ダンジョンに英雄を、伴侶を、名声を、正義を、混沌を。果ては出会いなどを求めるのは間違っている   作:七海香波

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 単発モノのつもりが、それなりに好評そうだったので続きをポイ。


だから今日も俺は迷宮に潜る

 

 迷宮(ダンジョン)第188層、『古骸戦場(スパルタニア)』。

 それは迷宮(ダンジョン)に数ある闘技場(コロシアム)の一つであり、最大の特徴は拓かれている(・・・・・・)こと。

 焼け落ちた紅色の空。吹き荒ぶ黄土色の砂風。そして、階層の端(・・・・)まで広がる巨大戦場。

 かの『白宮殿(ホワイトパレス)』のように『大円壁』によって各種の戦いの広間(ルーム)に区切られていることが一切ない、階層の最端までを一目で見通すことのできる砂塵の平野。

 次層への階段は何一つ隠されることなく、沈黙を貫きながら平野の中央に窪みのように鎮座している。

 では、そこへの道程を隔たる障害とは?

 語るまでもない。

 

 無限に戦い、争い続ける、二陣営(・・・)竜牙兵軍団(スパルトイ・レギオン)だ。

 

 

『『『ォォォ――ヲヲヲヲオオオッ!!』』』

『『『キェェエエエ――ッ!』』

 

 東西に分かれた、各々(それぞれ)竜牙将軍(スパルトイ・ジェネラル)を頂点とした二勢力。

 この地を攻略する冒険者は、彼らの勢力が衝突しあう最前線(フロントライン)を突破しなければならない。

 肉を持たない骨の身体ゆえに疲労を知らない彼らは、永遠に戦い続けることで経験を延々と蓄え続けている。そのようなモンスターたちによる左右からの挟撃を耐え忍びつつ、階層中央の階段を目指すのが、この階層における正当な攻略法だ。

 

 そして、そこにふらりと訪れた異邦の者(冒険者)が一人。

 

「今日も元気だなお前らは。では、俺も混ざるか」

 

 下層からの階段を昇ってこの階層を訪れたクレス・カタストロフは手始めに、目の前で真っ向から骨剣で鍔迫り合いを演じていた二体の『スパルトイ・シニアエリート』の魔石をその緋槍で以て穿ち砕いた。

 

 その断末魔は、普段であれば戦場の剣戟の音に紛れて消えていく些末な雑音(ノイズ)だった。

 されど今回のそれは、教会の天辺に据え付けられた鐘の音のように戦場の末端まで届き――それまで争いあっていた全ての兵力が動きを止め、その視線をただ彼一人に向けた。

 モンスターの怨敵である人間(異物)の出現。ダンジョン()攻略(攻撃)する無礼な輩を前にして、彼らは虚ろな眼窩で以て互いの顔を見合わせ、頷き、団結したように見えた。

 

 この場に存在する自分以外の全ての敵意が己に向いたのを自覚しつつ、その光景を睥睨しながら、クレスは己が武装を構える。

 

「収穫の時だ。そろそろ前の乱獲の損害も癒えてきたな? 育ったお前たちの果実(ドロップアイテム)は、今回もさぞ良い素材となるだろう。……では、死ね」

 

 その一言を切っ掛けに、再び古戦場の空気が爆ぜた。

 乾ききった死の大地にて、死せる戦士たち(モンスター)生きる人間(冒険者)による闘争が花開く――。

 

 

 

 

 

 正面から迫る骨槍の連続刺突を掻い潜り、懐に迫ったのち左手に握る剣を一閃。

 同時に背後から斬りかかってきた骨長剣の一撃を接近前に右手の緋槍で薙ぎ払い、肋骨の隙間に除く心臓部を寸分たがわず突く。急所を穿たれた竜牙強兵(スパルトイ・シニアエリート)は滾る戦意むなしく爆散し、戦場の塵となった。

