仮面ライダーとウイルス兵器使い少女の様々な「平行世界」冒険の旅。様々な「異世界」もあり!?   作:タイムマシン(2002)

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烏森の適任者

夜中。

 

限はアパートのベランダから部屋へ戻った。

 

布団に倒れ込むと、仰向けになる。

 

少年《なんで志々尾なんだよ。烏森って頭領の実家だろ?そんな大事な場所によりによってさー・・・》

 

少年《あいつこの間も、暴走して鎖に繋がれてたじゃん。》

 

少年《ぜってーヤバイよなー。》

 

少年《けどどうせすぐしくじって戻ってくるんじゃねーの?》

 

少年《だろーな。》

 

少年《あーあ、俺のがぜってうまくやんのにーーー》

 

限は屋上に座っていた。

 

正守も屋上へ昇って来た。

 

正守《へえ、眺めいいなここ。》

 

限《あ・・・》

 

正守は隣に座る。

 

限《あ・・・の・・・頭領・・・俺にははっぱり、荷が・・・》

 

正守《烏森ってさぁ、俺、昔・・・大っ嫌いだったんだよね。なのに離れてみると、結構思うことってあってさ・・・何南だろーな、あれ。本当は大事だったってことかな。でも・・・いつのまにかまともには帰れない感じになってるんだよなぁ・・・こーいうのって、気づくの大概遅いよね。俺はさ、お前が適任だと思ってるんだけど。俺が行くまで守ってくれると助かるんだよなー。そうすると俺も帰りやすいし。できるだろ?俺は全然無理だとは思わないけど。な、限。》

 

限《はい・・・!》

 

すると、夜が明けて、学校の屋上のタンク付近に良守は昇って来た。

 

良守「あいつ・・・何があったんだ・・・。あの野郎!このままで済ませられっか!!」

 

良守は校舎内に戻り、限のクラスへ。

 

男子「志々尾くん?ああ、さっきまでいたけど、帰ったよ 彼。」

 

良守「帰った?」

 

男子「具合悪いんだって。きっとサボりじゃないの?」

 

良守「ん~。トンズラかよ。」

 

裏会総本部

 

正守と夜未がすれ違う時。

 

夜未「裏切り者の手綱引いてる大物わかったわよ。」

 

夜未はボソっと伝えた。

 

正守「ビンゴ。」

 

夜未「ビンゴ?」

 

正守「今ちょうどそいつに呼び出されたとこ。」

 

夜未「!?」

 

正守「たぶん説教だな。」

 

夜未「ちょっとあったそんな恰好で会いに行く気?バカじゃないの?」

 

正守「バカだと思ってくれると助かるんだけど。」

 

夜未「殺されなきゃいいけどね。」

 

正守は一室で待っていた。

 

ふすまが開き、大型の被り物の人物がやって来た。

 

??「呼び出した理由は分かっているな。お前に一任した烏森の件・・・うまくいってないようだが?」

 

正守「今のところ 何一つ問題ありませんが。」

 

??「フッ、しらをきったところでこちらには全て知れている。わざわざ技術の拙い妖混じりの子供なんぞを派遣するから暴走するのだ。」

 

正守「限はよくやってくれています。それに私は・・・任務の遂行だけのために部下を派遣している訳ではありません。」

 

??「何?」

 

正守「ご存じかと思いますが、夜行(うち)は若い人間が多い。彼らのこれからのためにも与える任務はできるだけ選んでいます。」

 

??「フン、育成のつもりか何か知らんが。選んでこのザマでは・・・」

 

正守「ですから何も問題はありません。暴走は未然に防ぎましたし、被害は何も出ていません。彼自身に多少の問題がるとして、それはこちらでやればいいだけのこと。表だって派遣しているのは彼だけですが・・・実際は大分前から数名の人間があの地に張りついているんですよ。その者達は私が直接指示を出していますからーーーあなたはご存知ないかもしれませんがね。」

 

互いにザワっとなる。

 

正守「・・・そもそもあの地には専任の結界師がいるのですから、裏会が出張る必要はありませんよ。協力者のピンク髪の女性のサポートもありますし。」

 

??「何だって?」

 

正守「この世界の人間でもなく、様々な世界を冒険するように旅中の者でして・・・。外見上は10代の女子高生に見えてるだけで、20代だそうです。」」

 

??「20代の協力者・・・結界師でもないってか?」

 

