実はマークを描こうと思ってたんですが、やる時間もなくて、勝手に伸ばしちゃいました……すいません。
あ、Twitterです、たまに呟いてます……
@pipette_Komagom
ぱったりと父であろう人物の話が載らなくなった。
死んだか? 失踪したのか? はたまた別の理由か?
……どちらにせよ、一旦の迷惑は無くなったのだろうか。
不意に現れては辻斬りしていくのだから、私も追えない。
家族だからこそ止めたいが、恐らく私のいた記憶など無いだろう。
それを証拠に、此処の事務所に来る事は無い。
警戒が必要だろうか。
新聞をめくると武器工房の取り上げがあった。
「木の葉工房か……」
煙ってなんだろうか……だが、エレナと相性良さそうな気がするが……必要ないなんて言いそうだ……
まぁ見に行くだけ行ってみようかな。
「エレナ、少し出かける。ローズは任せた」
「……わかった」
ドンキは……まだ寝ているか……。
「何処に行く予定だ?」
エレナは珍しく行き先を聞いてきた。
「裏路地の方だ、武器工房の様子を見に行く」
「……そうか、息抜きにはちょうど良いだろう。気を付けろよ」
「ああ、行ってくるよ。ローズも頼んだぞ」
そう言って、私は外に出た。
◇◇◇
関門を通れば、すぐ裏路地に着く。
相変わらず薄暗い雰囲気だ。
輩に絡まれては面倒だからエクスカリバーを差し、裏路地を歩き始める。
粗悪な全身義体化をした3人組が何やらわちゃわちゃとしていた。
『も、もっとお金を稼げばいい、そ、そうすればこんな体じゃ無くてもっと良いのに乗り移れるから』
どうやら金勘定の話をしているらしい。
何となく物陰に体育座りで座り込んで、聞き耳を立てる。
『も、モー! な、なんか紙みたいなのが体に挟まってるよ』
『こ、この体は感覚がないのはいい事だけど。こ、こんな感じないといけないときに感じられないのは、イライラするな』
『ど、どういう紙なのか見てみようか』
どうやらなにか紙の様な何かが義体の体に貼り着いていたらしい……
しばらく聞いていると、しん……と静かになった。
チラリと物陰から覗くと、そこには誰も居なかった。
「……驚いた……新しい転移技術か?」
影も形もなく何処かに消えてしまった。図書館の招待状とか言っていたが……
「あんた、こんな所でなに座り込んでんだい?」
「え?」
顔を上げると、紫の涙が私を見下し立っていた。
「天下の守護天使様がこんな所で這いずって、何してんだい? 私に土下座してるっていうなら有難く受け取るがね?」
「イオリ叔母さん……貴女こそ何故今更私の前に……?」
私はあんたの叔母さんじゃない……! そう、イオリは苛立ちながら私を睨みつけた。
「ん、んん……あぁまぁ今日から一波乱はあるからね、其れを確認しに来ただけさ。そのうち噂も回り出す。あんたはどんな選択をするのかね……?」
私に向けてか、誰かに言っているのか。
『紫の涙』は背を向けて去っていった。
「……えぇ……?」
私は呆然としながら、彼女の背中を見送るしかなかった。
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気を取り直し、しばらく裏路地を歩いてみたが、あれ以上変わったことは無く、相変わらずたまに死体が転がっているだけだった。
表通りに出て、カタログにレビューの載っていた木の葉工房とやらに行ってみることにする。
「ここか」
『木の葉工房』と書かれた看板は、少し古めで、所々傷が入っていた。
少し大きめの扉に手をかけ、開けると大量の白い煙が出迎えのように溢れ出てきた。
「うわっ……」
思わず咳き込むと、奥から誰か出てきた。
「いらっしゃい! ……お客さんかな?」
声からして女性だろうか? 白い煙でよく見えないが、シルエットはそう見える。
「あぁ、出来れば換気は良くしてくれると助かる……」
「あはは、ごめんなさいね。ここってほら、煙を扱う工房だからどうしてもこもっちゃってね」
シルエットはそう言いながら窓を開けた。
「ふぅ、これで大丈夫。それで……お客さんだよね? うちは見ての通り武器工房だよ」
煙は晴れたが、まだ少し視界が悪い。
周りを見渡すと、この工房には結構な職人が居るようで、奥では作業していたり、事務作業をしている者も見える。そして、目の前にはガスマスクのようなものを被った女性が立っていた。
「おっと、マスク越しは失礼だね」
そう言ってガスマスクを外すと、中から濡烏色の長い髪が溢れた。
「じゃあまず身分証を……フィクサーですよね!」
