食用スライムだけど生き延びたいっ! 作:貝がら
「さぁ…スラもっち…朝ご飯食べたら今日から修行。日々鍛錬を重ねる事は大事な事だよ」
そう言ってトーストを片手に彼女が言うと僕も頷く様に彼女の横で跳ねる。
「その調子。頑張ろう」変わらない表情のまま彼女はそう言った。
彼女の名前はサナ。銀髪で長い髪。幼げな顔だけど無表情。年は成人を余裕で超しているらしい。そんな彼女は自称凄い魔法使いらしくて僕も魔法を使える事を必死にボディランゲージでアピールした所。
「もしかしてあの火柱…」その事がバレてちょっと怒られた後。この世界の事…魔法の事とか色々教えて貰える事になった。だから彼女は師匠だ。
朝ご飯のパンってどっち?ってくだらない事を思いながらハチミツが乗っかったトーストを食べて家から少し離れた開けた場所へ来た。
「そう言えばスラもっちはどんな魔法使えるの?」『隱ソ逅?クォ遨カ讌オ鬲疲ウ!』
師匠は首を傾げる。そうだ言葉が通じないんだった。
「家にモンスター語の翻訳本が無かった。そもそもいるとは思わなかったし…今日火力調節の仕方を教えたら下の町の本屋で買いに行こうか。言葉が通じないのは不便だし…そうしよ?」
それに対してまた跳ねる。理解は出来るけど言葉は喋れないのは不自由だ。でも相手がこっちの言葉を理解してくれればいいのかも知れない。
「スラもっちもヒト言語の勉強頑張ろう。私も頑張って教えるから」
そう気合を入れる彼女を見て僕はテンションを下げる。どうやら異世界に来ても勉強からは逃げられないみたいだ。僕はこっそりため息をついた。
「さあ魔法を使ってみて魔力は回復して増えたからこの間みたいに気絶はしない筈。まずは火の魔法からやってみて」
どうして回復したか分からない僕はその場で2度飛び跳ねると彼女は何となく分かったみたいで説明してくれる。
「朝ハチミツトーストを食べたでしょ?あの蜂蜜は実は只のハチミツじゃなくてマジカルハニーって言う蜂から取られた特殊な蜂蜜。食べれば魔力は回復して最大量も増えるし凄い美味しいんだけど食べ過ぎは毒なの。
一生に3回までが限度って言われてるだから余程の事が無い限りは食べない事」
成程…通りで調子が良い気がする。早速魔法を使ってみよう。
僕は前と同じ様に魔法を唱えて発動させた。またしても火柱が立ちその中で僕はバチバチと音を立てて燃やされる…
「…。聞こえるっ!?今の魔法のイメージからどんどん小さくして!そうすれば調節が出来る」
「少しずつ…ゆっくりと…そう」僕は彼女の言葉に従ってやっていくと熱さが収まった気がした。
「今の感じを忘れない様にね」気づいたら火柱は消えていた。それから何度も何度もやっていく内にコツみたいなのを掴めた気がした。イメージとしてはガスコンロだ。僕の場合いきなり強火で焼いていた様だ。恐ろしい…そんな事をしたら焦げてしまう。料理は火力が大事それを理解した
「まだ余裕がある?」そう聞かれて自分の体を確かめてみると後一回ぐらいだろうか…だから少しだけ跳ねる。
「分かった…なら後一回だけ。他に魔法を使えるならその魔法を見せて」彼女は期待した表情でそう言った。
…結果的に言うと彼女はその言葉に後悔する事になる。後日彼女はインタビューにて真剣な面持ちで当時の気持ちを語っている。
「よく分からない魔法を撃たせるんじゃなかった」と