 すかさず迫る別個体の群れに相対しながら、両手の剣と長槍を構える。

 一剣一槍(ワン・ソード・ワン・スピア)

 それがこのような人型モンスターとの乱戦時における、俺、クレス・カタストロフの最適解だ。

 

『キィィィッ!! ――グコッ!?』

『クカカカカカ――ッ!! ――ガキュッ!?』

『キキッ、クケケケケェェ――ゲキッ!?』

 

 迷宮(ダンジョン)にて生まれ育ったモンスターは通常、初めて覚えた戦法を愚直に使い続けて極めていく。

 天然武器(ネイチャーウェポン)の剣を手に入れた個体なら剣術ばかりに執着し、弓を手に入れた個体ならば狙撃ばかりに拘泥する。取り扱いの異なる別の武器種について、奴らは自ら手を伸ばそうとしない。現状の自分の攻撃手段が通じない相手がいたとしても、無謀に吶喊(ゴリ押し)するか素直に撤退を選ぶかの楽な二通りに逃げる。

 言わば、井の中の蛙。

 現在(いま)の自分に出来ることはしても、出来ないことを無理に克服しようとまではしない。

 発展や応用を行う知性こそあれど、まったく趣の異なる分野を学ぼうとする理性はない。

 

 だからこそ、連中が己に残したままの弱点をつけるこの戦い方(一剣一槍)が面白いように決まる。

 

 剣や槌、もしくは発達した鉤爪を振るう接近戦主体のモンスターについては、槍を以てその攻撃が届かない位置から牽制しつつ迎撃する。

 戦斧(ハルバード)大鎌(デスサイズ)などを振るう中距離戦主体のモンスターについては、剣を以てその得物が満足に振るえない位置にまで近づき攻め立てる。

 

 利点(メリット)を奪い、不利(デメリット)を押し付ける。

 それはモンスターには不可能な、冒険者(人間)だからこそ出来る戦い方。

 【斬打巧撃(アルミギア・ミリプレクス)】――敵の性質に応じて適切な武装と技を使い分けることで威力を向上させられるスキルをこの一対多の場において最大限発揮できるのが、これら剣と槍の組み合わせなのだ。

 

『ガキャキャッ!』

 

 迫る短柄の骨槌を持った竜牙強兵(スパルトイ・シニアエリート)が跳びかかってくる。

 確かに、落下のエネルギーを加算した強打撃は『深々層』相応の膂力を伴って凄まじい威力を生むに違いない。

 しかし空中に跳んだとなれば足の踏ん張りがきかず、自然と攻撃の軌道は固定されるものだ。

 迫る槌の一撃から目を逸らさず、俺は相手の攻撃が完了するより早く、その魔石を槍で突き壊した。モンスターの摂理に従い、その身体は灰となって素材(スパルトイの骨片)が残る。

 それを拾う間もなく迫るのはまた別の、巨大な馬上槍(ランス)を掲げ突進を行う竜牙強兵(スパルトイ・シニアエリート)だ。

 

『キェアアアッ!!』

 

 金切声にも似た猿叫を上げながら迫る竜牙強兵(スパルトイ・シニアエリート)、その側面に回り込むように身体を仰け反らせ回避しながら、すれ違いざまに剣を振るう。

 槍を引き戻す間もなく宙を舞う塵となった敵からは、発達部位である上腕骨が残った。

 そこへ降り注ぐ、骨の弓兵(アーチャー)からの矢の豪雨。

 

「ふん」

 

 槍の柄の中央付近を持ち、指先の動きで回転――疑似的な円形盾(ラウンズ・シールド)を形成して身を守る。

 それを隙と見て襲い掛かってきた連中の獲物の軌道を、残っていた剣を用いて軽く誘導してやって相打ちにもっていかせる。互いの矛先で互いの魔石を貫いた骨兵らは、思わぬ同士討ちをさせられたことに苦悶の声を漏らして消滅していった。

 

