仮面ライダーとウイルス兵器使い少女の様々な年代の「並行地球」冒険の旅。様々な「異世界」もあり!?   作:ウルトラマングレート

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第454話「命の輝き! さあやはお医者さん?」

ことり「もう、無い・・・?」

 

ハリー「俺が持って来たプリハートは全部で四つ。もう無いんや。」

 

ことり「じゃあ・・・プリキュアになる事は出来ないの・・・?」

 

ハリー「スマン・・・。」

 

ことり「そんな・・・。」

 

プリキュアになれない事を知ったことりが、表情を暗くする。

 

はな「その気持ちだけで十分だよことり。戦うのはお姉ちゃん達に任せて、ことりは気にしないで過ごして。あ、私達がプリキュアと仮面ライダーだって事は黙っててね。」

 

ことり「人の・・・!」

 

はな「えっ?」

 

ことり「人の気持ちも知らないで・・・!」

 

はな「ことり・・・?」

 

ことり「お姉ちゃんの馬鹿!」

 

はなに向かってそう叫び、駆け足でビューティーハリーから出て行った。

 

はな「ことり!」

 

美姫「待ってください。私が行きます。」

 

ことりを追おうとするはなを美姫が止め、代わりに美姫がビューティーハリーを出てことりの後を追った。

 

ことりが池のほとりのベンチに座る。

 

ことり(私も・・・力になりたいだけなのに・・・!)

 

俯きながら心の中で呟き、膝の上に乗せた拳を握り締める。

 

美姫「ことりさん。」

 

ことり「美姫さん・・・。」

 

焼き芋の入った紙袋を持った美姫が現れて声を掛ける。

 

美姫「隣良いですか?」

 

ことり「あ、どうぞ。」

 

ことりの隣に座り、焼き芋を差し出す。

 

美姫「焼き芋は嫌いですか?」

 

ことり「いえ、大丈夫です。頂きます。」

 

美姫から焼き芋を一つ貰って一口食べる。

 

美姫「サービスで余分に貰っちゃってね。」

 

そう言うと美姫も焼き芋を食べる。

 

ことり(時に個性的な学生服の時がある・・・学校なんてとうに終えてる?)

 

美姫「野乃さんはあなたを自分達のいる危ない場所に立たせなく無いって思ってるんです。」

 

ことり「分かってます・・・。分かってますけど・・・」

 

美姫「でも、ことりさんの気持ちは分かります。偶然とは言え、野乃さんがプリキュアだって事を知って、それで忘れて元に戻るなんて難しいでしょううし。」

 

ことり「・・・あの、美姫さんはお姉ちゃんがここに来る前に何があったか、知ってますか?」

 

美姫「ええ。野乃さんから聞きました。前の学校で虐められてたって。薬師寺さん達も聞いてますから知ってます。もしかしてことりさんも知ってました?野乃さんがここに来る前に虐められてたって事。」

 

ことり「はい。私も流石にそう言う事は分かります。お姉ちゃん、不登校になってからは毎日泣いてました。私・・・見てるだけしか出来ませんでした。」

 

その時の事を思い出し、表情を曇らせる。

 

美姫「辛いですよね。知ってるのに傍で見てるだけで何も出来ないのって。分かりますよ。その気持ち。けど・・・プリハートに関しては私達でもどうする事は出来ません。あれは未来で作られた物なんです。」

 

ことり「未来・・・?じゃあハリーさんは・・・」

 

美姫「未来から来たんです。ルールーもはぐたんも。」

 

ルールーもはぐたんも。」

 

美姫「ナルもって言った方がいいかな・・・?」

 

ことり「ルールーもはぐたんも、ナルちゃんも・・・!?」

 

