「願いをかなえるのはこのフリーザさまだーーーーっ!!!きさまら下等生物なんかではなーーーーい!!!!」
第二形態を披露し、激戦の末ネイルを下したフリーザは、その巨体からは想像もつかないスピードでナメック星を駆けた。彼の通過した後は大きく水が揺れる。
「(まさか地球などという見知らぬ星の人間に出し抜かれるとは…!待っていろ地球人ども、ベジータ、そしてナメック星人…っ!)きええええええっ!!!」
フリーザは更に出力を上げて飛んだ。
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一方、類まれなる戦闘力を持つギニューすら圧倒してみせた悟空だが、ギニューの策略により悟空は肉体を奪われてしまう。しかしボディチェンジの弱点を看破した悟空と悟飯、クリリンとベジータの助力によってなんとかギニュー特戦隊を壊滅させることに成功した。満身創痍になった悟空はフリーザ軍の宇宙船のメディカルポッドで回復を待ち、その間にナメック星人の子どもデンデと合流したクリリンは、悟飯と合流して眠っているベジータを出し抜き、ナメック星の
「で…で…でかい…ち…地球のより全然でかい…!」
「形も違う…あれが本場の神龍…」
「ここではポルンガといいます…夢の神という意味です…ボ、ボクも見たのは初めてですけど…」
筋肉質な上半身に二対のツノ、肩には大きな棘、背中にはヒレ、額に触角を生やした異形の存在は、しかしナメック星の夢の神、どんな願いでも叶えてくれる龍族の発明品『ポルンガ』である。ポルンガは己を呼び出した人物を見下ろし、問うた。
「「ドラゴンボールを7個揃えし者よ さあ 願いをいうがいい どんな願いも可能な限りみっつだけかなえてやろう」」
「みっつ?!いまみっつって言ったのか!?す、すげえ!流石本場の神龍気前がいいや!」
「どうします!?みっつですよ!!」
一つだけだと思っていた願いが三つまで叶えられることを知って色々な妄想に胸を膨らませる悟飯とクリリンだが、デンデの顔色は芳しくない。
「はやく願いを!フリーザやベジータが…!!」
「あ、ああ!そうだった!」
クリリンたちは「サイヤ人に殺された地球のみんなを生き返らせてくれ」と願ったが、一度に生き返られる人数は一人だけだとしてポルンガに拒否されてしまう。当惑するクリリンたちだが、ピッコロが界王を通して悟飯に語りかけ、一つ目の願いで「ピッコロを生き返らせ」二つ目の願いで「ピッコロをナメック星に移動させる」ことで合意した。
…
「…!?」
宇宙船に寄り掛かって仮眠をとっていたベジータは遠くに感じる邪悪な気を感じて覚醒した。
「なっ、何かが近づいてくる!この戦闘力…!フリーザだ!!」
…
「なっなんだ!?空が暗く…いや、今はそんなことどうでもいい!急いでドラゴンボールを!!」
…
「「みっつめ…最後の願いはまだか…」」
「みっつめ…どうしよっかな~」
「クリリンさん…変なこと考えてないでしょうね…」
「そっ!そんなわけないだろ!や、やだなー!アハハ…」
「…」
胡乱な目を向けられたクリリンは思わず慌てる。しかしいざ三つと言われると意外と思いつかないのが願いというものである。
「最長老様の寿命もあと僅かです!悟飯さん、クリリンさん!はやく願いを…」
「お父さんのケガをすぐに直してもらうのはどうでしょう?」
「悟飯、それは後でデンデに…って……」
「…あ…ああ…」
「クリリンさん?…!!!あ…」
後ろを振り向いて震えるクリリンと硬直してしまう悟飯。その視線の先には怒りに満ちたベジータの姿があった。
「きさまらよくもこのベジータ様を出し抜きやがったな……許さんぞ!!」
「あ…ああ…」
「愚か者め…!!きさまらはフリーザを確実に倒せる手段をふいにしたんだぞ!!フリーザにはオレが大猿になってさえ敵わない…奴は変身型の宇宙人だ!!確実に勝つためにはこのオレを不死身にするしかなかったんだ!!」
「…!!」
「く…くそったれどもめ~~~!!!」
「ま、待って!願いはみっつまで叶うんです!まだ一つ叶える願いが…」
「!」
「ば、バカ!喋るな!」
弱小な地球人に出し抜かれたことで怒髪天を衝くベジータの鬼の形相を前に、自分や仲間の危険を感じた悟飯が口をこぼしてしまう。自分の願いを叶える余地はあると知り、ベジータはようやく口角を上げた。
「そいつを聞いて安心したぜ…さあ!このオレを不老不死にしろ!!早くするんだ!フリーザはもうそこまで来ているぞっ!!」
「……!」
「そ、そんな願いを叶えてしまったら…!!」
「フリーザだって、僕やクリリンさんとお前で戦えば勝てるんじゃないのか!?おとうさんやピッコロさんだっているんだ!!」
「く…」
冷や汗を垂らすベジータ。確かに悟飯の言うことは一理ある。かつてベジータが単騎でフリーザに反旗を翻した際、大猿の力を以てしてもフリーザの第三形態…恐るべきエイリアンのような姿をした帝王には手も足も出なかった。しかしあれから自分は地球で、そしてナメック星でパワーアップを遂げ、自身に近い実力をもつカカロット、そして悟飯も今ここにいる。完全な絶望とは言い難いが、尻尾は地球で斬られてしまったため大猿になることはできない。なによりここで退いては何のためにはるばるナメック星までやって来たのか分からなくなる。
「さ、さっさとこのオレを不老不死にするんだ!!フリーザに殺されたいのか!!」
「で、でも…」
尚も渋る地球人たちに、一度は落ち着きを取り戻したベジータも再度怒りが爆発した。
「生意気なヤローだ!!!」
バキィッ!!
