食用スライムだけど生き延びたいっ!   作:貝がら

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遅れてすみません…


十六日目④

「ドウシヨ!シショー…」

 

今の僕は井の中の蛙ならぬ胃の中のスライム状態。そんな事を思いながら蜘蛛の体内を彷徨う

 

さて上に行くか下へ行くかはたまた…

 

「"スラもっち…外にも同じ蜘蛛がもう一匹いる。どうする?"」

 

蜘蛛が二匹…恐らくオスメスの(つがい)かな?だとしたら…うん()()もあるし何とかなるかもしれない。

 

「ナントカスルッ」「"任せた"」任された僕はもはやお決まりの台詞を吐く。

 

自己調理』【火】(セルフクッキングファイヤー)強火》(ツヨビ)

 

僕の体の周りに火の粉が集まりバチバチと音を立てて身を焦がしていく。それは僕だけでは無く蜘蛛も一緒な筈なんだけど…

 

「シショー…」「"ピンピンしてる"」

 

駄目みたいだ。なら…「シショウ()()ヲ」「"良いの?あれは…"」

 

「シショウゴメンナサイ…」「"分かった。またね"」

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一匹目の蜘蛛はサラの事など…どうでも良かった。何故なら一番香ばしく最高の旨味を持った食材を堪能出来たのだから。後は帰って寝るのみだった。 だが…二匹目の蜘蛛は真逆で血眼になりながらその複数の眼差しで獲物を探す。

 

やがて獲物が視界に入る。それに喜んだ二匹目は逃さぬ様に…そして息を殺して無防備な背中に喰らいつく…

 

「…ハズレ」だがそれは少女が見せた幻想

 

攻撃が当たる前に幻は歪んで消える。いつの間にか少女は一匹目の蜘蛛の近くへと歩いている。その手に持っていたのはワインの酒瓶。

 

「"行くよ"」そう彼女は誰かに伝える様に語りかけるとワインの中身を蜘蛛目がけてバラ撒いた。

 

「シャンパンファイト…って言うんだってピッタリだと思う」

 

暗く丸焦げになった蜘蛛を見ながら少女は少し中身が残った瓶に口をつける。

 

「…貴方の敗因は二つ。一つはそこらへんのモノを拾い食いした事…そして生で食べた事。食中毒起こしちゃうから」それにしてもと

 

「もう一匹…どうしよう」

 

空になった酒瓶を地面に置いて怒り狂っている蜘蛛に視線を移した。

 

 

 

 

 

 

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「"行くよ"」「リョーカイ!」止めていた火を再加熱させる。これは元々の調理師究極魔法には無い魔法だ。前世の記憶を使った僕のオリジナル魔法。まぁそれっぽく言うのなら…

 

自己調理』【酒】(セルフクッキングフランベ)だろうか。

 

…ただし前練習したら一瞬で火が消える代わりにダメージが半端じゃなかったのを覚えている死にかけたし。だから巨大蜘蛛でも焼けると思ったんだけど…それにやっぱり…

 

意識が朦朧としてくる…

 

視界がチカチカと切れかけの電灯のように安定しない。焦げ臭い蜘蛛の体内の中…僕は強い睡魔の誘惑に負けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周斗起きなさい

 

誰かが…呼んでいる様な…

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