Infinite Stratos ~Pupil to Beni from Ao~《瞳は蒼から紅へ》 作:ぬっく~
作戦開始まであと10分
一夏と簪はそれぞれ出撃の準備に入る。
「簪、
魔法先生ネギま!の主人公が使う魔法の一つで、能力的には最高クラスの魔法である。
「エレンみたいに長時間使用できないけど…………大丈夫だよ」
『織斑、更識、聞こえるか?』
オープン・チャンネルから千冬姉の声が聞こえる。
『作戦が変更になった』
「?!どういうことですか?」
『織斑、篠ノ之の両名で作戦を実行しろと、学園上層部から通達が来た』
作戦開始まであと5分を切っているのに作戦変更だと?!
「束さんですね」
『ああ、束の奴が学園上層部に紅椿のことを話たらしい』
学園上層部は束さんお手製の紅椿の性能を優先したと言うことかよ。
「相手が全身装甲だから、俺の奥の手が使えないという時に…………」
『更識はそこに待機、篠ノ之が着き次第、作戦を開始する』
「「了解」」
少しして紅椿を纏った箒が現れた。
「本来なら女の上に乗るなど私は許さないが、今回は特別だぞ」
この時、箒は妙に機嫌がよかった。
(浮かれているな…………)
俺は紅椿の背中へと乗った。
『織斑、篠ノ之、聞こえるか?』
オープン・チャンネルから千冬姉の声が聞こえた。
『織斑、今回の作戦は一撃必殺だ。短時間でかたをつけろ』
「了解」
「織斑先生、私は一夏のサポートをすればよろしいでしょうか?」
『篠ノ之は何もするな。専用機を手にいれたばかりだから、なにかしらの問題が発生するとは限らない』
「…………わかりました」
箒は織斑先生の話に納得いかない顔をしていた。
『織斑』
「はい」
オープン・チャンネルではなくプライベート・チャンネルで千冬姉の声が届く。
『どうも、篠ノ之は浮かれている。あんな状態では何かを仕損じるやもしれない。』
「わかりました。なるべく早くかたをつけます」
『頼むぞ』
それからまたオープン・チャンネルに切り替わった。
『時間だ!作戦、開始!!』
箒は俺を乗せたまま、一気に飛翔した。
「暫時衛星リンク確立…………情報の照合……完了。目標の現在位置の確認。一夏!一気に行くぞ!!」
「あ、ああ」
箒はそう言うなり紅椿をさらに加速させる。
「目標に接触まで後10秒だ!一夏、集中しろ!」
俺は目を閉じ、
(写輪眼!!)
写輪眼を発動させると同時に瞬時加速と零落白夜を発動させ間合いを一気に詰める。
(行けーー!!)
光の刃が福音に触れようとした瞬間…………
「なっ!?」
福音は、最高速度のままこちらに反転、後退の姿になって身構える。
(予想より、速すぎる!写輪眼が追い付けなかっただと……)
なら、反撃が来る前にケリをつければいい。
しかしー
「敵機確認。撃退モードへ移行。《銀の鐘》、稼働」
「ちっ!」
オープン・チャンネルから聞こえた機械音声には『敵意』を感じた。
いかなり福音は体を一回転させ、零落白夜の刃をほんのわずかの精度で避ける。
いくら
「くっ…………あの翼か!」
全身装甲でなければ、操縦者に幻術が使えるのに…………
写輪眼には3つの能力がある。
未来視、コピー、幻術
この場で使えるのは幻覚を除く2つだが…………福音は思いの外、速すぎて未来視が追い付かない。(※1)
コピーも全く役に立ちそうにない。
(まだ、簪の方が福音を相手できるぞ!)
接触してしまった以上、後は引けない。
(写輪眼は使えない上に、神鳴流も全く通じないだろうしな…………)
この時、俺は詰んでいた。
福音に対抗する術が零落白夜だけだった。
「一夏!!」
その時、箒が福音に攻撃を仕掛ける。
「な!?箒!」
その場で待機していた箒が痺れを切らして、福音に攻撃を仕掛ける。
「一夏!一気に畳み掛けるぞ!」
「おい!ちょっと待て!」
俺の言葉を聞かず、箒は福音を追いかける。
福音の銀色の翼。スラスターでもあるそれの、装甲の一部が翼を広げるかのように開く。
(これは!)
写輪眼の未来視で見えたのは…………
弾幕だった。
一斉に俺たちに向かって、幾重もの光の弾幕が打ち出された。
「ぐぅつ!?」
高密度に圧縮されたエネルギーはちょうど羽の形をしていた。
これが福音の主装備らしい。
(連射速度も桁外れかよ…………)
その数と速度。連射が無茶苦茶速すぎる。
狙いはそほど高くはないが、数が多すぎる。
(弾から借りた東方紅魔卿をやってなかったらきついぞ!)
「仕方ない。箒!」
俺と箒は複雑な回避行動を行いながら福音へと近づく。
「左右から攻めるぞ。左を頼んだ!」
「了解だ!」
けど、俺と箒の攻撃は当たりもしなかった。
それどころか、回避しながら反撃までしてくる。
あの翼はとんでもないものだった。
「一夏!私が奴の動きを止める!!」
「わかった!」
言うなり、箒は福音へと向かう。
(こっちもこっちで化け物機体だな…………)
紅椿の機動力により福音を追い詰めていく。
行けるか?
そう思い刀を握りしめる。
「La…………♪」
甲高いマシンボイスと同時に福音は全方位に向けて一斉射撃する。
「やるなっ…………だが、押し切るのみ!!」
箒が光の弾幕を紙一重で避け、迫撃する。
隙が、できた。
だが、俺は福音とは真逆の直下海面へと全速力で向かった。
「一夏!?」
瞬時加速をし、一発の光弾を俺はかき消す。
「何をしている!?せっかくのチャンスを…………」
「船がいるんだ!」
海上は先生たちが封鎖したはずだった。
そこには一隻の密漁船がいた。
俺の手の中で《雪片弐型》の光の刃が消える。
作戦は失敗だ。
「馬鹿者!なぜ犯罪者など庇う!そんなやつらは…………」
「箒!!」
「っ!?」
「力を手にしたら、弱い奴のことが見えなくなんて…………箒らしくないぞ……」
「わ、私、は…………」
明らかに動揺した顔を隠すかのように手を覆う。
その時に落とした刀が光の粒子へと消えた。
(まさか!?今のは
ここは、IS学園のアリーナではない。実戦だ。
再び福音に目を戻すと箒に向かって一斉射撃モードに入っていた。
(頼む!白式!!)
スローモーションの世界で俺は箒を海へと突飛ばした。
「ぐああああっ!!」
全ての弾幕を俺は受けた。
「一夏っ、一夏っ、一夏ぁっ!!」
大きな水音を立てて白式は墜落した。