仮面ライダーとウイルス兵器使い少女の様々な年代の「平行世界」冒険の旅。様々な「異世界」もあり!?   作:グレイモン

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第427話「迷コンビ...? えみるとルールーのとある一日」

はな「めちょっく・・・!」

 

朝、HUGMANのチラシを見たはなが驚きの声を上げる。

 

はな「卵が一パック20円!?これは大ピンチの野乃家の家計を救う大チャンスだよママ!」

 

今日HUGMANでは、卵一パックが20円で売られるのだ。

 

すみれ「しかし先着二十名様限定!でもこんな日に限って私は取材が~!」

 

森太郎「僕も昼休みまで動けない・・・!だがそれでは売り切れ必至・・・!」

 

ことり「私は友達とお出かけー。」

 

はな「私も今日ビューティーハリーのお手伝いが・・・!」

 

だが、はな達は手伝いやら取材やらあって、誰も行く事が出来ない。

 

森太郎「ああ~!このピンチを救ってくれる救世主はいないものか・・・!」 

 

はな「めちょっく無念・・・!ノー卵、ノーライフ・・・!」

 

ルールー「私が行きましょうか?」

 

はな・すみれ・森太郎「「「いた~っ!」」」

 

そこへ特に予定の無かったルールーが行こうかと伝え、はな達がルールーの方を向いていたと叫んだ。

 

ルールーがHUGMANまで歩いて買い物へ向かう。

 

ルールー「命令された訳でも無いのに、私は、何故・・・。」

 

猫の鳴き声が聞こえて立ち止まると、猫に気付く。

 

?「ストーップ、なのです!」

 

声が聞こえると同時に、プリキュアのコスチュームを意識した格好の少女が走って現れ、ルールーの目の前で止まるが勢いが強過ぎて、派手に転んでしまう。

 

?「大丈夫ですか?」

 

ルールー「ええ。」

 

?「良かったのです。」

 

?「とう!」

 

ルールー「あなたは?」

 

少女が上に跳ぶと同時にルールーが尋ねる。

 

えみる「事故が起こる前に、みんなを守る!キュアえみ~る!」

 

着地と同時に「え」の字を表現するポーズを取り、キュアえみ~ると名乗る。

 

その少女はことりのクラスメイトで、はな達が以前ハイキングで出会ったえみるだった。

 

ルールー「・・・!新たな・・・プリキュア・・・?」

 

えみる「危ない所でした。もう少しであなたは、危うくこの猫さんに激!とーつ!する所だったのです。私がお止めしなければ、あなたは猫さんを蹴飛ばし―――」

 

言ってる途中でえみるの身体が震え出す。

 

えみる「尻尾を踏んずけて、怒りを買う事に・・・!」

 

長時間のポーズに耐え切れず、派手に仰向けに転んだ。

 

えみる「このポーズは大変なのです・・・。」

 

その直後、通行止めされた事に腹を立てた猫が、えみるの顔を引っ掻いた。

 

えみる「やはり危険だったのです・・・!」

 

ルールー「キュアえみ~る。」

 

えみる「何でしょう!」

 

背後からルールーに呼ばれて振り向く。

 

その直後、ルールーがえみるに顔を近づけてジッと目元を見る。

 

えみる「な・・・何ですか・・・?」

 

ルールー(おかしい・・・。確かに似ている・・・。でも、ミライクリスタルの気配は感じない・・・。)

 

えみるを分析し、プリキュアに似ているがミライクリスタルの気配を感じない事に気付く。

 

なお、表示された画面によると、えみるがプリキュアである可能性は87.56%との事だった。

 

その直後、ルールーのヘアバンドに「9:50」を表す文字と音声が流れる。

 

ルールー「時間がありません。任務を優先します。」

 

買い物を優先してこの場を後にする。

 

えみる「何ですか今の!?」

 

ルールー「時計です。」

 

えみる「見辛くないですかそこ!?」

 

ルールーの後をえみるがついて行く。

 

えみる「ストップなのです!」

 

そう言い、口笛を鳴らす。

 

えみる「公共の道を急ぐのは危険なのです。小石に躓いて転んで、坂をゴロゴロしてしまう危険があるのです・・・!」

 

ルールー「その確率は、1.57%です。」

 

えみるが足を引っかけて転がりながら伝える。

 

えみる「頭上にも注意です!風に飛ばされてった買い物袋に視界を遮られ、電柱にぶつかってしま―――ぶっ!」

 

ルールー「あり得ません。」

 

今度は買い物袋に視界を遮られ、電柱にぶつかる。

 

えみる「見て下さい今の私!少しでも危険があるのなら、キュアえみ~るは、あなたをお守りするのです!」

 

