Infinite Stratos ~Pupil to Beni from Ao~《瞳は蒼から紅へ》 作:ぬっく~
「では、現状を説明する」
照明を落とした薄暗いなか、大型空中投影ディスプレイが浮かんでいる。
「今から二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカとイスラエルの共同開発、第三世代型・軍用IS
軍用ISの暴走…………何か裏がありそうだな……
「その後、衛星からの追跡の結果、福音はここから二キロ先の空域を通過する。学園上層部により、我々がこの事態を対処することとなった。」
「俺たちで軍用ISを止めろってか…………」
「そうだ」
とんでもない事件に巻き込まれたな…………
「これより作戦会議を始める。意見のあるものは」
「はい」
早速、手をあげるセシリア。
「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」
「いいだろう。ただし、これは二ヵ国の最重要軍事機密だ。けして口外はしないように」
公開されたデータを元に作戦会議が始まった。
「広域殲滅を目的とした特殊射撃型…………」
「攻撃と機動の両方を特化した機体か…………」
「この特殊武装が曲者だね」
「このデータだけでは格闘性能とスキルがわからん。偵察は行えないのでしょうか?」
しかも、この軍用IS…………
「無理だな。この機体は今も超音速飛行を続けている。アプローチも一回が限界だろう」
「一回限りのチャンスとなると…………」
山田先生の言葉に、全員が俺の方を見る。
「だろうな…………で、誰が俺をそこまで移動させるんだ?」
「目標に追い付ける速度が出せるISに超高感度ハイパーセンサーが必要だな」
「現段階で最高速度を出せる機体は誰だ?」
「わたくしのブルー・ティアーズが」
「一応、私も」
セシリアと簪が手をあげる。
「わたくしは奇襲用高機動パッケージが送られて来ましたので」
「使用許可が降りれば、いつでも行けます」
「更識、最高速度はいくつ出る?」
この時、とんでもない答えを聞いた。
「秒速150kmです」
桁外れの速度に全員固まった。
「び、びび、秒速150km?!」
「いくらなんでも速すぎでしょ!!」
「次元が違いすぎるよ……」
「秒速150kmとなると雷の速度と同じだぞ!」
セシリア、鈴、シャルロット、ラウラは簪の言葉に驚く。
「(まさか…………)もしかして、奥の手か?それは……」
「うん」
エレンめ、なんと言うものを教えているんだよ……
「では、更識。織斑を連れて追撃及び撃墜をしろ」
「はい!」
その時だった、いきなり底抜けに明るい声が遮る。
「待った待った待ーーった!!」
天井から束さんの首が逆さまに生えていた。
「束、作戦はもう決まった。何を言おうが変える気はないぞ」
天井から降りてきた束は、まだ納得のいかない顔をしていた。
「今の技術では、秒速150kmなんて、束さんでも作れないんだよ?それがどういうものなのか説明してもらえるかな?」
確かに技術でそれを作ることは不可能だ……だが、エレンのからもらった奥の手ならば…………
「
やっぱりそうか…………
「超機密情報になるのでこれ以上は、束博士でもお話することはできません」
「それでは本作戦は織斑・更識の両名による追撃及び撃墜とする。作戦開始は30分後。各員、ただちに準備にとりかかれ!」
こうして、福音事件が始まった。