過去にいったい何があったんですかねぇ
メネス達一行が進んだ先は本校舎から少し離れた場所にある古めかしい建物
建物は旧校舎である
「なぁフィーこれから何すると思う?」
「ん、メネはサラの話聞いてなかったっけ?」
「そういうフィーこそ聞いてたのか?」
「そんなわけない」
「だよなぁ」
とネメストフィーが談話を進めていると
「あら、あんたたちそんなに余裕しゃくしゃくならハンデ負ってもらいましょうかね」
「「げっ」」
何とも息の合った勢いで彼ら2人は反応を示した
「なに大したことじゃないわ」
((サラの場合”大したこと”っていうのは本気の大したことだからなぁ))
「っとついたわよ」
「ちょ、ちょっとサラさん?さっきの冗談ですよね」
「あら、この学院じゃ私は教官よ?冗談が通じると思って?」
「で、ですよねぇ」
メネスが嫌そうな顔をしているとサラが開けた古めかしい建物
旧校舎に入って行った
「なんだここは」
「―――サラ・バレスタイン。今日から君たち《Ⅶ組》の担任を務めさせてもらうわ。よろしくお願いするわね」
教官の言葉に、誰もが同様の疑問を抱いているようだ。それもそのはず、1学年のクラスは5つ。案内書にもそう記されていた。皆の胸中を代弁するかのように、前に立っていた女子生徒が疑問を投げ掛ける。
「あ、あの・・・・・・サラ教官?この学院の1学年のクラス数は、5つだったと記憶していますが」
「お、さすが主席入学。よく調べているじゃない」
待ってましたと言わんばかりに、ややドヤ顔気味にサラは続ける。
彼女によると、確かに『去年』までは5つのクラスがあり、貴族と平民で区別されていたらしい。しかし今年度から、新たに1つのクラスが立ち上げられたという。
「すなわち君たち――身分に関係なく選ばれた・・・・・・特科クラス《Ⅶ組》が」
「自分はとても納得しかねます!まさか貴族風情と、一緒のクラスでやって行けって言うんですか!?」」
「うーん、そう言われてもねぇ」
「ユーシス・アルバレア。貴族風情の名前ごとき、覚えてもらわなくても構わんが」
「し、四大名門・・・・・・!?」
サラの「身分に関係なく選ばれた」という言葉の意味を、今更ながらに自覚する。一同が驚きの表情を見せる一方で、フィーは大きな欠伸をしていた。
「だ、だからどうした!?その大層な家名に、誰もが怯むと思ったら大間違いだぞ!」
「色々あるとは思うけど、文句は後で聞かせてもらうわ。そろそろオリエンテーリングを始めないといけないしね」
サラは笑いながらそう言うと、後方にある柱をちらと見やる。
「それじゃ、さっそく始めましょうか♪」