背後からルールーにすがるようにして抱き付き、引きずられながらもそう伝える。

 

ルールー(この人は何なのですか・・・?)ルールーはえみるに疑問を抱き、心の中で呟いた

 

ビューティハリーに向かう途中、さあやとほまれが町中の丸型ベンチに座って会話をする。

 

ほまれ「そう言えば、オーディションどうだった?」

 

さあや「えっ、あ、う・・・そう言えば、ほまれこそ新しいスピン、調子どう?」

 

ほまれ「う、うーん・・・簡単には行かないよね・・・。」

 

さあや「そうだね・・・。」

 

近況を話すが、互いに上手く行って無かった。

 

えみる「いけませ~ん!命が惜しく無いのですか!?」

 

ルールー「引き受けた任務はやり遂げなくてはなりません。」

 

ルールーに抱き付いたまま引きずられるえみるを見かける。

 

さあや「まあ・・・!えみるちゃん、可愛いお衣装・・・!」

 

ほまれ「えっ・・・?」

 

さあやが目を輝かせて言い、ほまれは目を丸くした。

 

美姫(卵一パック二十円。これは随分と大出血サービス。今日の夕飯はオムライス辺りにしましょうか?いっそハヤシライスも作ってオムハヤシライスなんてのもありかな?残ったタマゴはプリンでも―――あら?)

 

乃木坂春香の秘密のヒロイン・乃木坂春香含む女子生徒達が着用する制服の夏版を着用し、買い物に出た美姫が歩きながら今日の夕飯を考えていると、先程と変わらずにルールーに抱き付いたまま引きずられるえみるを見かける。

 

美姫(ルールーさんと、確かハイキングで会ったえみるちゃんでしたか。えみるちゃんのあの格好、プリキュアを意識してるのでしょうか?この道、二人もあそこへ向かうのですか?)

 

二人の行き先が自分と同じだと言う事に気付き、二人の後を追うようにして進んだ。

 

目的地のHUGMANに到着すると、主婦達の先頭をルールーが走る。

 

そして目的の卵をあっさりと二パック確保した。

 

ルールー「任務、完了。」

 

ルールーのミッションは無事達成された。

 

美姫「あー危ないですね。主婦の力って恐ろしい過ぎます~・・・。」

 

少し後に、一パック確保して争奪戦から出た美姫がルールーの近くで呟く。

 

ルールー「神城美姫?」

 

美姫「あっ、ルールーさん。やっぱり目的はここだったのですね。」

 

ルールー「何故あなたがここに?」

 

美姫「あなたと同じで買い物です。」

 

そう言い、卵のパックを見せる。

 

美姫「そっちは頼まれた口ですか?」

 

ルールー「はい。皆さんそれぞれ用事や仕事があると。」

 

美姫「そう言えば、野乃さんも今日はビューティハリーの手伝いでしたっけ。」

 

ルールー(神城美姫とディケイドの声帯のデータを照合した結果、神城美姫がディケイドである確率は0%・・・。そもそも、プリキュアと違って仮面で顔が隠れている為、100%にはならない・・・。どういう事でしょう・・・それにあの時ディケイドが別の仮面ライダーになった時に声帯と話し方が完全に別の男性そのものでした・・・声帯・・・もしかしたらまだ推測でしょうけど・・・声を変える機能とか・・・)

 

美姫「?どうかしました?」

 

ルールー「いえ、何でもありません。」

 

老婆「困ったねぇ・・・。手が届かないねぇ・・・。」

 

そんなやり取りをしていると、近くでお年寄りの女性が缶詰のタワーに手が届かない所に二人が気付く。

 

えみる「このキュアえみ~るがお手伝いします!」

 

老婆「あら、どうも。」

 

えみる「ちょれい!」

 

背伸びして腕を伸ばすも一番上に届かず、仕方なく自分の手の届く所を取る。

 

美姫「あっ、流石にそこは・・・!」

 

美姫の忠告も虚しく、缶詰のタワーは崩れ落ち、えみるは落ちて来た缶詰に巻き込まれた。

 

美姫「大丈夫ですか?」

 

えみる「ノープログレムなのです・・・。」

 

美姫が手を差し伸べ、えみるがその手を掴んで立ち上がる。

 

えみる「あなたは確か、はな先輩といた・・・」

 

美姫「美姫です。神城美姫です。」

 

埃を手で払ってから、ハイキングで会った美姫だと気付く。

 

えみる「ご無沙汰なのです神城さん。」

 

美姫「美姫でいいですよ 美姫で。」

 