美姫「はぐたん達のいた未来の世界は、クライアス社に―――昨日出て来たあの怪物を引き連れてる連中に時間を止められてます。ルールーさんも元々は、クライアス社の一員だったんですよ。ハリーははぐたんを連れてこの時代に来て、クライアス社も後を追って来た。野乃さんも輝木さんもプリキュアになって、私がこの町に来て、えみるさんとルールーさんもプリキュアになった。えみるさんが本格的に私達と関わるようになったのは、プリキュアになる少し前からですが。他に何か聞きたい事はありますか?」

 

ことり「クライアス社は、何が狙いなんですか?」

 

美姫「人から出る明日への希望、アスパワワを奪って、全てが止まった世界を作るのが狙いです。動く事も出来なければ、未来も無い世界を。」

 

ことり「未来も無い世界・・・。」

 

美姫「ことりさん、あなたは私と野乃さん達の戦いを見守っていてください・・・。」

 

ことり「・・・はい。」

 

ビューティーハリー 店内

 

ミライパッドではな達がさあやの出演するドラマを見る。

 

はな「感動だよ~!」

 

ことり「お姉ちゃん、鼻水出てる。」

 

余りに感動したはなが涙を流しながら鼻をかむ。

 

えみる「いつもとまるで別人なのです。」

 

ナル「今ここにいる人とは思えない・・・。」

 

さあや「ありがとう・・・。」

 

えみるとナルからそう言わてたさあやが、照れながらお礼を言う。

 

ほまれ「巨大タワーから生まれた女の子って、凄い設定だよね。」

 

美姫「完全にSFですね。」

 

えみる「現代のかぐや姫を狙ったドラマですから、大ヒット中なのです!もうすぐ新しいドラマ、ドクターハイスクールの撮影なんですよね?」

 

さあや「うん。」

 

えみる「昼間はごく普通の女子高生、放課後は天才のお話なんですよね?」

 

さあや「うん。」

 

次のドラマの内容をえみるが話す。

 

さあや「実は、その役作りの為にすみれさんにお願いしたい事があって。」

 

はな「ママに?」

 

ことり「どんな事ですか?」

 

数日後、今回の仕事体験の場所であるあさぱぶ総合病院に着く。

 

はな「到ちゃーく!思い出すよね。内富士先生の赤ちゃんが産まれた時の事。」

 

さあや「うん。あの時の先生に、お話を聞いてみたくて。」

 

ここに来たのは、ゆかの出産を担当したマシから話を聞きたいと、さあやが頼んだからだった。

 

中に入り、新生児室の窓の外から新生児達を見つめる。

 

はな「うわ~っ!可愛い~!」

 

ことり「ちょっとお姉ちゃん・・・」

 

くすぐるフリなどをし、ことりが注意しようとする。

 

?「病院は静かにして下さい。」

 

すると後ろから、注意する声が聞こえてはな達が振り向く。

 

そこには、本を抱き抱えた一人の少女が立っていた。

 

?「病院は・・・静かにして下さい。」

 

はな「は、はい。ごめんなさい・・・。」

 

はなが謝ってから少女は一礼し、この場から早足で後にした。

 

ことり「あんな小さい子にも注意されるなんて、お姉ちゃんって本当にお子ちゃまね。」

 

はな「めちょっく・・・。」

 

あさぱぶ総合病院 診察室

 

マキ「すみれさんから窺ってるよ。話が聞きたいと。それだけでいいのかい?」

 

マキが仕事しながら言い、区切りを付けてからはな達の方を向いてそれだけでいいのかと尋ねる。

 

さあや「えっ?」

 

マキ「命の生まれる現場に、遊び半分で来た訳じゃないだろう?」

 

さあや「も、勿論です!」

 

マキ「なら、さっさと支度しておいで。産婦人科以外の診療科も研修出来るよう、話を通してあげるから。」

 

ほまれ「あの、私は整形外科を見てみたいです。」

 

はな「じゃあ私は小児科でお願いします!」

 

えみる「私も同じなのです!」

 

ことり「私もいいですか?」

 