 そうして時折降り注ぐ矢雨の中を駆け抜けつつ、縦横無尽に戦場を駆ける。

 切り裂き、貫き、薙ぎ払い、打ち砕く。

 一撃必中。魔石という鍛えようのない明確な弱点をひたすらに、執拗に付け狙いながら。

 

 軍と呼べどもその実態は単なる個の寄せ集めにすぎず、連中には訓練された連携など存在しない。協力、それの出来ない軍勢などむしろ互いの足を引っ張るだけにすぎないということを、彼らは知らない。

 隙間だらけの波状攻撃を俺という異物に喰い破られ足並みの乱れた彼らの一部には、互いに足を絡ませてすっ転んでしまい、知恵の輪のように骨の凹凸が噛み合って動けなくなってしまったものさえ見受けられる。それは俺にとっての絶好の的であり、足元に落ちていた骨片を戦いの最中に蹴り飛ばしてやれば、奴らは抗う術を持たないまま新たな素材を残して二体同時に消えていった。

 

 戦いの趨勢は、どう見ようとこちら側に転がっていた。

 俺が乱入するまでに骨勢が轟かせていた鬨の声は既に、蹂躙されるだけの悲鳴の重奏に変化している。

 地面にまき散らされる数々の骨の欠片。やがて地を満たさんとする朋友の墓標の上に、新たな骸が次から次へと積み重なっていく。

 その光景にはいくらモンスターと言えど、畏怖の念を抱かずにはいられなかったのか。

 奴らの中に怯えの空気が醸成され、徐々に及び腰になりつつある輩が生まれてきたのを見て取って、

 

「……そろそろ頃合いか」

 

 打倒したのは三百と少し。これ以上の素材は、今回は不要か。

 ならばあとは回収するだけなのだが、それを邪魔されると鬱陶しくて仕方がない。

 続けて剣での立ち合いを挑んできた威勢のいい竜牙強兵(スパルトイ・シニアエリート)の魔石を槍の穂先で弾きながら、並行詠唱を開始。

 

「――【原初の火よ、人理の歩みを照らせ】」

 

 振り下ろされた斬馬刀を踏みつけてその上を駆けあがり、一瞬獲物の自由が利かなくなって硬直した相手の魔石を肋骨ごと蹴り砕いて。

 

「【大神より磔刑を受けし貴神(あなた)に敬意を捧ごう】」

 

 打棘棍棒(モーニングスター)を扱う相手の一撃を跳び退って回避してから反転、急前進し切り裂いて、

 

「【精神(こころ)在る限り我が歩みは終わることなどなく、】」

 

 飛来してきた投げ槍をすかさず弾いて下から上へ跳ね上げ、宙でくるくると弧を描きながら落下してくるそれの尻を右足の甲で蹴り飛ばし相手先へと送り返して――。

 

「【やがて英知の指し示す果てへと至らん】――【プロメテウス】」

 

 解き放たれるは、人に扱うことを許された規模の小太陽。

 この古戦場の上空に満ちる陰の落ちた紅色を白く塗り替える、極光の顕現。

 それは間を置かず地上へと向けて隕石の如く落下する。向かう先に存在しているのは東方の勢力だった。

 彼らは慌てて矢を射かけ槍を投げつけて太陽を打ち崩そうとするが……それは叶わなかった。

 接地した巨大火球は瞬く間に炸裂し、その場にいたモンスターらを余すことなく焼き払った。竜牙強兵(スパルトイ・シニアエリート)竜牙隊長(スパルトイ・コマンダー)も、竜牙士官(スパルトイ・オフィサー)だろうが竜牙将軍(スパルトイ・ジェネラル)だろうが、構わず、灼熱の波濤で全てを呑み込んで消滅させる。

 更におまけとばかりに、余波たる熱波が西側勢力の一部をも溶融させていった。

 

「こんなものか」

 

 上級冒険者を超えた、言うなれば超級冒険者の長文詠唱から生み出される戦略級魔法。

 地上であればまず放つ機会の訪れない【魔法】は、一応迷宮(ダンジョン)が崩壊しない程度に威力を抑えていたものの、軽く三万はいた片側の兵力の全てを文字通り消し炭にした。