えみる「よろしくお願いします。助けてくれてありがとうございます。キュアえみ~るは、まだまだ困ってる人を助けに向かうのです!」

 

頭を下げてお礼を言い、また人助けに向かう。

 

だが、会計中に大根を忘れてた男性に大根を届けるがレンコンだったり、母親の持つ買い物袋を持つが重くて持ちきれなかったりと、失敗が続いた。

 

えみる「キュアえみ~るは・・・皆さんのお役に立てませんでした・・・。」

 

ルールー「そうでしょうか?」

 

えみる「えっ・・・?」

 

丸型ベンチに座って凹むえみるに、途中まで帰路が一緒の美姫と歩くルールーが声を掛ける。

 

ルールー「あなたが声を掛けた人は皆、笑顔になっていました。それが何故なのか、理解出来ませんが。」

 

ルールーの言葉を聞いたえみるは、元気を取り戻して走る。

 

えみる「あの!」

 

ルールー「何ですか?」

 

ルールーを追い越し、目の前で止まる。

 

えみる「あなたと、もっとお話ししてみたいのです・・・!なので・・・もし、良かったら・・・私の家に・・・遊びに来ませんか・・・?」

 

もじもじしながらルールーを家に誘う。

 

ルールー「いいですよ。」

 

ルールーからいいと言われて一瞬驚くが喜ぶ。

 

美姫「良かったですねえみるちゃん。じゃ、私はこれで。」

 

えみる「待って欲しいのです。」

 

帰ろうとする美姫をえみるが止める。

 

えみる「美姫さんも、家に来て欲しいのです。」

 

美姫「えっ?私も?」

 

えみる「先程助けてくれたお礼がしたいのです。」

 

美姫「いいよそんなの。」

 

えみる「ダメです!ちゃんとお礼をしなければいけないのです!」

 

顔を近づけて叫ぶが、身長差があった為、背伸びしても美姫の顔までには届かなかった。

 

美姫「わ、分かりました。」

 

えみるの押しに負け、美姫も行く事になった。

 

えみる「こちらなのです・・・!」

 

先を歩くえみるの後を、美姫とルールーが歩く。

 

ルールー(不可解な点は多い。しかし、あの時のアスパワワ・・・。プリキュアの可能性は、ゼロでは無い。)

 

ビューティーハリー 生活部屋

 

さあや「プリキュアっぽかったね。」    

 

ほまれ「えっ?そうかな・・・。」

 

はな「何が?」

 

さあや「さっきえみるちゃんを見かけたの。」

 

ほまれ「何か変わった格好しててね。」

 

はぐたん「ほまえ。」

 

ほまれ「なぁにはぐたん?でも本当、一体何を―――」

 

はな・さあや・ほまれ「「「ん?」」」

 

疑問に感じたはな達が一斉にはぐたんを見る。

 

はぐたん「ほまえ。」

 

はな・さあや・ほまれ「「「喋った~!」」」

 

はぐたんが喋った事に、はな達は興奮した。

 

ほまれ「い、今、ほまれって言ったよね!言った!?言いました!?」

 

さあや「はぐたん私は!?私は!?私は!?」

 

はぐたん「しゃあや。」

 

はな・さあや・ほまれ「「「また喋った~!」」」

 

ハリー「昨日はハリー言うたで。ちなみに美姫も美姫ってな。」

 

タンスの上に腕を組んで座るハリーが、昨日は自分と美姫の名前を呼んだ事を伝えると、はなが悔しい表情を浮かべる。

 

はな「はぐたん私も私も!言って言って!はーなって!はーな!」

 

ニヤニヤしながらしゃがみ、顔を近づける。

 

はぐたん「は・・・」

 

はな「は~~~?」

 

はぐたん「は・・・」  

 

はな「は~~~!」

 

はぐたん「はぎゅ~!」

 

この時のはなに恐怖を感じたのか、泣き出してしまった。

 

はな「ごめんねはぐた~ん!」

 

すぐさま抱き締めて謝罪した。

 

ほまれ「ねえ、そう言えば美姫さんは?」

 

ハリー「買い物や。今日は卵が一パック20円で安いからな。」

 

はな「美姫さんもなんだ。うちもルールーが買いに行ってるよ。」

 

えみるの案内で着いた先は、公園だった。

 

美姫「公園?」

 

ルールー「これがあなたの家ですか?」

 

えみる「違います!少し、待っていて貰えますか?」

 

二人にそう伝え、向かいのタコ型遊具の中に入る。

 

少しすると、なんとタコの口から着替えたえみるが出て来た。

 

美姫(そこから?)

