魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH   作:八神煌斗

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32.六課強襲

 

 

 

 「コレで!!」

 「くっ!」

 

 

目の前に迫る無数のスティンガーブレイド、俺の手に持つはバスターシルエット。

 

シルエットを変更している時間すら惜しい。

それならやることはひとつ……。

 

 

 「ソードダンス――」

 

 

そのままバスターに魔力を込め、上に大きく振りかぶり――

 

 

 「サードカラーズ!!」

 

 

バスターを地面に叩きつける。

それによって生じる衝撃に魔力を上乗せする。

 

勢い任せの広域拡散魔法。それがサードの効果。

広域にすればするほど攻撃力は落ちるが……

スティンガーブレイドを相殺する事くらいは出来る!!

 

俺の思惑どうり、サードはクロノのスティンガーブレイド爆煙をあげてを相殺した。

だが、これで終わる相手じゃない!

 

バスターをテクニカルに変更、クロノの気配を探るため辺りに気配を巡らせる。

そして――……

 

 

 「コレで、僕の勝ちだな」

 「……くっ」

 

 

気が付いたら喉元にデュランダルの穂先が突きつけられていた。

俺の負けが決定した。

 

 

 

 

 

 「はぁはぁはぁ……」

 「ふぅ……、今日はコレくらいだな」

 

 

S2Uとデュダンラルを待機状態に戻しながら、終わりを告げるクロノ。

余裕ですねー、息もそんなに乱れて無いし。

さすが提督って所ですか?

 

 「なんだよ、スティンガーは囮だったのかよ?」

 「まさか、囮ではないさ。アレで決める気だったからな」

 「……テメェ……」

 「ははっ。冗談さ」

 「どうだか」

 

 

片手を挙げて返事をし、その場に倒れこむ。

 

 

 「しかし、目に見えて強くなっている気がするな、君は」

 「息も乱れて無いヤツに言われても皮肉にしか聞こえねぇよ」

 

 

ここ数日、毎日付き合ってもらってるが一度も勝ったことが無い。

確かに打ち合える回数は多くなってはきてるけど……強くなったかと言われたらなんともいえない。

 

もしかしたらクロノにパターンに慣れたって可能性もあるし……。

 

あれ、そう考えると俺のやってることって、無駄?

 

 

 「皮肉ではない。それに君は突然強くなるから厄介なんだ」

 「……突然?」

 「あぁ。本当に突然だからコッチも対応に困る」

 「ふーん……」

 

 

そういえばアイスマンと戦って時も頭より体が先に反応したな。

俺って体で覚えるタイプだったのか。

 

 

 《相棒、自分に呆けるのもいいですが……》

 「呆けてません!」

 《そろそろ帰らなくてもいいのですか?》

 「あ? なんで?」

 《何でって、明日は9月12日。まだ分かりませんか?》

 

 

12って……何かあったっけ?

誰かの誕生日……な訳ないよな。

う~ん、分からん……。

 

 

 「君は予定は頭に入れていないのか?明日は公開意見陳述会だ」

 「あっ!」

 

 

そうだった。

六課はその日周辺警備をやるんじゃなかったっけ!?

 

……やべぇ。

訓練とはいえ任務をスッポカしたとなると……。

 

 

 「アテナ、スグに帰るぞ!」

 「待て! 申請もしていないのに転送ポートが使える訳無いだろう!」

 「そんなモン提督権限でどうにかしろ!」

 「できるか!」

 

 

 

 

 

 

ってな訳で――

 

 

 「ゴメンなさい!」

 『連絡つかへんし、何処に行ったんかと思ったら……』

 

 

クロノが頑張ってくれたおかげで次の日には許可が出た。

スグに六課に戻ったのだが……帰ってこれたのは日も傾きかけた頃。

既に主力は遅くても朝一番で出発している為、通信で謝っているところ。

 

 

 『今からコッチ来ても到着した頃には陳述会も終わってるやろうから六課で待機な』

 「分かりました」

 『ついでに言うと、私達が帰ったら……覚悟しときや?』

 「……分かりました」

 

 

鬱だ。

今回は笑顔だったからなぁ。

相当覚悟しておいた方がよさそうだな。

 

 

 「ウィズ君、折角だから肩の検査しておきましょう」

 「シャマル姉さん? じゃぁ、お願いします」

 

 

そして二人で医務室へと二人で足を向けた。

 

 

 

 

 「う~ん、肩の傷は殆ど治ってるけど……」

 「けど?」

 「なんでこんなに痣が増えてるのかし……らっ!」

 「あいたあぁ!?」

 

 

湿布を叩きつけるという表現でも生ぬるいという位の勢いで張られました。

 

 

 《おぉ、相棒がピクピクと……。死にかけの魚のようです》

 「その例えは面白いわね。えいっ」

 「うおっ!?」

 

 

悶絶している俺にもお構いなし。

指で突いてくるシャマル姉さん。

いや、『えいっ』てのも可愛いけどね、やってることはえげつないですよ?

 

 

 「ちょ、マジ止め……」

 「えいっ、えいっ」

 「あ、ああぁぁ!!」

 

 

ヤバイ、コレは洒落にならない……

 

 

 《シャマルさん、そろそろ辞めたほうが……》

 「えー。コレくらい大丈夫よ」

 「……そうだぞ、アテナ」

 《相棒?》

 「なんか段々気持ちよくなってきたから……」

 《シャマルさん!スグに止めてください!! そして相棒、そこに到ってはいけません!!》

 

 

 

 

 

 「なんか途中記憶が無いんだけど、何かあった?」

 「べ、別に何もなかったわよ、ねぇ?」

 《ハイ、相棒は健全な男子です!》

 

 

何故か気を失っていた俺は日が傾きだしていた頃に目を覚ました。

その前の記憶も抜けてるから気になるんだが……。

 

二人の反応が変だ。

 

 

 「本当に何も無かったんだよな?」

 「《本当です!》」

 「な、ならいいけど……」

 

 

二人の気迫に少し押され気味の俺。

俺が何かした?

なんて、騒がしくも何時もある種何時も通りな光景。

 

それを楽しんでいた時に、耳をつんざく様な警報が鳴り響いた。

 

 

 「警報!?」

 「敵が向ってきてるのか?」

 『総員、最大警戒態勢。待機部隊、迎撃用意』

 『バックヤードスタッフ、非難を急いでください』

 

 

館内放送を通じてグリフィス、アルトが指示を出す。

 

 

 「取り合えず司令室に行きましょう。状況を詳しく知らないと……」

 『シャマルさん!』

 

 

二人で司令室に向おうとした矢先、グリフィスが通信してきた。

 

 

 「グリフィスさん、何があったんですか?」

 『ウィズ君も居たんだね。丁度よかった。未確認飛行物体が此方に近づいてきています。それも凄い量で……』

 「迎撃すればいいのね」

 『お願いします』

 

 

そして慌しく通信が切られた。

それだけ対応に追われているという事だろう。

俺とシャマルさんは目を合わせ、共に外に向かい走り出した。

 

姉さん達が、みんなが帰ってくるこの場所を守る為……。

 

 

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