はな・えみる・ことりは小児科を希望し、ほまれは整形外科を希望する。

 

マキ「オッケー。」

 

はな達が病院の裏に移動し、さあやがミライパッドを取り出す。

 

さあや「じゃあ、行くよ。」

 

はな・ほまれ・えみる「「「うん!」」」

 

ルールー「はい。」

 

ことり「?何が始まるの?」

 

唯一知らないことりが首を傾げて尋ねる。

 

さあやがミライクリスタル・ブルーをミライパッドの上部にセットする。

 

さあや「ミライパッド、オープン!」

 

画面から光が放たれ、ドアが開く。

 

はな・さあや・ほまれ・えみる・ルールー「「「「「お仕事スイッチ、オン!」」」」」

 

はな達は白衣を着た医者となった。

 

ことり「ミライクリスタルって、こんな事も出来るんだ。」

 

ことりが今の自分の姿を見ながらそう呟く。

 

はな「ことりは知らなかったっけね。」

 

ルールー「ナイトプールの時の衣装も、温泉に行った時の衣装も、ミライクリスタルを使って着たものです。」

 

ことり「じゃあ、私のは何になれるのかな?」

 

ポケットからミライクリスタル・グリーンを出して手の平に乗せ、これを見て言う。

 

はな「何だろうね?ハリーも分からないって言ってたし。」

 

さあや「その話はまた今度にして、早く行こっ。美姫さん、待ってるかもしれないから。」

 

美姫「あっ、来ました。」

 

中に戻ると、私服の上に白衣を着た美姫がはな達に気付いて声を出す。

 

美姫「みなさん似合ってますね。」

 

さあや「美姫さんも似合ってますよ。」

 

美姫「上に白衣着ただけだけですけどね。ことりさんは初めてでしたね。職業体験。」

 

ことり「はい。緊張しますけど、楽しみです。」

 

美姫「じゃ、行きましょうか。」

 

美姫の一言にはな達が頷き、この場から移動する。

 

挨拶をしてから、はな・えみる・ことりは小児科、さあや・ルールー・美姫は産婦人科、ほまれは整形外科へ向かい、仕事を手伝ったり体験をしたりする。

 

今度は妊婦体験の手伝いで、そこにはハリー(人間態)・はぐたん・ナルも一緒だった。

 

さあや「よいしょっと・・・。妊娠してるお母さんって大変・・・。」

 

妊婦体験ジャケットを着たさあやがそう言う。

 

ナル「こんなに、重いなんて思わなかった・・・。」

 

ルールー「母親は凄いですね。」

 

ルールーとナルも妊婦体験ジャケットを着て話す。

 

ルールー(私も・・・アンドロイドで無かったら・・・)

 

ハリー「どれ・・・うおっ・・・!重っ・・・!」

 

同じく妊婦体験ジャケットを着たハリー(人間態)が椅子から立ち上がると、体勢を崩して転びそうになる。

 

美姫「それ、三、四キロはあるって言ってましたよ。」

 

着ていなかった美姫が妊婦体験ジャケットの重さを教える。

 

はぐたん「きばりやっしゃー!」

 

はぐたんが応援し、この光景を見て他の参加者達も笑い合う。

 

その様子を先程の少女が立ち止まって見ていて、表情を曇らせて歩き去った。

 

美姫(あの子、さっきの・・・)

 

さあや・ルールー・美姫が、通路の方でマキと椅子に座る不安気な表情の妊婦達を見て会話をする。

 

さあや「産科のお仕事って、産まれる時だけじゃないんですね。」

 

マキ「お腹に赤ちゃんが出来た時から、お母さんは始まってる。お母さん達には分からない事が沢山あるの。だから、十か月掛けてお母さんになる準備をして行く。」

 

美姫「何も知らないままじゃ、出産も子育ても怖いでしょうしね。」

 