 

えみる「お待たせしました!」

 

美姫「ここに来たのは着替える為だったんですね。」

 

ルールー「プリキュアの可能性、0.01%。」

 

えみる「私の秘密をお教えします。キュアえみ~るは、世を偲ぶ仮の姿。実は私は・・・プリキュアでは無いのです!」

 

ルールー「そうですね。」

 

美姫「ええ。分かってました。」

 

えみる「本当は、愛崎えみると言います。」

 

滑り台を滑りながら自己紹介する。

 

ルールー「私はルールー・アムールです。敬称はいりません。」

 

えみる「分かりました。」

 

えみる「ルールー・・・美しい名前ですね。」

 

えみるから美しい名前と言われて、ルールーが一瞬反応する。

 

えみる「二人にお願いがあります。」

 

ルールー「はい。」

 

美姫「何です?」

 

えみる「キュアえみ~るの事、私の家族には秘密にしてくれません?」

 

ルールー「何故ですか?」  

 

美姫「全然いいですけど、どうして?」

 

えみる「ヒーローとは正体を隠すものなのです。」

 

美姫「そうですわね。」

 

えみる「それに・・・家族に心配掛けたく無いので。」

 

美姫「それも分かります。」

 

ルールー(アスパワワ、低下・・・。)

 

えみるのアスパワワが少なくなってる事にルールーが気付く。

 

えみる「さっ、行きましょう!」

 

そんな三人のやり取りを、公園の出入り口で眼鏡を掛けた一人の青年が見ていた。

 

クライアス社あさぱぶ支社 通路

 

パップル「ルールー?全く、どこまでブッ飛んでるのよ。下っ端がいないと、仕事が全部あたしに回って来るじゃない!んもー!」

 

パップルが愚痴りながら通路を歩いてルールーを探す。

 

会議室にあるルールーの机には、「有給消化中」と書かれた紙が貼られてあった。

 

えみるの案内で、愛崎家へ到着する。

 

えみる「ここが、私の家なのです。お城のようだと、よく驚かれますが・・・」

 

愛崎家は城のような外観をし、とても大きかった。

 

ルールー「行きましょう。」

 

ルールーは驚く様子も無く、足を進める。

 

えみる「美姫さんも驚かないのですか?」

 

美姫「いや、似たような家結構見て来たからね。」

 

美姫も驚いて無い事に気付いて尋ねると、似たような家を結構見て来たと言う答えが返って来た。

 

ルールー「何をしているのですか?」

 

えみる「今行くのです!」

 

えみるがルールーの方へ走り、美姫が歩いて後を追う。

 

えみる「お客様をお招きしました。」

 

三人がエントラスホールに入ってえみるがそう伝えると、突如電気が消え、スポットライトが三人を照らし、奥の方にも照らされる。

 

俳呑「ラララ~、ようこそ~♪」

 

都「我が家、へ~♪」

 

俳呑・都「「どう~ぞ、ごゆっくり~~~~♪」」

 

えみるの父親の俳呑と母親の都が、何故かミュージカル調で挨拶を行う。

 

美姫「インパクトのある両親だね。」

 

えみる「変わった両親だとお思いでしょうが・・・あまり・・・」

 

ルールー「お邪魔致します。」

 

美姫「あ、お邪魔します。」

 

ルールーが挨拶して一礼し、美姫も挨拶して一礼する。

 

えみる「えっ?ノーリアクション・・・!?しかも美姫さんも左程では無い・・・!?」

 

ノーリアクションのルールーと大して驚かない美姫を見て、えみるが驚く。

 

正人「お友達かい?兄の正人です。よろしく。」

 

えみる「お兄様!」

 

別の方にスポットライトが照らされ、えみるの兄の正人が挨拶をする。

 

美姫(あら、お兄様は普通なのですね。)

 

えみる「まだ友達と言う訳では・・・。それに美姫さんは、助けてくれたお礼をする為と言うか・・・」

 

正人「ところでえみる、さっき町でお前を見かけた。」

 

えみる「ルールーと美姫さんを案内しますので、これにてなのです!」

 

えみるが美姫とルールーの手首を掴み、駆け足でこの場から離れた。

 

愛崎家 えみるの部屋

 

えみる「ふぅ、バタバタしてすみません。ここが私の部屋なのです。どうぞ、楽にして下さい。」

 

美姫「部屋も大きいですね。」

 

ルールー「あれは何ですか?」

 

えみる「ピアノとバイオリンですけど。」

 

ルールーがピアノと壁に掛かってるバイオリンを見て尋ねる。

 

ルールー「何をする物なのですか?」

 

えみる「えっ?そりゃ楽器なので、音楽を奏でる物ですが。」

 

