Infinite Stratos ~Pupil to Beni from Ao~《瞳は蒼から紅へ》 作:ぬっく~
「(例え、世界が私の敵になったとしても一夏くんは私の味方でいてくれる?)ああ、俺はそれでもエレンの味方さ…」
放課後、一夏は教室に一人残り椅子に座ったまま動こうとしなかった。時々言葉を口にするがそれを聞く者は一夏以外、誰も居ない。
「エレン……」
そう言う彼の手にはオルゴールが付いた懐中時計があった。懐中時計の蓋の裏には一夏とエレンの写真があり曲が一周すると一夏は席から立った。荷物を持って教室から出ようとするが。
「良かった。織斑君、まだ教室にいたんですね」
そんな自分に山田先生が書類を片手に駆け寄ってきた。
「あ、山田先生」
「えっとですね、寮の部屋が決まりました」
そういって部屋番号の書かれた鍵を渡してきた。この学園は寮制で寮で過ごす事が義務付けられているらしい。
「解りました。それではこれで」
頭を下げてそのまま去ろうと、廊下を歩いているとするが千冬に呼び止められる。
「着替えと携帯の充電器があれば十分だろう。ありがたく思え」
「はあ……どうもありがとうございます」
荷物を引っ手繰ってそのまま教室を出た。
「織斑君、随分古い時計を使いなるのですね。今時、懐中時計を使う人なんていないのですが」
「あれは、織斑にとって大切な物だからな」
「はあ……」
もう彼女はいない、あの事件で彼女は死に俺だけが助かった。あの事件には不可解な所が多数存在したが解決することはなかった。そのまま進み続け自分の部屋を発見し中へと入った。内装を確認するとベットが二つあった、荷物を窓際のベットの近くに置き、自分のそのベットに腰掛けて窓から景色を眺める。
「………」
島から見る景色とは全く違った。十分綺麗と思える景色だが綺麗だとは思わなかった。この世界は彼女がいないと灰色にしか見えないと思った。
「エレン……俺はお前が恋しい……」
すると背後で扉が開く音がした。そういえば先程からシャワーの音がしていた、同室者がいたらしい。しかし一夏はエレン以外の女性には興味は無いため振り向こうともしなかった。
「い、一夏…?」
「篠ノ之か、さっさと服を着ろ」
一夏に指摘され箒は悲鳴を漏らしながら洗面所に戻り、着替え始めた。だが彼はエレン以外の女の裸など見ても何も感じないし思わない、邪な事も考えない。もう相手にするのも面倒になったので寝ることにした。
一夏はその時、初めて彼女にあった日のことを思い出していた。
中学に入ってから少しのことだった。
その日、先生から転校生が来ることを知った。
そう、それが全ての始まりだった。
彼女の名前はエレン・橘
名前的には日本人のハーフ?と思ったが、彼女の目を見て分かった。
空のように青い瞳。
今、思うとあの時から俺は彼女に一目惚れしたんだと自覚できる。
自己紹介も終わり、彼女の席は……俺の隣だった。
俺はその日からずっとエレンのことしか考えられなかった。
エレンもエレンで凄かった、転校してから数日後、彼女に告白する人が後をたたなかったが、誰も成功しなかった。
友人の弾でもさえ、だけど……一人だけ成功した人がいた。
そう、俺、織斑一夏だけだった。
確かに俺は彼女に一目惚れしていたが、何故、俺を選んだのかは知らない。
その後は弾と皆で楽しく過ごした。
デートもした、あの時はとても楽しかった……だけど、それは長く続かなかった……
第2回モンド・グロッソでドイツに行くことになったことをエレンに話したら自腹してまで一緒に来てくれた。
そして、会場に向かう途中……事件は起こった。
千冬姉を棄権させる為に誘拐されたのだが、結果的に棄権させるのに失敗したのだ。
犯人グループに暴行され、銃で打たれたのが最後に覚えていることだった。
その後、気づいたら病院に居た。
その後にエレンが何処にいるのかを尋ねた。
そして、最悪の真実を知った。
エレンが死んだ
信じたくなかった
何で俺が生きて、彼女が死ななければいけなかったのか
さらにその事件も不可解な点があったのだ。
監禁場所は火災、犯人グループは全員死亡、さらにISも複数見つかった、そして何故か俺の周りだけ燃えていなかったのだ。
結局、事件は未解決のまま幕を閉じてしまった。
その後、知ったんだが俺の目がコバルトブルーに変わっていることに、最初はビックリした。
嬉しいのか悲しいのかよく解らなかった。
だけど、一つだけ言える事があった、エレンは俺の中で生きていると……
その後はエレンの遺品の中にオルゴールが付いた懐中時計があった。
中には写真が一枚入っていた。
最初にして最後の写真、世界でたった一つの写真が……
その後は藍越学園の試験会場を間違えて、ISを起動させてしまった。