やっと、始まる?
ある城の一室、五人の男女が集まっていた。
一人はプラチナピンクの髪をした少女。一人は白い紳士服を着こなした男。一人はライオンを彷彿とさせる男。一人は鳥のような羽が生えた女。そして、灰と黒としか言うことのない美しい少女。この五人は、ある水晶玉を見ていた。無論ただの水晶玉であるはずがない。そこに映っていたのは、銀髪の美少年が大量のオークを蹴散らしているところだ。しかし、プラチナピンクの少女は銀髪の少年よりも空中で静観している青銀髪の少女に引かれていた。プラチナピンクの少女の一言でジュラの森の不可侵条約は消える事となる。プラチナピンクの少女はこれで縛られるものが無くなったため、挨拶と称して魔物の町に電撃訪問を行うのだった。灰の少女は慌てて追っていった。魔物の町の主は、嵐に悩まされる事となる。
「はぁミリム飛ぶの速すぎますって。いっそ転移しちゃいます?先に行って何になるんだか。あっ。ダメだ間に合わなかった。」
飛び出していった少女を追うように灰の少女も飛んで追いかけるが全く追いつかない先回りで転移しても間に合わないと判断し、ある程度の被害を前提に転移するのだった。
青銀髪の少女。リムル=テンペストがミリム・ナーヴァに対峙していると部下の鬼人達がミリムに飛びかかり、狼のような魔物、ランガがリムルを乗せて逃げる。鬼人達の攻撃を意にも介さず無傷で出てくるミリムは悪夢のように思えただろう。しかし、灰色の乱入者により状況は変わる。
「ミリム。何してるんですか!!」
突然出て来た少女によってミリムが殴り飛ばされていた。
「む。痛いのだニア。」
「ミリムが挨拶と称して電撃訪問するからじゃないですか。」
突然の出来事に困惑していたが、リムルが言葉を投げかける。
「えーと。どちら様ですか?」
その言葉には、明らかに警戒心が含まれていた。ただでさえ勝てないプラチナピンクの少女を魔素を全く感じない少女が殴り飛ばした。明らかにヤバい状況だ。その状況で自分の知りたい情報を探れ当たり障りのない刺激しない言葉。完璧な選択だ。
「私、いえ私達は魔王と呼ばれる存在です。」
リムルは、つい最近滞在していた兄弟子との会話を思い出す。気をつけるべき魔物達。十一柱いる魔王。その二柱が目の前に居る。そんなことより聞き流せない言葉があるのを思い出した。灰色の少女の名前だ。そうニアだ。シズさんからの頼みである感謝を伝えること。既にシイナ・マコトには伝えている。あとは二人、ニア=グレイスとレオン・クロムウェルだけだ。その一人がめの前にいる。だからつい言ってしまった。
「よかったらうちの町に来るか?」
あれ、あのミリムって子も来るのでは?と言ってすぐに後悔するが、なんとかなりそうだった。
「迷惑かけてしまいそうなので遠慮しときます。」
なんてうまくいくはず無かった。
「やったのだ!!このからは、うま〜な匂いがするからたべてみたいのだ!ニアもいくのだ!」
「それは迷惑でしょう?」
「一緒に来てくれなかったら町で暴れるのだ。」
「……。はぁ。しょうがないですね。少しお邪魔させてもらいます。」
リムルは、これからの事を考えて憂鬱な気分になった。