異世界に転生してもガワは変わりませんでした 作:あんぽんたん
「どーもー…どんなワタシデモ愛し続けてね…キメラ系Vtuberの混沌カオスです…コンバンキマイラ〜!オマエラキモイワ…」
明らかな棒読みな口調から発せられた誹謗中傷を無視しながら俺は思ったことをそのまま口にした。
「うっわキッツ…見てられないなぁ消して良いか?お前ら」
そう視聴者に聞くがOKの言葉が出る筈が無く…。初配信の視聴を続ける事となった。
「勘弁してくれよお前ら…!お前らは楽しいかもしれないけど俺からしたら""しんどいんだよー!!!""」
「ダヨー‼︎ダヨー!ダヨー」
《出たwwwwwww》《これが噂のキメラエコーか…難病に効きそうだな》《難病に効きそうニキは自分が重病なことに気づいて…》《はい成クレ成クレ》《鼓膜に響いて心臓の動きが活性化するぜぇ…》
《初見です。一目惚れしたのですが全てが私には まだ早すぎたステージだったようです。修行をしていつか絶対貴方様の元へ戻って来るのでそれまで 活動を続けて下さい。それではまた!》
《ナイスパー!》《それはゴルフだぞ》《これはナイスパ…なのか?害スパでは無さそうだが…》《我々はその謎を解き明かすべくネットの底辺へと向かった》《音を聞け音を》
「チッ…」【"ドン!"】【"ドォン!"ドォン‼︎"ドォォン‼︎"】
コメント欄が盛り上がっているのは凄く良い事なんだが…ネタで盛り上がりすぎている。だから俺は台パンを最大音量でエコーにした。
《耳がぁ!耳がぁぁ…》《舌打ち助かると思った後ピーって音しか聞こえないんだけどもしかして俺死んだ?気づいたら知らない天井なんだけど》
〈メンバー歴14ヶ月〉【善人の皮を被った屑】
《残念ながら生きてるよ。精々限られた人生をいかに楽しく有意義にそして幸せに生きろ。俺みたいになるなよ》
《惚れた》《掘れた》《勝手に掘るな俺の
「おいお前ら…。そこまで俺を揶揄うって事は…良いんだよなぁ?」
《ちょっと待って時間的に
《初見さんもうすぐ強制終了するから鼓膜取ったほうが良いよ》
《え??》そのコメントが表示されたと共に配信に表示されてる混沌カオスのアバターが変わった。今までのアバターは鬼だったのだが今は地雷系女子に変わっている。そして…。
「ねえ…どうして私と話してくれないの?私の話を聞いてくれないの?どうして私と一緒にいるのに私と目があっているのに私以外のネタと私じゃない私以外の話題で楽しそうに話してるの?」
「ねえ「なぁ?」「おーい!」」
「で趣味はですね。ゲームですかねはい…美味しいです…」
今この配信では混沌カオスの大渋滞が起きていた。数えられるだけでも四人の混沌カオスが存在している。名前に恥じないカオスさだ。
《可愛いかったなぁ…(初配信の時は)白い目》《アカウント乗っ取られてますよ》《これが新手の違法アップロード配信ですか…》
【善人の皮を被った屑】《画面に可愛いが溢れてる。そして俺の家の冷蔵庫にはもやしが溢れてる。可愛いなもやし》
《だからアレほどスパチャは計画的にと…》
これがいつもの俺の配信だ。いつも視聴者と雑談しながらコメント読んだりゲームをやったり好き勝手やってる。この方針で運営からなんか言われたことも無いし…こんな日々がずっと続くと思ってた。
あの日が来るまでは…
6月5日混沌カオス引退。
どうしてこうなったのか。何をしたか考えてみると…思いつくのは
配信切り忘れ。そして彼氏の存在だ。まあ本当は違うんだが…。ネットではそう言われてる。ネットはスゴイナー。調べれば本人が知らないことすらも書いてあるんだもんなぁ
5月12日の耐久ゲーム実況配信で俺はやらかした。寝落ちして俺の地声と素の声がバレたのだが…。何故かそれが彼氏だと思われてしまった。
説明してる俺も何でそうなるんだよ…って思うが。そうなってる以上しょうがない。こうなったのは俺と運営同士で結んだ秘密の契約のせいだ。
