性別不詳両声類系Vtuberなんだが、現実でも性別不詳でいてくれって言われた 作:甘朔八夏
おかしな点など指摘してくださるとありがたいです…
『通信大丈夫そうですかー?』
前の通話とは打って変わって真面目な印象で俺たちに尋ねる星奈 泉に肯定の意を返す。
他者とのコラボだと流石の彼女もまともになるようだ。本当に安心した。
Vtuberデビューしてから早数週間。今日は俺のチャンネルで3期生全員コラボの日だ。天津 周のチャンネルでこれを行うことを提案された時、最初は遠慮したが「周ちゃんに貸しを作りたいから」と強く推されて、結局ありがたく主催の権利を得た。……失敗だったかもしれない。
『一緒に配信ができて光栄です。視聴者様に楽しんでいただけるように頑張りましょうね』
「こちらこそ主催を譲って頂き、ありがとうございます。僕たちも一緒に楽しみましょうね!」
紅玉 由良の礼儀正しい雰囲気にこちらも背筋が伸びる。
まとも枠の兆しを見せておいて秒で酒カスVtuberになってしまった彼女だが、酒が絡まなければ本当に清楚だ。このままならガチ恋勢もさぞ多かっただろうに…
まぁ
「それじゃあ、配信を始めましょう!」
二人の準備完了の報告を聞き入れ、配信開始をクリックした。
【初コラボ】3期生全員で座談会!【天津 周】【星奈 泉】【紅玉 由良】
「こんまね〜!今日も来てくれてありがとな!」
:こんまね〜
:男声地味にレアじゃない?
:待ってた
:泉の暴走で苦しむ周が見れると聞いて
:酒は!?酒はあるんですか!?
:流石にコラボだと由良さんも清楚でしょ…
「もう待ちきれない感じだなー。じゃあ前置きとかもカットして早速呼び出すか!今日は同期の二人に来てもらったぞ!」
『こんほし〜!この配信後、みんなの笑顔は確定だ!星奈 泉だよ!』
『本日は周さんのチャンネルにお邪魔させていただきます、紅玉 由良と申します。皆さん、よろしくお願いしますね』
:こんほし〜
:未だに由良ちゃんになんて挨拶を返せばいいかわからない
:泉が持ってる水晶玉を見るたびに失笑してまう
:顔はいいんだよな…
:黙ってるとカワボ
:↑意味わからんくて草
:↑ちょっとわかる
『周さん、今日は男の声なんですね。そちらも素敵だと思いますよ』
「由良さんありがとな。由良さんの声もすごく癒されるわー」
由良さんは酒さえ絡まなければ本当にまともだ。話していて癒される。ずっと話してたい。今日は流石に酒は用意していないだろうし、俺の胃も安泰である。
:お?いちゃつきか?
:おい周、そこ代われ
:女性Vとのコラボで男声は愚断では…?
:ゆ る さ ん
『周ちゃん、みんなもこう言っているし早くロリボにしよ?』
「いやなんでロリボなんだよ。そもそもストックに無いって」
『嘘だっ!前の通話であんなに優しい声でよしよし…してくれたの覚えてるんだからねっ!なのに、あれ以来一回もしてくれないじゃん…そろそろ禁断症状だすよ?いいの?』
「コメ欄のみんな、今日俺がこの声なのは9割方こいつが原因だ」
『おいコメントに逃げるな。オギャらせろ』
『あら、前の通話とはなんでしょうか?私は存じ上げないのですが…』
ひぇっ。泉さん鈴のなるような声でドス聞かせないでいただけません…?由良さんも優しげなのに絶対零度の声色だしさぁ!
:あっ(察し)
:修羅場ってて草
:キマシ…?
:もうめちゃくちゃだよ
:周への怒りが秒で哀れみに変わった
:もう泉はダメみたいですね…
:由良ちゃんの嫉妬は可愛い。異論は認めない
:酒さえ絡まなければ清楚だから…
:じゃあ清楚由良ちゃんと絡んでる周くんは死刑?
:周を吊れ!私が許可する
味 方 が い な い 。
コメ欄まで俺を極刑に課す準備を始めている。もう終わりだよこのチャンネル…
「はいもうこの話は終わりっ!今日はマシュマロ読みするから!ここで時間使ったら読める数減っちゃうだろ?」
:あまりに露骨な話題逸らし
:これには温厚な僕もブチギレ
:こんな言い訳で納得するわけないよね…
:周くん四面楚歌すぎて笑う
:ショタになったら助けてあげられるのに…
:どうしても逃げたいのなら…わかるよね?