ルールー「音楽・・・とは、何ですか?」

 

美姫「えっ?」

 

えみる「音楽を知らない!?なるほど・・・分かりました。それなら・・・お教えしましょう!」

 

うんうんと頷き、そう言ってから指を鳴らす。

 

えみる「私の最大の秘密と共に!」

 

部屋のカーテンが閉じて電気が消えると、窓際からギターが上がって来た。

 

ルールー「これは?」

 

美姫「ギターですね。」

 

えみる「そう。私が最も愛する楽器、ギターなのです!」

 

ギターを掴み、音を鳴らす。

 

ルールー「何が違うのですか?」

 

えみる「ギターは、自由なのです!ノレるのです!カッコいいのです!ギュイーンとソウルがシャウトするのです!」

 

演奏と叫びで疲れ、ギターを床に置いてから両手と両膝を床に付ける。

 

ルールー「良く分かりません。」

 

えみる「では・・・こう言うのはどうでしょう?」

 

階段に座り、先程とは違って落ち着いた音調でギターを弾いて歌う。

 

美姫(ハイキングの時も聞きましたが、歌、上手ですね。)

 

美姫がえみるの歌を聞いて心の中で呟き、ルールーは突っ立って聞いてた。

 

歌い終えた直後、ルールーがサクランボ型のクッションにへたり込むようにして倒れる。

 

えみる「ルールー?」

 

ルールー「何ですか・・・?その・・・不思議な音と声の組み合わせは・・・?」

 

えみる「これが音楽。歌なのです。」

 

ルールー「歌・・・。」

 

えみる「どうですか二人とも?」

 

美姫「ハイキングの時も聞きましたが、凄く上手です。」

 

ルールー「苦しいです・・・。」

 

えみる「えっ!?」

 

えみるがどうだったかを二人に尋ねると、美姫は凄く上手だったと褒めるが、ルールーからは苦しいと言う答えが返って来た。

 

ルールー「その・・・歌と言う物が、私の中で響き続けていて・・・。もっと・・・聞きたい。」

 

だが、もっと聞きたいと言う答えも返って来た。

 

えみる「えっ?」

 

ルールー「そう・・・思います。」

 

美姫「私にももっと聞かせてくれますか?」

 

えみる「しょ、しょうがないですね!特別ですよ!」

 

二人からもっと聞きたいと言われて上機嫌になり、演奏しながら歌い、美姫とルールーは目を閉じて聞く。

 

だが歌い始めた直後、ノックの音が響いた。

 

正人「えみる。」

 

えみる「お兄様!?待って下さい!」

 

正人の声が聞こえ、えみるが慌ててギターをクローゼットに隠す。

 

美姫(?どうしてそんなに?)

 

えみる「ど、どうぞ。」

 

返事を聞いた正人がドアを開けて部屋に入る。

 

えみる「ど、どうしました?」

 

正人「ギターの音が聞こえなかったかい?」

 

えみる「き、気のせいなのです!」

 

気のせいと叫んだ直後、クローゼットからギターが出て来た。

 

えみる「あっ・・・!」

 

正人「やっぱり・・・。止めたまえ。女の子がギターなんて・・・。女の子は女の子らしく、ピアノやバイオリンの方が似合っていると思うよ。」

 

えみる「はい・・・。」

 

正人の言葉に、美姫とルールーが反応する。

 

ルールー「何故ですか?何故、ギターは駄目なのですか?」

 

美姫「理由があるんですか?」

 

正人「可愛いえみるには似合わないからさ。」

 

美姫「理由になってませんわね。」

 

ルールー「基準が不明瞭です。」

 

正人「由緒ある愛崎家の令嬢に、ギターは不釣り合いだと言っています。」

 

美姫「由緒ある?不釣り合い?まるで自分にとってウケが悪いような言い方ですわね。」

 

正人「だってそうじゃないか・・・。」

 

美姫「変な固定概念でも持ってるのですかあなたは。」

 

正人「何っ・・・?」

 

ルールー「あなたはえみるのマスターなのですか?」

 

正人「ま、マス―――?」

 

ルールー「マスターで無い者が、命令に従う義務は無いハズです。」

 

ルールーが正人に近付き、鋭い目付きで伝える。

 

美姫「あなたはただ、えみるさんに自分の意見を押し付けてるだけですね?ね?」

 

正人「くっ・・・ただの助言だ。邪魔したね。」

 

二人の迫力にたしろいで冷や汗をかいた正人が、逃げるようにして部屋から出た。

 

ルールー「何なのですかあの人は・・・!」

 

ルールーが怒り、えみるだけで無く美姫も驚く。

 

