魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH   作:八神煌斗

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24.休暇

この間のちょっとした事件から二週間。

肩の怪我も軽くなら模擬戦も可能な程に直っていた。

 

FW達はFW達で以前より仲良くなってるように思える。

これもこの前のがキッカケになったんだろう。

結果オーライってやつだな。

 

 

 

 

で、突然だが今日は教導が午前中だけで終わりだ。

六課が始まってから休みなしだったから、FW達に休みを与えようってことになったからだ。

まぁ、完全休暇なのはFW陣だけだけど……。

 

昼飯食った後、少し空き時間が出来たので久しぶりにインビエルノを整備している。

ここ最近無理させっぱなしだったからな。

 

 

 《相棒、私は整備してくれないのですか?》

 「ん、後でシャーリーさんに頼んでやるよ」

 《相棒以外に体を弄くられたくありません!!》

 「うおぉぉい! 誤解招くような言い方するなよ!?」

 《分かってて言いました!》

 「それ尚悪いからね!?」

 

 

こんな感じて相棒と話してるモンだから作業が進まないったらありゃしない。

いやまぁ、退屈しないからいいけどさ。

 

 

 「デバイスなんだからコッチも整備して貰ったら良いだろ?」

 「そうもいかないんですよ。これ、どっちかって言うとバイクに部類されますから」

 

 

後ろから話しかけてきたヴァイスさんに簡単に説明する。

デバイス機能の面に関しては見てもらえるけど、今俺が弄ってるのはバイクとしての機能だからな。

シャーリーさんには無理だろう。

 

 

 「さて、こんなモンだろ。ヴァイスさん、ありがと」

 「おーう」

 

 

気の抜けた様な返事が返ってきた。

見てみるとヴァイスさんもヘリの整備をしていた。

 

 

 「ヴァイスさん居ますか……って、ウィズさん?」

 「よっ」

 

 

インビエルノを待機状態に戻し、部屋に帰ろうとした時ティアナが来た。

 

 

 「ん、どうした?」

 

 

ヴァイス・グランセニックが現れた!

 

 《相棒、それ二度目です》

 「……ゴメン」

 

 

 

 「ヴァイスさん、バイク持ってましたよね? 貸してもらえませんか?」

 「あー……ワリィ。今少し調子悪いんだわ……」

 「え、そうなんですか? どうしよ……」

 

 

ティアナが困った顔をする。

もしかしてバイクを足に町にでも繰り出すつもりだったか?

 

 

 「なんなら俺の貸してやろうか?」

 「え! いいんですか!?」

 「うおっ?」

 

 

いつもならまず遠慮しそうなのに、今回は食いつきがいいな。

まぁ、初めての休暇って事を考えると無理も無い……か?

なんて思いつつもインビエルノを再び出す。

 

 

 「ほらよ」

 「あの……鍵は?」

 

 

ソワソワしているティアナ。

……もしかしてコイツ、バイクに目が無いタチか?

まさかのキャラ崩壊フラグだな。

 

 

 「コイツは鍵ねぇんだよ。待機状態にしたらそんなの関係ないからな」

 「一応聞きますけど……交通法には引っかかりませんよね?」

 「……捕まるなよ」

 「引っかかるんですか!?」

 

 

 

 

この後インビエルノの説明を軽くする。

 

 

 「で、コレがアクセルの固定ボタンな」

 「何でそんなボタンが?」

 「両手塞がってたら戦闘できないだろ?」

 「…………」

 「こんな所か。あとは他と変わんねぇから安心しろ」

 「いや、既に説明されたところが多すぎて覚えきれないです」

 

 

呆れたようなティアナ。

仕方無いだろう。元々コイツは戦闘用なんだから。

 

 

 「ヴァイス陸曹……」

 

 

本当に困った顔でヴァイスさんを見るティアナ。

それを見たヴァイスさんもスグに動き出す。

 

 

 「今すぐバイク調整してやるから少し待ってろ……」

 

 

なんだ二人とも。

そんなにインビエルノに乗るのがイヤか……。

今度恥ずかしい写真撮って食堂に張ってやるから覚悟しておけ。

 

 

 《相棒、地味すぎます》

 「だから良いんだよ」

 《……ジミー・神崎》

 「うるさいよ!?」

 

 

そしてティアナを見送り、俺は隊舎に戻り、自室にいる。

 

 

 「えっと……うわ、こんなにたまってんのかよ……」

 

 

ついでに言うと入院してた一週間分の仕事量を見てイヤになっている。

正直に言うと少しくらいはやってくれてるかなぁ~、って思ったけど見事に裏切られた。

 

 

 「はぁ、アテナ。お前書類の整理頼んでいいか?」

 《イヤです、メンドくさい》

 「じゃ、接続するぞー」

 《聞いてました!?》

 

 

何を言う。

聞いてたからこそ、問答無用で繋ぐんだろ。

なんだよ、メンドくさいって。もう少し軟らかく言えよ。

 

 

 「整理して、分かりやすいように内容も纏めておいてくれ」

 《さりげなくやる事を増やすんですね》

 

 

文句を言いながらもピコピコと光りだすアテナ。

作業に入った証拠だ。

さて俺も頑張りますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 《相棒》

 「あん? どした?」

 

 

アテナに返事をしながら時計に目を移す。

まだ二時間……休憩頃かな?

