魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 作:八神煌斗
「なんか無いのか、アテナ」
《そうですねぇ……。一つ聞きたいんですが、スバルさん達はどうやってここまで来たのでしょう?》
「そりゃウイングロードだろ?」
あいつら飛行魔法使えないんだし。
今更何言ってんだコイツ?
もしかして頭イカレ……
バチンッ!
「アイタアアァ!!? ちょ、何今の!?」
突然体に痛みが走った。
《失礼なことを考えている顔でしたのでチビッと……》
「どんな顔だよ!? ってかお前何時からそんな事出来るようになったの!!?」
《意識を刈り取る時の応用です。コレを強くしたら痛みを感じる間もなく意識が……》
「危ないから! その表現危ないから!」
《表現、ですか……》
え、なにその感じ?
表現だよね? 気絶するだけだよね?
《まぁ、それはさておき》
「……うん。お前はそういうヤツだよな。で?」
《地上からロードを伸ばしてきたんでしょうか?》
「そんな訳ねぇだろ。万全の状態でだって無理……あ」
《気づきましたか?》
確かにそうだよな。
地上から来るのが無理ならスバル達はどうやってここまで来たか、だが……。
「おい、スバル」
「はいいぃ!!」
「……なにスットンキョンな声上げてんだよ?」
もしかして怒られるとでも思ったのか?
「お前らってここにどうやって来たんだ? もしヘリなら……」
「それだあ!」
「うおぉ!?」
突然大声を上げるティアナ。
今まで空気だった分余計に驚いた。
結論から言うと俺達はゆりかごから無事脱出できた。
方法だが、勿論予想通りヘリでだ。
コッチに乗り込むときはガジェットが周りを囲んでいたから近づけなかったらしいが、今は違う。
なの姉たちによれば制御者が居なくなたからだろう、という事らしい。
殆どのガジェットが地上に降下していた。
それもシグナム姉さんが迎撃したとの事。
そういう訳でヘリは俺達がいる砲台にギリギリまで寄せて、届かなかった分は脱出用に残していた魔力でハイペリオンを何回か展開して使って補った。
ヴァイスさんのバイクは運べなかったので置いてきた。
泣いてた。
ゆりかごは制御者が居なくなったことでそのまま何故か空を上昇し、宇宙に上がった所を待機していたクロノたち艦隊に集中砲火。
例のロストロギア含め完璧にジャンクになったとの事。
クロノもコッチに来たらもう少し楽だったんじゃないか?
と思ったのは内緒だ。
とまぁ、こんな感じで任務は完了。
レリック事件を切っ掛けに始まったこの事件は、終わりを告げた。
この事件は後にジェイル・スカリエッティ事件、またはJS事件と呼ばれるようになるのは随分後の事。
俺はスグにそう呼んでたけどな。
流行の先取りだ。
えっへん。
《ちょっと違います、相棒》
「あ、そう?」
でだ。
なんだかあっさり終わったように思えたが、世の中そんなに甘くなかった。
事件のことはこんな感じだったんだか、別の問題が残っていたんだ。
それは言うまでも無く、俺とはや姉の事。
どんな処罰が来るのか、と思ってたんだが……何故か事情聴取と簡単な身体検査を含めた一時監査だけですんだ。
理由は今までの功績、そして今回の事件での活躍を見て。そして今後管理局に強力を約束したから。
もしコレで管理局に協力しないなんて言っていたらどうなってたかって?
はや姉は知らなかったとはいえ、ロストロギアの不正所持という事で別次元の機動拘置所行き。
俺はモルモットとか、その辺じゃないか?
……ゾッとするな。
こんな感じか?