ルールー「あなたは言いました。ギターは自由だと。カッコいいのだと。もっと愛する物だと。それをあのように否定するなんて・・・!」

 

ルールーの叫びを聞いたえみるが、くすっと笑ってギターを拾う。

 

ルールー「何がおかしいのですか?」

 

えみる「おかしいのでは無く、嬉しいのです。ありがとう、ルールー。美姫さん。怒ってくれて。」

 

えみるの言葉が、ルールーの心に衝撃を与えた。

 

ルールー「怒った・・・?」

 

美姫「私は怒ったんじゃなく、意見を言っただけですわ。」

 

ルールー「私が・・・?」

 

美姫「ルールーさんが怒るの、初めて見ましたよ。多分、野乃さん達も見て無いんじゃないでしょうか?」

 

えみる「そうなのですか?」

 

美姫「ルールーさんって不愛想かと思ってましたが、全然そんな事ありませんでしたね。むしろ、普通の女の子です。」

 

美姫がルールーの方を向いて微笑み、そう言う。

 

美姫「後えみるさん、正人さんがいつか分かってくれたら、尻位一発蹴り飛ばしてもいいと思います。今までの仕打ちの分として。」

 

えみる「そ、そんな事出来ないのです!」

 

ルールー「いえ、神城美姫の言う通りです。それ位の権利はあると思います。」

 

えみる「ルールーまで・・・」

 

その時、外から衝撃が響いた。

 

美姫「何でしょう?今の音?」

 

えみる「あれは・・・!」

 

美姫達は窓から、町の方で煙が生じているのを見る。

 

えみるが町の方でピアノオシマイダーが暴れているのを確認し、奥の部屋へ向かう。

 

えみる「えみ~る!」

 

キュアえみ~るの格好に着替え、町の方へ向かう。

 

ルールー「えみる・・・。」

 

美姫「こっちも行かなきゃなりません・・・!」

 

ルールー(やっぱり、彼女がディケイドでしょうか・・・?)

 

美姫も町の方へ向かい、ルールーも後を追った。

 

はな達が先にオシマイダーが現れた場所に到着する。

 

はな「行くよ!」

 

さあや・ほまれ「「うん!」」

 

はな・さあや・ほまれ「「「ミライクリスタル!」」」

 

はな・さあや・ほまれ「「「ハート、キラっと!」」」

 

はな・さあや・ほまれ「「「は~ぎゅ~!」」」

 

エール「輝く未来を、抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

アンジュ「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

エトワール「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

パップル「さあ、やっちゃって。」

 

エール「こらーっ!」

 

エール達が線路を走って現れる。

 

パップル「来たわね。って、ディケイドが足りないわね。まあいいわ。オシマイダー!」

 

オシマイダーに命令し、瞬間移動して姿を消す。

 

オシマイダーが腕を振るい、エール達が跳んで避け、下の道路に着地する。

 

エール「はっ!」

 

エールがオシマイダーに向かって跳ぶ。

 

オシマイダーがマイクを持って叫ぶと、耳から超音波が放たれる。

 

エール「うわっ!あ~れ~!」

 

超音波を受けてエールだけで無く、アンジュとエトワールも吹き飛ぶ。

 

パップル「いいわ!いいわ!ディケイドのいない内に追い込みなさい!」

 

信号機の上に移動していたパップルが指示する。

 

少し遅れて美姫達が駆け付け、えみるがオシマイダーの方へ向かおうとする。

 

ルールー「危険です。何故来たのですか?」

 

えみる「キュアえみ~るは、人々の平和を―――」

 

ルールー「あなたは本物のプリキュアでは無いでしょう?それに、ディケイドのような力も持っていない。」

 

えみる「・・・確かに私は偽物なのです。でも・・・でも!偽物でも、町の危機は放っておけないのです!」

 

ルールー(そう言えば、神城美姫の姿が・・・。)

 

えみるの迫力に冷や汗を垂らすが、一緒に来たハズの美姫がいない事に気付く。

 

美姫はビルの裏に隠れ、画面上操作にて、ネオディケイドライバーを自動装着する。

 

美姫「変身!」

 

ネオディケイドライバー「カメンライド ディケイド」

 

ネオディケイドに変身した後、ライダーカードを取り出す。

 

ネオディケイドライバー「カメンライド ゴースト!」

 

ネオディケイドライバーからオレゴーストが現れる。

 

ネオディケイドライバー「レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!」

 

トランジェント形態になったネオディケイドはオレゴーストを纏い、ゴースト オレ魂にカメンライドし、浮遊してビルの屋上に着地する。

 

