グエルなんだがミオリネ抱いた 作:鳥羽
今回は文字数少ないです。
俺は真剣な顔でミオリネにそう言った。
くっまさか一週間しか持たなかったとは。このグエル・ジェターク……一生の不覚っ! と冗談はさておき、正直なところミオリネが乗ってくれそうなものが分からないのだ。この一週間で大分警戒心は無くなったと思うし、実際ゲームは一緒にやることができた。
だがあくまでこの時間は、ミオリネの菜園の作業中ということ。
彼女の邪魔をしたい訳ではないので場所を選ばず、短い時間で楽しめるものがベストだろう。そのうえで今までのは、全て俺の趣味や特技でそういったものの中から選んだものだ。するとどうだろう、すぐにネタが切れた。
勿論、俺から離れたものにすればいいという考えもあった。だがやはり仲を深めるには、お互いをある程度知った方がいいと俺は思ったわけだ。ならラウダや寮の時でそういうことに慣れている俺の方から心を開いていこうとしたわけだ。そうやって一週間頑張ってきた。だがこれからはどうしようかと悩んでいる。
ちょっと手間をかけるなら料理やDIYは俺は出来るが、ミオリネってそういうの苦手そうなイメージがある。あとは楽器は一応ギターとピアノは人並みぐらいに覚えたが……ミオリネはお嬢様だしピアノは習っていそうだがどうなんだろう。
とはいえピアノを用意してどうしろと。連弾でもしろっていうのか。うーん、それとも映画や音楽等の鑑賞系で行くか? 同じものを一緒に感じれば仲が良くなると確か書いてあったな。
「ふーん」
俺の発言を受けて少し思案したミオリネの表情は、気のせいでなければちょっとだけ揶揄うようなものに変わった気がする。彼女は顔が整っているため、喜怒哀楽といったものが分かりやすいのだが……俺が賢くないからかその心の内側がよく分からない時がある。
「まぁ正直安心したわ。このまま続けられたら堪ったものじゃないもの」
「くっ」
思わず片膝をつく。
何せミオリネの言葉は、時に刃のようにサクッと刺さるのだ。特に今のは割と本心で喋っているであろうから尚のこと深い。しかもミオリネはそのまま予想外のことを嬉々として言い始めた。
「そうね……アンタに付き合ってあげたんだから、今度はわたしに付き合う番じゃない?」
「くっ、確かにその通りだ。いいぜ、この際なんでも付き合ってやろうじゃないか!」
ミオリネはとてもいい笑顔だ。俺自身この一週間のことはしつこいと言われても納得できてしまうので、何がきてもおかしくない。一体どんな無茶振りが来るか分からないが、俺は開き直って覚悟を決めた。
「じゃあ決まりね。この菜園、アンタに構ってたから作業が遅れてんのよ。さっさと中に入って手伝いなさい」
例え火の中水の中、どんな過酷な未来が待って……まって……ん? 菜園の中に入って? あんなに誰にも入れさせようとしなかったのに?
「ま、まてミオリネ」
「なによ、アンタに断る権利あると思ってんの?」
「いや……そうだな。喜んでやらせてもらう」
狼狽える俺に顔を近づけて威圧するミオリネ。身長差のせいで背伸びしているため、ちょっと可愛く見えてしまう。とはいえ一週間前には入らなかった場所。そこに入れさせて貰えるということは、それなりに心を許して貰えたという事なのかもしれない。
なら俺としてはその信頼に絶対に応えたい。なに、こう見えて前世は地球生まれ地球育ち。相性は良いはずだ! 俺はミオリネの指示に従って壁や床にある鉢に花を植えたり、水やりを行なっていく。
「そこはもっと角度に気をつけて! 水が適当すぎ! 根本からあげるのよ!」
「あ、すまん」
それはそれとして彼女は厳しかったし、植物は奥が深かった。