正守「はい。腰にベルトを装着し、カードを差し込んで、仮面の鎧戦士、仮面ライダーディケイドに変身ですからね。」

 

??「腰にベルト装着、カードを差し込む。仮面の鎧戦士、仮面ライダーディケイド・・・まるで変身ヒーローみたいな女だな。」

 

正守「ええ、ですね。」

 

??「それに、あの妖混じりという奴らは信用ならんぞ。協調性がない上に自己中心的だ。」

 

正守「確かに、不安がないとは言いませんが・・・この件の判断は私に任せていただきたい。私は、志々尾限(かれ)の伸びしろを信じています。」

 

???「責任は、とると?」

 

正守「はい。他になければ私はこれで失礼します。」

 

正守は立ち上がり、

 

??「むぅ!?」

 

正守の羽織を見て、

 

??「貴様・・・!!ふざけるな!その紋・・・十二人会身分秘匿の掟知らぬ訳ではあるまい!?」

 

正守「知ってますよ。それは掟ではなくしきたりです。破ったところで何の罰則もない。命を狙われる危険が増えるかrふぁってビビッてたら、幹部なんか務まんないですよね?」

 

??「ほざけ。」

 

扇子を横に振りつけ、真空波を発生させたが。

 

正守は丸い結界を張り、ガードした。

 

??「・・・・・・フッ。図に乗るな小僧。十二人会に欠員が出る理由の大方が、不慮の死であること忘れるなよ。」

 

正守「ご心配なく、幹部の威光を殺ぐようなことはしませんから。じゃなきゃ、幹部になった意味ないじゃないですか。」

 

??「・・・フン。」

 

正守は境内を歩くが、ふさぎ込む。

 

正守(クソ・・・衝撃全ては防ぎきれなかった・・・さすがに最高幹部・・・風使い扇一族か・・・)

 

学校の入り口上に良守、椚ヶ丘中学制服、リボン姿で黒の靴下で革靴の美姫、斑尾はいた。

 

時音も校門の上へ。

 

時音「良守・・・美姫さん・・・。」

 

白尾「美姫さんもよっしーも珍しいなぁ。こんなに早くからスタンバってるなんて。」

 

美姫「ええ。まぁ・・・」

 

時音「美姫さん、また学生服違う・・・。様々な世界の学園の個性的制服はファッションデータより、着用したりするんですね。」

 

時音は近くへ飛び移る。

 

時音「限くんは?来てないのね?」

 

良守「知らねえよ。」

 

美姫「良守くん・・・」

 

斑尾「素直じゃないねェ。ホントは早く来て待ってたくせに。」

 

良守「うるせェェ!!」

 

斑尾「ハッハ!赤くなって!!」

 

時音「白尾が言ってた。限くんは血の滲むような訓練と強い精神力をコントロールしてきたって。そうでしょ?」

 

白尾「多分な。チキンな奴には出来ねえよ。」

 

時音「そんな限くんが、途中で任務投げ出すような事しないの。」

 

良守「そりゃ俺だって。」

 

時音「美姫さんもそう思うでしょ?」

 

美姫「まぁ、それは・・・私もそう思いたいですよ。」

 

良守達は妖の妖気を感じ取った。

 

時音「行くよ!!」

 

良守「おお!!」

 

美姫「ええ!!」

 

3人は走り出す。

 

森付近で巨大芋虫タイプの妖が。

 

良守「何だあれ?」

 

美姫「芋虫タイプの妖でしょうか?」

 

斑尾「ありゃ、はぜむくりだよ。」

 

美姫「そういう名の芋虫の妖ですか・・・。」

 

良守「何だかのろっちい妖だな。」

 

斑尾「そりゃどうだかね。」

 

美姫「良守くん、相手がのろい妖でも油断は禁物ですよ。」

 

良守「美姫さんまで・・・へっ 見てろ。あんな奴 この俺が一発で滅してやる!」

 

良守は右手を構え、

 

良守「包囲!定礎!結!!」

 

はぜむくりくを囲もうとしたが、寸前で分散した。

 

美姫「えっ!?」

 

良守「何!?」

 

破片が飛んでくる。

 

良守に数回直撃してきた。

 

美姫「良守くん!!」

 

時音「良守!!」

 

斑尾「アッハッハ!!鈍くさいね!!」

 

しかし、斑尾にも直撃。

 

白尾「ストライク!!」

 