ルールー「良く・・・分かりません。赤ちゃんを愛しいと思う気持ちは分かります。でも、まだ見えない赤ちゃんを愛おしく思えるのは・・・」

 

マキ「お母さんはね、赤ちゃんをいつも全身で感じているのよ。」

 

正面口で一組の家族を見届けてから、さあやが先程の少女に気付く。

 

さあや「こんにちは。」

 

さあやが少女に近寄り、さあやが挨拶する。

 

さあや「どうしたのかな?一人で。あっ、ごめんね。私は薬師寺さあや、お医者さんのお手伝いをしているの。」

 

あや「川上あや。」

 

さあや「あやちゃんって言うんだ。」

 

あや「マキ先生!」

 

マキ「あやちゃん。」

 

少女は川上あやと名乗ってから、マキの傍に駆け寄る。

 

あや「今日はお母さん、よろしくお願いします。」

 

マキ「分かりました。」

 

父親「あやちゃん。」

 

あや「マキ先生にお願いしたの。」

 

父親「そうか。」

 

あやの父親が現れ、あやがマキにお願いした事を伝える。

 

あや「ママの部屋に行くね。」

 

父親にそう伝え、母親の病室へ向かう。

 

ルールー「彼女のお母さん、今日何かあるのですか?」

 

美姫「ひょっとして予定日ですか?」

 

父親「はい。帝王切開で、赤ちゃんを産むんです。あやちゃんの弟を。」

 

さあや「帝王切開・・・手術をするんですね。」

 

検査室でマキがあやの母親にエコー検査を行い、さあや達もモニターでお腹の中を確認する。

 

ルールー「凄い・・・。」

 

さあや「お母さんはこの赤ちゃんを全身全霊で感じてるんですね。」

 

マキ「昨夜は眠れた?」

 

母親「あんまり・・・。」

 

マキ「不安もあるだろうけど、頑張りましょうね。」

 

母親「はい・・・。」

 

父親「おお・・・!動いた・・・!」

 

赤ちゃんが動いた事にモニターを見ないで本を見ていたあやも一瞬反応するが、本に向きを戻す。

 

美姫「本、逆さまですよ。」

 

あや「あっ・・・」

 

美姫があやに本が逆さまと伝え、あやが本の向きを戻す。

 

さあや「あやちゃん、赤ちゃん楽しみだね。」

 

あや「うん・・・。」

 

さあや「ママを応援してあげようね。」

 

あや「うん・・・。あや、お姉ちゃんになるから。」

 

さあや「うん。」

 

一方、小児科に行ったはなは子供達に弄ばれ、えみるとことりは子供達に絵本を読ませていた。

 

途中でナルも訪れ、子供達と一緒に鬼ごっこをしていた。

 

はな「えみるとことりはお姉ちゃんなのに・・・私は・・・」

 

えみるとことりは子供達にお姉ちゃんと呼ばれていたが、はなだけは呼び捨てだった。

 

その上ナルもお姉ちゃんと呼ばれていたので、増々凹んだ。

 

整形外科に行ったほまれは、リハビリ室で患者のリハビリを手伝う。

 

ほまれ「大丈夫。焦らないで。」

 

はぐたん「きばりやっしゃー!ほまえ!きばりやっしゃー!」

 

ハリーに抱き抱えられたはぐたんがほまれを応援し、この場を和ませた。

 

あさぱぶ総合病院 診察室

 

診察室にはさあやとマキだけで無く、マキの手伝いとして美姫もいた。

 

さあや「帝王切開は、赤ちゃんや母体にとっても、安全な方法って書いてありました。」

 

マキ「理論上はね。でも、手術を受ける母親の気持ちは別よ。」

 

午前の診察時間が終わってから、さあやがミライパッドで調べた帝王切開の事をマシに話す。

 

さあや「ネットにあるお母さん達の声は、ネガティブなものばかりじゃ無かったんです。あやちゃんのお母さんに教えてあげれば、不安も和らぐかも。」

 

