SEに人格生やしてみた   作:ショートバウムクッキー

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いくらか進んだらキャラ情報を出す。
全て本編出だすのが理想だけど、ぶっちゃけできる気がしない。


二回目まして

 

やあ、寄生虫だ。

突然だが自分語りをさせてもらうよ。まあ今までしてたことが自分語り以外以外のなんなんだって感じだけどね。

実は私は宿主の五感を介して外を見たり聞いたりしているんだ。

だから、宿主が見えてないところを私が見ることはできないし、宿主が聞いたことない情報を私が把握することもできない。

つまり、今疲労でぶっ倒れている宿主は当然のごとく目を閉じているため、視覚情報が一切なくなったということなんだ。

ちなみに現在地はC級ランク戦の個人ブース内。

 

いやぁ困った。とても困った。

何も見えないから周りがどうなってるのかわからないという心配じゃない。ランク戦の個人ブース内は基本的に中に人が入ってる状態で、勝手に他の人が入ったりは出来なくなってるから誰かが入ってきて宿主を害したりするわけじゃないからね。

 

「スーーー。スーーー」

 

気持ちよさそうに寝やがって。ゆっくり寝ろよ。

 

だがら、誰もこの状況に気づいてくれる人がいないって言うことが一番の問題なんだよね。

いやぁ困った。別にこのまま寝続けて明日の朝に起きたとしても問題はないんだけど、問題が二つ。

一つ目は明日普通に学校があること。宿主は健全な一般女子中学生だから、学校をサボる、しかもボーダーを理由にしてサボるなんてことはあまりしたくないんじゃないかな。友達も学校にたくさんいるし、心配かけちゃかわいそうだしね。

二つ目は両親が心配すること。これが一番問題かな。ボーダーには親がいない人だったり、あまり会わない人だったりが比較的多いけど、宿主はそちら側の人間ではないんだ。普通に両親がいる。そして、ボーダーに入るとき、絶対にけがをしないことと、学業をおろそかにしないことを約束したんだ。あの時のりりしい宿主もかわいかったな。

そしてその約束が両方同時に破られようとしている。しかも開始二週間目で。

 

私が外に出て動けたらいいんだけど、どんな痕跡でさえ、私が外に出た、というか宿主が異常な人間だという情報を外に落としたくないんだよね。

例えばこのまま私が宿主の体をハイジャックして帰った時に、見知らぬ人間にあって言葉を交わしたとしよう。その後数日たった後にその人間と宿主があったらそこで齟齬が生じるだろ?

大体小説とか漫画とかの物語とかって、こういった小さな齟齬や疑問から発展していくんだよね。だから私が出るのはとてもよくない。

そう。あってるはず。

というわけで何百回したか忘れた議論を終えて次の解決策。

 

……。

 

なくね?

いや、外に出ないんだったら私ができることが少なすぎるんだよね。

いや、今アナウンスみたいなのが流れたな。

宿主が寝ているせいで聞こえずらかったが、おそらく「6時だか7時だかになったから学生は帰りましょう」のアナウンスだと思われる。

そりゃそうか、学生が9割を占めてるんだからそういうアナウンスの一つや二つはあるよな。今まで宿主は大体5時半になったら帰ってたから聞いたことなかったのか。

ということはワンチャンある?見回りとか確認とかで一つ一つ回ったりしてくれないのかな。

 

いや待てよ。あのアナウンスで帰るのって中高生か。ボーダーって大学生もそこそこいるっぽいんだけど。

もしかして。

いやだとしてもC級に大学生はほとんどいないだろう。そうしたら今のC級ランク戦の状況は宿主が今入ってるブースのみ人が入ってる状態。

これならだれか気づくんじゃないか。こんなことは今回が初めてじゃないだろうボーダー運営。

さあ、早く気づけ。

 

「……うん。はっ!寝てた!?」

 

おはよう宿主。私が懸命に考えてた救出プランをすべて踏みつぶした起床は気持ちいいか?

 

「えっと今は……七時半!やばい!早く帰らないと。お母さんにボーダーやめさせられちゃう」

 

ハイスピード帰宅準備中の宿主。

たぶんいつも朝起きた後にハイスピード投稿準備をしている訓練の成果が出ているんだろう。よかったね。

 

「おい、いつまではいっている。さっさと帰れ」

「は、はい!今帰ります!」

 

今声をかけてきたか。遅いよ。

もうちょっとさ?なんか、こう、ね?

 

「うわっと。あ!師匠!」

「……おまえは」

「師匠ありがとうございました!おかげで今日めっちゃあいつらに勝てましたよ!」

「そうか」

「はい!」

 

ニコニコしちゃってまあ。

師匠も師匠だよ。「そうか」じゃあないんだよ。もっとリアクションがあるだろ!!うちの自慢の宿主のパーフェクト感謝だぞ!