白尾の顔面にも直撃してきた。

 

美姫「速く分散してるんで、掴みにくい・・・。」

 

良守は囲んでいくが、速く弾んで飛んでいるので囲みにくいのだ。

 

良守「速すぎて囲めねェ!!」

 

破片が木を薙ぎ倒した。

 

美姫「木を薙ぎ倒した・・・。」

 

白尾「どうすんだよ。よっしー。これじゃ烏森が穴だらけのチーズになっちまうぜ?」

 

美姫は画面上操作にて、一応ネオディケイドライバーを自動装着。

 

美姫「変身。」

 

ネオディケイドライバー「カメンライド ディケイド」

 

美姫はネオディケイドに変身。

 

時音「ディケイド、何か策とかあります?」

 

ネオディケイド「う~~ん。スピードにはスピードだが・・・」

 

白尾「奴のスピードには、スピード特化のライダーアビリティか?」

 

良守「いや、こうなったら学園ごと囲ってやる!」

 

ネオディケイド「何?」

 

時音「何言ってんの?学園ごと滅する気!?」

 

良守「う~~ん。どうすりゃいいんだ!?」

 

ネオディケイドはカードを取り出す。

 

時音「カードはカブトムシ・・・」

 

白尾「スピード特化のライダーアビリティ所持ってか?」

 

ネオディケイドライバー「カメンライド カブト」

 

バックル部分から変身していき、最後にカブトホーンが立ち上がる。

 

ネオデイケイドライバー「チェンジ ビートル」

 

ネオディケイドはカブトへカメンライドした。カブトクナイガンを右手に装備中。

 

白尾「行けるのか?」

 

斑尾「まったくはぐり如きに情けないねェ。さっさと退治しな。」

 

良守「簡単に言うな!!」

 

斑尾「簡単さ。急所叩きゃいいんだから。」

 

良守「急所。どこだそれ?」

 

斑尾「さあて、どこだろ。ディケイド 分かる?急所。」

 

ネオディケイドカブト「何とか探すしかないだろ。」

 

良守は斑尾に掴みかかる。

 

良守「てめェ 知ってんなら勿体ぶってねェで言えよ!」

 

斑尾「ああァ ヤダ。乱暴だね。」

 

良守「犬鍋にしちまうぞ。」

 

ネオディケイドカブト「犬鍋・・・。」

 

斑尾「カッカしないで考えな。あいつの体は頭と胴しかないんだよ。結界師ならどこが弱点か即座に判断するもんだけどね・・・。」

 

良守「頭だな。」

 

斑尾「まっ そう思うならやってみな。」

 

尻尾で良守の頭をはたく。

 

ネオディケイドカブト「しかし、頭がどこから来るかだ・・・。カブトのクロックアップは周りが止まっているかのように見えるほどの時間干渉の超高速移動だけどな。」

 

時音「カブトのクロップアップ・・・周りが止まっているかのように見えるほどの時間干渉の超高速移動・・・。でも、奴の頭が視認しづらいんですね。」

 

ネオディケイドカブト「まあな・・・」

 

良守「でも、そのカードやってみるのありだろう!?」

 

ネオディケイドカブト「だな。」

 

良守と時音は走り出し、カードを引き抜き、ドライバーに装填。

 

ネオディケイドライバー「アタックライド クロックアップ」

 

突如空中を含む周りが超スローモーション状態になる。

 

ネオディケイドカブト「これで分かるだろ。」

 

すると、オーラに包まれた一つが飛んで来た。

 

地面でバウンドし、空中へ。

 

ネオディケイドカブト「良し。」

 

ネオディケイドカブトはカブトクナイガン・ガンモードを構え、光弾を発射し、触覚のある頭に命中したが、弾かれた。

 

ネオディケイドカブト「あのスピード回転で、光弾を弾いたのか・・・。」

 

クロックオーバーし、すぐ後に限が飛んできて、頭を切り裂くと、着地。

 

分散していた残りのボディも消滅。

 

ネオディケイドカブト「限・・・。」

 

良守「志々尾!!」

 

志々尾は去って行こうとした。

 

良守「待てよ!おい!?」

 

限「解任まではちゃんと務める・・・。ディケイド 一応そいつの面倒も頼む。」

 

限は跳び去る。

 

ネオディケイドカブトはネオディケイドに戻る。

 

ネオディケイド「行っちまったよ・・・。」

 