「あぁ……」
私は懐から絵柄のみの丸い身分証を机に出した。
彼女は身分証を手に取り、確りとそれを見る
「ん? んん〜……?? え? は、灰いr……」
私はそっと彼女の口に人差し指を当て、しーっ……っと静かにするよう促すと、彼女は驚いた顔をしながら、コクコクと頷いた。
流石に混乱を招く様な事をしに来たわけでは無いからな……。
私は身分証を返すように促し、それを受け取った。
そして彼女に向き直る。
すると彼女はスッと私の右手を取りながら口を開いた。
どうやら握手をしたいようだ。
私もそれに応じるように手を取った。
ぎゅっと握られた手は力強く、少し痛いくらいだが……まぁ悪い気はしない。
「奥の部屋迄お通しします、どうぞ……」
彼女はそう言って、私の手を引いて奥の部屋に案内した。
━━━
「どうぞ……粗茶ですが」
「あぁ、ありがとう」
私は少し古風なソファーに座りながら、彼女に差し出された緑茶を受け取った。
ここはどうやら彼女の作業場のようだ。
周囲には大量の武器や道具が乱雑に置かれており、壁には設計図やメモが貼られている。
女性としての部屋ではなく、完全な職人としての部屋であるのだろう。
彼女の使う物と場所だけが綺麗に整えられていた。
「まず自己紹介からですね、私はヤエって言います。木の葉工房の係長とか主任って所です」
「あぁ、フィクサーのアルトリアだ……」
「それで……特色様……今日はどのようなご用件で?」
彼女は私の対面に座りながらそう尋ねた。
「そう固くならなくてもいい……どうせ私の方が年下だ」
「いやいやいやいや……そんな訳には……」
彼女は少し慌てたように手をパタパタと振った。
私は出された緑茶を啜りながら話を切り出す。
正直、ここに来たのはただの気まぐれだ。
だが……もし上手く行けばうちのエレナも喜ぶだろう。
「血とかを煙状にして排出、人に吸わせる、とか出来るか?」
「……血ですか……? うーん……試験的にやった事はありますが……粘性が強いのであまり……って何に使うですか? それ……」
「あー……まぁ、少しな……」
私は少し濁しながら答え、彼女はそれ以上聞かないでくれた。
彼女は少し考える素振りを見せ、やがて口を開いた。
どうやら出来ないことは無いらしいが、コストが高いようだ。
だが……まぁ用意しておいて損は無いだろう。
「わかった、来月迄にとりあえず待ってるよ。それとついでだ、手頃な物はあるか?」
「手頃な物……ですか?」
彼女は少し困ったような顔をして、また考え始め、倉庫を見に行った。
私は出されたお茶を飲みながら待つこと数分、彼女は戻ってきた。
「これは一点物です……が、1番アルトリアさんに合うと思います」
そう言って彼女が持ってきたのは、ガントレットだった。大きさは丁度良く、見た感じは普通のガントレットに見えるが……。
「どうぞ、付けてみてください……」
「あぁ、すまない」
私はそれを手に付け、軽く握ってみる……と、両腕から煙が吹き出し始めた。
「煙発生機を限りなく小さくして両腕に組み込んだ事で、軽く、より扱いやすいと思います」
彼女は嬉しそうにそう言った。
「ふむ……いい作りだ、関節部分も引っかかりや干渉が少ない……確かに生産するには無理のある逸品だな」
「えへへ……そう言ってもらえると嬉しいです……私の初めての作品なので……」
彼女は少し照れたように笑った。
む、そこまで言われてしまったら買うしかあるまい……。
「いいな、言い値で買う。保証とかは……」
「はい! ありがとうございます! 勿論持ち寄って頂ければ、何時でも! 私が! 整備させて頂きます!」
彼女は嬉しそうに言った。
「そうか、助かる」
私はそう言ってガントレットを脱ぎ、手を差し出した。すると彼女も手を出して握り返してくれた。
「いえ! こちらこそ!」
こうして私達は握手をし、契約を交わす。
「あぁ、そうだ……ふらっと寄ってきただけだから印鑑を持ち合わせて無いんだ……血判でいいか?」
「ぎゃ、逆にいいんですか?!」
「あぁ、別に構わないよ」
私はそう言ってカルンウェナンで、指先に傷を付け、すぐに契約書に親指を押し付けた。
ジクジクと痛み、出血すら間もなく身体は勝手に再構成され、切った時よりもさらに鋭い痛みが指先に走った。
「っ……ぐ……」
私は痛みに歯を食いしばり、涙が出そうなのを堪えて、血判が押されたのを確認した。
「ふぅ……コレでいいだろう?」
「あ……止血しますよ!」
彼女は慌てて救急箱を持って来た。
「いや、大丈夫だ。もう傷も無いから……」
