうなシチュエーションだが、状況が状況なだけに恐怖しか沸いてこない。

そしてこういう時に色々助けてくれる相棒も今はだんまり。

まぁ、気持ちも分からんでもないが……頼りにならんヤツめ……。

 

 

 「ふぅ。まったく……あんたがあんなに怒ったの見たん、ホンマ久しぶりやわ」

 

 

呆れたように言いながらはや姉は椅子に背を預けるように持たれかかった。

そして腕を組み、俗に言うジト目で俺を見てくる。

こうなったら俺からは何も言えません。

 

 

 「で、怒った理由は……なのはちゃんが問答無用でティアナを撃墜したから、か?」

 「……あぁ」

 

 

まぁ、あの戦闘中の会話のある程度は耳に入ってるって事だろ。

会話って言うか俺が一方的に言ってたのと変わりねぇけど……。

 

 

 「なの姉の教導の意味は分かってるし、それを馬鹿にする訳じゃねぇ。ティアナ達が危ねぇ事をしたのも分かってるけど……」

 「どうしても頂けなかったっちゅう訳やな?」

 

 

無言で頷く。

 

別にティアナ達が正しいなんて思って無いし、なの姉が間違ってるとも思ってない。

だけど、何度も言うがなにも言わずに迎撃は違うと思う。

間違ってるなら間違ってると言う。

自分がなんで基礎を繰り替えす教導をやっているかという理由。

なの姉の信条はまず話すことじゃなかったのか?

 

俺の考えをはや姉に全部話した。

その間はや姉は何も言わずに話を聞いてくれた。

 

そして――……

 

 

 「アホちゃうか?」

 「へ?」

 

 

間抜けな声を出してしまった事は許して欲しい。

だってそうだろ? いきなりそんな事言われるとは普通思わないもんな?

 

 

 「なのはちゃんがその辺考えてない訳ないやろ? あの時は頭に血がの上ってたのは確かやろうけど……」

 「はぁ……」

 

 

考えって……教え子が自分と同じような怪我をせずに帰ってこれるようにするって事だろ。

それくらい分かってるんだけど……。

 

 

 「それでも許せん、か?」

 「いや、許せないっつーか、なんて言うか……。もう少し言ってもよかったんじゃね、って思って」

 

 

捻くれたヤツになの姉の考えを言ったら恩着せがましいとか思われそうだけど、あいつ等ならそんな事思わないだろうし。

 

 

 「それに俺には良く分かるから。強くなりたくて無茶する気持ちが。」

 

 

そういう時は周りの声なんて聞こえないからな。

何も説明されないなら特に、な。

 

 

 「そこは同意するわ。あんたも一回無茶して酷い目にあったしな」

 「うぐっ……」

 

 

ここで補足しておくなら酷い目、と言うのは怪我の類ではなくおしおきの類だと言う事を記しておく。

誰かは押して図るべし。

 

 

 「ま、それは置いといて、あんたの考えはよう分かったわ」

 「考えって程のもんでも無いけどな」

 

 

苦笑いでかえす俺。

 

 

 「取り合えず、なの姉には謝っておくよ。理由はともかく、問答無用で攻撃しかけた事は流石に悪かったし」

 

 

よく考えてみれば俺もなに触発されてあんなに切れたんだか。

攻撃防いで、話をすればここまで大事にならなかっただろうに……。

 

反省。

 

 

 「あ、その必要はあらへんよ」

 「え、なんで?」

 「今の会話、なのはちゃん全部聞いてるから」

 「は……はああぁぁぁ!?」

 

 

なに可愛い顔で問題発言じてくれてやがりますか、このお姉さまは!?

 

 

 「全部って……え? ええぇぇぇ!?」

 「ええ具合に混乱しとるな」

 「だから私は止めようって言ったのに……」

 

 

困ったように眉を潜めながら入ってくるのはなの姉。

 

 

 「ええやんか、お互いに何時までも気まずいのは嫌やろ?」

 「盗聴してるみたいでいい気はしなかったよぉ」

 

 

はや姉は手元にディスプレイを出し軽く操作しながら言った。

多分音声通信のみオンにしてたんだろう。

 

慌てながらもこうやって冷静に考えが回るのはあの二年の賜物だろう。

戦闘中なら嬉しいもんだが……今は、なんかヤダ。

 

 

 「……ウィズ君」

 「ごめん」

 「え?」

 

 

先に謝っておく。

 

何だかんだでこの状況には感謝だ。

時間が経つと謝りにくくなるだろうし、まず俺からだと行動は起こさなかっただろうし。

 

 

 「いきなり攻撃したこと。それは……悪かった」

 

 

普段は姉ちゃん達にはこんな口調じゃ無いんだけどな。

ほら、謝るのって妙に恥ずかしくね?

 

 

 「私の方こそ、ウィズ君の言う通り言葉足らずだったと思うし」

 「なの姉……」

 「言わなきゃ何も伝わらない。私の信条だったんだけどな……」

 「え、あー……いや。俺も少し言いすぎたし……その、なの姉の考えも分かるし……」

 

 

うむ。

こういう時はどうすりゃいいんだ?

 

 

 「難しく考える必要はあらへんよ。二人は喧嘩して、それでお互い謝った。それで十分やろ?」

 「…………」

 

 

いや、それはそうなんだけど。

この雰囲気でそれは何か違う気がする……。

 

 

 「うん。そうだね」

 

 

あるぇ~? 

 

俺がおかしいの?

こういう時ってもう少し気まずい雰囲気が続いて、お互い色々話すモンじゃないの?

 

 

 「でも、ウィズは言いたい事は全部言ったやろ?」

 「ま、まぁ……」

 

 

そう言われればそんな気がする。

直接は言って無いけど全部なの姉は聞いてた訳だし……。

 

 

 「なの姉は俺に言いたい事ないの?」

 「んー。突然攻撃されたことくらいかな。でもそれも謝ってくれたし。言葉足らずだったのは本当の事だしね」

 

 

それでいいの!?

 

いや、俺的には全然いいんだけども、なんか腑に落ちないっていうか……。

なの姉も簡単に許しすぎじゃね?

 

 

 「ウィズ、仲直りの握手くらいはしときや」

 「え!? あ、はい……」

 

 

 

 

こうして俺はなの姉と仲直りした。

仲直り、でいいのか。これ。

 

 

いや、こんなもん……か?

 

 

 

 

 

おまけ

 

 「なぁ相棒」

 《なんでしょ?》

 「コレが俗にいう【ご都合主義】ってやつか?」

 《まさか体現する事になるとは私も思いませんでしたよ》

 「うん。俺もだ」

 

 

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