時音「会った頃の限に逆戻りね。」

 

京一が校舎の屋上より様子を見ていた。

 

京一「仕事には出て来ましたが、補佐役として協力する様子はありません。任務に支障が出る前に交代させた方が・・・。はい、もちろん徹底的に

痛めつけましたから。頭領の弟さんにも偉く嫌われてました。」

 

正守「ハッハッハ。今さら文句を言うなよ。俺はお前より、年の分だけ知恵が回るのさ。」

 

京一「構いません。俺、志々尾の事 実際大嫌いですから。だから、あいつの監視役に俺が適任なんです。」

 

正守「とりあえず監視は継続してくれ。限には厳しく当たって構わない。それと、仮面ライダーディケイドの方だがね。」

 

京一「ええ。見てましたよ。ピンク髪の少女が腰のドライバーにカードを装填し、仮面の鎧に変わって、また姿が別の仮面ライダー、カブトムシみたくなって、カード効果で妖の頭をスピードで光弾を撃ちましたが、回転スピードに弾かれましたけど。」

 

正守「光弾がスピード回転に弾かれたのかい。うん。仮面ライダーディケイド、今のはカブトというライダーか・・・。カードごとに別のライダーになり、武器だったり、戦闘スタイルを変えつつみたいだし。」

 

京一「状況によって、対処も頑張るみたいですね。」

 

正守「別の冒険先の世界への旅立ちまで、しばらくは良守のサポートもよろしくって言ってあるしね。」

 

京一「みたいですね・・・。」

 

正守「じゃ。」

 

通話を切る。

 

正守「さて、次は良守だな・・・。」

 

ネオディケイドは変身を解いた。

 

時音「あたしだって、限くんがこのまま烏森にいてほしいけど。美姫さんは?」

 

美姫「さァ・・・」

 

良守「俺はあいつに居て欲しいって訳じゃないけど。」

 

斑尾「おや、強がっちゃって・・・何だかんだ言ってあいつを気に入ってたくせに。」

 

良守「うるせェ。俺はあいつに借りがあんだよ。借りはきっちり返してェんだ!」

 

斑尾「借りねェ。」

 

美姫「借りですか・・・。」

 

良守「なのにさ、なんかあいつ、帰る気マンマンって言うか。塩らしいっていうか。なんていうか・・・任務投げ出す気はないとか言っといて。もっと抵抗すりゃいいのに。」

 

時音「・・・そうだね・・・。」

 

良守「あの夜行の檜葉って奴、志々尾の事色々言ってたよな?姉をどうとか、家族がどうとかってさ。俺あれが気になって・・・一体何があったんだろうってさァ。」

 

時音「そりゃあたしだって気になるけど。」

 

美姫「私もですね。」

 

時音「だからって限が話してくれる訳ないし。」

 

良守「他の誰かに聞くって言っても。あいつの事を知ってる奴なんて・・・はっ!!」

 

脳裏に浮かび上がる兄・正守の顔。

 

美姫「正守さんは知ってそうですね。裏会の頭領ですし。」

 

時音「確かにそうですね。限くんには何だか気持ちが伝わらないのよね。壁みたいなものがあって弾かれちゃう感じがする。」

 

良守「壁はあっても協力は必要だと思う。その壁、何なのか知んねェけど。」

 

良守は立ち上がる。

 

良守「俺、兄貴に聞いてみるよ。」

 

時音「良守、あんた・・・。」

 

美姫「私もその件に付き合いますか?」

 

良守「ああ。」

 

それから、翌日の夕方。

 

美姫は修史の手伝いをしていた。

 

良守「父さん、あのさァ。う~~ん。」

 

修史「何だい?良守。」

 

良守「あれ、教えてくれる?」

 

修史「あれって?」

 

良守「携帯・・・兄貴の・・・」

 

美姫「正守さんに聞いてみるんですね。」

 

良守は用紙を受け取り、美姫も共にする事に。

 

良守は用紙を眺めたまま、動かない。

 

美姫「良守くん かけないのですか?」

 

良守「ああくそォ!!壁越えるのも楽じゃないっすよ。」

 

良守は受話器を取り、ボタンを押して、正守に連絡を取る。

 

良守「あの~、俺ー」

 

受話器〈ただいな、電話に出る事が出来ません。メッセージをどうぞ。ピーー〉

 

良守「このクソ兄貴ィィ!!」

 

