魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 作:八神煌斗
目を開けて一番に見えたのは白い天井。
「……あれ?」
体を起こす。
ここは……医務室か?
あ、そっか。俺シグナム姉さんに負けたんだっけか。
《目を覚ましましたか、相棒》
「今何時?」
《まだお昼前です》
そういや腹減ったなぁ……。
朝食も食ってなかったし。
「食堂にでも行くか」
《その前にはやてさんが呼んでいましたよ》
はや姉が? 一体なんだ?
ここに着てからはまだ何にもやってない筈だし、怒られる事は無いだろうけど。
まさか、昔の悪行がバレたのか!?
うわぁ……行きたくねぇ。
《ヘタレ根性むき出しですね》
「うるさいよ!?」
あの姉さんには勝てる気がしないんだよ。
特にヴォルケンの方達が加わるともう手も足も出ません。
《だからといって無視すればより酷い仕打ちが待ってますよ。面白そうですけど》
「だよな……。しゃぁねぇ、腹括るか。後面白い言うな」
俺は重い足取りで部隊長室に向った。
「そういえば部隊長室ってどこだっけ?」
《…………案内します》
「失礼しまーす」
挨拶しながら部隊長室に入る。
インターホン? そんなの鳴らしてませんよ。
「ウィズ、流石にそれはあかんと思うんよ」
「そう硬いこと言わないでよ、はや姉」
部屋の中には、はや姉の他になの姉、フェイ姉、シグナム姉さんにヴィータ姉さんと、大集合中だった。
身内には昨日の内に挨拶を交わしているのでもう改めて挨拶はしない。
「あれ、なの姉たち訓練は?」
「今はお昼休み中だから大丈夫だよ」
「そういうこった」
それでも全員集合とはどういうことですかね?
皆さん全員に関わる事なんて何もしてないはずだけど……。
「でや。ウィズ君に少し聞きたいことがあるんやけど……」
ホラ来た!
だけど俺は慌てて頭を下げたりしない。
そうする事で下手をしたら墓穴掘ることになるし……。これぞ昔学んだこと!
《(相棒。情け無すぎます)》
「(俺もそう思う)」
「最後のアレはどういうものなのだ?」
シグナム姉さんが一歩前にでて言う。
なに、最後のアレって?
《ソードダンスの事では?》
「あぁ、アレね。ん? なんで姉さんがそんなこと聞くの?」
「いや、それはな……」
「ウィズがあんな攻撃魔法使えるなんて思いもしなかったんだって」
「それに剣技だからな、どんな術式を使ってるのか興味があるんだってよ」
「術式が気になってるのは私らも一緒やけどな」
順番にフェイ姉、ヴィータ姉さん、はや姉。
いや、まぁ分かるけどね。
その為だけに皆さん集まったのかよ……。
《相棒、ちゃちゃっと説明しちゃいましょう》
「切り替え早いのな、お前」
まぁ、渋ることでも無いし、姉さんたちなら教えてもいいか。
って言っても……。
「あれは複雑な術式も使ってなければ、特別な事もしてないぜ?」
「なに?」
「ほら、最初にシグナム姉さんとの間にハイペリオン……盾を作っただろ?
俺のは足場としても使用できるからあんな形でシグナム姉さんの後ろに回りこんだけど、別に後ろに回り込めたらよかったんだ」
姉さんたちは黙って俺の次の言葉を待っている。
うぅ、無駄に緊張する……。
《(ヘタレですね)》
相棒は無視する。
「で、次がこの技の核……つか技そのものだけど」
「あの飛ぶ斬撃だな」
「そう。でもアレもフェイ姉が似たような事できるでしょ?」
たしかハーケンセイバーとかアークセイバーとかもそういうのだったはずだ。
「私のは魔力斬撃用の圧縮魔力を飛ばすから少し違うかな」
「あれ、そうなの?」
「うん。それにアレは射撃魔法だしね」
「へぇ~」
この技、フェイ姉のそれを思い出して作った技だったんだけど……。
やってることは違ったってことか……。
「ウィズのも射撃魔法なのだろうが、あの様なやり方は珍しいからな」
「あぁ、俺は剣に魔力ま纏わせてそれを振って飛ばしてるだけだぜ?」
「それだけならあの大きさが説明つかないだろう。アレは刃の大きさを上回っていた」
シグナム姉さん飲み込むほどの大きさで撃ったからなぁ……。
確かに今の説明だったら疑問持つのも当たり前か。
「それは刃から魔力を切り離すまでずっと注ぎ込んでるからだよ」
「……なるほど。その魔力の量で大きさは自由自在、と言う訳か」
「うん。ま、俺の魔力量だとそんなに大きいのバンバンうてないけどね」
シグナム姉さんは何とか分かってくれたみたいだ。
実はそんなに深く考えずに作った技だから俺自身細かい事はわからないんだよな。
他の姉さんたちも分かってくれたみたいだし良かった良かった。
「これくらい? 聞きたいこと」
「いやもう一つあるんだ」
マジですか……。
「ソードダンス、だったか。その後まだ技名が続いていたよな?」
「あー、シングルカラーズの事ですか」
「それだ。その名前を聞く限りまだ上があると思うが?」
「あるよ。1から7まで一応……」
あれ?何でみんな点な目?
「(そんなに変なこと言ったか俺)」
《(さぁ、今回ばかりは私もわかりません)》
「えっと、もう良いかな? 腹減っててさ」
「あ、あぁ。もう良いぞ」
「ウィズ、私も一緒に食堂行っていい?」
何で許可を求める?
「うん。行こうフェイ姉」
そして俺は部隊長室を後にし、食堂に向った。
はやてside――――――――――――――――――
「本人は自分に疑問を抱いていないのでしょうか?」
「あの様子やとまったく抱いて無いやろな」
ホンマ、頭痛いわ。
二年前まで剣術が少し出来る以外ははその辺の魔導師とあんま変わらん……いや、少し低いくらいやったのに……。
「たった二年で射撃魔法、その応用まで習得――」
「しかも、必殺技まで編み出してやがる」
「シグナムさんとも打ち合えるようにもなってるしね」
「一体何をしてたんやウィズは……」
それだけ熱心に修行してたんか、それとも強くならへんとあかん状況やったんか……。
多分みんな、フェイトちゃんも気づいてるはずや。
調べようにも、もし後者やった場合誤魔化させるのが関の山やろうし。
今度カリムやヴェロッサに調べてもらおか……。
おまけ
「ねぇ、ウィズ」
「なにフェイ姉?」
「今度私とも模擬戦してくれないかな?」
「…………」
「…………ダメ?」
「わかりました……」
《(いつも思いますが死亡フラグの立て方だけは超一流ですね)》
「(……うるさい)」