グエルなんだがミオリネ抱いた 作:鳥羽
「あっああ、そんなところだ」
重要な会談ってなんだ⁉︎
何か上手い誤魔化し方は無かったのか⁉︎
心配してくれていたであろうラウダには申し訳ないが、そんな重要な会談は一切ないし、しかも部屋の中にミオリネが居て一晩過ごしたとなると……少しばかり不味いのではないだろうか。
「ちょっとグエルっ、バレたらマズイわよっ」
「任せておけミオリネ」
隣にいるミオリネは俺の耳元で慌てながらも小声で話しかけてくる。
確かに現状はまずいかもしれない。よりにもよってまだ正式な婚約者でもない相手と身体の関係になってしまった。そんな不甲斐ない兄に弟は軽蔑の視線を向けてくるかもしれない。正式に婚約者になれるのはミオリネが17歳になった時。17歳になれば正式に婚約権を得られるのだが、それにはまだ一年ほど時間が掛かる。
「ちょっと待ってくれ。今でるから」
ミオリネをソファーで見えないようにし、とりあえず自然なふりをしてドアを開ける。対面するラウダはいつも通りといった感じで、こちらを見ている。
「おはよう兄さん」
「お、おう。おはよう。ところでラウダは今日朝早いな? どうかしたのか?」
「ただ様子を見にきただけだよ。父さんが昨日の件について聞いてやれっていうからね」
父さんんんんんんんんん⁉︎
昨日のこととは十中八九ミオリネのことだろう。やはり父さんが全てを仕組んでいたのか⁉︎ だがラウダはそのことを知らないのだろう。しかし、ここでミオリネがいたとバレるようなことを聞かれるのは困る。なんとか話題を変えなければ。
「そ、そうか。わざわざすまないな」
「いいんだ。それより兄さんの方は大丈夫だった? 昨日は色々と大変だったみたいだけど」
「ま、まぁな。多少難航しかけたがもう大丈夫だ」
「なら良かったよ」
どうやら純粋に心配してくれたようだ。
これはチャンスではないか。このまま何事もなく過ぎればミオリネのことを上手く誤魔化せるかもしれない。昨晩、ミオリネと一夜を共にしたことは絶対に秘密にしなくてはならない。
「じゃあ僕はもう行くよ」
「あぁ、食堂でな……あっいや待ってくれ。ラウダ。お前に言うことがあるんだ」
「どうかした? 兄さん」
「実は昨日な……婚約者のミオリネとお付き合いをすることになったんだ。それでだな、周りに言うかってのはまだ決めてはいないんだが、やっぱり弟のラウダには家族として言うべきだなって思ってな。報告しておく」
「……おめでとう。兄さん」
「特に何か……言ったりしないのか?」
「兄さんが決めたことなら相手がミオリネでも僕に異存はないよ。それに兄さんが負けるわけないからどの道結婚するんだろうなって思ってたしね……でも話してくれて嬉しかったよ兄さん。ありがとう」
「ラウダ……」
「あっそうだ兄さん」
「ん? どうかしたか?」
「そこにいるミオリネに伝えといてよ。兄さんを傷つけたら許さないからなって」
ばっばれてる!?
ミオリネが居ることが完全にバレてしまっている。だが俺がどうするか迷っているうちに、ミオリネが俺の前に出てきていた。そして俺の腕を取ると、ラウダに向かって凄い笑顔を向けている。
「えぇ勿論伝わったわ。だから弟くん、これからは義姉としてよろしくね」
そう言って俺を引っ張るようにして扉に手を掛ける。そして扉を閉める直前、ラウダと睨み合いをバチバチと利かせていた気がする。というか義姉って。
「なぁミオリネ、さっきのはどういうことだ?」
「さっきのって、なんのことかしら」
「いやだから、さっきのラウダへの態度だよ」
「あれは……ラウダに私達の関係が知られちゃったから、牽制の意味も込めてってところね」
「一体なんの牽制なんだ……」
「それにね、せっかく認めてくれたんだから挨拶ぐらい必要でしょ」
今朝は食堂で食事をしたのだが、やはりみんなミオリネの存在に気付いてしまうわけで、今日からミオリネが入寮することになったと発表した。みんな大盛り上がりして色んな人から実際の仲はどうなのとか聞かれるが、ミオリネはむしろ吹っ切れたのか堂々と答えている。そして入寮の手続きを終えて、肝心の部屋が決まったのだが。
「ちょっとグエル! あんたと部屋が遠いんだけど⁉︎」
「そればっかりは俺に言われてもな……男女ってこともあるんだろうさ。だからそんなに怒るなよミオリネ。ほらっ荷物も手伝うから」
「当たり前でしょ!」
そんな感じでミオリネを部屋まで送ったのだが、その道中ずっと愚痴を聞かされていた。部屋に入るとそのままベッドに倒れ込んで、ため息をつくミオリネ。そんな様子を眺めながら俺も隣に腰掛けて一息つく。
「はぁ、疲れたわ・・・」
「ははっ、確かに大変だったよな」
「笑いごとじゃないわよ全く」
「とりあえず明日も休みだしゆっくりやっていこうぜ」
「そうさせてもらうわ・・・ねぇ、グエル」
「うん? どうかしたか?」
「ちょっとこっちに来てくれない」
ミオリネは俺の手を引いて、自分の方に引き寄せると、優しく抱きしめてきた。
「お、おいミオリネ」
「・・・しばらくこうさせてちょうだい」
「あ、ああ分かった」
ミオリネの身体は温かくて、良い匂いがした。それに柔らかくて、とても心地が良い。
「・・・これで少しは元気出たかも」
「こんなので良ければいつでもやってやるさ」
念の為ここにも書いておきますが、前に消したやつ+αをR18に書きました。クオリティはあんまり期待しないで見てください。