魔法少女リリカルなのはStrikerS WitH 作:八神煌斗
「さて、サーチャー確認しながら交代でお風呂にでも入ろか」
「あ、ここお風呂無いわよ?」
アリサさんが思い出したように言う。
そうなのか……。
さすがに水浴びするには少し早いしどうするんだ?
なんて考えたのは俺の杞憂だったようで姉さん達はスグに答えを出していた。
「ならスーパー銭湯しか無いね」
「そうだね。そこしかないよね」
「あそこね、この前改装して少しだけど大きくなってるわよ」
「え、ホンマに!?」
「うん。少し前にアリサちゃんと行ったんだけど中も綺麗になって良かったよ」
なんかワイワイ盛り上がり始めた。
会話にこそ参加していないが守護騎士の姉さん達も楽しみにしているご様子。
とくにシグナム姉さんが。
「あの、ウィズさん」
「ん、なんだスバル」
「そのスーパーせんとーってなんですか?」
そういうばミッドには無かったな。
「いい所だ、楽しみにしてろ。な?」
スバルとティアナのキョトンとした顔が少し面白かったのは秘密だ。
「じゃ、私とすずかは留守番でもしてるからあんた達で行ってきなさい」
の一言で六課組みだけで行くことになった。
さすが番町!
「あぁん?」
「ゴメンナサイ!!」
銭湯に着くと番台のおばちゃんがこの大所帯に一瞬言葉失っていた。
でもここはプロ。スグに状況を把握し人数の確認をしていた。
ヴィータ姉さんが子供に数えられてひと悶着会ったのはお決まりって事で。
「あ、俺が勘定しておくから先行ってていいよ」
「はーい!」
皆さん、俺からいった事とはいえ一人くらいは残ってくれても良かったんじゃないの?
「なら10名様で○○円ですね」
「はいはい。」
財布から金を取り出し支払いをすませる。
思いの他高かったのはやはりこの大人数だからだろう。
「ん? 何騒いでんだ?」
中に入るとまだ全員がいた。さっさと風呂に入ればいいものをと思いながら近づいた。
「あ、ウィズさん!」
「んお? フェイ姉どうしたの?」
エリオが俺の後ろに隠れた。若干震えているようにも見える。
「エリオと一緒にお風呂に入ろうと思って誘ったんだけど……」
あぁ、なるほど。まぁ、10才っていう難しい年頃だもんな。
「ああああの、お気持ちは非常に……なんですが、スミマセン! 遠慮させて頂きます! 行きましょうウィずさん!!」
そういって俺の手を引いて男湯に走るエリオ。
後ろからの大ブーイングは無視なのか?
というかこれ、俺の死亡フラグよ!? 後でフェイ姉に色々言われるの目に見えてますよ!
―――――――――――
「うわぁ……」
エリオが感激したような声を漏らす。こんなデカイ風呂見たことねぇのかな。
いや、数で驚いてるのか? 六課も大浴場はあるし……
それにしても、ずいずん綺麗になったみたいだな。
湯の数の増えてるし。シグナム姉さんあたり喜んでそうだ。
「ほれ、エリオ。頭洗ってやるからこっち来い」
「えぇ!? だ、大丈夫です!」
「良いから良いから。先輩の言うことは聞いておくもんだぞ」
「は、はい……」
先輩、という一言でエリオは大人しく俺の前に座った。
ビバ、先輩!
《(職権乱用な上に意味が分かりません)》
わざわざ念話でツッコむなよ。
「ほれ、目瞑ってろよ」
そしてエリオの髪を洗い始める。
「にしてもこうしてると弟が出来たみたいでなんか良いな」
《相棒! まさかそっちの――!》
相棒の念話はこっちから切りました。一応言っとくけど俺はそんな趣味無いからね?
