苦手な人は読まないことを推奨します。
魔法少女のソウルジェムに宝石を押し当てる。宝石は光の粒子へと変化し、ソウルジェムに吸い込まれていく。
「──んっ、くっ」
少女は声を漏らす。
魔法少女の命であるソウルジェムに干渉しているからだろう。痛みはないはずだが、苦悶の声を出す。
「──ふぐっ、ん…」
光の粒子全てがソウルジェムに吸収された。強化が終了したのだ。
「お疲れさま、みたま。もう強化は終わったよ。」
「ふぅ……○○さん、今週の強化ありがとう」
「ああ、どういたしまして」
笑顔で私に礼を言う少女。彼女は八雲みたま。女子高校生。年齢は17歳(17歳教というわけではない)。
彼女はある事情で普通の魔法少女より非力なのだ。そのため、定期的に彼女を呼び出して強化を行っている。
「いつもごめんなさい。アイテムの数は限りがあるのに」
「気にしなくていいよ、知らないうちに集まっているから」
アイテムの形は様々で、宝石以外にも本やオーブの形をしたモノもある。みたまを強化したアイテムはアプリから出てきたものだ。アプリを色々弄っていたら、このアイテムはアプリの持ち物リストから出現した。調べていくうちに、魔法少女を強化することのできるアイテムだとわかった。アイテムは時間経過で増加するので有り余っている。なので、毎日魔法少女を強化しても問題はない。
強化が終了したので、世間話でもしようとみたまは話しかけてくる。
「そういえば、○○さん。みふゆさんと赤ちゃんを作ったのって本当なのぉ?」
ニコニコと微笑む彼女からの質問によって私はむせた。
「何を言うんだ君は。ていうか、その話は終わったでしょ」
みたまは冗談好きだ。だから、あの事件を、私をからかうネタとして利用したのだろう。
「ごめんなさ~い。ついからかいたくなっちゃって」
「ついじゃない、いつも君はからかっているだろ!」
「実は私、人をからかわないと死んでしまう病気にかかっているの」
「平然と嘘つかないでもらえますか、嘘を」
私の反応が面白いのか、口を抑えて笑うみたま。そのまま笑っていたのが突然、
「──でも○○さんがいけないのよ」
「えっ!?」
胸にナイフを突き立てられたような錯覚を覚える。みたまの顔にいつもの笑顔はなく、人形のように無表情になっていた。
彼女は人間をひと睨みで氷づけにできるのではないかと思える瞳でこちらを見つめ、低い声で話し続ける。
「○○さんはいつも他の女の子に優しいし、私がアプローチしても気づいてもらえないのがほとんど…」
「あっ、えっ……みたま?」
みたまの瞳からハイライトが消えている。怖い。
「○○さんは呼び出した女の子とすぐ仲良くなっちゃうし……」
みたまはその後も下をむきながら、ブツブツとつぶやいている。
このままここにいるのはまずい。そう判断した私は部屋の扉まで音をできるだけたてないように駆ける。ドアノブを握り、ドアを開けようとしたその時だった。
「どこへ行くの?」
ガシリ、と万力のような力で私の手を握るみたまが傍にいた。
「あああああああああああああーーーーーーーーーーーっっ!!」
私はみたまが傍にいたことに驚いてしまい、その勢いで飛び跳ねてしまった。この時、なぜか後ろではなく前方向に飛んでしまったので、みたまの方へ飛び込むこととなった。つまり、みたまにぶつかるわけだ。
「えっ!?ちょっt」
みたまは私が飛び込んできたのを見て、目を丸くして驚いていた。
二人揃って床に倒れ込んだ。
「いっつつ……みたま大丈夫か?」
痛む体を動かして、みたまの安否を尋ねる。
むぎゅ。
ん?床ではない。何か柔らかいものを掴んだ気がする。
頭を上げて、確認する。そこには、顔をトマトのように赤くしたみたまが涙目でこちらを睨んでいた。なら、自分が掴んだものはいったい何なのか。
自分が掴んだものをよく見てみると、みたまの胸がそこにはあった。
「あっ、ははっ…ごめんなさい」
バチンッ!!
みたまは私に平手打ちを喰らわせた。
魔法少女では非力な部類の彼女でも、人間一人を気絶させることのできる平手打ちくらいできるのかと、薄れゆく意識の中で魔法少女の肉体能力に感心した。
「うっ……」
意識が覚醒し、ぼんやりとした視界がクリアになっていく。
「あら、お目覚めかしら」
みたまの顔が目の前にあらわれた。どうやら彼女は膝枕をしていてくれたらしい。先程まで自分のしたことを思い出して、慌てて動こうとする。
「あっ…そのままでいいから」
「でも、さっき…」
「わざとじゃないのはわかっているし、原因は私にあるから」
安静にしてくれ、と頼むみたまの忠言を聞き入れることにする。
「──あんなに怖がらせるつもりはなかったの。…それは、本当よ」
みたまが豹変した時のことだ。どうやらあれは少し脅かすことが目的だったらしい。彼女にとって予想外だったのは、私が想定以上に驚いたことだ。その結果今に至るというわけだ。
「みたま、私は怒ってないよ。けど、」
彼女の膝の上は心地がよく、落ち着く。そこらの枕にはないぬくもりを感じられる。このままずっとこうしていたい。
「寝ていい?」
「ええ、迷惑かけちゃったし。膝枕くらいするわ」
みたまに了承をもらい、目を閉じる。
みたまの胸やわらかかったなぁ
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小説の分量について(作者は小説1000字書くのでも、キツイです)
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今の分量で満足(作者に任せる)
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