グエルなんだがミオリネ抱いた   作:鳥羽

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脳が飲食店バイトに侵略されてるせいで、自宅の台所のやり方を一分間思い出せなかった。
要望が多いので雑に書いたR18出しました。


二年目⑫

 自然と目が覚めてしまう。

 視線の先の天井はいつもの自分の部屋、ジェターク寮の一室だ。なるべく同じ生活リズムにしているため、今日も同じ時間かと思って時計を見ればいつもより少し早かった。その原因は身体の違和感にある。昨日、普段使わないような筋肉まで使ったことや情事をしたことで鉛のように重たいのだ。だから意識も少し微睡の中にあるままだ。

 

 だが、そんな状態でもしっかりと感じられるものがある。それが小さな体温として俺の身体にくっ付いているミオリネだ。彼女は俺がこの一晩で知った鼻腔をくすぐるような良い匂いをさせている。

 更に互いに汗でベタついた身体は、行為の激しさとシャワーを浴びずに寝てしまったことを思い出させる。大量の汗を吸って変色したシーツは少し気持ち悪さを感じるが、今すぐどうこうしようとは思えなかった。

 

 それは穏やかな笑みを浮かべるミオリネと目が合ったからだ。

 

「おはよう……グエル」

 

「あぁ……おはようミオリネ」

 

 彼女の表情に釣られて俺も緩んでしまう。

 そのまま俺達は言葉を交わすことなく、昨晩のように互いを求め合う激しいものではなく、ただお互いの存在を確かめ合うように、どちらからともなく唇が触れるだけの軽いキスをする。

 

「ねぇグエル」

 

「どうしたんだミオリネ?」

 

「愛してるわ」

 

「あぁ、俺もミオリネを愛してる」

 

「ふふっお揃いね。凄く嬉しい」

 

 ミオリネは心底幸せそうな笑顔を見せた。俺はそれが何となく愛おしくて彼女を抱きしめると、彼女も同じように抱きしめ返してくる。そのまま二人でベッドの上で抱き合っている中で聞かなければいけない質問をする。

 

「ミオリネ、身体の方は大丈夫か? 昨日はかなり無理させただろ」

 

「えぇ、ヒリヒリするし腰も痛くて正直ちょっと辛いわ」

 

「……わるい」

 

「気にしなくて良いわよ。あんなに大きいのを入れられたんだから、そりゃこうもなるわよ」

 

「ぐっ」

 

「でもね……それ以上に幸せだから平気」

 

「ミオリネ……ありがとう」

 

 俺の言葉を聞いて彼女は微笑んだ。

 

 それから俺達はまずはシャワーを浴びた。身体はべたついていて、このままだと不快感が残るし、なにより汗の匂いがしていてはバレてしまうだろう。俺達は一緒に浴室に入り、互いの身体を洗い合った。そこで改めて見たミオリネの身体中には俺が付けた赤い痕が付いていた。それは独占欲の現れで、それをミオリネは恥ずかしそうにしつつも嬉しそうに鏡越しに眺めていた。

 

「こんなに付けて、グエルのばか」

 

「それを言うならミオリネだって俺に付けてるだろ?」

 

「せめて隠せる範囲にしてよね」

 

「うぐっ、それはすまん。夢中になってて加減出来なかった」

 

「ふふっうそうそ、別に謝らなくてもいいのに。あっ……ここちょっと隠せるか分からないかも」

 

 笑うミオリネを見ながら俺は自分の首筋に触れる。そこはミオリネが噛み付いた場所だ。歯型がくっきりと残っていて、傷口は塞がっているが、血が滲んだような跡が残っている。近くには爪を立てた跡もあり、どちらも俺が想像していたより痕が残っている。

 

「ごめんなさい」

 

 ミオリネは申し訳なさそうに言う。

 

「いや、これくらいなら大丈夫だ。それにミオリネがつけたものだからな。むしろ勲章みたいなもんだろ」

 

「もう、馬鹿じゃないの……そんなこと言われたら何も言えないじゃない」

 

「まぁな、それよりミオリネの方は本当に大丈夫なのか?」

 

「うん、さっき言った通り身体は結構辛かったりするけど、気分的には凄く良い感じなの」

 

「それなら良かった」

 

「だからそんなに心配しなくても大丈夫よ」

 

 そんな会話をしながら、俺達は身体を綺麗に洗った。シャワーを終えた後に、ミオリネの髪を乾かしたり彼女が化粧をしたりして俺たちは身支度を整える。

 

「さてと、朝食まで時間が余ってるし少しゆっくりしようか」

 

「そうね、何だか昨日から色々忙しかったし休みたい気分だわ」

 

「んんっ……ミオリネ、近くないか?」

 

 ミオリネはソファーに座っていた俺の横にぴったりとくっつくように座ってくる。そして体重を預けるようにもたれ掛ってきた。

 

「昨日はもっとくっついてたのに、今日は駄目なのかしら?」

 

「いや、駄目ってことはないが」

 

「わたし、朝弱いんだから頼らせてよ」

 

 俺の身体に柔らかい感触と体温を感じる。俺の顔の横にある彼女の頭からはシャンプーの良い匂いがする。同じものを使っているはずなのに違う感じがするのは何故なんだろう。俺はミオリネの身体に腕を回した。するとミオリネは満足げに笑みを浮かべると、そのまま信頼しているかのようにもっと体重をかけてくる。そしてそのまま無言でいると、ミオリネが話し始めた。

 

「ねぇグエル、私達これからどうなっていくのかしら。わたし、不安なの。今更グエル以外の人と結婚なんて考えられないのに」

 

 元々俺とミオリネの婚約というのは、ホルダーとしての権利があってのものだ。そしてそのルールはミオリネの父親であるデリングが決めたもので、ホルダーで無くなれば婚約者ではなくなる危うい関係でもあった。

 

「そうだな、御三家も来年になれば本気を出してくるかもしれないし、二年一年もホルダーの座を狙ってくるだろう」

 

「そうよね……」

 

「あぁ、でも俺はそれでも良いと思ってる」

 

「えっ?」

 

「あと一年」

 

「うん……」

 

「必ずホルダーを死守するから、その時結婚すれば良いんじゃないか。俺はミオリネと一緒に居たい。ミオリネの隣に居るために俺はどんな困難だって乗り越えてみせるさ」

 

 俺の言葉を聞いてミオリネは驚いた表情をしていた。だがすぐに優しい微笑みに変わる。それは俺の気持ちが伝わったからだろう。

 

「グエル……」

 

「だからミオリネ、俺を信じてくれ」

 

「……分かったわ。花婿がそこまで言ってくれたんだから、花嫁としちゃ信じなきゃ駄目ね」

 

「あぁ、ありがとうミオリネ」

 

 そのまま顔と顔の距離がゆっくりと近づいて、ミオリネが瞼を閉じようとした瞬間、扉がノックされた。思わず二人で目を見合わせて苦笑いをしてしまう。それからミオリネは名残惜しそうな表情をしていた。

 

「兄さん、夜遅くまで重要な会談があったって聞いたけど大丈夫?」

 

 そんな誤魔化しになってたのか⁉︎

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