:っぱ誠意よ
:誠意!誠意!
えぇ…ここでもやるの?俺今日ずっと男声のつもりだったんだけど…
ふと画面を見ると、二人がカメラ目線でこちらをガン見していた。のに、すっごい真顔。正直めちゃくちゃ怖い。
え?この雰囲気でやらないといけないの?え?ほんとに?
「まじで?」
:早くやれ
:二人も黙ってくれてるだろ!
:録音開始した
:あくしろよ
あーもう!やればいいんでしょやれば!
「あの、泉さん、由良さん。今日のところは見逃してもらえませんか…?」
少し舌っ足らずで幼い印象の声に、live2Dを存分に活かした上目遣い!これでどうだ!!
『『………』』
「…泉さん?由良さん?」
『『お姉ちゃんでお願いします』』
:ちょろくて草
:これは仕方ない
:男は皆ロリコン、女は皆ショタコン。これは真理
:その理論でいくと周くんちゃんはどちらもいける…!?
:閃いた
:↑通報した
:まさか泉に姉属性を持たせるとは…周ちゃん恐るべし
:由良ちゃんは姉が似合いそう
今日なんの配信だったっけ…?
「———はい、仕切り直し!流石にマシュマロ読み始めていくぞ!」
「あ、少し待っていただけませんか?」
? なんだろう。1分もかからない、と言ってどこかへ行ってしまった。それに対して泉さんはなぜか微妙な顔をしている。
「由良さん、どうしたんだろうな?」
:あっ…
:コラボ先でもするのかよ…
:清楚終了のお知らせ
:早くない?
:いつもよりは粘った方
『お待たせ致しました。それではマシュマロ読みを始めていきましょう。乾杯!!』
「かんぱ……え?」
カシュッ、と小気味の良い音の直後に、豪快に喉を鳴らす音。は……?こいつ飲みやがった!?
『正直見えてたけど、コラボでも晩酌配信になっちゃったね…周くん、私から謝っておくよ』
:これは占いとか関係なく俺も見えた
:なんなら様式美では?
:あれ、なんだろう。泉がまともに見える…
:片方が落ちただけ定期
『…さて、私も水分補給しようかな』
「泉さん司会代わってくれない?」
『じゃじゃーん!今日のお供はエナドリだよ!……あれ?』
無視しやがった…俺酔いモードの由良さんを相手にできる自信ないよ(泣)。あと「あれ?」って何?不穏な予感しかしないんですけど。
『エナジーリキュール?……間違えてお酒用意しちゃった。まぁいいか。いただきまーす!』
:今日のぽんこつ
:割と致命的ミスで草
:なぜ飲む???
:周ちゃんの胃が死んでいくのが見える見える…
:神回では?
:飲み回の間違いだろ
もうめちゃくちゃだよ… 俺、この状態で進行しないといけないの?ほんとに?
『周くんも飲みなよ〜楽になれるよ?』
『そうですね。酔って失言してほしいです。周さんの弱みが欲しい…』
「…すまん、俺まだ年齢的に飲めない」
『『!?』』
由良さんがもう最高速に達し始めている。酔うの早すぎでは?彼女の発言、滑らかにスルーできたかな。すごく不安だ…
って、あれ?二人ともどうしたんだろう?
:!?
:わっっっっか
:もしかしてガワとリアルの見た目一緒の可能性が微レ存…?
:virtual box最年少では?
:2期生のアレと同年代くらい?
:え…?合法ショタじゃないの!?!?
:違法ショタなのか…
:ショタは基本違法だろ
『じゃあ周さんに手を出したら犯罪…!?成人は!成人はしていらっしゃるんですか!?』
「…まぁ、してるけど」
『よっっっし!!!』
なんでこの人喜んでるんだろう。俺、由良さんと実際に話すの初めてのはずなんだが。なんでメッセージでしかやりとりしてなかった相手に狙われてるんですかねぇ…!
『…やばい。もう限界だよ…!周ママーーー!!!甘えさせてーーー!!!由良ママでもいいよーーーー!!誰かーー!!!』
最悪。
次回マシュマロ読みなんですが、作者はマシュマロをよく分かっていないため私のTwitterに作中で使うマシュマロを送ってくださると泣いて喜びます。