正守「酷いなァ。クソ兄貴なんて。」

 

良守「うわあァァァ!?」

 

美姫「正守さん!?」

 

良守「て、て、てめェ!!何でここにいるー!?」

 

正守「何でってここ俺ん家だろ。」

 

利守「正兄ィ!!お父さん!正兄ィだよ!正兄ィが帰って来たよ!!」

 

修史「ん?」

 

利守「お帰りなさい正兄ィ。」

 

修史「正守どうしたんだい?急に。」

 

正守「あっはは。急に父さん、それと美姫さんの手料理が食べたいなって思ってさ。」

 

美姫「あらァ・・・。料理は私でも頑張ってるほうですが。」

 

正守「なーんだ。それならそうと電話してくれれば良かったのに。」

 

正守「ただいま帰りました。おじいさん。」

 

繁じい「うん。よく帰った・・・。後で話がある。」

 

正守「はい・・・」

 

一同は居間の方へ。

 

利守「うわぁ!!天ぷらだ!!」

 

修史「美姫さんも多少の手伝いはしてくれたさ。」

 

美姫「はい。」

 

繁じい「ではいただきます。」

 

良守達「「「「「いただきます!」」」」」

 

繁じいはエビフライを食べる。

 

繁じい「う~ん!!こーのサクサク加減と言い!エビのおぼり具合といい!こーりゃ絶品じゃ。修史さん!!」

 

修史「そうですか?いやあ嬉しいなァ。美姫さんの手伝いも多少あったからだと思いますが。」

 

利守「僕えび天だーい好き。美姫お姉ちゃんの真心こもった手伝いもあったし。」

 

美姫「ありがとうございます。」

 

良守「お前連続えび天じゃねェか。いも食えいも。」

 

利守「良兄だって。えびばっかじゃないか。」

 

良守「兄貴に譲ろうって気はねェのか!?」

 

美姫「二人共!!」

 

繁じい「やかましい!!静かに食わんか!?」

 

修史「帰るって分かっていれば、正守の好物作ったんだけど。」

 

正守「いきなり帰ってきて、ごちそうが食べられて嬉しいよ。あっちの食事は質素だから。」

 

美姫「ちゃんと食べてるのですか?」

 

修史「痩せてるんじゃないかな?」

 

修史「そうかな?変わらないと思うけど。」

 

良守(ヤな所も全然変わんねえよ。)

 

美姫「こちらも食べていただけます?」

 

修史「美姫さん ありがとうございます。」

 

修史「そういえば良守 志々尾くんはいつ夕飯に来てくれるのかな?」

 

良守「はっ!?」

 

修史「誘っておいでよ。正守も来てるし。ご飯食べたらおいしいよ。」

 

正守「そうだね。それはいい。」

 

美姫「ですね。」

 

良守(おい。今は志々尾と楽しくメシが食える状況じゃねェだろ!)

 

正守「フッ。」

 

良守(俺やっぱ壁を作る。)

 

繁じいと正守はある一室にて向かい合う。

 

繁じい「裏会の幹部になったそうじゃな?」

 

正守「はい。十二人会の第七客に。」

 

繁じい「深入りはするなと言ったはずじゃが、これもお前の距離の置き方か?」

 

正守「距離は置いてます。心の中では充分に。」

 

繁じい「屁理屈を言うな。お前は自分が何をしているか分かっとるのか!?」

 

正守「分かってるつもりです。」

 

繁じい「黙れ!ワシをたばかりおって!!大体ワシに断りもなく人を補佐役に送り込んで烏森を汚す気か!?」

 

正守「烏森をしっかり守らないと、幹部としての地位が危うくなるんですよ。」

 

繁じい「上等じゃァ!さっさと幹部などクビになってしまえ。」

 

正守「裏会はいずれ烏森を自分達の手中に収めるつもりでしょう。その動向を探るには十二人会に近づく必要があります。」

 

繁じい「ん?」

 

正守「おじいさんだって、うすうす感づいていたはずです。だから俺に、裏会に深入りするなって言ったんでしょう?」

 

繁じい「そうじゃ。深入りするなって言ったんじゃ。間諜の真似事をしろなどと言った覚えはないわ。」

 

正守「間諜なんて白ですよ。せめてスパイとかいってください。」

 

繁じい「話をはぐらかすでない!」

 