「弟……ですか?」
「あ、嫌だったか?」
「い、いえ! そんなことは……」
「ほら、俺ってはや姉とか姉さんは一杯居るんだけどさ、年下は居ないんだよ」
初めてヴィータ姉さんに会ったとき、年上って聞いたときは驚いたな。
絶対に年下だと思ってたし。
いや、まぁ実際に年上なんだけどさ。ある意味ずるいよな。
「確か幼馴染なんでしたよね」
「おう。特にはや姉とは気づいたら一緒にいた感じだな。知ってっか?
ヴィータ姉さん、ああ見えてスゲぇ世話焼きでな、何かと面倒見てもらってたわ」
それが年上って分かって、姉さんって呼び出したらまぁ、凄い。
姉バカと言っても過言じゃないね。
今でこそああだけど、あの頃は一番俺に世話やいてくれたなぁ。
時点でシャマル姉さん。
え、はや姉? 比べるまでも有りませんよ。
あの人が一番ですはい。
「エリオくーん」
「ん?」
あ、エリオの肩が強張った。
この声は……キャロか。
「あ、エリオ君頭洗ってもらってるー」
「キキキキャロ! こ、ここ男湯」
うん、いい上がり具合だ。全然呂律が回ってねぇ。
「キャロお前も洗ってやろうか?」
「本当ですか?」
「少し待ってな。エリオ水流すから目瞑ってろよ~」
「は、はい!」
まだ緊張してんの? 若いねぇ。
「ん、終わった。ほれ、キャロと変われ」
そしてキャロの頭も洗ってやった。
――――――――――
「あれ、エリオのヤツ何処いったんだ?」
「(ウ、ウィズさ~ん)」
「(エリオ? 今何処に居るんだ?)」
「(あの……その……お、女湯です……)」
話を聞く限りではキャロに女湯に拉致られたらしい。
哀れ、エリオ。
「(で、みんなの裸みた感想は?)」
「(ウィズさん!!)」
珍しく声を荒げてきた。こりゃ、相当焦ってるな。
何がそんなに嫌なんだか。
しゃーない。
「エリオー、背中流してくれー」
女湯に向って叫ぶ。
少し迷惑だと思ったが、気にしない。
すると数秒もしないうちにソニックムーブの勢いでエリオかとんできた。
涙目で感謝されたのは流石に驚いたけどな。
とは言ってもすぐに風呂から上がったけど。
俺はシグナム姉さんと違ってそんなに風呂には長く入らないのだよ。
―――――――――――
服を着て、待合室(?)にエリオと二人で女性陣を待つ。
「皆さん、遅いですね」
「女性は大抵長風呂なんだよ、覚えとき」
「はい。……そういえばウィズさん、たまに八神部隊長と同じしゃべり方になりますね」
「ん、そうか? まぁ、小さい頃はずっと一緒だったからうつったんだろ」
にしても喉渇いたな。
銭湯には大抵お決まりの……お、あったあった。
「ウィズさん?」
「エリオ、お前コーヒー牛乳とフルーツ牛乳、どっちがいい?」
「いいですそんな。悪いですし……」
「まさか、お前、アイス派か? ヴィータ姉さんみたいなヤツだな」
「いや、違いますけど……」
「なら好きなもん買いな。ほれ」
そう言って俺は財布を投げた。
初めはエリオも遠慮していたが、俺に礼を言ってアイスを買っていた。
やっぱりアイス派か……。
《相棒!》
「ん、どうした?」
《ロストロギアの反応、キャッチしました!》
「は、マジかよ!? 場所は?」
「ウィズさん!」
エリオの方にも反応があったか……。
くそ、隊長陣も流石に気づいてると思うけど……。待ってる時間も勿体ねぇ!
「エリオ、お前はここで隊長達を待ってろ! 行くぞアテナ!」
《了解です!》
エリオの返事を待たずに俺は銭湯を飛び出し、インビエルノの跨った。
おまけ
「あのウィズさん」
「ん? どうしたエリオ?」
「姉さんばかりと言ってましたが、リィン曹長はどうなんですか?」
「……完全に忘れてた……」