性別不詳両声類系Vtuberなんだが、現実でも性別不詳でいてくれって言われた 作:甘朔八夏
【視聴者参加型】逃げ切ったり捕まえたりします!!【天津 周】
「こんまね〜!二度目まして!天津 周だよ!」
:こんまね〜
:今日は最初から女バージョンなのか
:周ちゃんも負けず劣らずカワボだよな…
:おっ、限界オタクのやべーやつじゃん
:こんあま〜にしろ
:何が始まるんです?
「今日はオンライン対戦型のホラーゲーム、『dead by daybreak』っていうのをやっていくよ!」
:DBDキターーー!
:なにそれ?
:初ゲーム実況でホラゲとは攻めたな
:周ちゃん怖いのいけるタイプ?
:視聴者参加型ですって!?
:腕がなるぜ
「怖いのは無理だよ!」
:草
:えぇ…
:なんでそのゲーム選んだんですかね…
:ドMかな?
:悲鳴に期待がかかるなぁ
:地声聞けるかも
コメント欄で散々な言われようであるが、案の定妹の提案(強制)である。
〜過去回想〜
「お兄ちゃん、次の配信はホラゲーね」
「え、嫌だけど」
「大丈夫、そんなに怖くないやつだから」
「いや俺ホラーゲームNGなんだけど」
「告知はもうしておいたからね」
「…はっ?」
〜過去回想おわり〜
すっごくすっごくやりたくねぇよ…
流石にこれは理不尽じゃない?裁判したら勝てると思うんだ。しかし初配信のやらかしにより、俺にいじられキャラがついてしまったのは事実である。悲鳴を楽しみにされるってなんか複雑な気分だな…
「大丈夫!オンラインってことは一人じゃないってことでしょ?なら怖さもみんなで分け分けできるし!」
:声震えてますよ
:使ってる言葉の年齢下がってない?
:もうすでに悲鳴が楽しみですね…
:ワイがキラーになったらちゃんといたぶってあげるね…
:周ちゃん…ショタボにしたらお姉ちゃんが助けてあげるよ
DBDはいわゆるケイドロのようなゲームだ。プレイヤーは4人のサバイバーと1人のキラーに別れ、サバイバーはキラーに見つからないようにマップ上に点在する7台の発電機のうち5台を修理して出口を開け、脱出を目指す。それに対しキラーはサバイバーを捕まえて、マップ上に何ヶ所かある処刑台に吊るすことを目的とする。
キラーもまたプレイヤーであることや、キラーの目を掻い潜って発電機を修理するという戦略性があることから慣れると怖さを感じている暇がなくなるらしいが…
それって言い換えるとキラーは気分次第で俺を捕まえるまで執拗に追ってくるかもしれんし、キラーに見つかる可能性が高い行動を自分の意志でしないといけないってことですよね?
「まじでやりたくね〜〜〜〜」
:ガチトーンで草
:本当になんでホラゲ実況にしたんや
:すでにあま虐たすかる
:逃げるなぁ!ホラゲから逃げるなぁ!
:罰ゲームでもなんでもなく勝手に苦しんでいるという事実
:もしかして妹ちゃんか?
「お、コメントさんご名答だよ〜!私に伝える前にあの子が告知しやがったんだ…」
:えぇ…
:妹ちゃんナイス
:つよい(確信)
:アカウント握られてるのか…
:というか周ちゃんが弱い
「おい誰だ弱いって言ったやつ」
:ゆるして
:何度でも言ってやるよぉ!弱いってなぁ!
:声女の子ボイスに戻して
:戻さないで
:煽られたらすぐに反応する所が弱そう
:お?図星か?
しまった。失言だった。このままでは視聴者さんたちにも妹には敵わないことがばれてしまう。バーチャルアバターを纏った状態ですら妹に頭を下げる訳にはいかない!!
「あ?俺が妹に負けるわけないだろ!よし決めた。あいつの秘密を暴露する。妹は小学生の時———」
ドンッ!!!!
「ひぇ…すみませんなんでもないですごめんなさい」
:今の妹ちゃん?
:壁ドンはえぐい
:隣の部屋で監視されてるじゃん
:余裕で負けてて草
:ざ〜こ
:周ちゃんよわよわで草
:これは仕方ない
:妹ちゃん強すぎ…
「……それじゃー、ゲーム始めていこっか」
ゲームの画面を表示する。妹の方が怖いので、ある意味ホラゲの怖さが和らいだ気がする。この気分を保つことができたらそこまで無様な悲鳴を晒すことはないだろう。
——そう思っていた時期が俺にもありました。
「ウォワアアアアっ!!!待って待って待って!!もうダウンしてるから!見逃して!お願……痛ぇ!!!」
:気持ちのいい悲鳴だなぁ
:愉悦部のみなさん楽しんでる?
:当たり前だよなぁ!
