某裏路地の地下のBAR。
底辺フィクサーや、他の裏路地に生きる人間達が集うその場所は何時も何かしらの噂話や、情報交換の場となっている。
その日も、馬鹿共が切った張ったの自慢話を肴にし、そこで酒を飲んでいた。
「おい!聞いたかよ!」
酒に酔った男の叫び声に、その場に居た全員が注目する。
「なんだうっせーぞおっさん」
「うるさいわね。静かにしなさいよ」
「何だよ。どうしたんだ?」
「まぁ、とりあえず落ち着けや。話を聞いてやるから」
「お、おう。悪かったな」
「……」
「……で、お前は一体何をそんなに騒いでたんだよ」
「あー……いや、知ってるか?夜中の裏路地に9区で死んだ幽霊が居るって噂」
「はん、幽霊なんてもんは信じてねぇから、怖くもなんともねぇな」
その話を聞き、1人は虚勢を張った。
「……なんでもそいつはブツブツと謝罪を延べながらフラフラとして、掃除屋を殺して回ってるらしいぞ……?」
「あ〜、私それ聞いた事あるかも!白い髪の女性が血まみれで歩いてるやつだよね、怖いね……」
1人はゴシップとして楽しんでいた。
「うわ、マジかよ……俺それ聞いたらトイレ行けないんだが……」
1人は恐怖していた。
「でもそれって噂じゃないのか?本当にそんな奴いるのかね」
「どうだかねぇ?」
「そう言えば掃除屋繋がりでな、知り合いのフィクサーが金色に光る剣持ってた奴に助けられたらしいんだよ」
「何それ詳しく聞かせろ」
酒場で酒の入った男女達が雑談を交わしている。
その殆どはただの噂や怪談話と言った信憑性の低いものばかりで、今現在進行形で都市を脅かしている異常事態についてはあまり話題にはされていないようだ。
「な〜、その話。俺にも聞かせてくれよ」
ゆったりと、そう言いながら青い衣服を纏った男が現れた。
「っ、青い残響……!?なんでここに!」
突拍子も無く現れた青い残響は、ゆっくりと座り込む。
1級以上の力を持つ特色が突然現れた事に酒場全員が警戒をした。
青い残響はそれを気にした様子もなく口を開いた。
「別に良いだろう?仕事しに来たわけでも無いのに、そこまで身構えなくても」
「お前みたいなのがいきなり現れるんだ、誰だって警戒するだろ」
そう言われて「そうかいそうかい」と軽く返しながら酒場の店員を呼び、つまみを頼んでいた。
「それで?光る武器を持ったガキの話、聞かせてくれるかい?あぁ、酒もくれ」
注文した料理を食べつつ、話を聞く体勢になる。
「お、おう……確かそいつの名前がロンズデーラって言ってたかな?俺らよりも若い奴が血塗れで、しかもタダで救ってくれたらしいぞ」
「都市にもそんないい子が居るんだねぇ〜……それ、どこに居るか知ってるかい?」
「さぁ?知らねぇよ、夜中の裏路地に居るんじゃ無いか?」
「あーそうかい、ありがとう」
青い残響はそれを聞いて席を立ち、代金を置いて店を出ていった。
「はあぁぁ〜〜……」
店員や客共は深い溜息をつき、緊張した空気を吐き出した。
「おいお前ら、アイツは一体何なんだ?突然現れるし」
語った男が愚痴る様に言うと全員が同調したかのようにウンザリした表情を見せた。
◇◇◇
「おい、オリヴィエ」
真っ黒なのっぺり仮面を被る男がハナ協会のオリヴィエを呼び止めた。
「ん……ローランか……あの時は済まなかった」
「……いや、いいんだ、誰かのお陰でアンジェリカもお腹の子供も無事だったんだ。それだけで十分だ」
「そう言ってもらえると助かる。それで、何か用か?」
「ああ、実は頼みたいことがあってな……」
ローランは仮面を外し素顔を見せ、親友に悩みを打ち明けた。
if、若しくは補填が必要か
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必要
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不必要