3年間だ。3年間俺が生声バ美肉Vtuberな事を視聴者には明かさないで隠し通し時間が来たら最後の配信で暴露をして消える。
それが俺と運営であり女神である彼女との契約だ。これに対しての俺のメリットはこれが済んだら働かなくて良い事。彼女が俺を養ってくれるらしいから俺はその契約にサインをした。
彼氏がいる事になるのもまずいと言われ最終的な運営の判断は引退だった。
だがあちらとしても悔しさがあるらしく…転生して新天地で活動してくれと言われた。
「新天地って言われてもな…。何処なんだ?」元々いたリスナーと別れ新たなリスナーを得るのは大変だ。そう言った所。「あぁ…大丈夫だよ心配しないで皆一緒だから」と返された。
一体どういう事だろうか?訳が分からない。
《ピコーン!》スマホからメールが来たと知らされる。まあ来る相手は一人しかいない。それは確認するまでも無く女神だった。
「ここのURLから神絵師のサイトに飛べるから飛んでみて」
神絵師…。気になるからクリックしてみるか。調べるとAIが入力された文字で絵を自動に作るサイトだった。
「うーん。何が良いかな」此処で良い感じな画像が出たらこれをモチーフに新しいモデルを作ろうかな…。
そう思いながら適当に試してみる。
…。うーん次は…何にしようか…。混沌カオスは既にやったし…。合生キマイラにしてみようか。
少しばかりの読み込みの後に出て来たのは画像では無く…
「なんだこれ?URL?」それをクリックして出てきた画像を暫く見ていると頭に激しい痛みを感じて崩れ落ちる。
視界がぼやける何度も瞬きを繰り返すが目はかすみ…最後にチラッと見えたのは混沌カオスのAI画像だった。
「…い。…き……さい。」ん?何だ?何か声が聞こえる…。と言うかもう少し寝ていたい気分なんだが…。そうはいかないらしい。ゆっくりと目を開けると…
そこには画面が顔面のスマホ人間が俺を囲んでいた。
「はぁ!?」俺は思わず大きな声で叫んでしまった。それに対してスマホ人間達は周りを見て驚き何も無い場所を触っている。
そうすると人間の顔が出て来る。俺は取り敢えず「現地の方ですか?」と聞いてみる。
まあ冗談で聞いただけだが…目に見えるものが信じられない。まず周りを見てみるとズラッといる人達は年齢層が様々で…あ…女性もいる。
その全員の頭上にはアカウント名が書かれている。中には何個か知っている名前もある。
「いやっ…そんな事は無いですけど…。あっ…あの」
スマホから現れた少年は何故か俺と目を合わせてくれない。よほどシャイなんだろう。ん?待てよ知ってるアカウント…。何で知ってる?有名投稿者のアカウントとかか?いやにしては登録者数が少ない…となると。
俺のリスナーか?なら。「""あの…間違ってたら申し訳ないのですが…もしかして【善人の皮を被った屑】さんです?""」
なんか嫌な予感がする。と言うかなんか俺の声なんか変なんだけど…ウチの女神は時々暴走してヤバい方向にトンデモパワーをフルで使う。あの人が本気を出せば多分出来なく事は無いだろう…。
だから多少不思議な事が起きたって驚かないことにする。さっきの空中アカウントだってスマホ人間だってそうだ。
驚いてただろって?不意打ちは無しだろ。ジョン…突然やられたら誰だって驚くだろう?
「何で僕の動画サイトのアカウント名を…。知っていると言う事は…もしかして!でも何で…」
少年は目を輝かして興奮した様子で俺を見る。俺の嫌な予感はレベルアップする。少年からスマホを借りて内カメラで答え合わせをする。
そこには黒いドレスで着飾った長い白髪を下ろした画面上で見慣れた美少女がいた。
体を動かしてみるとまるで自分の体の様に動く。声は素の声が出せない。普通に喋っていると誰かとハモっている様に声が重なっている。
他にも色々あるがもう十分だ。どうやら俺は女神のトンデモパワーでVtuber混沌カオスのVモデルにガチで
いやどう言う事?
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