 

 ――それだけには留まらず。

 

「何を呆けてる? 次はお前らの番だぞ(・・・・・・・・・)

 

 長年の宿敵を刹那の間に失って唖然としていた西方の骨兵たちを、天に浮かぶもう一つの疑似太陽が睥睨していた。

 二重詠唱(デュアル・ソング)。口内で詠唱を反響させ、同時に二回分の魔法を唱える特殊技法。

 そうして顕れた二つ目の落陽が、今ここに永年の戦争の終焉を告げた。

 

 爆裂、そして砕震。

 

 火と光の交わりあう二度目の大爆発が階層を満たし、それまでに骨々が軋み奏でていた戦慄の歴史の一切を無に帰した。

 

 

 

 

 

 

「よしよし、今日もそれなりの素材(ドロップアイテム)が採れたな」

 

 階層は変わり、第201層。

 『深々層』の安全地帯(セーフティポイント)であるこの場所に設けた一軒家に帰り、あの戦場から持ち帰ってきた大量の(ドロップアイテム)を下ろして安堵の息を吐く。

 これらの骨には極微量な神珍鉄(シェンジェンチェ)が含まれており、それがここ最近の俺の武装の主な構成源となっている。先ほどの戦いはこれの回収作業だった、というわけだ。

 次はこれを精製する段階であり、というわけでこれまた別の階層から獲ってきた加工道具を連れてくる(・・・・・)

 

『――グギャガァッ!?』

「やかましい」

 

 捕まえる時に一度懲らしめたはずだがまた暴れようとしていたので、殴りつけて黙らせる。

 このモンスターは通称――とはいえ俺くらいしか呼ぶ者はいないが――光金龍『ゴールデン・ワイアーム』。

 翼のない代わりに黄金の鱗を持ち、そして生まれ持った宝袋(ストレージ・オーガン)と呼ばれる特殊な内臓に珍しいモンスターの素材や天然武器(ネイチャー・ウェポン)を貯め込む習性を持っている。とはいえそれらを自前の火息(ブレス)で溶かしてしまうという少々残念な一面もあるのだが……今回はそれが役に立つ。

 

「そら食え」

『アギャオッ!? ……ウグゴォォォオオオッ!?!?!?』

 

 拘束具で無理矢理顎をこじ開け、そこに今回集めてきた骨を放り込んでいく。

 喉奥に存在する宝袋(ストレージ・オーガン)へ目掛けてぽいぽいと投入していけば、時折変な呻き声とともに火息(ブレス)を伴う盛大なくしゃみを暴発させるのだが、それをひょいと避けつつまた投入を再開する。

 後はこいつが勝手に体内で素材を鋳溶かして、生まれた不純物を火息(ブレス)とともに吐き出し、最後に純粋な神珍鉄(シェンジェンチェ)(インゴット)が残るという訳だ。

 【プロメテウス】でやってもいいのだが、いかんせん、火力の調整に失敗すると神珍鉄(シェンジェンチェ)諸共全部吹っ飛ばしてしまうから困る。事実188層にて魔法で焼き払った連中の居た場所には、一切の素材が残っていなかったからな。

 その点、絶妙な火力を吐ける光金龍(ゴールデン・ワイアーム)はここ数十年の俺にとってかなりありがたい存在だった。

 

「よし、全部食ったな。後は二週間ほど放置して、取り出すだけと……」

 

 間違っても眼の届かないところで吐き出さないよう開口具をきつく締めた後、連れてきた時と同様のわずらわしさを覚えることのないよう、先に殴って気絶させてから拘束部屋に放り込む。