マキ「どうかしらね・・・。ネットには、色々有意義な情報があるわ。けど、あのお母さんやあのお母さんの赤ちゃんの情報がある訳じゃない。一人一人のお母さん、赤ちゃんと向き合うのが私達の仕事だよ。」

 

さあや「はい・・・!」

 

美姫「ネットだけが全てとは限りません。それは薬師寺さんだって分かってるハズですよね。確かにマキさんの言う通り、ネットには色々有意義な情報があるし、その情報が簡単に手に入ります。ですが、正しい情報もあれば間違った情報だってあります。その帝王切開に関する母親の声も、目に見えるものだけで、本当かどうかも分からないから。それと、現実の医療は、ドラマのようなものじゃありません。それだけは忘れないように。」

 

クライアス社あさぱぶ支社 会議室

 

ジェロス「まだ・・・まだ大丈夫・・・!まだ・・・!」

 

ジェロスが自分の机で自分にそう言い聞かせるも、動揺を見せる。

 

トラウム「ありゃ駄目だ。私が行くしか無いね。と言う訳で、今週も私、ビックリドンドン出撃!今日でHUGっとプリキュア最終回!来週からバグっとトラウム、スタート!」

 

外ではなとさあやがベンチに座って会話する。

 

はな「ネットの情報が全てじゃない・・・か。」

 

さあや「うん・・・。私全然だ・・・。美姫さんも分かってたのに・・・。もっと患者さんの気持ちを分かってあげないといけないのに・・・。ねえ、はなのお母さんはことりちゃんが産まれる時にはどうだった?不安そうだった?」

 

はな「えっ?うーん、覚えて無いな・・・。」

 

さあや「まあ、そうだよね。」

 

はな「でも、私がお姉ちゃんになるんだーって知らない人にまで自慢して困らせたみたい・・・。」

 

さあや「お姉ちゃんになる・・・」

 

はなの言葉に反応する。

 

あやも言ってた事を思い出し、そこからある事に気付いてベンチから立ち上がる。

 

はな「さあや?」

 

花壇の方にあやがいたのを確認し、あやの元へ向かう。

 

母親「あやは、初めての子で、私、ちゃんと子育てしなきゃって力が入り過ぎて、逆に失敗ばかりしてしまって・・・。あやには申し訳無くって・・・。だから次の子には、完璧な子育てをしようと・・・。」

 

病室であやの母親がマキと美姫に話す。

 

母親「なのに・・・最初からつまずいて・・・」

 

マキ「帝王切開はつまづきじゃないわ。立派なお産よ。大丈夫。自分を信じて。」

 

美姫「そうですよ。あなたはちゃんとあやちゃんを育ててるじゃないですか。それだけでも十分立派ですよ。どうか、自分を信じて下さい。あやさんと産まれて来るお子さんの為にも。」

 

母親「はい・・・。」

 

さあやとあやが手を繋ぎ、病院の敷地内を歩く。

 

さあや「凄いよね、あやちゃんのママって。産まれて来る赤ちゃんの為に、とっても頑張ってる。素敵だし、尊敬する。」

 

あや「えっ・・・?」

 

しばらく歩いてからベンチに座り、会話を続ける。

 

さあや「ねえ、あやちゃんのママってどんな人?」

 

あや「ママは・・・いつも失敗してる。」

 

さあや「えっ?」

 

あや「お料理でオムレツ焦がしちゃうし、お洗濯の靴下がバラバラだったりするし、お買い物でお財布忘れちゃったりするし。」

 

さあや「そう・・・なんだ。」

 

あやから母親の失敗談を聞き、冷や汗を垂らす。

 

ベンチから跳び下り、さあやの向かいに移動する。

 

あや「でもね、ママは遊園地に連れて行ってくれるし、漫画が大好きなんだよ。」

 