:つーかキラー上手いな
:痛いって言っちゃうのわかる
:仲間めっちゃ逃げてて草
一回戦。サバイバーとなった俺は、発電機を直すためにエリア内をうろうろしていた所、キラーと真正面から鉢合わせしてしまった。咄嗟に逃げようとしたが、背中を後ろから一刺しである。
倒れ伏す俺を肩に担いで、精肉場にありそうなでっかいフックの元へ歩くキラー。ここに吊り下げられて一定時間が経てば処刑されてしまい、脱出失敗となる。
「ちょちょちょちょっと話をしましょうキラーさん、いやキラー様。私を殺すのは惜しいと思いますよ?はい。それにしてもキラー様のお顔ってとても素敵ですね…あ、ずた袋被ってるからわかんないや———んぐふっ」
:※ボイスチャットは使用していません
:いくら喋った所で相手に聞こえてないんだよなぁ…
:命乞い系Vtuber
:お世辞失敗してて草
:素敵な袋ですねって言え
:もう遅い
:周さんのことは忘れません!
キラーが
「ちょ、誰かー!助けてー!死んじゃうってー!」
:初キルだからかキラーが周から動かねぇ
:絶対殺すマンじゃん…
:待ってキラー目の前で屈伸してない?
:視聴者じゃね?
:草
空中にぽっかりと異空間への穴みたいなのができ、そこから蜘蛛の足のような鋭い物体が出て来る。
「え?…ちょっとほんとに煽ってきてるじゃんこのキラー!こいつ…許さねぇ!!!…あっ」
串刺しにされた。
GAME OVER…
:初デスおめでとう
:ドンマイ
:恐怖より怒りが勝ってるおかげでビビってないじゃん
:よかったね。
:草
「次は絶対負けないから!!!」
2回戦。再び俺はサバイバーだった。
しばらくエリア端をうろうろして視聴者さんとわちゃわちゃした後、彼らと別れて発電機へとこっそり向かう。不思議なことに、エリア内はとても静かで一度視聴者と別れてからはキラーどころか他のサバイバーにも全く会わなかった。
発電機に到着したので修理を開始する。
「やべっ、ミスった!……あれ、キラーがこない。今回のキラー、初心者なのかな?」
:あの…非常に言いにくいことなんですが…
:もうお前しか残ってないぞ
:発電機修理中なの、いま周ちゃんがやってるところだけなんだよなぁ…
:心音なってない?
:あっ(察し)
「心音?うーん、発電機の音しか聞こえないよ?」
不穏なワードが飛び交うコメント欄を怪訝に思うが、画面が少し揺れているだけで変化はない。とりあえずコメントはスルー。
発電機の修理が完了し、すぐさまそこから逃げ出そうと後ろを向いた瞬間。
「よしおっけー!じゃあ逃ぎゃっっっ!!?!?」
自身の真後ろに、キラーがいた。
:うわ…
:これは鬼畜
:やり慣れてますね…
:悲鳴助かる
:今日一番の叫びいただきました!
:これは俺もびびった
「……」
:放心状態じゃん
:大丈夫?生きてる?
:アバター固まってるw
:全滅ぅ…ですかね
「…今日はもうやめてもいいですかぁ?」
:泣いてて草
:涙声たすかる
:可愛い
:駄目です
:まだ配信開始から20分なんですが…
:逃がさん
結局この後5試合させられた。もう二度としない。
配信は終了しました
配信から一晩明けて。yourtubeを見ていると、俺の切り抜き動画が10万再生を超えていた。ありがたいことだ。なになに、タイトルは…?
【あま虐】DBD 天津 周 悲鳴集【発狂】
『ウォワアアアアっ!!!待って待って待って!!もうダウンしてるから!見逃して!お願…痛ぇ!!!』
『よしおっけー!じゃあ逃ぎゃっっっ!!!?!?』
『ふっふっふ。キラー側なら怖くないよ。って、え?なんか発電機全部修理終わってる!?ちょ、逃げないで!!まだ1人も捕まえてないんだけど!あ、ああああああああ〜〜』
『大丈夫。私は冷静。私は機械。感情はない。よって怖くな… うっひゃぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!』
『よし!これで全部修理完了!今度こそ脱出できるんじゃない?来たー!…え?後ろ?…んぴゅっ』
:悲鳴のバリュエーションが多くて高評価
:いい…愉悦…
:夜寝る前に聞いてます
:ショタボでまたやってくれないかな…
:イケボモードで…んぴゅっ、とか言ってるの想像して1人で笑ってる
:やはりビビりのホラゲ実況は至高
:周ちゃん怖かったねぇ。よしよししてあげないと(使命感)
:は?全然怖くなんてなかったが?<天津 周>
:あっ…
:墓穴、掘っちゃったね…
:part2が楽しみだなぁ
:怖くないなら、できるよね?
またやることになった。俺ってほんとバカ。