 後できっと怒りを覚えて暴れ散らかすだろうが、そうしようとすればするだけ竜の体内温度は上がり、より早く素材が出来上がる。

 恐らくこの光景をガネーシャ・ファミリアなどに見られればその残虐さに問い詰められたり本部(アイアム・ガネーシャ)に連行されたりと面倒が生まれるのだろうが、あいにくとここを訪れる人間は俺一人だけ。よって最も効率のいいこの作業を止める理由は、どこにもなかった。

 

「……さて、次の攻略に備えて携帯食料も作っておかないとな」

 

 龍のことはさておいて、他の準備へと思考を巡らせる。

 新たに潜ることになる第239層になにが待ち受けているのか、俺は当然知らない。

 故に、想定されるあらゆる障害を乗り越えられるだけの準備を済ませておくのは冒険者として必然のことだ。

 先ほどの行為についてもその一環で、238層の攻略中に破損した武器を修復するために必要なことだった。決して無意味な虐待を行っているわけではない。

 そして栄養の補給について考えることもまた、俺が生き物である以上は避けては通れない課題だ。いくらレベルが上がっても、根本的な欲求を捨て去ることはできないのだから。

 更には地図作成(マッピング)用の魔道具(マジックアイテム)についても一度分解して整備(オーバーホール)する必要があるし、防具についてもあらゆる局面に対応できるよう、最低十種類は整えておかなければならない。

 他にも回復道具(ポーション類)の調合など、やらなければならないことは数多く積み重なっている。

 

「急ごう」

 

 地上(オラリオ)で買い揃えられる品々の質は残念ながら、現状の『深々層』攻略には全くと言っていいほど間に合っていない。

 必要な攻略準備の全てを、俺は自分一人で済ませなければならないのだ。

 そのために求められる知識は昔、他のファミリアの主神らに頭を下げて回って叩き込んでもらった。

 武具の修繕から薬品の精密な調合まで、彼らから受けた恩恵は今も変わらずこの身で覚えている。

 なればこそ。

 

「より深く、底へと潜るために」

 

 彼らからの恩により生じる感謝もまた、迷宮(ダンジョン)の攻略へと帰結する。

 その行為から外れた雑念を抱くつもりはない。それらは、いざというときに迷いを生んでしまう厄介ものだから。

 

 俺は冒険者だ。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。今日の天気は悪くない。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。

 何かを斬るのは心地よい。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。主神の持たせてくれた弁当がうまかった。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。

 昨日の夢は山登りだった。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。実は猫を飼いたい。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。

 最近の趣味(マイブーム)は武器に特殊機構を組み込むこと。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。

 雨は嫌いだし雪は大嫌いだ。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。そういえば今日は土曜日だった。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。

 なんか迷宮(ダンジョン)にも飽きてきたな。だから迷宮(ダンジョン)に潜る。

 明日もきっと良い一日になるだろう。

 だから今日も、俺は迷宮(ダンジョン)に潜る。

 それが俺、クレス・カタストロフの人生哲学であり行動論理。

 

「ふぁーあ……少し眠いな。じゃ、攻略準備の続きといくか」

 

 身に纏っていた第238層『雷火祭天(フェスティバル)』攻略用装備である、耐熱耐雷性に優れた『赤王竜の膜外套(ドライグ・クローク)』を脱いで家の中へ入る。

 眠気をこらえて薬剤の調合を始めようとするが――その前に、中にいた影から声を掛けられる。

 

「おかえりなのじゃ、主殿。待っておったぞ?」

「……帰れ」

 

 人一人訪れない『深々層』の仮拠点。

 そこで勝手に棚から取り出した高級茶を啜りながら俺を出迎えたあまりに図々しい客人に、俺は思わず脱いだばかりの外套を投げつけた。

 

 




《Tips》
 神珍鉄(シェンジェンチェ)は孫悟空の使う如意棒の素材。
 本来は伸縮自在の特性を持った武器を作れるけども、クレスくんは本業の鍛冶師ではないから今のところ「なんか頑丈な金属」としか考えていないぞ。
 地上の真面目な鍛冶師が知ったらブチギレ案件だね。
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