新作、投稿しました。
なんとなくマブラヴEXTRAでオリ主やってみたかったので。
「やぁ、いらっしゃい。早速だけど、キミは死んじゃったよ」
「…ふぇ?」
いつの間にか、真っ白い空間にぽつんと立っていると思ったら、いつの間にか目の前にいた人物にんなことを言われて、理解が追いつかない状態な僕。
いきなりの事にパニくる僕をよそに、この人物(自称で神とか名乗った)は話を淡々と進めていく。
曰く、僕は高校からの帰り道に交通事故に遭って、そのまま死んでしまったらしい。
曰く、それは本来なら起こり得なかった不測の事態であり、聞くところによると「因果律」なるものが数億年に一度有るかないかの誤作動を起こしたらしい。
曰く、魂を管理する立場にある自分(神)としてはこのままで済ますのもどうかと思ったので、僕の魂をこの場に呼び寄せて色々と取り計らってくれようととしたらしい。
ちなみにこの真っ白い場所は、人間が言うところのあの世とこの世の狭間だとか。
「そんな…理不尽にも程がある…。生き返らせるのとか、出来ないの?」
「残念だけど無理。本来なら車の衝突だけがあそこで起こって人死にはおきなかった、というのが正しい流れなんだけど、因果律がもう現在の結果を流れとして認識してしまったからね」
「つまり?」
「キミのいた世界において、キミの「死」が因果律に認められてしまった。つまり、もう変更は出来ない」
不可能でした。オワタ\(^o^)/
「………分かりましたよ。それで、僕に何をしてくれるの?」
「随分あっさり納得したね?」
「出来てないって。どうしようもない理不尽に頭に来ているよ。でも貴方の話が正しいならもうどうにも出来ないんでしょ?だったらジタバタしても疲れるだけだから」
それに両親は早くに亡くなり、親戚は俺を厄介者扱い。学校でも友達は殆どいないろくでもない人生だった。あのままでも、待っていたのは緩やかな死だけだったろう。
早々に幕引きできたのはある意味幸運なのかもしれない。
「本当に済まない。因果律の監督者として深く謝罪する」
「もう良いって。それで、僕はどうなる?」
で話してみると、俺の魂を一度だけ俺が望む世界に送って、そこで人生を再スタートさせてくれるとか。
「どんな世界でも?」
「ご希望は出来るだけ叶えよう。なんなら、キミがよくやっていたパソコンゲームと同じ世界に送ることも出来る」
「マジでか!?……ってなんでんなこと知ってんのさ」
「神様だからね、知ろうと思えば分からない情報はないよ」
「じゃあ、俺がどんなのが好みか、とかも……?」
「ふむ、同年代ないしは年上がいいのか。年齢が近いならロリキャラもいけるとはツワモノだね」
「ごめんなさい勘弁してくださいお願いしますいやマジで」
俺のプライバシーは……。
しかしそれがホントなら、リアル転生ものが出来るって事だ。
とはいえ、俺はあくまでパンピー。○ateとか、永遠の○セリアとか、戦国○ンスとか死亡フラグいっぱいのゲームの世界には行きたくありません。俺は平和主義なんです。
今まで俺のやってきたパソゲーから選ぶにしても、割と落ち着いた内容のゲームはそこそこあるから結構悩む。好きなキャラもあちこちにいるしなぁ。
「決まったかい?」
「いや、もう少し…」
「優柔不断だねぇ。そんなだからいつまでも童貞なんだよ」
「う、うるさい!!」
何この人!?いきなり人の気にしてることにナイフ突き立ててくれやがりましたよ!?あーそうだよ!どうせ恋愛とは掠りもしない人生だったよ!せめてひと時でも彼女作りたかったよ…
「ま、それはともかく」
流されましたね〜!?
「どうしても決まらないのなら、この箱の中からボールを一個取りたまえ。キミが今までプレイしたゲームの中から死亡フラグ、だっけ?そういうのがないものを選りすぐって入れてある」
「…どうしてそんなものがすぐにパッと出せるんだ?てか今どこから?」
「神に出来ないことなんて有って無きが如しさ」
なにそれ……まぁいいか、このまま悩んでもすぐに出なさそうだし、全部安全牌な選択肢らしいし。
覚悟を決めて箱の中に手を入れ、ゴソゴソとかき回しながら、これだ!と感じたボールを勢いよく取り出した。
そこに書いてあったタイトルとは……
「…マブラヴEXTRA、だと?」
超王道学園アドベンチャーゲーム。
今から5,6年前の作品だが、シナリオやキャラクターの作りがかなり良く、コメディとシリアスの具合も気に入り、個人的な好みでは確実に五本指に入る。のだが………
「…やり直しを」
「え?なんでさ」
「これの主人公がどんなやつだと思ってるの?無意識に周囲の女の子を呼び寄せる恋愛原子核なんだよ?そんなハーレム男のいる世界に行ってどうしろと?」
奴が、白銀武が隣でヒロインとキャッキャウフフしてるのを見て自身の惨めさをかみ締めろって?女の子と友人関係もまともに作れない男なんだぞ僕は?