あや「そしてね、かけっこはすっごく速いんだ!保育園の運動会で、一番だったんだから!」

 

今度は母親の好きな所を話す。

 

あや「他のママ達を、びゅーんって追い抜いてくの!じゃーん!」

 

そう言って走り出し、足を止めてから振り返り、両腕を上げて両手の人差し指を立てる。

 

さあや「ママが大好きなんだね。」

 

あや「うん!」

 

だがその直後に、表情を曇らせて両腕を降ろした。

 

さあや「・・・?」

 

あや「あやは・・・ママが好き・・・ママは・・・ぎゅっとしてくれるの・・・。」

 

そう言ったあやの目に涙が溜まる。

 

あや「だけど・・・あやはもうお姉ちゃんになるから・・・ママはもう、あやのママじゃなくなって・・・赤ちゃんのママになるから!」

 

自分の想いを吐露してからその場で泣き崩れ、さあやが駆け寄って抱き締める。

 

あや「弟なんていらない!弟が産まれなければ・・・ママは・・・あやのママでいられるのに・・・!」

 

産まれて来る弟に母親を取られるみたいで本当は寂しかったが、お姉ちゃんになるからと我慢していたのだ。

 

さあや「大丈夫だよ。大丈夫。ママはいつだって、あやちゃんが大好きなママだよ。あやちゃんが産まれた時も、ママは取っても頑張ったんだと思う。早くあやちゃんに会いたいって。今は、赤ちゃんに会う為にママは頑張ってる。あやちゃんも頑張ってて凄いよ。もうすっかりお姉ちゃんだと思う。でも、悲しくなるまで我慢する事無いんだよ。」

 

父親「あや・・・。」

 

見ていた父親があやの元へ向かおうとする。

 

はぐたん「なかない。なかない。」

 

はぐたんがそう言いながらさあやとあやの元へ歩く。

 

あや「可愛い~!」

 

泣き止んだあやがはぐたんの元へ駆け寄り、両手を繋ぐ。

 

はぐたんとあやはすぐに仲良しになった。

 

父親「あやちゃん。」

 

あや「パパ。」

 

父親「そろそろママの手術が始まるよ。」

 

さあや「行こう、あやちゃん。ママに素直な気持ちを伝えよう。」

 

あや「うん!」

 

さあやがあやの手を繋いで言い、あやがうんと返事する。

 

あや「ママ!」

 

あやが手術に向かおうとする母親の元に駆け付ける。

 

あや「ママ・・・ぎゅっとして。ママ・・・。」

 

母親があやを抱き締め、抱かれたあやは喜ぶ。

 

母親「あや・・・我慢させちゃったんだね・・・。ごめんね。ママ・・・頑張るね・・・。」

 

マキ「あやちゃんを見れば、あなたの子育ては失敗なんかしてないって良く分かる。」

 

美姫「あやさんは、こんなにしっかりした子に育ってます。」

 

マキ「頑張りましょ。」

 

母親「はい。」

 

母親は看護師に支えられ、帝王切開の手術を受けに向かった。

 

その頃、トラウムが外で車を擦った男性からトゲパワワを取り出す。

 

トラウム「純なトゲパワワがこんなに手に入るなんてラッキーです。後は・・・今週の、ビックリドンドンメ~カ~!」

 

自分の顔を模したメカに『猛』と書かれたチップを注入する。

 

トラウム「発注!猛オシマイダー!」

 

小型のオシマイダーと社交ダンスを踊り、メカにカラーコーンに挿入させる。

 

トラウム「ピコっとね~。」

 

小型オシマイダーの持つスイッチを押し、以前のと違うカラーコーン猛オシマイダーを作り出した。

 

はな「クライアス社・・・!」

 

ことり「あの人・・・前に温泉で見た・・・!」

 

美姫「あの時のと似たタイプですか・・・!変身!」

 

はな・さあや・ほまれ・えみる・ルールー『ミライクリスタル!』

 