ああ、宿主帰っちゃったよ。

 

「次は師匠とも対戦してみたいです!」

 

ありがとーございましたーと言って手を振りながら走っていく師匠。

よく見えないけど師匠ポーカーフェイスがすぎないか?

この私の「全てを見透かす目」であっても感情の機微が見破れないだと?

まあ、目は宿主のものだから節穴もいいところなんだけど。

 

「フンフンフーン、ニシシシ」

 

ご機嫌宿主可愛すぎか?宿主可愛すぎて師匠の名前思い出したわ。

確か正隊員の風間さん。最近強いとか強くないとかの風間隊の隊長じゃん。

最近Aに上がったんだっけ?確か。っていうかA級っていうくくりができたのが最近なのにすぐ上がれるって、A級があんますごくないのか、それとも師匠がすごすぎるのか。

いまは太刀川隊と嵐山隊と東隊と影浦隊とかもあったっけ?後は忘れちゃった。

そっかー。師匠ボーダーのトップ5とかに入るくらいの人だったんだ。

言われてみれば風格半端なかったし、威圧感みたいのが出てたもんなー。

 

っていうか、師匠に話しかけられたときC級からの視線がやたら鋭かったのってもしかして風間さんだったからか?

ありえるな。最近A級上がった天才ショタっていう肩書はでかすぎるもんなー。そりゃ有名人ですわ。

 

さあ、宿主。風のように駆けるのだ。8時になるまでに帰れたらまだワンチャンあるぞ。

たぶんもうお仕置きは決定してるけど。

明日に向かって走るんだ宿主!

 

「ぐ、うおおおー。まにあえーー!」

 

いやもう無理。

 

 

 

はい。

案の定あの後八時二分前に家につくも玄関で待ち構えていた母親にこっぴどく叱られた宿主。

起こられてる宿主可愛かったけど、それ以上にお母さん怖すぎ、怖すぎ……。叫んだりするタイプではないんだけど、なぜか怖い。

なにかこう、生物の根幹にある恐怖を直接殴ってくる感じ。相当お怒りのご様子。

 

これでやめさせようかと言ってたけど、宿主がここで声を上げる。正直宿主が「待って」って言った時に向けられた目よりも恐ろしいものを私は知らない。

夕刊なる宿主の懇願によりボーダー禁止2週間で許された。許されたのかこれは?

大いに反省したとみなされた宿主は、その後何もなかったかのように夕食を温めなおした母親に困惑してた。私も困惑した。

起こられたことないわけじゃないけど、そんな頻繁に起こられるわけじゃないからこの落差には毎回混乱する。

けど、このことを突っついてまたあの拷問が始まるのも嫌なので、素直に宿主もいつもどうりに戻る。

 

よく頑張ったぞ宿主。それでこそ宿主だ。

だから今日こそトマトだけは勘弁してくれませんか。

 

 

 

二週間のボーダー禁止令が出された宿主。友達と会話していて思い出したらしいが、実は

 

「えっ、莉々ちゃんボーダー入ったの!?」

「知らなかった。おめでとー」

「あれ?言ってなかったっけ?」

「だから最近ぼーっとしてることが多かったの?」

「あー、うん。早く正隊員になりたくて考え事してたから、そのせいかも」

「そっかー、ボーダーって入っても正隊員にならないとお金もらえないもんねー」

「いやそこじゃないでしょ。莉々はネイバー倒すために入ったんでしょ?なら早く上がって防衛任務できるようにしないとでしょ」

 

ボーダーに入ったことを伝えてなかったのだ。

いやー、馬鹿な宿主に限って隠し事とかするのかと思ったけど、単純に弾トリガー相手に勝てな過ぎて上の空になってただけだったっぽいね。

友達ーズのすごい剣幕で問い詰めてくるツインテとふわふわしてる目が明いてなさそうな子が初めて知ったって騒いでるし。

昼休みなんだから早く弁当を食べきれよ。昨日の今日で、弁当残して帰ったらいよいよ何が起きるかわからない。

っていうかツインテが、宿主がネイバーに殺意マシマシ美少女だと思ってるっぽいけどなんかそういう噂でも流れてんのか?

ボーダーに入る中学生みんなそうだからとか?でも、最近は嵐山隊目当てで入る人も増えてると思うっていうかほとんどこっちでは?

