Infinite Stratos ~Pupil to Beni from Ao~《瞳は蒼から紅へ》 作:ぬっく~
それは一夏かまだ中学2年だった頃のことだ。
千冬姉が第二回IS世界大会『モンド・グロッソ』の決勝戦当日を見にエレンと一緒向かっていた。
(やべぇ、まだ間に合うかな?)
初めてのドイツで少し道に迷った。エレンがドイツ語を話せたお陰で何とか間に合いそうだ。
(どうにか間に合いそうだな)
そんなことを考えながら、一夏とエレンは試合会場を目指す。
その時だった。一台の黒いワゴン車が俺たちの前に止まり、黒いスーツを着た数人の男たちが降りて来た。
急に現れた為、すぐさま対応出来ず俺たちはそのまま誘拐された。
俺とエレンは別々の所に監禁された。
犯人は小さなテレビを見ていた。
「織斑千冬選手入場です」
犯人たちは織斑千冬が入場したことにより慌て始めた。
(千冬姉の棄権目当てか…………)
織斑千冬の棄権させることに失敗した犯人たちは俺に向かって、罵倒に始まり殴る、蹴る、挙げ句の果てに銃弾をぶち込んできた。
(ああ、俺はここで死ぬのか…………)
もうほとんど目が見えなくなり、犯人たちの顔すら見えなくなっていた。
徐々に痛みも感じなくなり、俺は死を覚悟した。
「もう少し生きたかったな…………」
その時、エレンの声がきこえたが何を言ってたのかは覚えていない。
再び目を開けた時には知らない天井が写った。
その横には千冬姉がいた。
「ここは…………」
周りを見渡すとここが病院だとわかった。
「…………一夏?」
どうやら、千冬姉を起こしてしまったようだ。
「あー、すまん。」
「一夏…………一夏!!良かった…………目をさましてくれて…………」
その時、千冬姉は泣いていた。
誘拐事件から俺は一週間も寝ていたらしい。
「一夏?お前…………その目どうした……?」
「目?」
千冬姉は手鏡を渡し自分の顔を見た。
そこに写っていたのは…………
蒼い瞳の俺だった。
一瞬、フリーズした。
蒼い瞳と言えばエレンのことだが、エレンはこの場にはいない。
「千冬姉はエレンが何処にいるか知っている?」
「一夏…………その事なんだか…………」
躊躇うように答える千冬姉。
「エレンは死んだ」
この時、世界が停止したように思えた。
「嘘だよな…………?」
千冬姉は何も答えない。
「何でエレンが死なければいけないんだよっ!!」
俺の中で何かが壊れた。
エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。エレンが死んだ。
その時、千冬姉が抱きしめて来た。
「真実を受け入れろ一夏…………」
「嘘だぁーーー!!」
この時、俺は涙が枯れるまで泣いた。
その後、事件の簡単な情報を千冬姉から聞いた。
犯人グールプは全員死亡。
死因は様々だった。
精神破壊から始まって銃殺、毒殺など色んな死体があったそうだ。
俺が監禁されていた場所には二機のISがあったらしいが、二つとも大剣で操縦者ごと真二つにされて発見されたらしい。
監禁場所は放火されていた為、俺たちは死んだと思われていたが…………消火された後、生存を確認され、そのまま病院に搬送された。発見された時、俺の周りだけが燃えていなかったそうだ。
エレンは両目から血を流しながら、俺を守るように抱きしめて死んでいた。
その後、日本に戻ってエレンの葬式をあげる。
エレンは一人暮らしで小さなアパートに暮らしていた。
さほど荷物はなくほとんど俺が引き取った。
エレンが死んだことにより俺は1年ほど不登校になった。
エレンの手帳を読んでいた時だった。
「エレン…………」
手帳にはこう書かれていた。
一夏くん、たとえ私が死んでも不登校にならないでよね。
人生は一度限りなのだからその時間を大切にしなさい。
もしこれでも不登校になるなら、恨んじゃうよ?
いいね?
「やっぱ、エレンには勝てないな…………」
俺は学校へ行く準備をして、一年ぶりに学校へ行った。
中学だったから留年は無かったが、色々と大変だった。