魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 作:八神煌斗
結論から言うと、ロストロギアの件は何らかの処罰があるかと思えば特に何も無かった。
まぁアテナの映像記録の提出とかで、殆ど軟禁状態の尋問の形だったが、それだけだ。
レジアス中将がアイスマンを見た時に少し動揺している様だったが……。
そんなに有名なのか、あいつ?
さて、軟禁のせいで六課に変えるのは数日振りになるのだが……
『うわわああぁぁぁーーん!』
この泣き声は何なんでしょうか?
《誰かの隠し子でしょうか?》
「んな訳あるか。ここ離れてまだ数日だぞ?」
《ですが、私達が姉さん方と離れたのは二年前、それからスグに子を作っている可能性も……》
「…………」
えっと、二年前だから姉さんたちは17。
うん、十分結婚は出来るな。なら子供が居ても……。
それにある意味常識ハズレな人ばっかだし、もしかしたら……!!
俺は慌てて走り出した。
「アテナ!コノ声の場所は!?」
《アッチです!》
「もっと詳細にお願いします!」
音声のみでアッチって……。
その後アテナのメチャクチャな案内で無駄に六課を走り回り、やっとたどり着いた。
既に泣き声は止んでいるが、ここで間違いは無いだろう、と思う。
もし姉さん達の子供だったらどうしよう……。
い、いや! 姉さんたちは流石にそこまで常識外れでは無いはず! そう願いたい!
意を決してそのドアを潜ると……
「……なにこれ?」
金髪の女の子がなの姉に涙目でしがみ付いてて、フェイ姉があやしてる。
え、フェイ姉の子供?
そしてその光景を楽しそうに見ているはや姉と唖然とした様子で見ているFW陣。
「マジかああぁぁぁ!!?」
「うるいわ!!」
「いたぁ!?」
はや姉のキッツいツッコミを貰いました。
え、何をされたかって?
フッ……。言わせるなよ。
《相棒、別れましょう》
「そこまで!?」
相棒も最近キッツい。
「なぁ、これどういう状況だ?」
気を取り直し、近くに居たティアナに聞いてみる。
一々気にしてたらやってけないんだよ、コイツとはな。
「あ、ウィズさん。任務の方終わったんですか?」
「まぁな。で、あの女の子は?」
「この前の任務でちょっとあったんや」
「はや姉?」
その後はや姉が詳しく説明をしてくれた。
どうにも俺が六課を出発してからスグにコッチでも事件があったらしい。
その時に保護したのがあの金髪の子。
そして、あの子は人造生命体、作られた命の子だそうだ。
「ってことは、今はコッチで保護?」
「なのはちゃんに懐いたみたいでなぁ。付いてきたらしいんよ」
《……妙に納得できますね》
「同感」
なの姉優しいし、なんて言うか……言葉をかけるのが上手いんだよな。
素直に届いてくる見たいな?
なんて考えてると向こうも金髪の少女、ヴィヴィオの説得が終わったらしい。
三人でコッチに歩いてくる。
「…………」
「…………」
目が合った。
どうしたらいいんだ?
取り合えず挨拶……か?
「や、やぁ!」
「ふぇ……」
ヴィヴィオが凄い勢いでなの姉の後ろに隠れた。
何故!?
「顔、引きつってるで……」
さわやか笑顔のつもりが、引きつった小悪党の顔になってしまってたようだ。
どうやらファーストコンタクトは失敗したらしい。
「ウィズ、元気出して、ね?」
フェイ姉が慌てたように慰めてくれる。
あぁ、なんか癒される……。
《(変体、シスコン!)》
相棒の罵倒は無視させてもらう。
だって今はもう少し癒されてたいんだ。
その後はや姉からシツコイと言われ、拳骨を食らった。
今はヘリの中に居る。
俺の隣にはや姉が座って、その正面になの姉とフェイ姉。
何でも今から今までの報告を兼ねて聖王教会に行くそうだ。
隊長達全員で行く意味は分からないんだけどな……。
聞いても上手くはぐらかされてるし。
「それよりウィズ。この前の任務、なんやったんや?」
「ぬっ……」
不味い、まさか危険なロストロギア任務に単独で行ってたなんて言えねぇし……。
《唯の護衛任務ですよ》
相棒?
「護衛任務ぅ?」
《陸士部隊のお偉いさんが旅行するとかで、その護衛ですよ》
ナイスだ、相棒!
それなら何の矛盾も……
「意見陳述会が近いのに旅行ねぇ……」
ああぁぁ! それがあったか!
ヤバイ、ヤバイぞ!
コレで逆に追い詰められた……。
「まぁ、ええわ。それも後で分かることやし」
「?」
追求されなかったのはありがたいが……。
「(どういうことだ?)」
《(さぁ?)》
なの姉が教会の扉をノックする。
「どうぞ」
扉の向こうから女性の声が聞こえる。
「失礼いたします」
なの姉、フェイ姉、はや姉、そして俺の順ではいる。
「高町なのは、一等空尉であります」
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官です」
「神崎ウィズ二等陸尉です」
二人に続き俺も敬礼をする。
そんな俺たちを迎えてくれたのは、これまた金髪の女性。
聖王教会、教会騎士団騎士、カリム・グラシア。
会うのは初めてだけど、凄く軟らかいイメージの人だな。
それにしても今日は金髪濃度高いな……。
「まずはこちらへ」
そうして案内されたのは、綺麗な以外は何の変哲も無い一室。
窓際に丸テーブルが置かれていて、囲むように椅子が置いてある。
その椅子には何故かクロノが座っていた。
言ってなかったが、俺はクロノに対してだけは敬語を使わない。
仲が悪い訳ではなく、出会いがしら喧嘩をしたのが始まり。
それ以降もチョコチョコと喧嘩をしていた為どうしても年上と言う感覚よりも、悪友と言う感覚が勝ってしまうのだ。
コレに対しては許容しているのか諦めてるのか周りからも本人からも何も言われない。
ただ、こういう席なので一応敬語は使っておく。
「お久しぶりです、クロノ提督」
「あぁ。元気そうで何よりだ」
この会話を聞いて騎士カリムが笑い出す。
「皆さん、そう固くならないで。私達は個人的にも友人だから。いつもどおりで平気ですよ」
「と、騎士カリムが仰せだ」
突然雰囲気が崩れたクロノ。
本当にいいのかはや姉に目で問いかけてみると、軟らかく微笑んだ。
うん、大丈夫なんだな?
「じゃあ……クロノ君、お久しぶり」
「お兄ちゃん、元気だった?」
「――っ、そ、それはよせ……お互いもういい年だぞ」
フェイ姉の言葉に動揺し赤くなるクロノ。
まさかとは思うが……未だに照れくさいのか?
それとも――……
「シスコン?」
「なぁ――っ!」
俺の一言に再び赤くなるクロノ。
意味合いは違うがな。
「き、君は、こんな時にまでそんな事を言うか!?」
「ウルせぇ、思ったことって言って何が悪い! 考えるのは個人の自由だろうが!」
「君の場合は考えていることを口に出すから問題なんだ!」
「別にそれもいいだろうが!」
「そもそも君こそはやてに対してシスコンだろう!?」
《クロノさん、正解です!》
「テメェ少し黙ってろ!」
「ウィ~ズ~……」
お互いに揉めていると渇が入った。
勿論それは例のあの人。
「な、なんでしょうか、はや姉?」
「帰ったらおしおきな」
死刑宣告でした。