「にしても、暇だな……」
《ここ何にも無いですからねぇ……》
そして俺は今、一時監査の為に管理局本部に居るのだが……。
何も無いのだ。
テレビもなければラジオもない。
外部との連絡も取らせてもらえないから、ここを出たらリアル浦島太郎になっていそうで怖い。
これでもしアテナまで取り上げられていたらどうなっていたか……。
「で、後何日の予定だっけ?」
《あぁ、それは……》
《あと5日だ》
《私の台詞!?》
アテナとは別の、もう一つの声が返ってきた。
それは机の上に置いてあるアテナの隣に置いてある黒い宝石の指輪。
レイラだ。
何故コイツを俺が持っているかだが。
当たり前のことだが、アイスマンには持たせておけない。
かと言って、専用デバイスとして作られている為アイスマン意外には扱えないそうだ。
そこで俺に回ってきた訳。
一応同じ存在だし、レイラもアテナが居るなら……と言うことらしい。
「サンキュー、レイラ」
《いや、コレが私の仕事だからな》
《わ、私だってそれくらい!!》
《それくらいの事で私に負けたが?》
《うぐぅっ!》
とまぁ、レイラが来てからはいつもこんな感じだ。
さすが姉妹機と言った所でかなり中が言い。
二人して色々と競い合ってるんだけど、今のところアテナが負け越してる。
細かい所でスペックの差が現れてるんだな。
《わ、私の方が優秀なんですーー!!》
《マスター、姉さんはいつもこんな感じなのか?》
「……ノーコメント」
《成る程、よく分かった。……幻滅したぞ、姉さん》
《何故に!?》
レイラはアテナに結構な尊敬を抱いていたらしいが、最近ではずっとこんな感じだ。
俺もその気持ちは分かるから何にも言えないけど……。
レイラしては優秀作品……つまり俺のことだが、それを任せれるほどの能力があると思い込んでいたらしい。
しかし蓋を開ければコレだ。
それにしてもレイラもアテナ同様、女性型らしいのだが……本当にしっかりしているというかなんと言うか。
喋り方は固いしなぁ……。
本当に女性型だよな?
《相棒! 貴方からも何か言ってやってください!》
《マスター。この際だ、ハッキリ言ってやれ》
《レイラ! 相棒は私のマスターですよ!》
《一時的とはいえ今は私のマスターでもある。独り占めはいけないな》
今レイラがチラッと言った通り、レイラは俺のところに来ているのは一時的にだ。
アイスマンが未だに意識を失っていて、本局で治療件監視をされている。
まぁ、アイスマンが管理局に協力しないってなるとそのまま俺が持ち主になるらしいが……。
アイスマンが俺を狙っていた理由、それは大体レイラから聞いた。
こういう表現をしたら軽く見られるかもしれないが、嫉妬や羨望が原因らしい。
自分と同じ存在、そして能力は下回っているのに俺の周りにはいつも人が居たから。
自分の周りには誰も居ないから。
それが羨ましかったんだろう、と。
つまりは俺への八つ当たりだ。
羨ましむ気持ちも分からんでもない。
俺自身あの二年間は地獄だったし……。
あの地獄の中頑張ってこれたのも姉さん達が居たからって言ってもいいしな。
もし俺が一人だったら……アイスマンみたいになってただろうな。
「アイスマン、コッチに戻ってきてくれたらいいな」
《私もそう思う》
それで、ゆっくり話したい。
色んな事を。
あれでも一応、血の繋がった兄弟になるんだろうし。
姉さん達を含めた皆で、一緒に歩けたら良いと思う。
《何二人でいい空気だしちゃってるんですかーー!!》
「うるさいぞ、アテナ」
《そうだな、少し黙っていてくれ》
《ポッと出が何偉そうにしてるんですか!! 私は一話から出てるんですよ!!》
アテナ、その言い方禁句。
《それは過去の話しだろう? これからは私が主役だ》
「ちょっと待て、主役は俺だ」
《ヒロインは私ですよ!》
「そんなの認めねぇ!」
《何故ですか!!?》
今はただ、こうして待っていよう。
新しく増えた、家族と一緒に。
という訳でようやく転載が全て終わりました。ありがとうございます。
この作品自体は2009年に書いたもので今見たらまぁ、面白いくらいにメチャクチャですよね。
私個人としては始めてのSSと言う事でとでも気に入ってる作品ではあるのですけれども。
さてさて、これにて第一章は色々な意味で終わりを迎えました。以前のサイトではこのまま第二章に突入していたのでまた時期を見て違いうちに全て転載させていただこうかと思っています。
その時も皆さんの暇つぶしになるような作品をつくれたらと思います。
それでは