ネオディケイドゴースト オレ魂「よ~し!そんじゃ一致行きますか!ドライバーチェンジ!」

 

ネオディケイドライバーはゴーストドライバーにカメンライドした。

 

画面上操作にて、アイコンを出現させ、ドライバーへセットする。

 

ゴーストドライバーからベートーベンゴーストが現れる。

 

ゴーストドライバー『曲名!運命!ジャジャジャジャーン!』

 

ベートーベンゴーストを纏ってベートーベン魂になる。

 

そんな中、逃げ遅れて泣く子供がいるのに気付く。

 

オシマイダーも気付いて子供に向けて超音波を放とうとし、えみるが走って子供の方へ向かう。

 

だがその時、どこからか音楽が聞こえた。

 

ルールー「・・・?」

 

えみる「音楽・・・?」

 

パップル「な、何よこのブッ飛ぶ程耳障りな音・・・!」

 

音楽を聞いたパップルとオシマイダーが苦しみ出す。

 

エール「綺麗な音だね。」

 

アンジュ「聞いてるだけで、元気になる。」

 

エトワール「この音楽に乗って、滑りたいな。」

 

対してエール達の方は癒しとなり、先程まで泣いてた子供が泣き止む。

 

アンジュ「けど、どこから・・・?」

 

エール「!あそこ!」

 

エールがビルの屋上を指差すと、ネオディケイドゴーストが胸部のコンチェルトコートを弾いて演奏していた。

 

エール「美―――!じゃなかった!ディケイド!」

 

エトワール「また別の仮面ライダーに変わってるし。」

 

ルールー(ディケイドの演奏するこの音・・・。何て心地いいのでしょう・・・。)

 

ルールーは、ネオディケイドゴーストの音楽に心地いいと感じていた。

 

えみる「素敵な音楽なのです・・・。!そうではありません!あの子を助けねば!」

 

えみるも聞き入るがすぐさま正気に戻り、少年の方に向かって走る。

 

えみる「大丈夫ですか!?」

 

少年「うん。」

 

えみる「良かったのです・・・。」

 

少年の手を掴んで尋ねる。

 

えみると少年の傍に、演奏を終えて戻ったネオディケイドが着地する。

 

少年「ディケイドだ!」

 

そこへエール達も現れる。

 

エトワール「見てたよ。」

 

アンジュ「ありがとう。」

 

エール「あなたもヒーローだね!」

 

エールが親指を立ててえみるを褒める。

 

ネオディケイド「だがな、危ない真似はもうしちゃダメだ。下手したらお前だけじゃなくて、その子も大怪我してたぞ。」

 

えみる「ごめんなさい・・・。」

 

エール「もーっ、ちょっと怒っちゃったよ。そんじゃ、後は任せて!」

 

エールがえみるにそう伝え、四人がオシマイダーに向かって跳ぶ。

 

えみる「私も・・・ヒーロー・・・!」

 

ネオディケイド「まずはその耳だ!」

 

ネオディケイドライバーにカードを装填。

 

ネオディケイドライバー「カメンライド フォーゼ」

 

頭上からコズミックエナジーが注がれ、フォーゼへと変わる。

 

ネオディケイドフォーゼ ベースステイツ「宇宙キターーーーーー!!」

 

エール「宇宙!?」

 

エトワール「確かに宇宙服の仮面ライダーだけど・・・」

 

ネオディケイドフォーゼ ベースステイツ「仮面ライダーフォーゼ タイマン張らせてもらうぜ!!ドライバーチェンジだ!!」

 

ネオディケイドライバーはフォーゼドライバーと変わる。

 

フォーゼドライバー「ランチャー・オン♪レーダー・オン♪」」

 

左腕にレーダーが装備と、右足にランチャーモジュールが装備され、オシマイダーにレーダーを集中させつつ、5発のミサイルを発射。

 

オシマイダーはある程度のダメージは受けた。

 

アンジュ「5発程度のミサイルにしては、ダメージは受けてる!?」

 

スイッチの入れ換えを行い、右足と左足のスイッチをオンに。

 

フォーゼドライバー「チェーンソー・オン♪スパイク・オン♪」

 

エトワール「スイッチで攻撃スタイルを変えながら、対応する・・・。」

 

ハリー「フォーゼはそういうライダーなんか・・・」

 

アンジュ「ほんとに・・・」

 

えみる「やりますね。なのです・・・」

 

エール「フォーゼだけでなく、他の戦士達の力っていうのも私達プリキュアもできたらオシマイダーに対応できそうだけど・・・」

 

ネオディケイドフォーゼ ベースステイツはスパイクとチェーンソーの両足で斬りつけたりなどした。

 