はな・さあや・ほまれ・えみる・ルールー 『ハート、キラっと!』

 

はな・さあや・ほまれ・えみる・ルールー『は~ぎゅ~!』

 

ネオディケイドライバー「カメンライド ディケイド」

 

エール「輝く未来を、抱き締めて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

アンジュ「みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」

 

エトワール「みんな輝け!力のプリキュア!キュアエトワール!」

 

マシェリ・アムール「「みんな大好き!愛のプリキュア!」」

 

マシェリ「キュアマシェリ!」

 

アムール「キュアアムール!」

 

エール・アンジュ・エトワール・マシェリ・アムール『HUGっと!プリキュア!』

 

トラウム「君達何でいるの!」

 

ネオディケイド「それはこっちの台詞だ!」

 

トラウム「って言うか今回、私ちゃんと考えてる!こう言う事もあろうかと。」

 

そう言うと、手に持った装置の下部のスイッチを押す。

 

猛オシマイダーの胴体と両腕のドリルが回り出すが、音が出て無かった。

 

ハリー「んん?」

 

ネオディケイド「音が出て無い・・・?」

 

トラウム「猛オシマイダー騒音対策仕様です。せっかくこう言うメカ用意して来たのに、こんなに離れてちゃ意味無いじゃないですか!」

 

以前の戦闘と違って今回は病院から結構離れてたので、余り意味は無かった。

 

猛オシマイダーが突進し、エール達も一斉に猛オシマイダーに向かって跳ぶ。

 

アンジュに狙いを定めて右腕を突き出し、アンジュが全身を九十度回転させて避ける。

 

アンジュ「はああああぁぁぁっ!」

 

アンジュがパンチを繰り出し、猛オシマイダーを吹き飛ばす。

 

ネオディケイド「ふっ!」

 

今度はネオディケイドがライドブッカー・ソードモードを繰り出して更に吹き飛ばす。

 

トラウム「何のこれしき・・・!」

 

猛オシマイダーが体勢を整え、今度は全身を回転させてドリルとなって突進する。

 

アンジュ「あやちゃん達の・・・邪魔はさせない!フェザーブラスト!」

 

アンジュがフェザーブラストを放ち、猛オシマイダーの突撃を防ぎ、攻撃を止めた。

 

その隙にネオディケイドはカードを装填。

 

ネオディケイドライバー「カメンライド オーズ タトバッ、タトバ、タトーバッ!」

 

ネオディケイドはオーズ タトバコンボへカメンライドした。

 

ネオディケイドオーズ タトバコンボ「ドライバーチェンジだ!」

 

ネオディケイドライバーはオーズドライバーへチェンジした。

 

画面上操作にて、メダルをはめ換え、オースキャナーでスキャンする。

 

オーズドライバー「タカ!クジャク!コンドル!タージャードールー!」

 

ネオディケイドオーズは鳥系のタジャドルコンボへチェンジした。

 

エール「赤一色だ!!」

 

アンジュ「胸のマークから鳥系の姿!?」

 

アムール「フェニックスに見えますね。」

 

エトワール「フェニックス!?不死鳥!?」

 

ネオディケイドオーズ タジャドルコンボは両翼を展開した。

 

ネオディケイドオーズ タジャドルコンボ「はあっ!」

 

ネオディケイドオーズ タジャドルコンボは低空飛行して高速に飛び、右腕にタジャスピナーを装備。

 

すれ違いざまに火炎弾を浴びせた。

 

アンジュ「みんな!」

 

エール・アンジュ・エトワール・マシェリ・アムール「「「「「メモリアルキュアクロック!チアフル!」」」」」

 

ミライパッドが時計型アイテム・メモリアルキュアクロックに変化し、エール達とはぐたんからそれぞれのパーソナルカラーのハートが飛び出す。

 

エール・アンジュ・エトワール・マシェリ・アムール「「「「「ミライパッド!オープン!」」」」」

 

