Infinite Stratos ~Pupil to Beni from Ao~《瞳は蒼から紅へ》   作:ぬっく~

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10話 保健室

IS学園の地下50メートル下にある一室。

 

暗い部屋の中では機械音と共に光が灯っていた。

 

そして部屋の中央にあるベッドのようなものの上には、ボロボロになった残骸が横たえられていた。

 

「解析はどうだ、山田先生?」

 

私は山田先生にそう尋ねる。

 

「はい……それが、やはりあのISは無人機でした。コアも調べてみましたが……どこの国家にも登録されていないものです」

 

「やはりな……」

 

私はその犯人を知っている。

 

コアを作ることが出来るのは世界でただ一人だからだ……

 

(束……お前は一体何を考えている?)

 

親友の事を心の中で思った。

 

「なにか心当たりが……」

 

「いや……ない。今はまだ……な」

 

そう言って、私は山田先生に作業を続けるよう促し、その様子を見守っていた。

 

 

 

 

 

謎のISの乱入もあったが、なんとかクラス代表戦を終え、今は保健室にいた。

 

理由は無理に極大 雷鳴剣を使用したからである。

 

尤もそこまで怪我は負っていないが、軽く火傷をした程度で保健室にいるのは微妙だと思うが……

 

(暇だな~)

 

そんな事を思いながら保健室にいると。

 

「一夏、具合は大丈夫なの?」

 

鈴に声を掛けられた。なんて丁度いいタイミングだろう。

 

「ああ……全身に軽い火傷かあるけど……それ以外はなんともないさ」

 

「そう……大したことないなら……いいけど」

 

俺の言葉を聞き、鈴は少し戸惑いながらもそう言った。

 

「おまえの方は大丈夫なのか?」

 

「ええ、見ての通りよ。」

 

俺は鈴の身体を心配するが、鈴はいつも通りの反応をする。

 

(怪我とかが無くて良かった)

 

そんな事を思っていると

 

「ねぇ、一夏。あんたに聞きたい事が有るんだけど。」

 

鈴にそう言われた。

 

「ん?何だ聞きたい事って?」

 

俺はそう聞き返した。

 

「あんたの目……あの時、青から赤に変わっていたよね?」

 

鈴は心底不思議そうにそう聞いてきた。

 

「やっぱり気になったか……話長くなるけど聞くか?」

 

「ええ、私は構わないわ」

 

そして俺は今の目の状況を話した。

 

 

「……エレンがね」

 

一通り話し終えると、今まで沈黙を貫いていた鈴がそう言った。

 

その声には、同情が込められていた。

 

「俺からしたら嬉しい事だしさ。むしろそのおかげで俺は強くなることもできた」

 

俺は鈴にそう返した。

 

「そっか……」

 

鈴は俺にどこか悲しげな声でそう返した。

 

「聞きたい事ってそれだけか?」

 

俺がそう聞くと、鈴は今までの雰囲気をガラリと変えてきた。

 

「ええ、まだ有るわ。」

 

「そうか、何が聞きたいんだ?」

 

俺がそう尋ねると

 

「ねぇ、一夏。エレンって本当何者なんだろうね?」

 

そう聞いてきた。

 

(確かに……)

 

「この目のこともそうだし、中学の時もそうだったよな……」

 

「そうだったわね」

 

(エレンは何者なんだ?)

 

俺はエレンが死ぬ前に一度だけ聞いたことあるが……

 

『 例え、世界が私の敵になったとしても一夏くんは私の味方でいてくれる? 』としか話してくれなかった。

 

尤もその時は言葉の意味がわからなかったが、今ならなんとなくわかる。

 

(この目には世界すらも揺るがすほどの力があるのかもしれないな……)

 

色々と考えたが、やはり今出ている答えだけでは、まだ足りない。

 

「鈴、俺は……」

 

「一夏さん!!具合はいかがですか?」

 

しかし、俺の言葉はセシリアの言葉で途中で遮られてしまった。

 

鈴はいきなり俺の名前を呼んだセシリアに視線を向ける。

 

「このわたくしが来たからにはもう心配は……あら?」

 

鈴は不機嫌そうな顔をしていた。

 

「鳳さん……貴方がどうしてここに?二組の方に見舞われる筋合いはなくってよ?」

 

鈴は挑発するかのようにセシリアに話す。

 

「あたしは一夏の幼なじみだからいいのよ!あんたこそ他人じゃん」

 

「なんですって!?」

 

「なによ、やろうっての!」

 

「おーい……」

 

すでに、遅かった。

 

その後、俺は自分の部屋に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何かの機械で埋め尽くされた部屋の中で、一人の女性がモニターに向かっていた。

 

「いや~、流石はいっくんだね~」

 

この部屋には似つかわしくない明るい声でそう言ったのは、二十代前半と思われる女だ。

 

しかし成人を過ぎた女性にしては何というか格好が少しばかりおかしい。

 

ウサギの耳のような機械を頭に載せ、エプロンを付けた西洋の給仕服、

 

いわゆるメイド服に似た服を着込んでいた。

 

この女性の名は、篠ノ之 束

 

ISという画期的な物を開発したまさに天才にして天災である。

 

この世界をいまのような形にした張本人である。

 

篠ノ乃束は満足気にモニターに食い入っていた。

 

「いっくんの力を見れたからそれでよしとして……」

 

篠ノ乃束は声のトーンを変えずにそう言いながら、モニターから目を離す。

 

「まだいっくんは全力じゃないみたいだし、また送りこむのもアリかな……」

 

しれっと、問題発言を言っているが当の本人はそれを気にも留めていなかった。

 

「でもさ、おかしいんだよねぇ」

 

しかし、その一言で今までの声とは違い、やや低めの声になる。

 

 

「だって、いっくんの目って……

 

 

 

 

 

コバルトブルーの筈なのに……」

 

 

 

 

一瞬の間、静寂がこの部屋を支配する。

 

「ま、今はそんな事どうでいいや」

 

しかし、そんな静寂も彼女の明るい声で掻き消されてしまう。

 

「さぁ~、早く残った仕事を片付けないとね。」

 

そうして篠ノ乃束は部屋の奥へと消えていった。

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