ふむ……。

 

「え?いや、私ネイバー倒すために入ったわけじゃないよ?」

「え?」

「え?」

「ぽい?」

「で、でもあんた大規模侵攻で家族がネイバーに殺されたって」

「かえでちゃん」

「あ、ごめん。なんでもない」

「え、いやいいけど。ちゃんとお墓も自分で立ててあげて弔ってあげたし」

「え?お墓自分で立てたの?」

「うん」

「…………ペットー?」

「え?」

「あ、そうだよ。犬の太郎丸。もうお爺ちゃんだったから逃げ遅れちゃったみたい」

「……はー。なんか、リアクションに困るわね」

「じゃあなんで莉々はボーダー入ったのー?」

「そりゃもちろん、かっこいいからでしょ!」

「……」

「わかるー、トリガーかっこいいもんねー」

「……はぁ、いろいろ気を使ってた私がばかみたいじゃない」

「ん?どしたのかっちゃん」

 

草。

これは大草原ですわ。

確かに、宿主は周りにそういう話題で話をするときには「家族がネイバーに殺された」って言ってたな。あながち間違いじゃないけど正確でもないんだよね。

まず「家族」って言うのがペットの犬であること。次に「ネイバーに殺された」って言うのが、ネイバーから逃げるときに太郎丸だけネイバーが崩した瓦礫につぶされて死んだって言うこと。

ネイバーに直接殺されたわけじゃないんだよね。まあ、だからと言って当時全く悲しくなかったわけじゃなかったらしいんだけど。もともと寿命が来てたから心構えのこの字くらいはできてたのもあって、一回泣いて家族全員で悲しんでからは特に悪い方向に引きずったりしてないし。

言い方悪くなっちゃうけど、「ペットが死んだ」って実際その程度のものだし。

家までつぶれて環境がすべて変わったのもダメージが少なかった要因かもしれない。いつもと変わらないのに一つだけ違うっていうよりもよほど軽かったんじゃないかな。

 

まあいろいろあったけど、友達サイドが勘違いしてネイバー殺戮兵器だと思われてたらしいということが分かった。

勘違いがなくなってよかったね、宿主。

 

ぶっちゃけ宿主ってなんでもズバッと言っちゃうタイプだからこういうことが何度かあったんだよね。

こう、ストレートに言いすぎて逆に曲がってるみたいな。無回転ボールがぶれて見えるみたいな。

今回のは結構大きかったな。規模みたいなのと、あと、勘違いされてた期間が。

普通なら宿主側の人間が勘違いされてることに気づくんだろうけど、宿主だからなぁ。可愛いしなあ。

 

ツインテちゃんも悪い子じゃなさそうだし、禁止期間二週間はこれまでどうりこの子たちに付き合ってもらうことになるのかな。

 

 

 

「押忍、お願いします!」

 

今日は宿主の習い事の日。近くにある道場で柔道を教わるのだ。

教わるといっても、宿主は同じ体格の相手ならば全員に勝てる。少なくともこの道場の相手ならば。

さすがに師範だったり、体格がでかすぎる人だったりの相手だと、勝てないこともある。それでも絶対勝てないというわけではない。

 

いつもどうり準備運動と、受け身の練習。これは通い始めてからずっとやってる。

最初のほうは「いっつも同じ子として飽きないのかな~」とか思ってたけど、やはり基礎は大事だということを私に気づかせてくれた。

準備体操や柔軟は動くときの可動域を広げるのにとても役に立っているし、受け身は無意識のうちにできるようになってから、痛みを感じることが少なくなったと思う。

宿主は基本自由奔放だが、師事する人間がいる中でもなおその人間の指示を聞かないような阿保ではない。ただ、指示の内容が理解できず指示どうりの行動ができないことがある馬鹿なのだ。かわいい。

 

ということもあって、始めて一年くらいたったが、かなり様になってきているように感じる。

道中で唐突に不審者に襲われたとしても、素人相手ならどうとでもなる程度には習熟できている。

そもそも、宿主は頭が残念ではあるが、体を動かすセンスに関しては人一倍抜けている。

女で、かつ小柄であるということもあって、リーチや筋力といった面ではどうしようもないが、倍近い体格を持つ相手をたたき伏せたり、たまにだが師範から一本取ったり、最近のことで言ったら飛んでくる弾を避けながら走ったり。

先週から宿主は何でもないように弾を避けながら突っ込んでいってたが、普通に考えて頭おかしい。

そこそこ早い、たぶん野球のピッチャーが投げるボールくらいの速さがある弾を、複数同時に飛んできているのにもかかわらず何回かは回避できていたのだ。

 

だからあの時宿主が諦めてなかったら、かなり時間はかかったかもしれないけど、某黄色いタコみたいになってた可能性がある。

可愛くて強いとか、うちの宿主最強だな。

 

という感じに宿主が年上のたぶん高校生くらいの男子をたたきつけてる間に考えてみたりする。

あの投げられてるやつも、最初はめっちゃ悔しがってたけど、最近はもう同等もしくは上の存在だと認めちゃってるんだよね。

他の人だったらこうはいかなかっただろうが、宿主は人の懐に入るのがうまい。というか懐きやすい。

めっちゃ笑顔で迫ってくる究極完全体美少女相手に悪感情を抱くことができるだろうか、いや出来ない。

というロジックもとい世界の真理で、宿主は特に迫害されることもなく、学校でも道場でも可愛がられているよって話。




ワートリ小説なのでさっさとB級に上がろうとした結果がこれです。
おかしいな。戦闘強めでトリオン豊富だからスッと上がると思ってたんだけど。
たぶんつぎには上がるでしょ。
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