「ん〜、勉強の後の息抜きは大事ですね」
ソファで横になってバリバリとポテチを食べる女性。私の家を我が物顔で寛ぐ彼女は梓みふゆ。魔法少女。白髪のショートカットに、頭頂部の髪の毛が動物の耳か昆虫の触角のようにはねているのが特徴的だ(これアホ毛の一種か?)。年齢はやちよと同じ19歳。現在は浪人生らしい。
「勉強は大丈夫なの?」
「ええ、灯花達の補習を受けているので」
「ならいいけど」
私としては心配だが、灯花達が勉強をみてくれているのだ。彼女たちなら何とかなるだろう。
ところで、少し気になるのが
「みふゆ、実家のようにくつろぎすぎじゃないか?」
「え、そうですか」
きょとん、とした顔でコップにジュースを注ぐみふゆ。てか、それ瓶のぶどうジュース。地味に高いやつなんだけど。みふゆ、初めてあった頃より図々しくなったね。
「それにしても、実家ですか…」
「あっ、嫌な言い方だった。ごめん」
気にしてない、と笑顔で言うみふゆ。たしか、彼女の家は呉服屋で厳しく躾けられたと聞いた。実家の話は彼女にとって複雑でタブーのはずだ。
「ワタシこのお家が好きなんです。みかづき荘と同じくらい」
「あ、ありがと」
思いがけない言葉に、つい声がうわずってしまう。みふゆがそこまで、思っていてくれるなんて。
「家では自由がありませんでしたから。魔法少女になって。やっちゃんと出会って。みかづき荘にきて」
「それから〇〇さんと出会って、色んなことがありました。ワタシ今がとっても楽しいんです!」
「みふゆ…」
ソファで横になったまま、そういう事は言うなよ。台無しだよ。
「それは良かった。後、」
「後?何です?」
「ぶどうジュース飲み過ぎだ。カル○スにしなさい」
私はカル○スのペットボトルをテーブルに置く。
「くっ、仕方ありませんね」
くっ、じゃない。甘えすぎだ。でも、偶には良いかもしれな…
「…待て!」
「へ!?」
みふゆは二袋目のポテチをあけようとしていた。
「わ、渡ひませんよ。これだけは」
私の視線に気づいたのだろう。ポテチを背中に隠すみふゆ。
「2袋目は食いすぎでしょ!家のポテチがなくなるんだけど」
「や~です」
まるで子供。いくら甘えん坊といっても、これは酷い。
たかがポテチとはいえ、さっきまで好き勝手されたのだ。これ以上好き勝手されてたまるものか。
「返せ!」
「ふんっ」
私が後ろに回り込むと、みふゆはポテチを前に出す。ならば、と私は前に進む。みふゆはすぐさま後ろにポテチを隠す。
「なあ、いい加減にやめないか」
「欲しかったら、ふばっみてくだはい」
みふゆはそう言うと、服の裾を上げるとその中にポテチをしまい込んだ。
さっきから、みふゆの様子がおかしい。呂律はおかしいし、顔もわずかに紅くなっている。
もしやと思い、瓶を確認する。
「やっぱり、これワインだ」
私の予想通り、みふゆが飲んだのは葡萄ジュースではなくワイン。ラベルが似ていたので、気づかなかった。これを飲んで、酔ったみふゆは先程から普段の彼女であればしない行動をとったのだ。
「でも、ポテチは返せ!」
私は彼女に手をのばす。
「なっ、女の子のからはに軽々しく触れるなんへ」
彼女は抵抗する。お腹にいる我が子(ポテチ)を守るため。
予想以上に抵抗が激しく、テーブルが揺れ動きテーブルのモノが落ちる。カル○スが倒れ、中身をぶちまける。
「くっ、往生際が悪いぞ!」
「やー」
みふゆは丸くなって防御しようとする。彼女との攻防は膠着状態に陥る。
その時、部屋のドアが開いた。
「みふゆ、灯花が勉強再開を…」
入ってきたのはやちよだった。彼女はこちらを見て、固まった。彼女の視線にはお腹の膨らんだ親友、その親友のお腹に触れる私、そして、床や私達にかかった白い液体。それらを見た後、頭を下にゆっくりとむけるやちよ。
数秒、時間が止まったように感じた。
「あっあっ、これは」
「やっはん?」
「そう、そうだったのね」
私がやちよに状況をどう説明しようかと考えるよりも先に、彼女は答えがでたらしい。
やちよの頭がゆっくりと上がる。
「おめでとう二人とも」
「へっ!?」
やちよの顔は涙ぐんでいた。目に浮かんだ涙を手で拭っている。
「二人がそんな関係だったなんて知らなかったけど。まさか、こ、子供を作ってたなんて…」
やちよはとてつもない誤解をしている。
「や、やちよ、これは違う!!誤解してる!!」
「みふゆも説明して!!」
一人では誤解を解くのが難しいと判断し、みふゆに助けを求める。
誤解の原因となったみふゆはソファですやすやと寝ていた。
「みふゆっーーーーーーーーーーー!!!!」
このあと、やちよに説明して誤解を解いてもらった。みふゆはぐっすりと寝ていたが。
後日、他の魔法少女から、みふゆさんと付き合ってたんですか、子供いたんですかといった質問をされるようになった。
皆、その話少しは疑ってよ。
現在マギアレコード以外の小説を執筆したり、リアルが忙しくなってきたので更新が遅れると思います。
小説の分量について(作者は小説1000字書くのでも、キツイです)
-
今の分量で満足(作者に任せる)
-
時間をかけて 3000字〜4000字
-
同上 5000字〜6000字