「がっ!!」
「クリリンさん!お前!!」
「どのみちフリーザに殺される身だ、オレの願いを叶えさせる気がないなら、オレが先に貴様らに引導を渡してやるぜ…!」
「「!!!」」
「ご…悟飯…!」
「クリリンさん!」
「ほう?ならカカロットの息子よ、貴様から先に地獄に落ちるんだな…」
「──っ!!!」
「やめて!!!」
クリリンを庇おうと前に立つ悟飯。しかし無情にもベジータの腕は振り下ろされ──ることはなかった。ベジータはデンデの叫びにピタリと手を止めたのだ。
「願いなら…叶えます。だからその人たちに手を出さないで…!」
「で…デンデ…!」
「すまねぇ…お、俺たちが弱いばっかりに…」
ベジータは作戦通りとばかりにニヤリと笑った。
「ふっ、最初からそうやって素直にしていればいいんだ…」
「おい、そこのナメック星人のガキのおかげで命拾いしたな!」
「(命拾いしたのはお前もだろ…!)」
「「「!!!」」」
「こ…この気は…!」
「フリーザだっ!もうすぐそこまで来ているぞ!」
「あ、あいつ…さらにバカでかい気になって…」
「な、何をグズグズしてる!さっさと言え!」
「…!」
「こっこうなったらやぶれかぶれだ!デンデ、そいつの願いをかなえてやれ!!べ、ベジータはとんでもない悪だがフリーザよりはマシだ!!く、悔しいがそれしかいまのピンチをしのぐ方法はない…!」
「!…わ、わかりました。では…」
…
「なっなんだあの光の柱は!!あそこから生命反応を感じるぞ!!」
ギュゥゥゥゥン
フリーザが降り立つと同時に、暗かった空は明るさを取り戻した。
「あ…ああ…」
「「フ…フリーザ!!!」」
「よくもやってくれたなゴミども…このオレの不老不死の夢を邪魔しやがって…ドラゴンボールはどこにいったんだ…」
「フリーザってあんな姿でしたっけ…」
「ばか、ベジータが言ってたのを忘れたのか!?フリーザは変身したんだ!」
フリーザは湧き出る怒りを封じ込めるように淡々と言葉を投げかけるが、ベジータは可笑しくてたまらないというふうに高笑いをした。
「あーはっはっはっはっは!!ドラゴンボール?そんなものはどこかに飛んで行ってしまいましたよフリーザ様…このオレが永遠の命を頂いた後にな!!」
「なに!?」
「どうだ?サイヤ人や地球人に完全に出し抜かれた気分は…」
「…」
「す、すごい気だ…あのギニューって人よりも…」
「お、おいベジータ…勝てるんだろうな…!」
「当たり前だ…オレは不老不死になったんだからな…」
「…」
フリーザは岩山から飛び降り、ベジータ達の前に降り立った。
「初めて…いや、に…3回目だ…このオレをここまでコケにしたバカ共は…」
「…!」
「まさかこんな結果になろうとはな…」
「…」
フリーザは薄く笑ってみせるが、大気が震え、大地も小刻みに揺れているのはクリリンたちにも見て取れた。
「ゆ…ゆるさん…絶対に許さんぞ虫けらども!!!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!」
「!!!」
嫌な予感を感じたクリリンと悟飯は反射的に横に飛び退く。しかしそれはフリーザの射線上にデンデを晒してしまう悪手だった。
「まずは貴様だ!貴様さえ消していれば虫けらどもが願いを叶えることは無かったんだ!!!」
「え?」
ドウッ
「で、デンデーーーッ!!!」
「ほ、本性を現しやがったな…今のオレがそう簡単にやられると思うなよ!!」
「はあっ!!」
「ベジータ!貴様だけは許さんぞ!!」
ズガッ! バキッ! ドガガガッ!
「ぬうんっ!」
ズガアッ!
「ぐおっ…」
「誰が誰に勝てるって?ベジータ!!」
ズガアッ!
「ぐわあああーーっ!!」
「よくもデンデを!波ァーーー!!!」
ベジータの間隙を縫うように放たれたクリリンのかめはめ波を、しかしフリーザは片手で弾き飛ばした。
「ふん、つまらん技だな…」
「(クソ、やっぱり効かないか…)今だ!やれ!悟飯ーーー!!!」
「なに!?」
「うああーーーー!!!!」
クリリンの攻撃は攪乱だった。デンデを攻撃された怒りで激昂した悟飯が背後からフリーザに猛連撃を繰り出す。
バキッ! ガウッ! ズドドドドガッ!
