魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 作:八神煌斗
《相棒、突然こんな所に来て何をするつもりですか?》
「チョーっと考えがあってな」
《どうせ碌な事じゃないんしょうね》
「俺の事どんな目で見てんの!?」
「…………もういいか?」
「《ありがとうございました》」
あれ、前もこんな事なかったっけ?
デジャ……ブ?
《デジャビュです。それにデジャビュでもなく実際に一度ありました》
「あぁ、そうなの?」
「……で、君は何のようで来たのかいい加減教えてもらいないかっ?」
そんな漫画チックに怒りマークをつけて怒らないでも……。
さて、そろそろ本気で怒り出しそうなので話を始めよう。
と、まず俺が今何処に居るかだが、クラウディアにいる。
なら俺の前でご立腹な男の正体もわかるだろう。
そう――。
「クロノに頼みたいのは一つだけ。――俺の相手をしろ」
「……何を言ってるんだ君は」
案の定変な顔された。
まぁ、当然といったら当然だよな。
「お前がそう変に思うのはわかる。ワザワザこんな所に来なくたって六課に姉さん達がいるんだからな」
「いや、その前に何の相手だ?」
「だけど、今回はお前が一番いいんだよ」
「だからっ! 詳しく話してくれないと分からないだろう!」
「あれ、まだ話してなかったっけ?」
「き、君というヤツは……」
クロノが俯いてプルプル震えだした。
うむ。ふざけ過ぎたか?
そろそろ本題に移るとするか。
なんせ、今回はクロノが一番適切なんだからな……。
「はっきり言わせて貰うと訓練に付き合って欲しい」
「……何故僕なんだ?」
コッチの真剣さが伝わったのか、クロノも真面目に返してきてくれた。
「俺が勝ちたい相手、そいつのスタイルがお前にかなり似てるんだよ」
「詳しく話してくれ」
さっきと同じ言葉。
しかし、意味は大きく違う。
「俺も詳しく分かって無いんだけど――……」
そして俺は話し始める。
ヤツ、アイスマンが槍型のデバイスを使うという事。
そしてその槍は二槍にも変化するという事。
凍結の魔力変換資質を持っているという事。
そして最後に――
「アイツは真っ黒だ」
「それはどういう意味だ!?」
「そのまんまだよ、現に今だって黒いだろうが!」
「ちゃんと白もある!」
「そんなライン、オマケ程度だろうがぁ!」
まさかと思うがコイツ、無意識で黒ばっか着てたんじゃねぇだろうな。
……だからこんな根暗なヤツになったのか。
「今何か考えなかったか?」
「気のせいだ。それより受けてくれるのか?」
道が反れてしまったが、本題は悪魔でこっちだし。
クロノはまだ何か言いたげだったが、顎に手を沿え考え始めた様子。
良い答えを出して貰えたら良いが……。
「確かに条件は合っているが、二槍と言うのは……」
「S2Uとデュランダルを使えば出来ないことも無いだろ」
「二槍での経験が無いと言いたいんだっ」
「むっ……」
眉間にしわを寄せ、テーブルに置いていたコーヒーに口をつけるクロノ。
釣られて俺も口をつける。
……苦い。
「一日に一時間程しか取れないだろうが、それでもいいか?」
「マジか!? それでも十分だよ!」
提督の忙しさくらいは理解してるつもりだ。
正直30分も在れば万々歳だと思ってたくらいだし。
それが倍になったんだ。感謝こそすれ不満なんて微塵もない。
恥ずかしいから言わないけどな。
「今日は無理だから、明日からでいいな?」
「あぁ、OK。あ、後ここに止めてくれな」
「はやてが許可しないだろう?」
「大丈夫、ちゃんと書置きしてきた」
クロノに向けてサムズアップ!
確かに以前の俺だが何も言わずに飛び出しておしおきを受けていただろうが。
うん、俺成長してる!
「しかし、そのアイスマンのデバイスは気になるな。ロストロギアを魔法も使わずに強制封印、か」
「あぁ……」
俺はその件に関しては気にしてなかったけど、確かに凄いことだな。
何の詠唱もなくただ突いただけっだし……。
元々そういう能力でもあんのか?