右腕を真上のメモリアルキュアクロックにかざすと同時に、画面のハートの型にはまる。

 

エール・アンジュ・エトワール・マシェリ・アムール「「「「「プリキュア!チアフルスタイル!」」」」」

 

扉が開くと同時に中から無数のハート型エネルギーが降り注ぎ、エール達がチアフルスタイルに変身する。

 

エール・アンジュ・エトワール・マシェリ・アムール「「「「「メモリアルパワー!フルチャージ!」」」」」

 

パワーをメモリアルキュアクロックに集める。

 

ネオディケイドオーズ タジャドルコンボもメダル再スキャン。

 

オーズドライバー「スキャニングチャージ!!」

 

空を降下しながら、クロー状に変形して炎をまとったコンドルレッグで両足蹴りを叩き込む「プロミネンスドロップ」を放つ。

 

ネオディケイドオーズ タジャドルコンボ「せいやァーーー!!」

 

エール・アンジュ・エトワール・マシェリ・アムール「「「「「プリキュア!チアフルアターック!」」」」」

 

六色の五つ葉のクローバー型エネルギー弾を発射するチアフル・アタックを放つ。

 

ネオディケイドオーズ タジャドルコンボのプロミネンスドロップが先に命中し、紫、赤、黄色、水色、ピンクのハートの順に猛オシマイダーにぶつかり、最後にはぐたんがハグするポーズをして虹色のハートに包み込み、猛オシマイダーを浄化した。

 

トラウム「強いね・・・。いっそ君らが赤ん坊だったら私だって・・・あっ、閃いちゃった。プリキュアと仮面ライダーの諸君!ごっきげんよ~う!」

 

何かを閃いたトラウムは、手を振って姿を消した。

 

エール「帰るんか~い!」

 

その後無事にあやの弟が産まれ、病室ではあやが指でつついたりして可愛がった。

 

仕事体験が終わり、正面口で真木と話す。

 

さあや「勉強になりました。医者は、お母さんや患者さんに寄り添う事が大切なんだって。愛情や想いが、家族からお母さんに伝わって、その子供から新しい命に伝わって行くんですね。」

 

マキ「ええ。あなたがあやちゃんに向けた思いやりもね。」

 

さあや「えっ?」

 

そこへドアが開き、あやがさあや達を見て真木の後ろに隠れる。

 

さあや「あやちゃん。」

 

あや「さあや先生!」

 

さあや「えっ?先生?あっ、違うの違うの。私はね―――」

 

あや「さあや先生!遊んでくれてありがとう!」

 

そう言うと両手を差し出し、さあやも両手で握手する。

 

あや「またね!」

 

さあや「またね。」

 

互いに微笑み、またねと言った。

 

あさぱぶ総合病院を後にして歩くと、さあやが立ち止まって振り返る。

 

はな「さあや?」

 

さあや「お医者さんって、素敵な仕事だな。」

 

美姫「そう言えば野乃さん達はどうだったのですか?」

 

はな「い、いやー、それは聞かなくてもいいんじゃないですか?」

 

ほまれ「私は結構興味深いって思ったな。」

 

ことり「お姉ちゃん、ずっと患者の子供達に遊ばれてました。」

 

えみる「しかも呼び捨てにもされてたのです。途中でナルも来てくれましたが、ナルもお姉ちゃんと言われてました。」

 

はな「ことり~!えみる~!」

 

ほまれ「何かはならしいかも。」

 

ルールー「はい。」

 

はな「納得しないでよ~!」

 

プンスカ怒るはなを見たさあやと美姫が笑い合う。

 

さあやは、医者は大変だけど素敵な仕事と思ったのだった。

 

美姫はそれからはな達に今度のお休みにバイオ世界の5と6に行きますか?と尋ねると、はな達は即OKした。午前中からビューティハリー店内へと集合となった。

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