食用スライムだけど生き延びたいっ!   作:貝がら

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十九日目⑦

目の前には先程倒した二人とは同じ存在とは思えないぐらい大きい存在が威圧感を放っていた。

 

『グゥァァァァアアアアアア』

 

スラもっちが一匹。スラもっちが二匹…と数えながら夢じゃないかなと目を瞑ったけど夢じゃなかった。再び目を開けると手が左右に2本ずつ付いている化け物と目が合った。

 

「良いか?殺すなよ程々にだ…良し良い子だ!」上の方から声が聞こえてきた。

 

見上げるとアイツがいた。魔力は殆ど使ってないから残ってるけど…4本の腕が隕石の様に素早く振り下ろされるのを避けながら私は考える。

 

あの手が邪魔。スラもっちがいれば切って貰えたけど…無い物ねだりは出来ない。確かポケットに護身用のナイフが何本かあったからそれを使おうでも小さいこのナイフじゃせいぜい浅い傷で切り離す事は出来ない。いや出来ないじゃない…やろう

 

 

 

SSランクの冒険者?…怠惰の魔女?師匠?…そんなもの私には関係ない。私はスラもっちと一緒に暮らしたい。それだけ…

 

その為には…良し。「チッ…ちょこまかちょこまかと…鬱陶しい。そろそろ諦めたら!…おや?」

 

 

 

 

彼女の動きが止まった。どうして突然抵抗を止めたのかは分からないがコチラにとって不都合は無く寧ろ好都合だ。「仕事が早く済みそうですね…」四つの拳が彼女目がけて振り下ろされ

 

彼女はそれを避ける事なく受けた。彼女はそれから何度も何度も何十回も繰り返される拳の雨を受け続けた。彼女は衝撃で吹っ飛びぴくりとも動かなくなった。「これぐらいでイイでしょう…」

 

「まぁもう意識も無いでしょうがそんな貴方に少しの慈悲でお聞かせしましょう私は何者かを。幼子に聞かせる読み聞かせだと思ってください」

 

「私達はとある組織のメンバーです。名は《配膳の下僕》と言いましてね…ボスが言うにはこの世界を食の理想郷(イートピア)にしたいと言ってまして。この世界に確かに存在する神は好き嫌いが多いらしくて…そこで私達が神の好物を育てたりこうして神が欲したモノを取りに来たりするんですよ。

 

因みに今回貴方が神の食事に選ばれたのは偶然ではありません…身に覚えがありませんか?そんな貴方に私から一つヒントを…巨大毒蜘蛛。これがヒントです。どうやら貴方は神の怒りを買ってしまった様ですね…ああ!恐ろしい!

 

少しお話が長くなってしまいましたね…ココまでにしましょう。さぁそろそろ来て貰いますよ。」

 

肩から地面へと着地すると彼女が倒れている場所まで歩く。

 

が…彼女の姿は見当たらない。周りを見渡しても彼女らしい姿は見つからない。「クッ…何処まで吹っ飛んだんですか!」苛ついて強く足音を鳴らしながら彼は探す。が彼は知るよしも無い。そこに彼女はいない事を…

 

 

 

 

 

 

瞬間移動(テレポーテーション)

 

私は出来るだけ短めのだけど鉢合わせない距離で瞬間移動した。邪魔されたら面倒だし魔力はまだ使う。ポケットの中に入れといたポーションを飲みながら走り四つ手のモンスターの近くにたどり着く。大丈夫魔力はまだある。私は自分の体に手を当ててボソッと呟いた。

 

痛いの痛いの飛んでいけ(ダメージギフト)

 

 

『グァァァァァァ!?』今までのダメージを奴に返した。すると奴は悲鳴の様な断末魔を上げて倒れた。

 

「また殴られるのは嫌だし…」

 

私はポケットからナイフを出すと魔法を使ってデカくして全ての腕を切り飛ばした。

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