感想が届くたびにとても嬉しくなります。
感想の中にあったガンダムSEEDの設定と本小説の齟齬(ビームサーベルの鍔迫り合いなど)は度々修正していきますので、これからも感想を送って下さると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
※文章が途切れていると指摘を受けましたので上げなおしています。
「クルーゼ隊、イザーク・ジュールです。今回はデュエルの回収ありがとうございます」
「あぁ、噂は聞いてるよ。連合軍のGを奪取した精鋭部隊だってね。そんな精鋭部隊の君が宇宙から落ちてくるなんて、随分無茶な攻勢を掛けたんじゃないのかい?」
風が吹くたびに砂が舞い目や口に入り不快な感じがする。
生物など生存できないのではないかと思うほどの一面の砂漠。
『アフリカ』
八大陸の一つであり、ザフトが支配する地域の一つ。俺はそのアフリカ方面軍に保護された。
地球降下の時・・・。
奇跡的にヴェサリウスに通信が届き、奇跡的にヴェサリウスからアフリカ方面軍に通信が届き、奇跡的に降下地点付近に部隊が展開しており、奇跡的にその部隊にディンが配備されていて空中キャッチされた。
小説やアニメなら「そんなご都合主義」と言われるような奇跡を積み重ねて俺は今この砂の大地に立っている。ていうか原作イザーク君は本当にどうやって地球に降下したんだ?
「君がクルーゼ隊に戻るまではバルトフェルド隊が面倒を見よう」
そうして俺を回収してくれたアフリカ方面軍の司令が目の前の男性『アンドリュー・バルトフェルド』、通称砂漠の虎だ。
「で、君達が追っていた足付きって奴はそんなに厄介な相手なのか?」
バルトフェルド隊長が興味深そうに聞いてくる。
「足付きに興味がおありで?」
「クルーゼがそこまで苦戦する相手だ、興味を持つのも当然だろう。それに・・・奴らは今アフリカの大地に降り立っているんだ。それはつまり我々の獲物ということだろう?」
そう言ってバルトフェルド隊長がニヤリと笑う。
「足付きは非常に厄介な相手です。特に搭載されているストライクというMSの性能はザフトのジンを大きく上回っています」
「だが宇宙と地上は違う。奴らには地上の戦いを教えてやるさ」
その言葉が自信の表れなのか油断なのかはわからないが、地上戦の経験もパイロットとしての実力も当然ながらバルトフェルド隊長の方が上だ。しかし原作ではそんなバルトフェルド隊長ですらキラに撃破されている。
「早速足付きに対し威力偵察をおこなう予定だ。それである程度相手の地上戦能力を測ることができる」
バルトフェルド隊の威力偵察。アークエンジェルがレジスタンスグループ『明けの砂漠』に接触するイベントだ。
「イザーク君、君の機体は現在整備中だから今はおとなしくしていてくれ。幸いGのデータは受け取っているから機体の整備は完璧におこなえるだろう。ただ、追加装備のアサルトなんたらは物がないから諦めてくれ」
デュエルは現在大気圏突入時に不具合が起きていないか精密検査中だ。ちなみにアサルトシュラウドは全損しました。まだ一回しか使用してないのに全損させるとかヴェサリウスの整備兵に殺されそう。
ていうか「おとなしくしていてくれ」って何!?別に地球に来てから何かした記憶はないんだけど。
バルトフェルドがクルーゼを信用していないっていう公式設定があったけど、もしかしてクルーゼ隊の俺も信用されていない感じですか?
「暫くはバナディーヤで宇宙での疲れを癒してくれ。旨いケバブの店を知っているんだ。ゆっくりするといい」
機体が整備中とはいえ随伴すらさせてもらえないとは、とことん信用されていないな。だが確かに地上戦の経験が全くない兵士など足手まといだ。・・・今はお客様扱いを受け入れよう。
俺はバルトフェルド隊の隊員が運転するジープに乗り込むとサングラスをかける。アフリカの太陽光は目に悪いとバルトフェルド隊長がくれたものだ。
俺は時折吹く熱い風と砂の不快感に顔を歪めつつ、バナディーヤに向かうのであった・・・。
というのが数日前の出来事である。
バナディーヤに着いた俺はすぐにクルーゼ隊に連絡を取った。するとクルーゼ隊はプラントに戻り休暇を取るというではないか。なのでこれ幸いと俺もバナディーヤで休暇を満喫することにした。
しかし戦闘中に地球に降下した関係で俺は今私服どころか制服すらない。だがノーマルスーツで街を歩き回る訳にもいかない。
そのことをバルトフェルド隊長に相談するとなんと俺に服を買ってくれた。サンキュー砂漠の虎!
「にしても傍から見ると随分浮かれた勘違い観光客だよなぁ俺」
青いアロハ、黄色の短パンにサンダル。頭にパナマハットな南国ファッションの俺。・・・なんでアロハ?
普通はハワイとかで着るやつだろこれ。
バルトフェルド隊長のファッションセンスが悪いのか、単にイジメられているのかどちらなのかと頭を悩ませながらカフェでコーヒーを飲む。今日はバルトフェルド隊長おすすめのケバブの店に連れて行ってくれるらしく、俺は集合時間までコーヒータイムを楽しんでいた。
ちなみにバルトフェルド隊はあの後アークエンジェルに対し威力偵察として夜襲を仕掛けたり、レジスタンスの街を焼いたり色々忙しい毎日だったらしい。
「やぁ、待たせてしまったかね?」
「お疲れ様ですバルトフェルド隊長。いえ、自分が早く来てしまっただけですのでお気になさらず」
丁度コーヒーを飲み終えたタイミングでバルトフェルド隊長がやって来る。
俺は立ち上がりバルトフェルド隊長と共にケバブの店に向け歩き始めた。ちなみに会計はバルトフェルド隊長が払ってくれた。ラッキー!
「今から行く店のケバブはヨーグルトソースが非常によく合うんだ」
「自分も何度かケバブを食べましたが、ケバブに合うのはチリソースではないでしょうか?」
「ケバブにチリソースなんて何を言ってるんだ。ケバブにはヨーグルトソースが常識だろう!イザーク君、君にはチリソースなどという邪道ではなく王道のヨーグルトソースを味わってほしい!」
バルトフェルド隊長はケバブにはヨーグルトソース派らしい。俺的にはチリソースの方が合うと考えているが、あまり深くこの話をするとヨーグルトソース派に強制改宗させられそうなので止めておこう。
「そうそう、これから行くケバブ屋には特別ゲストがいるから粗相のないようにな」
「ゲストですか?」
俺が聞き返すとバルトフェルド隊長はヤンチャな笑みを浮かべそれ以上は何も言わなかった。
まぁ見当はついている。多分恋人のアイシャさんを俺に紹介するのだろう。アイシャさんは妖艶な美女みたいな設定だったから、そんな恋人がいることを俺に自慢したいのだろう。バルトフェルド隊長は少年の心を忘れないを形にしたような人だからな。
しかしバルトフェルド隊長とバナディーヤの街を歩いている内に何か忘れているような・・・そんな気がしてきた。ガンダムSEEDなんて転生前にDVDで観たきりだ。ところどころ覚えていないこともあるが、何か大事なイベントを忘れている気がする。何だったかな?
そんな俺の疑問はすぐにケバブ屋で解決することになることを、俺はまだ知らなかった。