食用スライムだけど生き延びたいっ! 作:貝がら
「…はぁ。見栄張り過ぎた」
トイレから出てそう呟く。身体の調子はあまり良くない。魔力の残量は三割ぐらい…昨日の移動魔法が響いたらしい。前はそんな事は無かったのにそう思いながら廊下を歩く。そうだ何か買わなきゃ…何買おうかな
「よぉ…アンタだろ?怠惰の魔女って。悪いが黙って着いてきて貰おうか」「なぁに抵抗しなきゃキズも付けねえし殺す事なんてねえから安心しな」
「まぁ…死ぬよりもキツイ思いをするかもしれねえけどなぁ」そう言っていかにも悪そうなチンピラ二人が私と目を合わせる。何でこの二人は女子トイレの前で彷徨いてるんだろう。迷子?
二人とも山賊みたいな格好をしているし見た目も悪ければ口も悪い。ナイフと棍棒持ってるし…こんな事言いたく無いけれどきっと悪者だろう。…違かったらメリーに
「貴方達に使う魔法は無い」残量もやばいし…戦いたく無い。面倒臭いし…こう言えば逃げてくれないかな…何か気持ち悪い。ジッと何かに見られてる様な感じがする。さっさと立ち去りたい
「ほぉ…舐められたモンだな。俺達には魔法なんか使わなくても勝てるってか…サボることしか頭がねえんだな。まぁそうやって余裕ぶってろ」
勘違いして怒ってる…はぁ。どうやらこの戦いからは逃げれないみたい
「ここで急にスライムが止まって動かなくなってしまったァ!一体どうしたと言うのか?時が止まったのかの様に彼はピクリとも…」
Q.お腹いっぱいの状態で動き回ったらどうなるでしょうか?
A.吐く。
オェッ…「おわっ!?突然吐き出した!汚ねえ…が止まらない!酷すぎる…臭いがオェッ…」
もう一つ問題。普通のスライムが出す分泌液は有害な酸。ですが…レアな食用なスライムが出す分泌液は何でしょうか?
正解は…「何か嗅いだ事があると思ったら油だぁ!」
正解は食用油です。さながらこの舞台にいる彼らはまな板の上の鯉。巨大なフライパンの中の食材。さあ火を与えてあげれば…
「一人また一人と…熱さから鼻を塞ぎたくなる程強烈な匂い。その両方から逃げ出す様に自ら場外へと飛び出していきます」
どんどん火力は高まりそれに応じて人数も減って行く。数えきれない程いたのに今は僕を含めて5匹しか残っていなかった。
「ストップ!随分減ったなぁ…あくまでコレは予選だ。決戦はこのメンバーでやろうと思うが…異論は無いかね?」
そう領主が観客に向けて問いかける。一時の沈黙の後、盛り上がりを取り戻すのにそう時間はかからなかった。
それを聞いて僕とカウボーイ君は二人で消化活動を始めた。それを見て客はまた盛り上がる。
決勝はこの後すぐにやるらしい…少しは休みたい気持ちもあったけど仕方が無い。僕はその話に頷く代わりに飛び跳ねて了承をした。