「それに、何処となくアテナにも似ていないか?」
「アテナに?」
何処をどう見たらそうなるんだ?
剣と槍じゃ全然違うだろ。色もコッチが白で向こうが黒だし。
あ、見て無いからそうなるのか。
「見てくれじゃない。形状変化の事だ」
「形状?」
「一本槍に二槍、後は封印に使った突撃槍、だったか?」
「別に三種類くらい普通だろ?」
実際なの姉のレイジングハートはんかスタンバイモード入れたら6種類あるし。
フェイ姉がライオットの種類もいれたら8だっけ?
「そういうことじゃない。戦況に応じて瞬時に形状を変えて戦うスタイルの事だ」
「成る程。そう考えると確かにそうだな。って事はもしかしたら……」
「他のバリエーションも有ると考えた方がいいだろうな」
《いえ、確実にありますよ?》
「「……は?」」
まさかのシンクロ。
だって今まで黙ってた相棒がやっと話したと思ったら……ねぇ。
「なんでそんな事言えんだよ?」
《だって私とアレは姉妹機ですし》
……なに?
「お前女性型だったのかぁ!?」
「ツッコムところはそこか!?」
《相棒は今まで私を男だと思ってたんですか!?》
「アテナも便乗するんじゃない!」
「《で、でも……っ!》」
「今話すべき内容はそうじゃないだろう!!」
「《む……》」
ま、まぁそれもそうだな。うん。
しかしなぁ……アテナは女性型だったのか。
今まで考えたことなかったから少し面食らっちまったな。
「で、アテナ。姉妹機ってのは本当なのかよ?」
《名前は『レイラ』。私の後継機に辺り、同時期に作られていました》
「待ってくれ。後継機って事は……」
《クロノさんが考えている通りです。アレは私よりスペックは上です》
「マジかよ……」
俺より強いやつが、アテナ以上のデバイス持ち……。
あれ、勝てる気がしないよ?
「ま、成る様にしか成らないか」
「一応僕の方で調べておこう。アテナ、他にそのレイラの情報は無いのか?」
《データの一部が消されていまして……後は形状が複数あると位しか》
「そうか」
背もたれに体重を預け、再び思考に入ったようなクロノ。
初めは訓練だけに付き合ってもらう予定だったんだけどな。
仕事量をかなり増やしちまったみたいだな。
ゴメン、クロノ……。
恥ずかしいから言わないけどな。
「さて、僕はそろそろ仕事に戻らせてもらうよ」
「ん? あぁ、色々サンキュな。あ、部屋の事だけど……」
「ちゃんと準備しておく。少しここで待っていろ」
あしてクロノは部屋を出て行った。
やっぱここに来て正解だったか。
姉さん達を信用してない訳じゃないけど、こういう事はやっぱクロノだな。
色々進展があったな。
その分問題も出てきたわけだが……。
「アテナ」
《……なんでしょうか?》
「なんだじゃない。お前、まだ何か隠してるだろ?」
《…………》
だんまり、か。
「言えないのか?」
《……スミマセン》
いつになく重苦しい口調で答えたアテナ。
言えないって事は特にロックがかけられてるんじゃなく、自分の意思って事か……。
「まぁいいさ。お前の事信用してるぜ?」
特に理由も無いけど、記憶の始まりの時から一緒にいるんだ。
話さないのにも俺の事を思ってくれての事だと思う。
だから、これ以上俺から聞かない。
「相棒……。ハイ!!」
おまけ
「フェイトちゃんに、なのはちゃん? どないしたん?」
「はやて、ウィズ何処に居るか知ってる?」
「……今日こんな置手紙が部屋にあったわ」
「えっと……『ちょっと、行ってきます』……なにかな、コレ?」
「知らん。やけどちょーとおしおきが足らんかったみたいや」
「手伝うよ、はやてちゃん」
「私もだ、はやて」
「ウ、ウィズ。帰ってこない方がいいかもですー……」