 

 

 「コーヒーでも淹れるか。お前も……て、お前は飲めねぇか」

 《手伝ったのにその仕打ちですか!?》

 

 

別にいいじゃねぇか。

俺もここ最近扱い悪いんだからコレくらい言わせろ。

 

そしてコーヒーを淹れデスクに戻る。

 

 

 「で、なんだ?」

 《え? あぁ、少し気になる資料……何と言えば良いのでしょうか……》

 「何だよ煮え切らないな。取り合えず見せてくれ」

 《了解しました》

 

 

パソコンのデスクトップに表示してもらう。

送られてきたのは一つのフォルダ。

容量を見る限りそんなに多くは無いけど……。

 

 

 「これか?」

 《まぁ……取り合えず見てください》

 「?」

 

 

取り合えず開く。

 

 

 「……研究記録?」

 

 

コレのどこが変なんだ? すでにまとめ終わってるみたいだし……。

いや、俺に来るコト自体が変かもしれんが、ワザワザ含んだ言い方する必要も無いだろ。

 

少し相棒の行動に疑問を抱きながらも更にファイルを開いていく。

そして――

 

 

 「……なんだ、これ?」

 

 

そこに書かれていた文字。

 

 

 

『プロジェクトF.A.T.E』

 

 

 

はや姉達に昔教えてもらったモノだ。

使い魔を超える人造生命の作成と死者蘇生を目的に進められた研究で、フェイ姉はこの研究で作られたとも言っていた。

 

……でもこの研究は極秘扱いなんじゃなかったか?

 

 

 「なんで俺の所に……」

 《それも気になるんですが、相棒。幾つか抜粋、まとめて見ましたので、目を通してください》

 

 

アテナがパソコンを操作し、やがて一つのページが開かれた。

 

 

 

 

 

 

・経過記録

 

   『新暦64年 5/13

    実験体番号24が来てから作業が円滑に進むようになった。 

    彼の魔力変換資質、アレは良い。これで私の目的に一歩、大きく進んだことになる。』

 

 

 

 「実験? プロジェクトの事か?」

 《おそらくそうでしょうね。ただ、この時期には既に基盤は完成していたと聞いていますが……》

 「俺もそう聞いてる。日数は……ジュエルシード事件の一年前か」

 

 

 

   『新暦64年 8/6

    実験は順調に進んでいる。この調子には予定を大きく上回り完成するだろう。

    魔導師を超えるロストロギア、日の目を見るのは何時か。今から興奮が止まない。』

 

 

 

 「魔導師を超える……どういう意味だ……」

 《さぁ?流石に私にも分かりません。もそもそ比べること自体がおかしいでしょう?》

 「だよな。魔導師を倒せるとかなら分かるけど……」

 

 

 

   『新暦64年 11/14

    とうとう完成のメドが立った。

    実験体番号24には礼として名をやることにした。』

 

 

 

 「名前、ねぇ……。それは書かれてなかったのか?」

 《はい。資料に検索をかけてみましたがそれらしいものは特に》

 「そうか……」

 

 

 

   『新暦65年 6/4

    例のロストロギアが発動したらしい。あちらもそうとう焦っているようだ。

    アレはまだ培養機の入ったままだと言うのに……仕方が無い。名残惜しいが送るとしよう。』

 

 

 

 「おい、この日って……」

 《……夜天の魔道書が目覚めた日ですね》

 

つまり、この培養機に入れられてたものは、夜天の魔道書に何か影響を与えるモノって事か?

 

 

 

   『新暦65年 12/27

    どうやら例のモノは使用されなかったようだ。

    何のためにアレを無理やり完成させたと思っているのだ。

    こちらとしては研究結果が取れなかったことに不満がたまる。』

 

 

 

 「使用されなかった? 培養機のヤツは夜天の魔道書封印の為に作られたってことか」

 《日数も事件後スグですから、そうなんでしょうね》

 「連絡を入れたってコトか」

 

近くで見ていたヤツがいたか……アースラ内にでもいたって事か?

 

次は……うお。

一気に三年も飛んでるよおい。

 

 

 

   『新暦69年 2/5

    ヤツらが反乱を起こした。この記録を、研究成果を誰かが受け継いでくれることをねg』

 

 

 

 

 

 「随分在り来たりな終わり方したみたいだな」

 《ヤツらが反乱を起こした、という事は一人じゃないですね》

 「だな。ったく、厄介なモン見ちまったな……」

 

 

それに初日の魔力変換資質の書き込み、少し引っかかるんだよな。

俺が意識しすぎてるだけか?

 

それとも……

 

 

 「アテナ、その研究成果の資料とかの細かいデータは無いのか?」

 《ありませんね。あった、という事は分かっているのに綺麗サッパリ消されています》

 「送信者は?」

 《それも外部……管理局以外のコンピュータから送られてきたと言う事以外はまったく》

 

 

ワザと情報を漏らしてるって事か。

それにしてもこのタイミングで随分なモン送ってきやがって……。

俺一人で判断、というか知ってて良い事じゃねぇな。

スグにでもはや姉たちに……

 

 

 『やっと繋がった』

 「あ、はや姉、丁度よかった」

 『それどころやあらへんよ、ウィズ』

 「何が?」

 『レジアス中将から連絡があったんよ』

 「……分かった。すぐ行く」

 

 

軽く返事をして通信を切る。

最近連絡が無いと思ってたら、このタイミングでか。

 

……クソッ。

 

 

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