Infinite Stratos ~Pupil to Beni from Ao~《瞳は蒼から紅へ》   作:ぬっく~

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41話 姉と妹

翌日、俺は自分を尾行している人間がいることに気づいた。

教室にいた時からずっと監視されていた。

俺は廊下に出てゆっくりと歩き、近くの角を曲がると、少ししてから歩いていた方向から小さな足音が鳴った。

このまま無視しても問題はないが、尾行している人物からの殺気が伝わってくる辺りから、只事ではないだろう。

だから、俺はこの尾行者が誰なのかを確認することにした。

次の角を曲がり次第、反転して制服の袖から小太刀を出し構える。

そして尾行者が曲がりに入り次第、小太刀を突き付けた。

 

「あなたでしたか、楯無先輩」

 

俺を尾行していたのは更識楯無だった。

普段と変わらずにおちゃらけたように話すが、その目は怒りに燃えていた。

 

「それで、俺に何の用何ですか?」

 

「んじゃ、聞くけど……」

 

楯無先輩は質問する。

 

「あんたのその両目。一体何なの?」

 

質問と共に、俺への殺気が一気に膨れ上がった。

それは一般人なら失神しているぐらいに凄まじいものだったが、俺はこれを平然と受け流す。

 

「…………」

 

俺は何も答えない。

何故なら、これはエレンの転生特典の目の為、話したって意味がないからだ。

これだけでは楯無先輩から殺気を放たれる意味がない。

多分、昨日の『月読』のことだろう。

だがあれは、万華鏡写輪眼の能力の一つでしかない。

だからこそ、この応答に答えられない。

その反応を見て楯無先輩の我慢は限界を超えてしまった。

それまで溜込んでいた怒りを全開で爆発させ、楯無先輩は俺を睨み付け吠える。

 

「いいから!答えなさい!!」

 

叫ぶと同時に自身のISを部分展開し、蛇腹剣を呼び出し、俺に向かって振るった。

IS学園では指定された場所以外でのISの使用は禁止されている。

部分展開も例外は無い。

自身に向かってくる蛇腹剣を俺は後ろへと跳ぶことで回避した。

先程まで俺がいた床は蛇腹剣で切り裂かれ、無残な姿になっていた。

楯無先輩は蛇腹剣を手元に戻すと、俺に向かって叫んだ。

 

「今のは挨拶替わりよ!織斑一夏!私ともう一度、戦いなさい!!」

 

先程の攻撃を宣戦布告として楯無先輩は俺に戦えと言ってきた。

しかし、それがスポーツや素手の戦いではないことは楯無先輩の殺気からしてわかっていた。

俺はあんまりこの目を使いたくはなかった為、この場から逃走しようとした。

それを見て楯無先輩の頭にさらに血が昇った。

 

「逃げるですって!?勝てないから逃げるっていうの?織斑一夏!!この臆病者がぁぁぁ!!!」

 

怒りに身を任せながら思いっきり織斑一夏を罵倒する更識楯無。

だが、織斑一夏はそれを無視して逃走をはかる。

 

「だから、あんたはエレンと言う女すら守れないのよ!!」

 

「今、何って言った……?」

 

俺は逃走を止め、蛇腹剣を振るう楯無先輩の方を向いた。

 

「ようやくその気になったかしら?」

 

怒りを顕わにしながら、肉食獣のような獰猛な笑みを浮かべる楯無先輩。俺は両目を万華鏡写輪眼にして楯無先輩を見る。

 

「楯無先輩……次は手加減しませんよ?」

 

万華鏡写輪眼の状態で楯無先輩に言うと、俺は袖から3本の小太刀を取り出した。

それは相手にISなど使う必要ないという意味でもあった。

それが怒りにさらに火を注ぎ、ついに大爆発を引き起こした。

 

「舐めるのも大概にしなさいぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

楯無先輩は怒りのままに蛇腹剣を振るい、襲い掛かる。

俺はその場で小太刀で蛇腹剣を切り裂いた。

 

「なっ!?」

 

まさか蛇腹剣を破壊されるとは思っていなかった為、楯無先輩は驚愕する。

その隙を突いて俺は一気に距離を詰め、楯無先輩の首に小太刀を突き付けた。

 

「この程度ですか………残念です」

 

あまりの速さに頭が追いつかない楯無先輩に向かって俺は静かにそう言った。

さっきまでの事にやっと頭が追いつき始めた楯無先輩は舐められたことにさらに激昂した。

別に一撃加えられた訳でも無く、部分展開とは言えシールドエネルギーのバリアは張ってあるので小太刀を投げた所でダメージはない。

だからまだ勝負はついていない。

なのに織斑一夏は帰ろうとしていた。

ここまで馬鹿にされて耐えられるほど楯無先輩の精神はタフではなかった。

 

「待ちなさいぃぃぃぃぃぃ!!織斑一夏ぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

楯無先輩は怒りのあまりに我を忘れて自身のIS『ミステリアス・レディ』を展開する。

そのまま、持っていた武器『蒼流閃』と名付けられたランスを向け突進しようとしたが……

 

「何やってるの?お姉ちゃん?」

 

その突進は楯無先輩の後ろからした声で止められた。

楯無先輩にとって一番聞き覚えのある声らしく、首を後ろに動かた。

楯無先輩の後ろにいたのは……

 

「か、簪ちゃん……」

 

いきなり目の前でISを展開した姉。

姉の血走った視線は一夏に向けられていて止めに入ったのだった。

 

「織斑君に何してたの?お姉ちゃん?」

 

簪は氷ような目で楯無先輩に問うと、先程まであった勢いは嘘のように失っていた。

 

「だ、だって、あいつに……織斑一夏に負けたのが悔しくて!!」

 

それを聞いて簪は怒りをぶつけるように楯無先輩に言った。

 

「…………私、お姉ちゃんに決闘を申し込むわ!!」

 

簪は楯無先輩に決闘宣告をぶつけると、俺の方へと向かって来た。

楯無先輩は最愛の妹に決闘宣告を言われ、思考がおいつかなかった。

 

「大丈夫?織斑君」

 

「大丈夫だ」

 

とくに問題もなかったのでそう答えた。

 

「そう…ならよかった。お姉ちゃん。放課後、第三アリーナで待っているから……」

 

簪はそう言い残し、俺と共にそこを去った。

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