グエルなんだがミオリネ抱いた 作:鳥羽
多分こんな感じ。
おい!MS以外で決闘出来るじゃねぇか!じゃあウチのグエルは脳筋なんですか⁉︎ 知らないうちに経営科やメカニック科とフェンシングや乳搾りしてたっていうのか⁉︎ ルールは挑戦者がある程度決めるから、どんな不利な条件でも受けたってそういう・・・?
決闘、栽培、その他と忙しい学校生活を送っている内に6月に入った。
俺は今、休日だというのにジェターク社周辺宙域でテストを行っていた。
というのも開発中のダリルバルデには、第五世代の意志拡張AIが搭載されているからだ。様々なパイロットがダリルバルデに乗り、または相手となっている。
これにはベータ版ではあるが、ベイズ予測を使っている。
ベイズ予測っていうのは新しい情報が手に入ると、それを反映した新しい理論モデルを生み出すという、簡単に言うと学習する予測みたいなもんだ。開発チームが言うには複数のAIを組み合わせたことで、より正確な未来を予測できるAIになったと言っている。
何が言いたいかというと、理論的には闘えば戦うほど強くなれるということだ。そのため時間の空きがあればジェターク社が有する優秀なパイロットが乗った最新機体を相手に、何故か俺は学園仕様の普通のディランザで戦わされている。その結果、最初はパイロット頼りの弱かったAIも倒すたびに着々と強くなってきて、今やこの機体だとキツくなってきている。
しかしだ。ドローンには慣れない内は苦戦したが、AIも学習するが当然俺も学習する。俺はイーシュヴァラタイプBを装備したダリルバルデを相手にしつつ、ビームアンカーとビームクナイを持った前腕兼ドローンであるイーシュヴァラタイプA二つを捌いていく。
しかしこの四刀を捌いて攻撃を浴びせようとしても、肩部にあるアンビカーというドローンのシールドが自律防御してくる。挙句にシャクルクロウという飛び出す足が掴んでこようとするしで、こいつ全身武器の忍者かよ! とツッコみたくなる。正直、ここまで成長するとは思わなかった。恐るべしAI、でも早く射撃武器増やしてくれ。お疲れ様です御曹司じゃないんだわ。
そしてテストを終えて学園に帰って来たが3年生を置いて副寮長になってしまっている俺は、個人オッズランク十位以内にいる寮長から後輩の育成について「来年もグエル兄弟一強では、卒業時点でジェターク寮の栄光は終わってしまうぞ」と言われてしまった。
栄光……というのはともかく言いたいことはわかった。
俺が卒業してもこの学園にジェターク寮は当然存在する。そして俺が卒業する時、弟のラウダは勿論シャディクやエランといった御三家の子供も全員卒業する。つまりその時、良い流れを掴めた寮が今後も有利になるかもしれないということだ。
例えばホルダーがいると寮生のモチベーションが上がる。そもそもパイロット科がエリートと呼ばれてるのもあるだろうが、その頂点だから当たり前か。それに寮でのことが会社にも影響することはあるし、そもそもこの寮にいる時点で大半はジェターク社と関係ある会社に就職するだろうからな。彼らが未来の社員と考えると確かに大事だし、優秀であった方が嬉しい。
いっそのこと勉強も効率よく学ぼうということで、ジェターク寮と地球寮共同で専攻ごとに勉強会を開いた。
その後、ジェターク寮の同じパイロット科の二、三年を集めてこの話をしたあとに後輩を集め、任意で指導してほしい生徒を集めたところ全員が来てしまった。なので今後も座学と実技を教えるために定期的に集まることになった。こういう時、地球寮にもパイロット科がいれば良かったんだがなぁ。
あとせっかくだし、他の寮とも交流会のようなものをしたいとラウダに相談したら、辞めておいた方がいい、と言われてしまった。もうちょっとだけ足掻いてみたくて、御三家がいれば説得材料としていいんじゃないかと決闘委員会活動の時にちょっと話を聞いてもらったが、エランからは興味ない、シャディクからも色々言われて断られてしまった。
正直シャディクならいい返事が貰えるんじゃないかと思ったので残念だ。やっぱり企業の壁は厚いということなんだろうか。結局は同じベネリットグループだというのに。
今日は俺じゃなくてグラスレー寮の一年、レネ・コスタが男女関係のあれこれで決闘していた。その為俺は決闘委員会として場所の確保、そして立会人として仕事を行なっていた訳だが……レネ・コスタの男女への対応が違いすぎてまた決闘が起きそうだと感じた。
そして事前に連絡はしたとは言え、俺は少し遅刻して学園のはずれにある森の奥、つまりはミオリネの温室に辿り着いた。
「遅かったじゃないグエル」
「悪い、決闘委員会が長引いた。だからほら、詫びスイーツ買ってきた」
ミオリネにスイーツの入った箱を手渡し、心地よい温度の温室を見わたした。トマトも大きな緑色の球体を実らせ、赤く染まってきた。ここまで来ると毎日の手入れの日々を思いだしてしまってなんだか感傷に浸りたくなってくる。とはいえまだまだ時間はかかるもので、トマトは一定の日数よりも積算温度という毎日の気温の積み重ねが重要な野菜だ。大体合計1000℃ほどなので、この温室でいうなら赤くなるにはまだ一ヶ月以上かかる。
「これ新作じゃない!」
「あぁミオリネが好きなんじゃないかと思ってな。チェックしてたんだ」
さっきまで不機嫌のように見えたミオリネは、今や嬉しそうな表情をしている。温室の奥にある机に箱を置いた彼女とともに椅子に座った。
「半分ずつにしましょ? そうすればお互い両方の味を食べられるし」
「そうだな。食べ比べするか」
付属していたスプーンで半分に分ける。彼女のスプーンが俺の器に乗ったスイーツを口に運ぶ。おっ、どちらもミオリネの好みだったようで良かった。俺も彼女のとこから一口貰う。美味い。
俺たちはデザートを堪能した後、生徒手帳で出来るゲームで遊んだり、その日あった事を話していつものように過ごした。
「アンタそろそろ時間でしょ。私も帰るから送ってってよ」
「勿論、婚約者をエスコートしなきゃな」
俺は冗談を言いながら彼女を理事長室まで送った。最近は一緒に帰ることが多くなった。いつも一人だったから二人で散歩は新鮮な感じがしていい。
「それじゃあ、また明日な」
「えぇ、また明日」
扉の前でお互いに軽く手を振って別れる。
そういや理事長室の二階は多少変わった。前と変わったのはゴミの分別がしてあり全てゴミ袋として存在していることだ。床に直置きカップ麺やペットボトルなどはもう存在していない。ゴミ袋を捨ててないことはあるが、それでも感動的だ。
またバグったのか分からないですが、二話投稿されてました。何だこれ。