なんでそんなにも長く書ける……
ローズを抱きながら、椅子でゆらゆらと揺れ、2人で微睡んでいく。
「んぅ……」
「よしよし……ん……」
呼び出しベルの鳴る前に電話の受話器を手に取る。
「はい、円卓事務所」
電話の相手は楔事務所。つい最近まで一緒に仕事をしていた人達だ。
「ん? ……夜明事務所が……? 全員ですか……? 音信不通……はぁ、分かりました。ありがとうございます」
受話器を置き、身体を大きく伸ばしながら呟く。
「それはそれ、これはこれですね……」
父の口癖がこんなにも心に染みる。
しかし逃げてはいられない。
「図書館に敗れたか……」
ユナさんにフィリップ君まで……
楔事務所も行くと言っていた。
向こうには招待状があるのだろう。
私の元に来る気配は無い。
「はぁ……」
憂鬱な気分になり、ため息をつく。
「んぅ……」
「ん、大丈夫だよ、大丈夫」
そう言って頭を撫でてあげると、安心したように眠り始めた。
「……ん、誰か来るか……」
玄関前に人が居る事を察知し、オフィスチェアから立ち上がる。
ん? 外にも足音……っ?!
「ふっ!」
咄嗟に剣を取り出し、後ろから迫って来た赤い刀を受け流す。
「っ、おい! どうなっている。シ協会!」
気付かなかったら切られていた。私は問題無いが、ローズが死んでいたかもしれない。
走る。
「エレナ! ドンキを連れて逃げろ! 今すぐ!」
2階にいる2人に伝え、出口を蹴破って、構えていた2人の肆協会を飛ばす。
「っ、なかなか居るな……」
ぞろぞろと黒に赤いラインの入った服を着た暗殺集団が私を囲む。
こんなにも要らないと思うのだが……
「誰に雇われた? 自分で吐いてくれると無駄な労力を使わずに済んで楽なんだがな」
「…………」
無言で降り掛かって来た凶刃をヒラリと躱し、首を刎ねる。
ローズに血が掛からない様に守る。
「……私を殺したいなら、1級フィクサー位持って来い!」
ガツンと切っ先を地面に突き立て、逆手で大きく下から横に薙ぎ払うが、流石に避けられる。
深々と削った地面から立ち上る蜃気楼と赤熱によって生まれた煙。砂をガラスにする程の温度にローズが泣き出す。これ以上、ローズに怖い思いをさせないように……全滅させるしかない。
事務所の方の気配は消えた。2人は何処かに逃げられたようだ。
「最初から本気だ」
そう言い放ち、剣を振った。
◇◇◇
<シ協会南部支部一課フィクサー>
「っ……!」
に、逃げなきゃ……! あんなのに勝てっこない……!
突然消えて、突然現れて……! みんな、みんな切られた……!
リーダーもすぐに殺られた……!
「はっ、はっ、はっ!」
肺が痛い、足が震える。
「ぁっ」
何かに引っかかってはだらしなくコケる。
もうすぐそこにっ……!
「あと2人か……」
ゴツゴツとブーツの足音と赤子の泣き声が近付いて来る。死が近付いてくる。
セルマ支部長が楽な仕事って言ってたのに……!
こんな、『裏路地の亡霊』なんてっ……!
「た、たすけっ……」
掠れ上擦る。
ゴッ!
鈍い音と共に視界が暗転した。
◇◇◇
一息付き、剣を仕舞う。
「最初の子は何とか生きてるだろう。アンプルかなんかで治してやれ……大事ならな」
暑い。一帯がサウナの様に熱い。
結局何人かは戦意喪失したようで殲滅までする必要はなかった。
ちゃんと治るようには切ったつもりだが早くしないと死ぬだろう。
「よしよしローズ……泣き止んでくれよ……」
ローズが泣くのを抱きしめてあやす。
カルンウェナンでゆっくりと影に沈む。
「宿を取らなければな……それにエレナやドンキと合流したいのもあるな……」
暗殺の依頼だろうからシ協会に事務所を漁られる事は無いだろうが……財布は取りに戻った方がいいかもなぁ……あと母さんの服も……それにローズの服も……
ああ……困った。
そうだ。次いでにランスロットを拾えば丁度良いか。
個人的にものすごく見ずらく感じるのは気のせいだろうか……?
if、若しくは補填が必要か
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必要
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不必要