左腕のスイッチも変える。

 

フォーゼドライバー「シザース!シザース・オン♪」

 

左腕に巨大ハサミが装備された。

 

ついでにネオディケイドフォーゼ ベースステイツが背中のスラストマニューバーからの噴射で跳び上がり、オシマイダーに向けて斬りながらも、両耳をシザースで斬り裂くと、超音波が放てなくなる。

 

ネオディケイドフォーゼ ベーステイツ「よーし!行くぜ!」

 

エール「はい!」

 

エール・アンジュ・エトワール「「「ミライクリスタル!」」」

 

エール「エールタクト!」

 

アンジュ「アンジュハープ!」

 

エトワール「エトワールフルート!」

 

三人がメロディソードのボタンを押して演奏し、虹色のエネルギーを作り出す。

 

エール・アンジュ・エトワール「「「心のトゲトゲ、飛んで行けー!」」」

 

エール・アンジュ・エトワール「「「プリキュア!トリニティ・コンサート!」」」

 

対象に向かって虹色のエネルギーを飛ばすトリニティ・コンサートを放つ。

 

ネオディケイドフォーゼもスイッチを入れ替えて、オンに。

 

フォーゼドライバー「ロケット・オン♪ドリル・オン♪」

 

ロケットで飛び上がり、レバーを引く。

 

フォーゼドライバー「レミットブレイク!」

 

ネオディケイドフォーゼ ベースステイツ「ライダーロケットドリルキーーック!!」

 

ライダーロケットドリルキックが命中してからトリニティ・コンサートが命中し、巨大な木が作り出されてピンク・水色・黄色の花が咲き誇り、オシマイダーが浄化された。

 

パップル「まるで二日酔いの気分だわ・・・!覚えてらっしゃい・・・!」

 

頭を抑えたパップルがタクシーに乗り、この場から離れた。

 

えみるが母親と一緒に変える少年を見送ってから線路の方を向くと、線路に立っていたエール達が跳んで去る。

 

その直後に気が抜け、地面にへたり込む。

 

ルールー「どうしたのですか?」

 

えみる「私・・・何て危険な事を・・・。」

 

ルールーが尋ね、震える自分の右手を見て言う。

 

ルールー私も、危険な事をしました。」

 

えみる「えっ?」

 

ルールー「私は何故、あんな事を・・・。」

 

仕事体験で保育園に行った時、守るようにして立ち塞がったのを思い出す。

 

えみるから手を握られたのに気付き、えみるの方を向くと、えみるは凄いニヤニヤしていた。

 

ルールー「アスパワワ、全開・・・。」

 

更にアスパワワも溢れていた。

 

えみる「やはり、私とあなたは通じ合っているのです!運命なのです!ルールー、私と一緒にプリキュアになりましょう!」

 

ルールー「私が・・・プリキュア・・・?お断りします。」

 

一瞬驚くが、頭の髪飾りを見て断る。

 

えみる「あなたは今日から、キュアラリルレルールーなのです!」

 

ルールー「お断りします。」

 

美姫「おーい。」

 

はな「えみるー!」

 

えみる「美姫さん!はな先輩!」

 

はな「あっ、ルールー。」

 

えみる「ところで美姫さん、先程から姿を見せませんでしたが、どこ行ってたのですか?」

 

美姫「あの~、ちょっとお腹の調子が悪くなってしまって・・・。」

 

姿が見えなかった事を尋ねられるが、腹の調子が悪くなったと誤魔化す。

 

はな「お使いは?」

 

ルールー「問題ありません。」

 

ハリー「こっちの方はどしたん?」

 

美姫「問題ありません。」

 

えみる「卵は家で預かってるのです。」

 

はな「えっ?えみるん家で?三人はどう言う関係なの?」

 

美姫「私はたまたま一緒になっただけです。」

 

えみる「えっ?勿論―――お、お、お、お友達なのです!」

 

ルールー「他人です。」

 

えみる「えっ・・・?もう友達ですよね?」

 

ルールー「他人です。」

 

えみる「友達。」

 

ルールー「他人です。」

 

えみるが近づくと同時に、ルールーが距離を取る。

 

ルールー「他人です。」

 

そんな二人のやり取りを見て、はな達は苦笑した。

 

その二人を美姫はトイカメラのシャッターを押して撮影をした。

 

パップル「落とし物を取りに来てみれば・・・アイツ、何してんの?」

 

扇子を取りに戻って来たパップルがえみるに身体を揺らされ続けるルールーを見て、パップルが呟く。

 

美姫とルールーの一日は、えみるの介入によって、色々と濃い一日になったのだった。

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