〜人差し指接待終了後〜
「ねぇ、ローラン、結局灰色の陽光。その正体は何なのかしら」
本を通して見ていたアンジェラがそんな事を聞いてきた。
「珍しいな? そんなに気になる奴だったか?」
「そんなにおかしい事かしら?」
今からでも腕を捥ぐぞ、なんて声色で睨みつけられ、どうどうと抑える。
「……出てきた本の幾つかにその名前が出て来ただけよ。それ以上の意味はないわ」
「へえ」
「それで、灰色の陽光は──」
「あぁ、そうだったな。実際の所誰も知らないんじゃないか? 唐突に都市に現れては、人を助け回ってるらしい。実際そんな感じだったな」
「そんなのキリが無いじゃない」
「あぁ、本当にな。けどこなして見せてるのがまた特色らしいというか……な? 正体は女の子だったり赤ん坊の幽霊だったり色んなところで話を聞きはするが顔は一切出てこないな。認識阻害の何かしらをずっと付けて生活してるんじゃないかってぐらい情報隠蔽が上手いな」
「そう……身勝手に人を助るだけ助けて、お礼も受け取らずにただ消えるなんて迷惑な話ね」
「……あぁ、迷惑な奴だ。……全てを救うと言っておきながら、あの巣では……誰も助からなかった……妻でさえ……」
「ローラン?」
「あぁ、なんでもない。さ、次の接待まではのんびりさせて貰うぞ」
◇◆◇◆◇◆◇
何とか生きている奴らをN社に引き渡すことが出来た。向こうも快く患者を受け入れ、なんなら少し多めにお金を貰った。
1度事務所に戻ると、書類だけが全て持ってかれていた。
恐らくセブン協会だろう。
姑息に宿を取っていたが、失敗だったろうか。
然し……うちの稼ぎ頭の様子があれからおかしい。
アルトリアから血を貰ったが、終わって直ぐに部屋に籠ってしまった。
「ご飯は良いのか? アルトリア」
『……いい、必要ない。済まないエレナ』
「……そうか」
ドア越しから感じ取れる感情は哀しみだろうか。
無理やり食事を取らせるのも憚られ、放っておく。
自害して死ぬ事はないだろう……
『……エレナ……事務所や妹は任せる。私は少し……休む。……皆にこんな姿は見せたくないからな……』
「頑張りすぎだ、馬鹿。少しは自分を想え。明日も様子は見に来る」
………………
━━━━━━━━━━━━━━━室内にも関わらずジャケットに袖を通し、キツイのを無視して前を完全に閉めていた。
ベットの上で、足を抱え座り込み誰が見ても落ち込んでいるのが分かるほど落ち込んでいた。
「…………」
その目は虚ろで、何もない空間を見つめていた。
「ベディ……」
誰も居ない部屋にこだましては消えていく。
空虚に孤独にただ打ちのめされていた。
小夜曲の歌を口遊、パタリと意識を落とした。
叔父に別次元では恋仲だった男がNTRされて(寝てない)脳破壊されているアルトリア
if、若しくは補填が必要か
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必要
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不必要