正守「言いつけを守らなかったのは謝ります。でも、これが俺の烏森を守るやり方です。分かってください。」

 

繁じい「ホントにその為だけか?お前は一体何を考えておる?」

 

正守「・・・何も。」

 

繁じい「・・・死ぬぞ。正守。」

 

正守「おれは正統継承者じゃありません。烏森に縛られることもないし、課せられた使命もない。だからこうして、命も張れる・・・。」

 

繁じい「正守・・・」

 

正守は立ち上がる。

 

正守「俺は適任者って事ですよ。」

 

正守は部屋を出る。

 

美姫と修史は洗い物をしていた。

 

良守「父さん。兄貴は?」

 

修史「正守?自分の部屋じゃないかい?」

 

良守は部屋のふすまでたじろぐ。

 

正守「何だ良守。さっきから何やってるんだお前。」

 

良守「何って。」

 

正守「俺に何か用か?」

 

良守「あるか!!んなもん!!」

 

正守「へぇ。クソ兄貴に電話してたくせに。」

 

携帯を出して、録音音声を再生。

 

携帯「このクソ兄貴!!」

 

良守「ああ~~~。あれは呪いの電話だ!!」

 

正守「限の事か?美姫さんも一緒でいいんだぞ。」

 

良守「呼んでくる・・・。」

 

良守はキッチンにいた美姫を呼んでくる。

 

美姫「良守くん。」

 

良守「兄貴が呼んでる。」

 

美姫「正守さんが?」

 

良守「志々尾の事で、俺も一緒だから。」

 

美姫「はい。」

 

そして3人は一室にて。

 

良守「だから、今帰られるの困るんだよ。」

 

正守「ん?」

 

良守「大した借りじゃねェよ!吹けば飛ぶような借りさ。でも、あいつのお陰で少し命拾いしたのは事実だから。」

 

正守「あ~ん まァ考えておくよ。それだけ?」

 

良守「い、いやあ・・・」

 

美姫「私も共にいるとはいえ、志々尾くんも補佐ととして任務は頑張ってるんでしょ?」

 

良守「ああ まァ。だから、あのさ 夜行に檜葉って奴いんだろ?志々尾の監視役だっていう。」

 

正守「ああ。」

 

良守「あいつがさ 志々尾の事色々言って、実の姉をどうのとか。家族に捨てられたとか。」

 

美姫「言ってましたね。」

 

正守「その話か。」

 

良守「やっぱり知ってるんだな。兄貴。一体どういう事なんだ。志々尾は何やったんだよ?」

 

美姫「確かに私も気になりますね。」

 

正守「知ってどうする?美姫さんもですが・・・」

 

良守「どうするって、分かんねえけど・・・」

 

美姫「私も今の所は・・・」

 

正守「では言えんな・・・。」

 

良守「何でだよ?」

 

正守「その程度の覚悟では、他人の重荷を背負うほど到底出来ない。」

 

良守「そんなの兄貴が決めることかよ!?」

 

美姫「正守さん・・・」

 

良守「あいつ俺を見ないんだ。目も合わせないし、耳も貸さない。美姫さんの事も見ないぜ。目を会わせねェだろう。こんなの我慢できるかよ!!」

 

正守「ガキの癇癪だな。」

 

良守「違う。俺は・・・あいつの周りにはさ、結界みたいな壁があるんだよ。あれがある限り志々尾は俺たちを仲間だなんて思わねェ。だから、俺はそれをぶち壊したいんだ。」

 

正守「限の過去を知れば、その壁を突き崩せるとでも言うのか?」

 

良守「そんなもん分かんねえよ!分かんねえモンは分かんねえんだよ!分かんなきゃ聞いちゃいけねェのかよ!?」

 

美姫「それもそうです。」

 

正守「お前、無茶苦茶だな。」

 

良守「悪いかよ!?」

 

正守「落ち着け。」

 

良守「もういい。」

 

良守は立ち上がる。

 

美姫「良守くん。」

 

正守「まァ待て、座れ。」

 

良守「ヤダね。どうせ説教だろ。」

 

正守「そうじゃない。長い話になるからだ。」

 

良守「えっ!?」

 

美姫「では、正守さん・・・」

 

正守「美姫さん あなたもいいですか。」

 

美姫「・・・はい。」

 

正守「限は、実の姉を殺しかけたんだ・・・。」

 

良守「・・・!?」

 

美姫「・・・え!?」

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