「遥々遠くまで御足労頂きありがとうございます『ロンズデーライト』、ローラン様」
父の親友が居るらしいハナ協会3課。
真っ白な服を着た偉そうな3人が出迎えてくれた。
真っ白な内壁に目がやられそうだ。
「初めまして、えっと……」
「私はハナ協会南部支部3課、部長のミリネです」
眼鏡を掛け、長い髪をポニーテールでまとめた私より少し小さな女性。
「同じく、ハナ協会南部支部3課、ハロルドだ」
片目を髪で隠した少し細身の……女性。
「同じく南部支部のオリヴィエだ」
黒い肌の高身長筋肉質の男性。
……大きいな
しっかりと3人と握手を交わした後、応接室へ案内された。
私達はソファに座って向かい合う。
オリヴィエさんとハロルドさんは扉の前で立って居るようだ。
大方不正や、私が暴れた時の鎮圧に2人がいるのだろう……。
そんな事を考えていると、ミリネさんがお茶を出してくれた。
私達は礼を言いつつ受けとり、一口飲む。
美味しい……。
「改めて自己紹介させていただきます。私はミリネ、ハナ協会の3課部長です。ローランさん、其方は都市伝説級の『ロンズデーライト』で宜しかったでしょうか」
「あぁ、間違いない、俺らが裏路地で拾ってきたんだ、ほらこの紙でいいだろ?」
父さんが取り出したのは養子の紙やその他諸々。
ミリネさんはそれを受け取り黙々と確認し始める。
オリヴィエさんとハロルドさんはその様子をただじっと見つめていた。
私達は手持ち無沙汰なのでお茶を飲む。
うん、美味い。べディにも引けを取らない美味しさかな……。
暫くすると、ミリネさんが顔を上げてこちらを見てきた。
すぐ様私はお茶を置いて姿勢を整える。
一体何なんだろう少し圧力を感じる……
するとミリネさんが口を開いた。
「不備も無いようですね、『ロンズデーライト』の鎮圧又は懐柔を確認しました。災害ランクは取り下げておきます」
……あぁそんな事か……ほっとした。
胸を撫で下ろす。
これで安心して生活できる。
ミリネさんが続けて話した。
「そして歓迎します『ロンズデーライト』、いえ、アルトリアさん。この将来、有望なフィクサーになられるであろう貴女に」
改めて握手された……。
「次の手続きですが、オリヴィエについて行って下さい。彼なら問題ないでしょう」
そう言われて私は褐色高身長のオリヴィエさんと一緒に部屋を出た。
なんだかソワソワしていて落ち着いてはない様子だ。
「……オリヴィエさん……どうかしましたか?」
「ん……そうだな……ローラン、この子は本当に養子なのか?黒い沈黙と見間違えたぞ……」
「あぁ、そっくりだろ?俺も拾った時はびっくりしたもんだ」
そう言って父は笑っていた。
それとは反対にオリヴィエさんは少し複雑そうな表情を浮かべていた。
どうやら旧知の仲というのはオリヴィエさんを指すらしい。
逆に女性2人との知り合いとかだったら、母に言いふらそうか…なんて思っていたからな……。
「しかし、もうすぐ子供が産まれると言うのに、養子なんてとったんだ?金もバカにならないだろう……?」
「まぁ〜色々あるんだよ……」
流石に青い残響と紫の涙が一緒に押し付けてきたとは言えないらしい
「そうか……色々苦労してるんだな……着いたぞ、入ってくれ」
そう言われて入ったのは、先程より何も無く少し狭めの部屋。
丈夫そうな長机しかない部屋。
「アルトリア、武器をその机に置いてくれ、武器に関税を掛ける」
「あぁ、と言っても工房武器ではないけれど……良いだろうか」
「構わない、見せてくれ」
私は腰から鞘ごと外し、机に置いた。
改めて自分の使っていた剣を眺める。
鞘は神秘的に光る緑のラインが入り、幾何学的な金の線が走っている。
鞘から抜くと、目が潰れそうな程眩しい刀身が現れる。
刃は何処からのエネルギー供給されず、自ら光を発し、その耐久力と斬れ味をずっと維持している。
「これは……」
「……遺跡で拾ったんだ、別に不思議でもないだろう?」
「……それなら頭のタブーには触れては無いだろうな?トレス協会の方にはそう伝えておこう……そしてフィクサー階級の方だが……」
「夜中の裏路地徘徊してた位だし、1級位あってもいいんじゃないか?」
父さんが割り込んだ。
「……しかし信用も大事だ。4級から発行させてもらう。此方も仕事だローラン、お前の頼みでもこれ以上譲歩はできない」
「あぁ、別に言ってみただけだ、気にしないでくれ」
父さんの言葉をスルーしつつ机の下で何かをしているオリヴィエさん
「フィクサー登録証だ、無くすなよ、再発行はこんな簡単に行かないからな」
「あぁ、ありがとう……これからよろしく」
私はそう言いながら受け取った。
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「さぁ〜帰ろう帰ろう、土産でも買って戻ろうか」
「そうですね」
「アルトリア、待ってくれ」
さっさとハナ協会から出ようとすると、オリヴィエさんに呼び止められた。
「何だ?もう用事は済んだだろう?」
少し言葉を砕きつつ振り返る。彼は真剣な表情で此方を見ていた。
「父さん、先に行っててくれ、後で追い付くから」
「ん、おう。……喧嘩はすんなよ?」
「大丈夫だよ、子供じゃあるまいし」
渋々先へ行く父さんを見送りオリヴィエさんと向き合う。
「それで、話とは?」
「……あぁ、2人の幸せを守ってくれてありがとう、ローランから聞いた……黒い沈黙を庇ったんだったな……」
彼は私に向かって深く頭を下げていた。
「そんなことか……私のやるべき事をしただけだから……」
「いや、本当に感謝してるんだ……殺されていたら……俺は後悔してもしきれなかったと思うからな……だから、改めて言わせてくれ……ありがとう」
そう言って再び頭を下げる。
「……あぁ、どういたしまして」
私は照れ隠しで少しぶっきらぼうに答え
てしまう。
「あまりお世話になる事はないと思うけれど、またいつか」
「あぁ、アンジェリカにもよろしく言っておいてくれ」
こうして私達の別れの挨拶は終わった。
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必要
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不必要