「わーーーっ!!!」
ドウッ!
「ぐはっ!なんだあのガ…」
まともに食らったフリーザは最後の大きなエネルギー弾の対応も遅れてまともに吹っ飛んだ。
「ぐわあぁぁっ!!」
「…」
「そっ、そうだ!デンデーー!!」
「大丈夫だ悟飯!まだなんとか息は…」
「(し…信じられん…あのガキ…逆上するとこ…ここまでパワーが引き出せるのか…ま…まさか超サイヤ人に一番近いのはヤツ…)」
「フリーザを吹っ飛ばす」という自分にすらできない偉業を成し遂げた悟飯を見てベジータは戦慄した。かくいう彼も負った傷は既に再生している。早速不死の肉体を実感しベジータはニヤリと笑った。
「(勝てる…!ついにサイヤ人の手でフリーザに引導を渡せるぞ…っ!)」
…
──フリーザ軍・宇宙船内──
「ぐ…クソ…こんなところまで飛ばされるとは…ん?」
その時、未だ無事だったスカウターが反応を示した。
「船内に誰かが…おかしい…もうこの船に人は残っていないはず…誰だ!?」
「あっちか!!」
──メディカルルーム──
「なんだ貴様…」
何とフリーザは飛ばされた先で不運か幸運か、回復中の悟空を発見した。
「(こ、こいつがフリーザ…ま、マズいぞ…今のオラはまだ回復しきってねぇっちゅうんに…でも、さっきのギニューとそう変わらないパワー…ならこの身体でもなんとか…)」
「おい…貴様まさか、地球人か?」
「だっはーっ!!」
バキッ!
「ぐっ!何だと!?」
悟空はメディカルポッドを突き破って脱出し、まさかいきなり飛び出すとは思っていなかったフリーザに一撃を食らわせた。
「おめえがフリーザだな!さあ、オラと勝負だ!!」
「…どいつもこいつもこのオレの神経を逆撫でするようなことばかり…!望み通り宇宙のチリにしてやるぞ!!」
…
「ふ、フリーザ、戻ってこないな…」
「も、もしかしてさっきの攻撃でやられたんじゃ…」
「バカが、フリーザの生命力を甘くみるな!見ろ…」
ベジータが顎で指し示した方向では拳を打ち合う轟音が響き、徐々に原型を失っていく宇宙船の姿があった。
「あ!マズい悟飯!あっちには悟空が…」
「ああっ!本当だ!おとうさん!今助けに…」
悟飯が飛び立った瞬間、前方から悟空が吹っ飛んできた。
「うわあっ!お、おとうさん!?」
「いちち…よお悟飯!さっきぶりだなぁ!」
「ご、悟空!身体は大丈夫なのか!?」
「完全に
「「!!!」」
悟空がキッと前方を睨みつけ、慌てて悟飯とクリリンも我に帰る。宇宙船を完全にガレキに変え、フリーザが飛んできた。
「鬱陶しいハエ共が…そんなに死にたいか…」
「ふん、大方少し焦りを感じているんだろう?フリーザよ、オレに近い実力を備えたカカロットとそのガキ、そして不死の肉体を得たこのオレ…自分は本当に勝てるのだろうか…とな」
「サイヤ人…貴様もサイヤ人の生き残りだったのか…」
「オラは地球育ちのサイヤ人だ!」
「…いいだろう、なら見せてやろう!!光栄に思うがいい!この変身まで見せるのは貴様らで6回目だ!」
グゴゴゴゴ…
「ま、まだ気が大きくなる…!」
「ち…あの変身は大猿になったオレでも叶わなかった形態だ…つまりここからは未知数だぜ…」
「こんなやべぇ時だってのによ…オラワクワクしてきたぞ…」
「は…ハハ…悟空、お前はいつもそうだよな…でも不思議とお前がいればなんとかなりそうな気がするよ…」
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──最長老の家──
「わたしの子どもたちも随分死んでしまった…しかしネイル、あなたが無事で何よりです。」
「ありがとうございます。最長老様、地球人たちは願いを全て叶えたようです。」
「それはよかった。…私はもうじき死ぬでしょう。しかしネイル、あなたが来てくれなかったらわたしは地球人たちが願いを叶えるより早く死んでいたはずです。ありがとう。私が死んだらすぐに地球人たちの加勢を…」
「最長老様…?最長老様…どうか、安らかに…」
ネイルは最長老の言いつけ通りにすぐに飛び立つと、全速力でフリーザたちの元へ向かった。
戦闘力(目安)
ベジータ 70000(仙豆による復活パワーアップ)最大150000・不死の肉体
悟飯 25000 怒り120000
クリリン 13000
悟空 40000(中途半端な回復)10倍界王拳400000
デンデ脱落により瀕死→回復パワーアップ不可
フリーザ 150000(第二形態)