魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 作:八神煌斗
――気にしなくて良い。これからは自分の人生を歩くんだ。
――大丈夫よ、心配要らないから。
「――っ!?」
なんだ、今の夢は……。
アレは、誰だ?
《目が覚めましたか、相棒?》
「え? あ、あぁ。おはよう。……ここ何処だ?」
白い壁に白い天井。
六課の医務室かと思ったけど、違うみたいだし……。
《ここは病院で、相棒は三日間も眠っていました。……覚えてなんですか?》
「覚えて……。いや、思い出した。確か戦闘機人にやられたんだよな?」
《……それだけですか?》
「? その後ここに運び込まれたんだろ? 流石に気失ってて覚えてねぇよ」
《そうですか……》
何だ、また珍しく歯切れが悪いな。
だがまぁ、今はそれ以外に聞かねぇと駄目なことがある。
「……六課は、どうなった?」
《殆ど倒壊しています。既に隊舎は放棄の方向で話しが進んでいるようです》
「っ!? ……戻るぞ!」
ベッドから抜け出し、近くにおいてあった制服を羽織ながら相棒に言う。
隊舎放棄とか……そんな時に寝てる場合じゃねぇ!
《何を言ってるんですか!? 相棒はまだ怪我が完治していないんですよ!》
「関係ねぇ!」
《あります!!》
乱暴に相棒とインビエルノを手に取り、病室を出ようと扉に近づいた。
そして扉が開く。
あれ、この扉って、自動ドアだっけ?
悠長にこんな事を考えてたのはきっと三日間も寝てたからだ。
「……何してんのや?」
「はや姉……」
そうだよなぁ~。自動ドアな訳ないですよねぇ~。
悠長にこんな事を考えていた俺を懲らしめてやりたい。
「何してるか聞いてるんや、早くベッドに戻り」
腕を組んで呆れたように言うはや姉。
「六課を放棄するって本当か?」
「は? 放棄なんてせえへんで。誰がそんな事言ってたんや?」
「……いや、コイツが」
スッとアテナをはや姉に取り出し見せる。
それをはや姉は手にとり、目線の先まで持ち上げた。
「あんたの前では話して無い筈やけど……盗み聞きか?」
《そ、そんな事在りませんよ!?》
あ、コレは間違いなく盗み聞きしてたな。
通信回線でも拾ったか?
「ふぅ……アテナが聞いたんは話の一部やな」
「一部?」
「話たるから、いったんベッドに戻り」
そもまま即され大人しくベッドに戻る俺。
ベッドの上にあぐらで座り、はや姉もベッドに腰掛けた。
因みにアテナは未だにギチギチ音が鳴ってるはや姉の手の中。
さっきから念話で助けを求めてきてるけど……適当な事言った罰だ。
暫くそこに居ろ。
「六課の事やけど、修繕するまで本部を変えるだけや」
「……本部を変える?」
シャマル姉さん達とで結構頑張ったんだけど――!!
「シャマル姉さんにザフィーラ兄さんは!?」
「ちょ!? 二人とも平気やから! ち、近いって!」
「あ……ご、ゴメン!」
慌ててはや姉から離れる。
それにしても、コレだけ慌てられると俺も恥ずかしいぞ……。
「ゴ、ゴホン!……シャマルはもう意識を取り戻してるから心配ない。けどザフィーラは……」
はや姉が俯き、声がしぼんでいく。
「ザフィーラは、意識不明の重体。命に別状は無いけど……」
「そうか……」
きっと、兄さんは俺達を俺を守ってくれたんだろう。
それにシャマル姉さんも。
じゃなきゃ俺がこんなに軽症な訳が無い。
二人に比べて怪我は軽いのに……一番気を失ってたとか……情けなすぎる……。
「せっかく目が覚めたのに、そんな顔しなや」
「え? そんなに暗い顔してた?」
「そりゃもう愛しのお姉さまにもう二度と会えなくなる時の様に!」
「一応聞くが、そのお姉さまは誰だ?」
「そりゃ勿論私や!」
「…………」
いや、はや姉のキャラは分かってはいたけど……。
久しぶりに聞くとなんていうか……。恥ずかしく無いのか?
「な、何やその目は!?」
ギチギチギチ!!
《ギャーー!! あ、相棒!助けてくださーーい!!》
ああ……。相棒もここまでか……。
今までありがとう。楽しかったよ。
《あいぼーーー!!》
「そういえば新本部って何処になるんだ?」
「フフフ……。聞いて驚くことなかれ! ……何処やと思う?」
「まだ隠すか!?」
もったいぶるな。
くそぅ。
そうもったいぶられると余計に気になるじゃねぇか。
にしても、全然思い浮かばねぇ。
そもそも六課はそんなに自由な部隊じゃねぇし。
そう簡単に仮とはいえ新しい隊舎が見つかるとは思えねぇしな……。
「駄目、降参。教えてくれ」
両手を上に上げながら答えを聞くことにする。
「実はな……アースラや!」
「……はい?」
いやいやいや。
アースラは隊舎にならないでしょ、あれ時空航行艦だろ?
いや、それ以前に――
「あれって廃艦予定なんじゃなかったっけ?」
「その辺は心配なし。ヴェロッが一肌脱いでくれたんよ」
ヴェロッサ?
あぁ、確かレアスキル持ちの、はや姉にちょっかい出してるへんな虫……もとい査察官でだっけ?
「これからの事を考えるとやっぱり移動できる拠点が欲しいからな。」
「あぁ成る程。それで廃艦予定のアースラか……」
確かに移動できる拠点は好ましいな。
それに廃艦予定なんだから破損してもそう咎められる事も無いだろうし。
結構先の事を考えてるなぁ~。
それにしてもアースラを拠点として手に入れるとは……。
ヴェロッサさん、中々スゲーな。一度会ってみたいかもしれない。
アースラの事を含め色々と話したいことがある。
「それで、今後の方針はやけどな」
「ん?」
「地上本部は本局の介入を拒んでるんよ。勿論、本局所属の六課も介入できへん」
「まぁ、そうだろうな……」
なんせあのレジアスだ。
後ろめたい事があるにしても無いにしても、協力は拒んでただろうな。
……俺に依頼来ないよな?
「六課はレリック専門やから関係は元々ないから良いねんけど。ただ、その捜査線上にスカリエッティがおるんよ」
つまりレリックの調査中、仕方なくスカリエッティと接触して、仕方なく六課の隊員で対処しても問題が無いってことだな。
「中々……。はや姉のそのタヌキっぷり、好きですよ」
「ありが……チョイ待ち。誰がタヌキやて?」
「……あ」
はや姉への禁句、つい口が……。
「ち、違うんだはや姉! 今のは決してそういう意味じゃ……」
「ほーう……?」
あの目はリアルにヤバイ!
どうにかしてこの場を回避できないか……え? 出来ない?
「怪我人やからて許さんで! 響け終焉の笛――!!」
「《ぎゃあぁーー!!》」