どうやら最近はハットがトレンドらしい。
この前の木の葉工房の人もハット。
最近見た叔父の仲間もハット。
フィリップ君の後ろにいるダンディなおじさんもハット。
不思議とみんな似合うから羨ましい。お洒落などあまりした事が無いからな……。
「待ちかねたよ、フィリップ君。其方が楔事務所の方々だろうか?」
「はい、お久しぶりですアルトリアさん。こちらは……」
「あぁ、楔事務所所属のオスカーだ」
「パメリよ」
「パメラ」
なんというか、大中小と並んで見え、自己紹介をしてくれた。
長身で金髪の方がパメリで、小さくて銀髪の方がパメラか。
「円卓事務所、アルトリアだ。とりあえず中で話をしよう、もてなすよ」
4人を事務所の中に案内する。
「エレナ、紅茶を淹れてくれ、ドンキ、有名な事務所なのは分かるが落ち着いて、だらしないよ。お客様は其方に掛けてくれ」
事務所のソファに4人を掛けさせ、紅茶を置いて向かいに座る。
エレナは隣に座ってきた。
「改めて自己紹介を、円卓事務所のアルトリアだ。よろしく頼む」
「同じくエレナだ」
「さて、早速今回の件について、フィリップ君個人のお願いによって、貴公ら楔事務所の援助として我々二人が協力する事になった」
予め書いていた契約書を机の上に出す。オスカーさんが其れを手に取り読み始める。
暫くお茶を啜る音だけが部屋に響く。
「こんなので良いのか? 明らかに破格過ぎる」
契約書の内容は契約を結んだ後、報酬の1%程度を貰い、失敗すれば返金。
失敗の定義は依頼者及びその関係者が怪我を負った時点で失敗した物とする
(要約)
「問題はない。元々利益云々では無くフィリップ君のお願いだからだ。貴公らを確りと護り通す事を約束しよう」
フィリップ君に目を合わせ頷く。
彼は安心した様に小さく息を吐いた。
「楔事務所の皆様方! 茶菓子などは如何でしょうか!」
遠くの方で元気なドンキの声が聞こえる。
どうやら少し張った空気が緩んだようだ。
わっせわっせと運んで来たのはフィナンシェだ。
「あっ、それ高級品じゃない! 中々買えないのよ!」
パメラが興味津々で見ている。
パメリもなにも言わないが目で追っているのが分かる。
「チビ共、はしたないぞ……」
「いいえ、遠慮せずとも……好きなだけ食べていってくれ、ドンキがこれが有名だと言って買ってきたものだ」
「本当に?! もう! 太っ腹なんだから!」
パメラは喜びながら、パメリは感謝を言い。フィナンシェを口に放り込こんでいく。
「ったく……」
オスカーさんはそれを見て呆れていた。
ドンキもそこへやって来て、楽しくお茶会をし始めた。
「さて、続きだが、ねじれだったな……。特徴とかはあるのか?」
私が切り出すとオスカーさんは手に持っていたカップを机に置き、顎に手を置いて話始める
「そうだな……8時のサーカスという奴等だ。どうやら人を攫っては改造を施していると聞いた、それもかなり歪にな」
「……対策も対面した時にしか立てられなさそうだ……」
「そうだな、だがその辺は任せてくれ」
「私達は状況判断能力を売りにしてるの。そういうのは専門分野だよ」
バメラが頬にフィナンシェを頬張りながら、自信満々に言う。
なるほど。戦闘力の高い夜明事務所と兄弟事務所なのがわかった。
相性がいいのだろう。
楔事務所が相手の弱点を探し見つけ、それを夜明事務所が叩くといった感じか……。
「あんたらが戦闘のプロって事もこの新人の坊主に聞いた。2人しか居ないって所を見ると本当らしいな、その少ない戦力で大人数相手するのか?」
「そうだな……基準としては私達は2人とも外にいても丸一日は過ごす訓練を積むようにしている」
最近は叔父が何かしら企んでいる故出ないが。
「でも流石に3時には帰るわよね? 夜は危ないもの」
菓子を飲み込んだバメリが突っ込んでくる。それに対してエレナは堂々と答えた。
「掃除屋も含めて丸一日だ。何が来ようと無駄だろう」
ちょっと盛りすぎだろうが……私は結局死なないだけだから……
そんな事を思いつつも、どうやら楔事務所の3人はこちらの実力をある程度は把握出来たらしい。
最も、大仰すぎて引いているようにも見えるが。
「協会に所属してない割には、中々強そうだな」
そう言いながら確かに契約書にサインをするオスカーさん。
パメラさんも書いている所を見ると信用はしてくれているらしい。
紹介したフィリップ君まホッ、と一安心したようだ。
「またいつか連絡する。不定期に現れるからな。頼むぞ」
そう言って楔事務所達は円卓事務所を後にした。
if、若しくは補填が必要か
-
必要
-
不必要