Infinite Stratos ~Pupil to Beni from Ao~《瞳は蒼から紅へ》   作:ぬっく~

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27話 銀の福音

「では、現状を説明する」

 

照明を落とした薄暗いなか、大型空中投影ディスプレイが浮かんでいる。

 

「今から二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカとイスラエルの共同開発、第三世代型・軍用IS『銀の福音』(シルバリオ・ゴスペル)が暴走。監視空域を離脱したとの連絡があった。」

 

軍用ISの暴走…………何か裏がありそうだな……

 

「その後、衛星からの追跡の結果、福音はここから二キロ先の空域を通過する。学園上層部により、我々がこの事態を対処することとなった。」

 

「俺たちで軍用ISを止めろってか…………」

 

「そうだ」

 

とんでもない事件に巻き込まれたな…………

 

「これより作戦会議を始める。意見のあるものは」

 

「はい」

 

早速、手をあげるセシリア。

 

「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

 

「いいだろう。ただし、これは二ヵ国の最重要軍事機密だ。けして口外はしないように」

 

公開されたデータを元に作戦会議が始まった。

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型…………」

 

「攻撃と機動の両方を特化した機体か…………」

 

「この特殊武装が曲者だね」

 

「このデータだけでは格闘性能とスキルがわからん。偵察は行えないのでしょうか?」

 

しかも、この軍用IS…………全身装甲(・・・・)らしい。

 

「無理だな。この機体は今も超音速飛行を続けている。アプローチも一回が限界だろう」

 

「一回限りのチャンスとなると…………」

 

山田先生の言葉に、全員が俺の方を見る。

 

「だろうな…………で、誰が俺をそこまで移動させるんだ?」

 

「目標に追い付ける速度が出せるISに超高感度ハイパーセンサーが必要だな」

 

「現段階で最高速度を出せる機体は誰だ?」

 

「わたくしのブルー・ティアーズが」

 

「一応、私も」

 

セシリアと簪が手をあげる。

 

「わたくしは奇襲用高機動パッケージが送られて来ましたので」

 

「使用許可が降りれば、いつでも行けます」

 

「更識、最高速度はいくつ出る?」

 

この時、とんでもない答えを聞いた。

 

「秒速150kmです」

 

桁外れの速度に全員固まった。

 

「び、びび、秒速150km?!」

 

「いくらなんでも速すぎでしょ!!」

 

「次元が違いすぎるよ……」

 

「秒速150kmとなると雷の速度と同じだぞ!」

 

セシリア、鈴、シャルロット、ラウラは簪の言葉に驚く。

 

「(まさか…………)もしかして、奥の手か?それは……」

 

「うん」

 

エレンめ、なんと言うものを教えているんだよ……

 

「では、更識。織斑を連れて追撃及び撃墜をしろ」

 

「はい!」

 

その時だった、いきなり底抜けに明るい声が遮る。

 

「待った待った待ーーった!!」

 

天井から束さんの首が逆さまに生えていた。

 

「束、作戦はもう決まった。何を言おうが変える気はないぞ」

 

天井から降りてきた束は、まだ納得のいかない顔をしていた。

 

「今の技術では、秒速150kmなんて、束さんでも作れないんだよ?それがどういうものなのか説明してもらえるかな?」

 

確かに技術でそれを作ることは不可能だ……だが、エレンのからもらった奥の手ならば…………

 

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)『雷天大壮』(ライテンタイソウ)

 

やっぱりそうか…………

 

「超機密情報になるのでこれ以上は、束博士でもお話することはできません」

 

「それでは本作戦は織斑・更識の両名による追撃及び撃墜とする。作戦開始は30分後。各員、ただちに準備にとりかかれ!」

 

こうして、福音事件が始まった。

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