「え……?」
彼女は不思議そうに首を傾げながら、私の指先を見て固まった。
そこにはもう傷は無く、ただ綺麗な肌があるだけだった。
彼女は唖然とした様子で私を見ていた。
そんなにも珍しいものでは無い位の回復力だと思うが……。
「凄い……お金持ちなんですね! なんの強化施術を……?!」
「……秘密だ……、ほら会計を頼む」
「あ、はい!」
彼女は慌てて立ち上がり、会計の準備をする。
「えっと……ガントレットの方はタダで大丈夫です! 私の作品ですし、整備の時にでも良い感じに貰いますね! 発注の方はこんな位で!」
「あぁ、ありが……と、う……意外とするんだな……」
「流石に特殊事例ですし、オーダーメイドとしてはこの位です……武器じゃなくて良かったですね、トレス協会の監査も入りますから大変ですよ?」
「あぁ、そうか……そうだな……。武器じゃなくて良かった……」
私はそう言いながらカードを取り出し、会計を済ませた。
そしてヤエに見送られ、工房を出てから軽く伸びをする。
「んっ、んん〜……さて……た、沢山お金を使ってしまった……」
流石に工房で高い買い物をしたのは間違いだっただろうか……。
想像よりも2つか3つ位はゼロが多かった……。だが、あのガントレットはかっこよかった。うん。それにエレナへのプレゼントだったらこの位は安いものだ。
「さて、次は……」
私は次の目的を考えながら細い道を選ぶと、卑しい笑みを浮かべた輩達に道を塞がれた。
「よぉ、姉ちゃん……今からどこ行くんだ?」
「身なりは良さそうだな、巣から来たのか? この裏路地の事なら俺らが案内してやるよ」
……鬱陶しい。
「あー、すまないが通してはくれないか? 私は急いでいるんだ」
全く……ツヴァイは何をしているんだか……。まぁ金を払わないと何もしてくれないのは確かか。
「おいおい、そんなつれないこと言うなよ?」
男達は下卑た笑みを浮かべながら近寄ってくる。
……5人、刺青型の施術か……
「……はぁ……」
「なぁ、俺らと遊ぼうぜ? いい店知ってんだよ」
そう言って男が私の肩に手を置いた瞬間顎を狙い真下から掌底を入れ、打ち上げる。
「お、頭は飛ばずに済んだが……ふぅ〜……最近育児のせいか、イライラする様になってしまってな……流石に一般市民に当たっては……私の面目が立たない。けれど治安維持という名目でなら……」
ガチンと、甲高い金属音が響き地面にエクスカリバーが突き刺さる。
「気を失う程度で返してあげる」
◇◇◇
地下の溜まり場でいつもどうり適当に過ごす。みかじめ料は問題無く払える余裕が有り、暇さえあれば女を探し、物品を適当に分捕った後、それで遊んだり気に入った女がいれば一晩買って楽しむ。
だが、今日は違った。
仲間が美人が細道に入っていくのを見たと言ったのだ。
俺達はすぐに回り込むよう細道に入っていった。
そして、そこには絶世の美女がいた。
綺麗に染まりそうなほど白い髪、宝石のように輝く碧眼、スタイルすらも美しい。
服から見ても金持ちだ。
間違いなく美味い。
「なぁ、姉ちゃん……今からどこ行くんだ?」
困り顔がコレまた唆る。
だが、楽勝だろうと思って高を括ったのが間違いだった。
1人が接近し、肩を置いたのを見た瞬間……上にすっ飛んで行った。
「はぁ?!」
何やらぶつくさと女は言った後、輝く何かが床に突き刺さった。
「お、おい……ありゃぁ……」
仲間が狼狽え、刺さったものを指さす。
仲間内で噂話を聞いた。『輝く剣を持った特色が最近出てきたらしい』
そんなチャッチイのが特色な訳ねぇと馬鹿にしていたが、この目で見てようやく分かる。
そのおぞましさが。
「一旦頭を冷やして来るんだな」
その一言だけで、女の重圧が俺らを呑み込む。
「お、おい、ヤバいぞ……」
「はぁ、はぁ、に、逃げろ!」
混乱が混乱を呼び寄せる。
パニックになり、蜘蛛の子を散らしたように俺らは逃げ始めるが……いつの間にか煙が蔓延し、回りも見えなくなった。
「な、なんだこれ、っぐぁ?!」
何処かで鈍い音が響いた。徐々に近づいて来る足音。
にげられない、みえない、ころされる、ころされるっ
恐怖に雁字搦めにされ、足が竦む。
関わらなければ良かった。そう思ったあと最期に見たのは、無表情の男前だった。
◇『灰色の陽光』
それはある者には暖かく、ある者には突き刺す剣の光。
その色は総てを交ぜた物であり、色としては地味だが万能さを表す。
その万能は、赤色に程遠く。しかし、誰よりも赤色に近い。
if、若しくは補填が必要か
-
必要
-
不必要