「えー、でももう準備始まってるんだけどな。そのボール、他世界へのゲートの行き先を決めるスイッチでもあるし」
「先に言って!つか勝手に決めるな!」
こっちもやり直しきかねぇのかよ、どこまでついてないんだ…。
「しょうがないなー、じゃあも一つおまけだ。キミにもその恋愛原子核だっけか、それと同じスキルを組み込んであげよう」
ゑ?あれを?あのすべてのマブラヴプレイヤー達が泣いて羨み、タケルに嫉妬の炎を燃やした要因のあれを?
・・・わが世の春がキタァァァァ!!!
「といっても、多少は劣化させるがね。名づけるなら『恋愛原子核(弱)』ってとこかな?」
・・・まぁそれくらいだよね。
「ゲートの準備が出来たようだ。これに入れば、マブラヴの世界に転生できるよ」
言われて首を向けると、すぐそこに光が渦を巻いているような門が中空に浮かんでいる。
「そっか。それじゃあ、僕行くよ。世話になりました」
「何、元はこちらの落ち度だ。気にしなくていい。そうそう、元の世界のキミのパソコン内のヤバいデータやヤバい本はきっちり処分しとくから安心したまえ。それと来世では隠し場所はもっと考えるんだぞ?」
「あっはっは。最後に心残りが出来たよ。あんたを一発殴っとけばよかったねこの野郎」
額に青筋を浮かべつつも、俺は新たな人生につながる門の中へと入っていった。
ん………ここ、は?
意識が段々はっきりしてきて、やがて視線を動かしてあちこち見てみると、随分と小さくなった自分の手が見える。おそらく、今の自分は赤ん坊なのだろう。
赤ん坊なのに高校生の記憶と知識が入っていることに妙な感じを覚えるが、まあ仕方がない。
どうやら転生に成功したようで、一先ず上手くいったことに俺は安堵する。確認のしようがないが、おそらくここはマブラヴの世界な筈だ。不安もあるが、なんとかなるだろう。
と、ふと隣を見てみると、仕切りの向こうに自分以外の赤ん坊がすやすやと寝こけている。ひょっとすると双子なのだろうか。
そのとき、隣の部屋のほうから足音が聞こえてきた。
そしてまもなく扉が開き、一人の若い女性が入室してくる。
「あらあら、目が覚めちゃったの?生まれたばかりなのにもう元気なのね」
女性は俺が起きているのを見ると、やわらかい微笑とともにそう言って、俺の事を抱き上げてくれた。
きっとこの人が、この世界における僕の母親なのだと思う。否、そうに違いない。
もう何年も触れたことのない、母親の優しい暖かさが、そこにあった。
「う~…あ、あ~」
思わずなんともいえない嬉しさと懐かしさが込み上げ、慣れない体で必死に抱き返した。
「あら、翔ったら甘えん坊さんなのね。ふふっ可愛い子」
翔。かける、ね。それが僕の新しい名前のようだ。これからはそれが、僕を僕として存在させる名前。
山中幸一ではなく、これから俺とともに在り続ける名前。大事に、しよう。
「ほら翔、こっちの子があなたの双子のお兄さんよ。これから兄弟仲良くね」
「う~」
兄、か。前は一人っ子だったからどんな存在なのかはよく分からんけど、まぁ仲良くやろうぜ、兄弟。
「あなたも元気に育ってね、武」
・・・え?
今この人は、母さんは何と言った?聞き間違いじゃないのなら、まさか・・・
ガラッ
「おーい母さん、息子らの調子はどうだい?」
「あら影行さん。ええ、二人ともとっても元気みたいよ」
影行……知っている。将来ここを訪れる少女が持ってくる、不純異性交遊許可証。そこに書いてあった白銀武の父親の名前だ。ってことはやっぱり・・・
僕と武が、双子の兄弟だってこと?
次回もお楽しみに〜